土地なしでもアパート経営はスタート可能です。土地なしの場合、土地と建物の代金がかかるため、資金は大きくなります。賃貸経営が成功しやすい土地選びが成功のカギになります。

  1. HOME4Uオーナーズ
  2. お役立ち情報
  3. 賃貸住宅の新規建築
  4. 土地なしからアパート経営を始める方法。資金・条件・注意点を解説

記事

更新日
2024.07.30
カテゴリ
記事, 賃貸住宅の新規建築

土地なしからアパート経営を始める方法。資金・条件・注意点を解説

土地なしからアパート経営を始める方法。資金・条件・注意点を解説

アパート経営には土地と建物の両方が必要ですが、現在、ご自分で所有する土地がない場合でも、アパート経営をスタートさせることはできます。

ただし、土地なしでスタートする場合は、土地をすでに持っている方と比較すると、土地代とアパート建築代金の両方が必要ですので、コストが大きくなります。

今回は、アパート経営を土地なしで始める方法や、メリット・デメリット以外にも、オーナーとなる方が準備するお金や、条件面などを、はじめての方でもわかるようにやさしく解説しています。

また、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」を使えば、あなたの土地に合った、建築費の見積もり、収支計画の無料診断が可能です。

大手10社の建築費収益プランを一括比較!
STEP1
STEP2
この記事のポイント まとめ

アパート経営を土地なしで始めるメリット・デメリットは?

アパート経営は土地がなくても始めることは可能です。メリットには2つ挙げられます。

  • 立地が選べる
  • 広さが選べる

また、デメリットには以下の3つが挙げられます。

  • 土地+建物とで、莫大な資金が必要になる
  • ローン審査に通らない可能性もある
  • 経営開始までに時間がかかる

詳しくは「土地なしでアパート経営をするメリット・デメリット」をご一読ください。

土地なしでアパート経営を始める条件は?

アパート経営を土地なしで始めるには以下のような条件が求められます。

  • 自己資金は初期費用総額の3割は確保する
  • 勤続年数が3年以上
  • 不動産や金融資産を持っている
  • 返済可能とする職業と年齢
  • 施工会社の質

これら条件について「「土地なしアパート経営」に必要なお金」「「土地なしアパート経営」をはじめるオーナーの条件」で解説しています。

土地なしでアパート経営を始める際に気をつけることは?

「土地なしアパート経営」では以下のような気をつけるべきことがあります。

  • 希望条件と妥協点を決めておく
  • エリアニーズをしっかりと調査する
  • 信頼のできるハウスメーカーや不動産会社のサポートを受ける

詳しくは「土地なしでアパート経営をスタートするときに気をつけること」をご確認ください。

1.土地なしでアパート経営をスタートさせる方法

今現在、ご自分で所有する土地がない状態から、アパート経営をスタートさせるには、これから購入する土地と、その土地に建てるアパートの両方を担保にして、金融機関からアパートローン融資を受けてスタートさせることになります。

土地と建物両方の金額が借入額になりますので、土地ありのアパート経営と比較すると、莫大な初期費用が必要になります。これらのローン返済原資は入居者からの家賃になりますが、返済額が大きいため、ローン完済までは、家賃収入からの手残りはほとんどないのが一般的です。

そのため、土地なしではじめるアパート経営は、空室が出にくく・家賃を高く設定できる土地選びが成否を分けることになります。

どのくらいの金額をローンで借りることになるのかは、土地を購入し、その土地に建築可能なアパートの部屋数と想定家賃などの目安を出して、はじめて具体的な金額がわかります。そのため、土地なしでのアパート経営をご検討の方は、まずは、アパートを建てるための土地探しをすることが先になります。

土地購入も含めてアパート経営について相談したい方は「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」を使えば、最大10社から初期費用を含めた収支プランが手に入れられます。

2.土地なしでアパート経営をするメリット・デメリット

本章では、土地なしでアパート経営を始める、メリットとデメリットをまとめています。

メリット
  • 立地が選べる
  • 土地の広さが選べる
デメリット
  • 土地+建物で莫大な資金が必要
  • ローン審査に通らないことがある
  • 経営開始まで時間がかかる

