相続税対策は不動産を活用して行うのが効果的です。不動産の相続税対策で失敗する理由と、不動産の分類分けや遺言状の作成など成功するための5つのポイントを解説します。

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公開日
2020年03月05日
変更日
2021/12/10
カテゴリ
記事, 大家さん向け, これから始める人向け, 税金・相続

不動産の相続税対策で失敗する理由|3つの対策と成功に導く5つのポイント

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不動産の相続税対策で失敗する理由|3つの対策と成功に導く5つのポイント

最適な相続税対策は、被相続人の資産構成や資産の内容、資産の規模、家族構成、職業、年齢等によって異なるため、状況に応じてオーダーメードで考える必要があります。

相続税対策は、1つだけ行えば良いというものではなく、複数の手法を組み合わせることも必要です。
また、被相続人が元気なうちから時間をかけて継続的に取り組むことが望ましいです。

相続税対策で重要なのは、不動産の活用です。不動産は節税効果や動かす金額が一番大きいため、上手く利用できれば効果も高まりますが、逆に使い方を誤ると失敗にもつながることになります。

そこでこの記事は、不動産による相続税対策が失敗する理由や成功するための5つのポイント、注意点について解説します。
不動産を活用して相続税対策をするのに必要な発想やテクニックが分かるようになりますので、お役立てください。

竹内英二

この記事を書いた専門家

(株)グロープロフィット 竹内 英二

不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。

1.「不動産で相続税対策」が最も効果的な理由

相続財産には現金や不動産、有価証券など様々なものがあります。そのうち不動産に関して、相続税の節税効果が高いと聞いたことがある方は多いでしょう。これは、相続財産の評価額は現金などが額面そのままになることに対し、土地は市場価格水準より2割ほども評価額の減額が見込め、建物に関しては5~3割ほどの評価額になることが理由 です。

相続税の計算では、路線価方式と倍率方式という独自に国が設定している土地の評価額を使用します。また、建物は固定資産税評価額と同額となり、建物購入金額の5~7割といわれています。

つまり、不動産の評価における優位性が、相続税対策、節税につながる仕組み です。

相続税の計算式のほか、土地活用での相続税対策方法を知りたい方はこちら

【不動産×相続税対策のすすめ】現金vs土地・建物、安くなる仕組みと計算方法を解説

2.相続税対策は「不動産」「生前贈与」「生命保険」が3本柱

相続税対策は、「不動産」での対策以外でも「生前贈与」「生命保険」の3つを駆使しながら、「節税」「納税」両方の対策を行っていくのが有効です。

節税だけでなく、納税の対策も必要なのは、相続税は現金納付が基本だからです。
まずは、「不動産」「生前贈与」「生命保険」の3つの方法について説明します。

不動産
不動産には、財産評価額を時価よりも低くしてくれるため、「節税」の効果があります。
特にアパートや店舗等の収益物件は評価額の減額効果が大きいため、相続税対策では土地活用や収益物件の購入を積極的に行うことがポイントです。
生前贈与
生前贈与には、「節税」と「納税」の2つの効果があります。
贈与は、財産を生前中に相続人に移転する行為ですので、相続財産を減らすことができ、節税ができます。
また、生前に収益物件を相続人となる予定の方に贈与することにより、相続人が賃料収入を得ることができ、納税資金を貯めることもできます。
生前贈与は、効果が出るまで時間がかかりますので、早めに実行していくことが大切です。
生命保険
生命保険には、大きな非課税枠が有ることから、「納税」の効果があります。
非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」です。
死亡保険金の額を非課税枠内に設定しておくと、その保険金を納税資金に充てることができます。

3. 不動産で相続税対策をする方法

不動産を活用した相続税対策には、具体的な方法がいくつかあります。この章で解説するのは以下の方法です。

誰が対策できる方法かも併せてご確認ください。

3-1.被相続人ができる対策:資産の組み換え

資産の組み換えは生前に相続税対策ができる方法です。相続税対策における資産の組み換えは、相続人への分割を容易にするためにとられることの多い手法ですが、不動産を活用する場合は以下のような手法がとられます。

収益物件を購入する手法は、現金よりも不動産の評価額のほうが低くなる仕組みを利用した対策です。複数人の相続人がいる場合には、計画的に人数に分配しやすい数の収益物件を購入することもあります。