2-1.メリット

2-1-1.立地が選べる

土地なしではじめるアパート経営は、土地探しからスタートしますので、立地を自由に選べるというメリットがあります。

例えば、駅前の便利なエリア、商店街が有名なエリアなどの、生活者にとって便利で暮らしやすい、アパート経営のしやすい場所に限定して土地を探し、そこでアパート経営ができます。

このような利便性の高いエリアは、周辺より家賃設定が高めでも空室が出にくい傾向にあるため、アパート経営は成功しやすくなります。すでに土地のある方よりも「アパート経営を成功しやすい土地」を自由に選べる分、メリットが大きくなります。

2-1-2.土地の広さが選べる

希望する広さや土地条件が選べるのも、土地なしアパート経営のメリットです。例えば、ご自身が想定しているアパートの部屋数などに合わせて、必要な大きさと形状、条件の揃った土地から、希望するエリアを選ぶことができます。

土地には、どのくらいの広さ・高さの建物が建てられるかの条件があり、その条件内の建物しか建てることができません。例えば3階建て10室のアパート経営を希望していても、土地が2階建て6室までしか建てられない条件では、ご自分の予定している経営ができなくなってしまいます。

これは土地ありの方でも同じですので、ご所有の土地と希望する建築条件が合わない場合は、土地を買い直すことで、同じメリットを得ることができます。

2-2.デメリット

2-2-1.土地+建物とで、莫大な資金が必要になる

土地なしでスタートする場合は、土地とアパート建物の両方の費用が必要になりますので、アパート経営のための費用負担が大きくなります。ただし、金融機関に土地と建物両方を担保に入れて借入をしてからスタートしますので、全額をご自分で用意する必要はありません。

しかし、自己資金の準備は必要です。借入額は、土地と建物の総額の8割程度までの金額が融資額となるのが一般的です。そのため、自己資金の準備額は、土地と建物を入れた総額の2割の準備が必要になります。仮に、必要な金額が1億円であれば、2,000万円の自己資金が必要です。

<対策>
金融機関は、土地と建物の資産価値に加えて、アパート経営開始後の家賃収入も考慮に入れて融資額を決定します。

資産価値の高いエリアの土地は、その土地だけで高い資産価値がありますので、十分な借入ができる可能性が高くなります。

また、なるべく経営のしやすいエリアの土地購入をしておくことで、経営開始後、家賃を高く設定して返済負担を抑えることができます。

2-2-2.ローン審査に通らない可能性もある

アパート経営で借りるローンは「事業用」のローンであるため、金融機関では、借入をするご本人の年収・資産状況以外にも、経営計画の堅実性や妥当性を重要視します。

特にはじめてのアパート経営の場合は、借り入れる費用があまりにも大きいと、土地と建物を担保に入れてもローン審査が下りず、アパート経営が進まなくなることがあります。

<対策>
アパート経営の計画がある程度できた段階で、複数の融資先に事前相談に足を運び、経営計画と借入額とのバランスが適切かどうかは確認しておく必要があります。多くの場合、堅実性が伴っていない場合には、相談窓口でアドバイスがありますので、それに合わせて修正をします。

特に、はじめてのアパート経営を、土地なしでスタートする場合には、経営計画をしっかりと作り込み、長期にわたって収益を出し、安定的にローン返済ができるかを、何度もシミュレーション計算しておく必要があります。

また、希望する規模のアパート経営をするためには、先に条件の良いエリアに土地を買っておき、その土地でハードルの低い他の土地活用をして、アパート経営のための資金を作ってからスタートするなどの、中期的な戦略も検討してみてください。

このように、土地なしでアパート経営をするには、計画通りには進まないケースもあることを想定しておきます。また、税金対策などでアパート経営をご検討の場合にも、同じ理由から、早くから準備しておく必要があります。

2-2-3.経営開始まで時間がかかる

土地なしではじめるアパート経営は、経営開始までに時間がかかります。まずは土地探しからがスタートになりますが、アパート経営に適した土地で、さらに条件の良い土地はライバルも多く、すぐに見つかるとは限りません。

また、アパート建物の建築にかかる期間は、構造によっては半年以上かかることがあるため、仮に、土地探しから購入が半年で済んだとしても、アパート経営がスタートするのは、最短で1年後になります。