所有の空き地などには賃貸アパートや賃貸マンションを建て貸家建付地とすると、土地の評価額が下がります。また、建築費用を生前に出すことで、相続財産を減らす効果もあるでしょう。

3-2.被相続人ができる対策:生前贈与

賃貸収入などを生む不動産を所有している場合は、暦年課税制度を利用して収益金を基礎控除額内で生前贈与することが相続税対策として有効です。また、賃貸物件の収益性が非常に高く将来的に相続財産が膨れ上がる可能性があるときは、相続時精算課税制度でその物件を贈与して、収益を得る人を替える方法も考えられます。

相続時精算課税制度を活用するには条件があります。20歳以上の子・孫に対して60歳以上の父母・祖父母からする贈与にのみ選択が可能です。

3-3.相続人ができる対策:小規模宅地等の特例の適用

事業用(不動産貸付事業も含む)の宅地などを相続した場合、小規模宅地等の特例が受けられる場合があります。小規模宅地等の特例は200平米を限度とする相続税の課税対象の不動産評価額が5割減額される制度です。

この制度は、相続開始より3年以内に事業用として供された土地は原則適用を受けらません。

4.不動産の相続税対策で失敗する理由

この章では、不動産の相続税対策で失敗する理由について解説します。

4-1.「投資家マインド」を持っていないため

資産家の相続税対策を見ていると、一つだけとても残念な点があります。
それは、相続税対策を行う方に「投資家マインド」を持っていない人が多いという点です。

相続税対策では、土地活用等を行って収益物件を持つことが相続税対策の一つになります。
収益物件を持つ行為そのものは、投資と同じです。しかしながら、相続税対策を行う方には、投資家と同じことを行っているにも関わらず、投資家では考えられないような収益性を踏まえない投資行動を行っていることが良くあります。

例えば、相続税対策を行う方は、投資家が絶対投資をしないようなエリアに平気でアパートを建てたりしています。
投資家が無理と判断するような土地でアパートを建てれば、アパート経営が上手く行かないのは当然です。
空室だらけでローンが返済できず、やむなく売却することになれば、自ら資産を目減りさせる対策をしていることになります。仮に持っている土地が不動産投資に向かない場合、投資家であれば良い立地に買い替えることを考えるはずです。
相続税対策で効果を得たいなら、投資家の視点に立って、今持っている土地が本当に不動産投資に値すべきかを考えることが必要になります。

4-2.分割対策を行っていないため

不動産は相続税対策として優れていますが、「分割しにくい」という大きな弱点があります。
不動産を使って相続税対策をしても、分割対策を行っていないと「争族」の原因となり失敗します。

相続財産の中に不動産が入っている限り、相続人に財産を平等に分けることは不可能と考えてください。
平等に分けることが無理であれば、「平等に分けやすい資産に変える」「遺言を残す」「似たような金額の不動産を複数持つ」等の対策が必要です。

また、分割対策は必ずしも平等にこだわる必要もありません。

生前のうち、子供たちに事情を話し、納得の上で資産を誰かに偏らせて分けることも立派な分割方法の一つです。
分割は難しい問題なので、被相続人となる方は一人で悩まず、相続人を交えて話し合うことが最適な解決手段です。相続人は子供といっても、もう立派な大人たちでしょうから、きちんと話して「大人」としての意見を聞いてみてください。

5.不動産の相続税対策で成功するための5つのポイント

今まで不動産の遺産相続対策で失敗するのはなぜかについて書いてきました。この章では成功するための5つのポイントについて解説します。

5-1.全員で相続の知識を共有する

相続税対策で重要なことは、まず家族全員で相続の知識を共有することです。
相続税対策は、相続人である配偶者はもちろん、子供たちのために行うものですので、本来なら相続人が一生懸命勉強すべきですが、実際に遺産相続の勉強をしている方はほとんどが被相続人となる側の方です。

被相続人と相続人との間に知識において大きな差があり、被相続人が完璧に相続税対策を行ったと思っていても、いざ相続が生じると何も分からない相続人が慌てふためきます。相続は、親子であるがゆえに話題にしにくい問題であり、お盆やお正月に子供たちが帰省してきても、結局、相続の話題に触れることなく終わってしまうことが多いです。
相続の知識を共有するには、まずは子供たちに当事者意識を持ってもらうことが必要となります。そして子供に当事者意識を持たせるには、本人の予想納税額を具体的に見せるのが一番効果的です。