<対策>
土地なしではじめるアパート経営は、次のような流れになりますが、この中で、一番時間がかかるのは土地探しの時間です。

  • 購入する土地を探す(気に入った土地が見つかるまで)
  • 土地を買ってアパートを建築する(4か月~1年)
  • 竣工して経営開始

アパート経営にとっての土地が持つ条件とエリア条件は、そのまま、アパート経営の成否につながるほど重要なものですので、土地購入は慎重にする必要があります。

このような土地なしで始めるデメリットをカバーするためには、土地購入とアパート建築を分けて考える方法があります。

準備した自己資金で先に土地だけ購入しておき、その土地を主体にした経営計画・建築プラン・収支計画をじっくりと考えていきます。

この時間に半年以上かける予定であれば、その期間だけ、駐車場経営などの撤退しやすいタイプの土地活用をして、次のアパート経営で融資を受けるための、自己資金の準備することもできます。

また、ハウスメーカーや不動産会社も、すでに土地がある状態の方が、その土地を活かした適切なプラン提案がしやすくなります。「土地なし」→「土地あり」にしておくことで、複数の企業からの建築プラン提案も比較しやすくなります。

3.「土地なしアパート経営」に必要なお金

本章では、土地がない状態からアパート経営をスタートさせるために、どのような資金準備が必要なのかを、やさしくまとめています。

  1. 自己資金…総額の最低2割くらい
  2. 諸経費…総額の1割くらい
  3. 経営にかかる費用
  4. アパート建物の維持費

3-1.自己資金…総額の最低2割くらい

土地なしでアパート経営をスタートする場合、自己資金の準備は総額の2割くらいが必要です。1億円の総額であれば2,000万円になります。

以前は「フルローン」という、自己資金ゼロで融資の引き受けをする金融機関もあったのですが、2022年現在では、融資審査は厳しくなっています。

2割もの自己資金が必要な理由は、金融機関は土地と建物の資産価値を、市場価格ではなく路線価公示価格で割り出すためです。路線価は市場価格の80%くらいですので、担保に入れる土地と建物の資産評価が満額だとしても、市場価格の2割減となります。

金融機関は、万が一、ローン返済が滞った時には、担保にしている土地と建物を売却して融資額に充当しますので、この金額に足りる分までしか融資をしません。そのため、自己資金は、総額の最低2割を準備することになるのが一般的です。

参照:国税庁「路線価図・評価倍率表

3-2.諸費用…総額の1割くらい

諸費用とは、土地代金とアパート建築費以外でかかる、以下のような経費のことです。諸費用の合計金額は、総額の10%程度がめやすになります。

手付金など(必要な場合)

土地購入を先にした場合は、手付金が必要です。総額の10%程度を、売買契約をした時点で支払い、ローン審査が完了したら残金を支払います。

不動産取得税

不動産を新規に取得した際の、登記にかかる費用です。

登録免許税

不動産を取得した際に支払う税金です。

印紙税

契約書などに貼る収入印紙の代金です。

司法書士報酬

不動産登記などの諸手続きを代行してもらうための報酬です。

火災保険料

建物に対してオーナーがかける損害保険です。

金融機関 融資手数料

ローンを組む時に銀行に支払う事務手数料です。

抵当権設定費用

ローンを組む際に抵当権を設定するときの費用です。

諸費用の中には、現場で現金で支払いをするものもあるため、自己資金とは別枠で、ある程度の現金も準備をしておく必要があります。

具体的に諸費用がいくら必要になるのかは、建築総額がハッキリしないとわかりませんので、まずは土地を探し、その土地にあった建築プランを作ってもらうところからはじめてください。

3-3.経営にかかる費用

経営にかかる費用とは、アパートが完成した後、経営を問題なく行うために必要な、以下のような経費すべてのことです。ランニングコストとも言います。

光熱費

アパート共用部分に使う水道高熱費

火災・地震保険料

建物にかける損害保険費用

管理委託費

賃貸管理・建物管理の委託費用

税金

固定資産税・都市計画税・所得税など

修理修繕費

破損部分などの修繕にかかる費用

リフォーム費

室内のリフォームや、退去後のクロス張替えなどの原状回復費用

仲介手数料

入居者募集をしてくれた不動産会社への報酬

これらは基本的に、入居者からの家賃収入から差し引いて、経費として計上することになります。

3-4.アパート建物の維持費

建物の維持費とは、前項で解説した修理修繕・リフォームや原状回復などの費用とは違い、建物の経年劣化を抑え、アパートの資産価値を維持するための工事のことです。例えば、外壁の塗り替え、屋根の防水塗装など、アパート全体にかかる大がかりなものになります。

これらの費用は、家賃とは別に設定してある、共益費や修繕積立金などを使って、5~10年ごとに必要となった個所に行います。ただし、アパートの規模によっては共益費や積立金の設定をしないところもあり、その場合は、家賃収入からオーナーが積み立てて準備をしておく必要があります。

これらは、アパートの構造や規模、地域の習慣によっても違いがありますので、建築プランや収益プランの相談をする際に、ハウスメーカーや不動産会社の担当者に運営方法に関してよく相談をしておく必要があります。

4.「土地なしアパート経営」をはじめるオーナーの条件

本章では、土地なしの状態からアパート経営をスタートする際に、オーナーに求められる条件を、以下のようにカンタンにまとめています。

  1. 年収
  2. その他の資産
  3. 職業
  4. 年齢
  5. ハウスメーカーや施工会社の質

これらは主に、アパートローンを申請するときに、金融機関が見ている条件と同じになります。住宅ローンとは違い、アパートローンの返済原資は、アパート入居者からの家賃です。金融機関は、これから経営するアパート自体のポテンシャルをメインに見ています。

そのため、住宅ローンのような申込者個人の能力よりも、そのアパートがある場所とエリアニーズを見て、長期間にわたって良好な経営ができ、ローン完済ができるかを重要視している傾向があります。

4-1.年収

年収の高い低いではなく、主に勤続年数と勤務先の経営安定性が重要になります。金融機関は申し込み者の年収の部分を「ローン返済に支障が出た際に、毎月の給与から返済を続けていくことができるか」を基準に見ます。

そのため、原則として勤続年数が3年以上で、経営の安定した企業に勤めているほうが、良いと言えます。また、返済額が給与収入よりも多くなる経営計画の場合は、その他の資産が十分になるかを考慮します。

しかし、アパートローンのために、わざわざ勤務先を変える必要はありません。注意が必要なのは、ローン申請する本人が、3年以内の短期で転職を繰り返しているケースでは、たとえ年収が高くても「収入が不安定である」と判断され、融資が難しくなる可能性があります。

4-2.その他の資産

今回、経営をするアパートの土地建物以外に、どのような資産があるかを見ています。現金として持っていなくても、例えば、マイホーム・株式・国債・金などの現金化できる資産があれば、万が一の場合の返済能力が高いと判断されます。

4-3.職業

職業や職種そのものではなく、金融機関が独自に持つ判断基準をもとに判断する傾向にあります。

一般的に、医師・士業・大手企業役員(内資・外資)・大手企業社員(内資・外資)・中小企業・個人経営の順に社会的なポジションが高いと判断しています。

この判断基準のベースには、医師や士業には引退制度がないため、高齢になっても支払能力がある点が評価されています。大手企業の役員は、会社の経営の安定性、勤続年数の長さ、急な倒産やリストラが起きにくいと判断されるためです。

これらの基準は、申込をする金融機関によっても、担当者によっても少しずつ違いがあり、さらに、これから建てるアパートの経営計画も含めて、総合的に判断されます。

4-4.年齢

多くの金融機関では、ローン完済は75歳までが融資条件であるケースが多いことから、長期のローンを組む場合には、注意が必要です。

例えば、現在30歳の方が組む30年ローンは、60歳の定年時に完済が可能ですが、現在50歳の方の場合は融資条件である75歳までに完済できないことになります。

このように、年齢がローン審査のネックになる可能性があります。多くの場合、自己資金を多めに準備することで、返済期間を短く設定することが可能です。

5.「土地なしアパート経営」を成功に導く土地選びの4大条件

土地なしでアパート経営をする場合に、成功しやすい土地条件を4つにまとめました。まずは、土地探しをスタートして、以下の条件をクリアできる好条件の土地が見つかったら、本格的にアパート建築へ向けて、具体的な経営計画を立てることができるようになります。