納税額が1億円以上もあると、たいていの子供は驚きます。
会社員であれば考えられない金額ですし、自分の貯金では絶対に払えない金額なので、はじめて「これはマズイ」と気付くのです。

一度、当事者意識を持たせることができれば、相続の話題はしやすくなります。
子供でも兄弟・姉妹間で関心に温度差があるのは仕方ありませんが、1人でも理解を示してくれる子供がいれば、まずはその子供から現状を共有するようにしてください。
相続人である家族と相続について話せる環境を作ることが、相続税対策の第一歩となります。

5-2.不動産を所有・活用・物納・売却に分類する

資産家の方は不動産を複数持っていることが多いので、お持ちの不動産を所有・活用・物納・売却に分類することが必要です。
全てを相続させようとするのではなく、一族にとって大切な資産は残し、売却すべきものは生前に売却することも対策の一つです。保有している資産の中で一番立地の良い物件は、なんとか活用して資産を守るようにしてください。

また、不動産の中には、例外的に相続税評価額が時価よりも高くなってしまい、売却した方が相続税対策になるような資産もあります。
例えば、以下のような資産は、持っていると損をする不動産であるため、売却することをおススメします

  • 底地(借地権付きの土地)
  • 築年数の古い借地権付き建物
  • 利用価値の低い土地(例えば蛇のような形をした土地、極めて小さい土地等)

さらに、立地が悪い更地は、都市部の好立地の物件に買い替えて活用することをおススメします。
立地条件の悪いまま、無理矢理土地活用をしてしまうと、20~30年後に負の遺産になりかねません。
アパートローン残債が売却価格よりも高いオーバーローンの状態となっていれば、売るに売れず、負の遺産となってしまうこともあるのです。

相続税対策は、今持っている資産にこだわらず、資産を最適な形に組み替えることも行うようにしてください。

5-3.最適な土地活用を行う

残すべき資産は、最適な土地活用を行って資産を守ります
最適な土地活用は、素人判断すべきではないので、幅広くプロの意見を聞くことをおススメします。

例えば実際の土地活用には、たった15坪程度の土地で3階建ての鉄筋コンクリート造のマンションを建てて収益をあげているケースもあります。
普通なら15坪程度の土地の活用はお手上げと考えがちですが、普段から設計をやっている一級建築士にとっては十分に活用できる土地に見えるのです。

このように土地活用には、プロが見ないと思い浮かばない活用方法があります。
複数のプロに土地活用を考えてもらうには、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」が便利です。

HOME4U オーナーズ

HOME4U オーナーズ」は、国内の一流ハウスメーカーのうち、最大7社から無料で土地活用の提案を受けることができます。

国内トップクラスのハウスメーカーには、優秀な設計者がいますので、土地のポテンシャルを最大限に生かした建築プランの提案を受けることが可能です。
効果的な土地活用をいち早く知ることができますので、まずは「HOME4U オーナーズ」を利用して初期費用や収益計画を盛り込んだ活用プランの提案を受けるようにしてください。

5-4.収益力を上げる取り組みを行う

既に収益物件を持っている方は、収益力を上げる取組を行うことも効果的な対策です。
相続税対策も、攻めの投資をしない限り、資産は増えていきません。
守るだけでは資産は3代続きませんので、保有している収益物件は磨き上げることが必要です。

空室が目立つようになっている物件は、管理会社を切り替えて収益力を向上させるようにしてください。

具体的には「賃貸経営 HOME4U」を使うと、保有している物件に対して新たな管理の提案を受けることができます。
同じ物件でも、管理会社を変えるだけで、空室が埋まることはよくあります。
無料ででき、なおかつ、息の長い空室対策となりますので、ぜひ「賃貸経営 HOME4U」を使って管理会社の切り替えを検討してみてください。

賃貸経営 HOME4U

また、古い収益物件は、売却して築年数の新しい物件に買い替える対策も効果的です。
買い替えでの売却なら「不動産売却 HOME4U」の一括査定サービスを使うと、収益物件の取扱に慣れた不動産会社を見つけることができます。

不動産売却 HOME4U

収益物件に慣れている不動産会社は、良い物件情報をもっていますので、「不動産売却 HOME4U」で見つけた不動産会社に売却を依頼すると、必然的に良い物件に買い替えることが可能です。