現在、相続した土地などをお持ちで、アパート経営にはあまり適していない土地条件の場合にも参考にしていただけます。

  • 条件1 都市部の駅周辺エリア
  • 条件2 建築制限を確認する
  • 条件3 ワンルームタイプにする
  • 条件4 隣地購入を考える

5-1.条件1 都市部の駅周辺エリア

賃貸アパートやマンションは、都市部の駅周辺エリアに限定して探すようにします。駅周辺の賃貸住宅を借りる入居者は、その利便性に対して高い価値を感じていますので、周辺エリアに対して家賃設定が高くでも入居をしてくれます。

エリアや土地の条件は個人では変えられない部分が多いため、入居者にとっても、オーナーにとっても駅周辺エリアという「利便性の良さ」は、とても価値のあるものになります。

5-2.条件2 建築制限を確認する

土地には建築条件というものがあり、その土地に建ててよい建物と、広さ高さなどが法律で決められています。気に入った土地があっても、この制限によっては、建てられるアパートの規模が変わり、十分な居室数を確保できないことがありますので、建築制限は土地購入をする前に、慎重に確認しておく必要があります。

建築制限に関した条件には、建ぺい率や容積率、高さ制限と言ったものがあり、土地の資料にも数値で記載されています。しかし、はじめてのアパート経営をする方にとっては、その数字から、具体的にどのような規模のものが建てられるかまでを判断するのは難しいかと思います。

5-3.条件3 ワンルームタイプにする

アパート経営をする際の居室は、基本的に、ワンルームタイプで部屋数を確保します。エリアニーズにもよりますが、なるべく部屋数を取ることで、空室が起きた際のリスクを最小限にすることが目的です。例を出してみてみましょう。

例)毎月の家賃収入が120万円場合

  • ワンルームタイプ10室 12万円×10室=120万円
  • ファミリータイプ4室 30万円×4室=120万円

空室が1部屋発生した場合

  • ワンルームタイプ:空室リスクは家賃収入の10% 10万円
  • ファミリータイプ:空室リスクは家賃収入の25% 30万円

上記例のように、全10室のワンルームタイプと、全4室のファミリータイプであれば、1部屋が空室になった場合には、ワンルームタイプであれば1/10のリスクで済みますが、ファミリータイプであると1/4のリスクとなります。

土地なしでスタートするアパート経営の場合、毎月の家賃収入は、ローン完済するまでは全額を返済に充当することが多いため、万が一、ファミリータイプで空室が出た場合は、30万円分の不足分を、入居者が決まるまでの間、アパートオーナーが自腹で補填することになります。

出来るだけリスクを避けた経営をするためには、部屋数を多くとることが大切になります。

5-4.条件4 隣地購入を考える

現在ご所有の土地がある方は、隣地を購入することで、より採算のとりやすいアパート経営になる可能性があります。現在の土地の広さが足りない場合や、不整形地なため、アパート経営を進めてよいものかどうか迷っている場合は、隣地購入もご検討ください。

隣地購入

隣地とは、上のイラストのような、土地の4面に対し、道路以外の隣接する土地(家)のことです。

上記のような隣接する土地を購入することで、アパート経営に向いた土地の形状になるだけではなく、ケースによっては容積率や建ぺい率なども上がり、当初の予定よりも規模の大きなアパートやマンション建築ができるようになる可能性もあります。

まずは、隣地を購入した場合の建築プランを作り、そのうえで、土地購入をしても採算がとれるアパート経営ができるのであれば、打診をしてみる価値が大いにあります。

仮に、隣地には土地家屋があり、お隣さんが住んでいるケースであっても、隣地の所有者に土地売却の意志があるかどうかは、聞いてみないとわかりません。

隣地を購入する場合は、ご自分がその土地を買うことで得られるメリット分を上乗せする形で金額を決定すれば、隣地の方も、本来の資産価値よりも高い金額で売れることになりますので、前向きに検討してくれる傾向にあります。

隣地購入を前提としている(将来的に土地を保有する予定がある)のであれば、土地がない場合と比較して、ハウスメーカーや不動産会社も具体的な建築プランを提示することができます。

その際は複数の企業を比較し、最も納得のいく会社からプラン選定をするのが定石です。
企業によって得意な建築物も異なるので、ぜひご希望の条件をお聞かせください。

HOME4U オーナーズ」では、購入予定の土地があるエリアなどの簡単な質問に答えていくだけで、アパート経営に信頼と実績のある企業最大10社から、建築費・収益シミュレーションが含まれた「建築プラン」を取り寄せることができます。

6.土地なしでアパート経営をスタートするときに気をつけること

本章では、土地なしでアパート経営をはじめるときに、気をつけておいた方がよいことを、3つにまとめています。

  1. 希望条件と妥協点を決めておく
  2. エリアニーズをしっかりと調査する
  3. 信頼のできるハウスメーカーや不動産会社のサポートを受ける

6-1.希望条件と妥協点を決めておく

土地なしでのアパート経営をする場合、最初にやるべきことは、土地探しです。しかし、自由に選べる分、条件の良い魅力的な土地に目移りしてしまい、なかなか決められなくなることがあります。

条件の整った土地は高額ですので、あまり土地にばかり大金をつぎ込んでしまうと、アパート建築のための資金調達が難しくなることもあります。その結果、せっかく立地が良くても、住み心地のあまり良く無い居室となり、かえって空室リスクが上がる可能性もあります。

土地は、経営計画や返済計画を何度もシミュレーション計算し、家賃収入と返済バランスが取れる、ほどほどのところで決める必要があります。

また、ハウスメーカーや不動産会社などの、不動産とアパート経営のプロフェッショナルとも相談しながら決めていくようにしてください。

6-2.エリアニーズをしっかりと調査する

土地探しの際は、土地の条件だけではなく、その土地周辺のエリアニーズをしっかりと調査してください。
エリアニーズとは、その土地の周辺に住む人の傾向、集まっている企業の傾向、街に訪れる人たちの傾向などを含めた、エリア全体の市場調査のことです。

気になる土地をピックアップしたら、まずは、そのエリアや駅周辺をご自分の目でしっかりと確認し、ここにアパートを建てたらどうなるかなどを、ご自分でも確認してみることをおすすめします。

さらに、ハウスメーカーや不動産会社によるプロのマーケティングの力も借りて、より良い条件の土地を見つけるための手助けをしてもらいます。不動産のプロに手伝ってもらうことで、地域の開発情報や、今後の街づくり計画などの専門的な知見を得ることもでき、今後のアパート経営にも役立ちます。

6-3.信頼のできるハウスメーカーや不動産会社のサポートを受ける

土地を購入してアパート建築をすすめようとしても、建築をする会社が倒産をする・ずさんな工事をするなどで、アパート経営をスタートできない・経営後のトラブルが続くなどを避けるため、金融機関がローン申請時に、ハウスメーカーや施工会社の質を調査することがあります。

金融機関が見るハウスメーカーや施工会社の質とは、経営の質のことです。主に、工事請負をしてからアパートを完成させるまでの資金力と経営体力があるかをチェックしています。

これによって、建設途中で会社が倒産するなどでアパートが完成せず、入居者募集ができなくなる可能性を出来る限り回避しようとします。ハウスメーカーや施工会社の技術的な質に関しては、アパートオーナーになるご自身で、複数の建築プランや収支プランを比較しながら、判断していくことになります。

信頼できるハウスメーカーをお探しなら「HOME4U オーナーズ」をご活用ください。最大10社の建築プランを比較検討できます。


 

土地がない状態からアパート経営を始めるときには、まずは土地探しが必要です。アパート経営に向いている土地は、都心部の駅前というのが定番ですので、土地を自由に選べる「土地なしアパート経営」だからこそのメリットを最大限に活かしてください。

失敗のない土地選びには、複数の不動産会社やハウスメーカーからのプランを比較して、納得のいくパートナー企業を探し出し、一緒に土地探しからはじめるのがベストです。

不動産のプロフェッショナルと一緒であれば、土地を購入した後、すぐにアパート建築をするべきか、それとも、他の土地活用をしてタイミングを待つべきかなど、周辺エリアの情報や、不動産業界の動向などを踏まえて、総合的なアドバスをしてもらえます。


お気に入り
このページをシェアする

おすすめサービス

この記事のカテゴリトップへ

ご意見・ご要望

当サービスについてご意見・ご感想などお寄せください。サービス改善に役立ててまいります。

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.