管理会社の切替えや買い替えにより、物件の収益力を上げると、納税資金用に相続人に渡せる現金を増やすことができます。
納税資金も相続させることができれば、相続後、相続人が資産を売らずに済みますので、資産を守ることができるのです。

5-5.遺言書を書く

不動産を使って相続税対策をするのであれば、遺言書は必ず書くようにしてください。
遺言は、被相続人がこっそり1人で作成するイメージがありますが、相続税対策で有効なのは家族で話し合って遺言書にまとめる方法です。

被相続人が生前にまとめ役になって分割方法を決めておけば、揉めることが少ないです。
決った内容については、公正証書遺言で残しておくと間違いがありません。

遺言書には、遺産の分割を円満に解決する絶大なる力があり、不動産による相続税対策の弱点を補ってくれます。
遺言書は大変効果的ですので、ぜひ義務だと思って作るようにしてください。

不動産の相続についての知識を深めたい方はこちら

【節税対策】不動産の相続に必要な手続きの流れと必要書類

6.注意点は小手先のテクニックは使わないこと

不動産の相続税対策では、小手先のテクニックは使わないことが注意点となります。
税制の中には、必ず抜け道があり、そこを突いて相続税対策をする方がいます。
例えば、過去に会社経営をしている相続人が会社に自分の自宅を持たせ小規模宅地の特例を使うという抜け道行為が流行りましたが、今ではこのような節税行為はできません。

2021年時点では、これから恐らく使えなくなると予想される対策方法の一つに、「タワマン対策」があります。
タワーマンションの上層階は、時価と相続税評価額の乖離が大きいため、購入すると今のところ相続税の節税効果が高いです。しかしながら、国も既にタワマン対策に疑念を抱いており、遅かれ早かれ税制改正によってタワマン対策を封じ込めてくるものと予想されています。

相続税対策は、抜け道的な手段が広まると、それを禁止するイタチごっこがずっと続いています。
そのような対策はやったとしても無駄になる可能性がありますので、違和感を覚えたら必ず専門家にセカンドオピニオンを求め、軌道修正をするようにしてください。

まとめ

いかがでしたか。
相続税対策について解説してきました。

相続税対策では、「不動産」「生前贈与」「生命保険」の3つを駆使して「節税」と「納税」の対策を行います。

相続税対策で失敗しないためには、特に「投資家マインドを持つこと」と「分割対策を行うこと」の2つが必要です。

また、最適な土地活用のための5つのポイントの実践には、「HOME4U オーナーズ」でプロの提案をしっかり受けたり、「賃貸経営 HOME4U」で優良な管理会社を見つけたり、「不動産売却 HOME4U」で古い収益物件は上手に売却するといったコツがありました。
抜け道を突くような方法は利用せず、王道の相続税対策を行うことをおススメします。

この記事のポイント まとめ

不動産が相続税対策になる理由は?
不動産を活用すると相続税対策ができる理由は、相続税計算に使う不動産の評価額が実際の額よりも低く設定できることによります。現金や有価証券は額面そのままが課税対象となるのに対し、不動産は時価より2割から5割ほども減額された金額で課税されます。

詳しくは「1.「不動産で相続税対策」が最も効果的な理由」もご確認ください。

不動産で相続税対策をする方法は?
不動産を活用して相続税対策をするには以下のような3つの方法が挙げられます。

  • 資産の組み換え
  • 生前贈与
  • 小規模宅地等の特例の適用

ただし、小規模宅地等の特例の適用には細かい条件があります。詳しくは「3.不動産で相続税対策をする方法」で解説しています。

不動産の相続税対策で失敗する訳は?
不動産で相続税対策をしようとしても失敗に終わることもあります。原因には以下のようなことが挙げられます。

  • 投資家マインドの欠落
  • 分割対策をしていない

失敗原因については「4.不動産の相続税対策で失敗する理由」で詳しくご確認ください。

不動産で相続税対策をうまく進めるには?
不動産の活用でうまく相続税対策を進めるためには以下の5つのポイントを確認しておく必要があります。

  • 相続人、被相続人全員で相続の知識を共有
  • 不動産を所有、活用、物納、売却に分類
  • 最適な土地活用をする
  • 収益力を上げる取り組みを進める
  • 遺言書を書いておく

これらポイントを押さえて相続税対策をしっかりするために「5.不動産の相続税対策で成功するための5つのポイント」をご一読ください。

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