この記事の執筆者
この記事の執筆者
藤井健太郎
所属 株式会社UN 代表取締役
祖父母の代からの三代目大家。
14棟200戸を自主管理と委託管理で運営し、自ら原状回復工事やリフォームも行う。
数年前より物件分析、市場分析、月次、年次分析などを取り入れた賃貸経営にシフトし、キャッシュフローが改善し現在に至る
自主管理をされている大家さんで入居者の募集に悩まれている方は多いと思います。空室が発生すると大家さんの仕事や出費は増え、家賃収入は減ってしまいます。
私は単身向けの物件が多いので入退去の対応は年中ありますが、特に2月、3月は入退去が活発になり、その時期に入居者から電話がなると「退去連絡か?」「今月何件目だ?」と恐る恐る電話に出ています。
空室期間は家賃収入がなくなるため、できるだけ早く入居者を募集し、新たな入居者を確保しなければなりません。
空室対策は仲介店への営業やリフォーム、設備交換、広告宣伝費アップなどが挙げられますが、実は結構簡単なことで空室対策になる入居者募集の方法があるのでご紹介したいと思います。
①大家さん自身が入居者募集し客付けする
②仲介店や管理会社へ依頼する
自主管理大家さんの入居者募集方法は大きくわけて2つありますが、入居者募集はプロである仲介店や管理会社に依頼することをおすすめします。豊富なノウハウや経験をもとに、入居者募集、内見、申込、契約業務、鍵の引き渡しまでサポートしてくれます。
私は年に数件、入居者と直接やり取りし契約を締結しますが、私は基本的に「自主管理+仲介店客付け」です。もちろん仲介手数料は掛かりますが、内見や契約の面倒な業務を削減できますし、何より客付けの確率が大幅に上がることがメリットです。
近年、大家さん自らが入居者を募集できるサイトや媒体が増えてきています。ウチコミやエコーズ、ジモティーなどが有名です。
それらを私は使用しておりますが、客付けに関してはまだまだ実際の仲介店の方が成約の確率は高い状況です。もちろん上記のようなサービスの認知度は徐々に上がってきているので注視は必要です。
また、SNSを利用してご自身の物件をPRすることも最近は可能ですね。大家さん自身の入居者募集の選択肢は広がっています。私も今後はSNS活用を色々と検討しようと考えています。
退去から入居までの一般的な流れは以下ではないでしょうか。
①退去当日に立ち合いをして、室内の損傷状況を確認する。
②後日、内装業者と現地で原状回復工事をする手配し、工事内容や範囲、価格の打ち合わせをする。入居期間や損傷状況によってはリフォームやリノベーション工事も検討する。
③工事完了後、室内の写真撮影、賃料の設定、募集条件などを決めて仲介店に営業し、入居者を募集してもらう。
④仲介店より申し込みが入り、入居者の審査をする。
⑤審査通過後に賃貸借契約を締結する。
⑥入居者が引越しをして入居
この流れでは、特に2月、3月などの繁忙期に退去があった時だと、入居者獲得の機会損失になってしまう場合があります。
工事完了後に募集店に案内を開始していては、退去日から2週間程度かかってしまいます。通常、原状回復工事は手配から完了まで2週間ほどかかり、繁忙期だと3週間ほどかかってしまう恐れもあります。
さらには、リフォームの場合はもっと長く、1ヶ月くらい募集開始までの期間が空いてしまいます。そうこうしているうちに、繁忙期を過ぎてしまい、なかなか空室が決まらないというケースも良くあります。
それでは、私がやっている、できる限り機会損失を減らす入居者募集対応を紹介します。
①退去連絡(退去日1ヶ月前)
②入居期間や属性、前回の修繕状況などから原状回復工事の範囲や設備入替、リフォーム必要性を予測し必要に応じて業者を手配する。次の家賃設定、募集条件を決定し案内用の資料作成をする。
③次の家賃設定や募集条件を決定し、仲介店へ空室予定の部屋を営業し、入居者募集開始。
室内写真は前回のものを使用します。リフォームを行う場合は以前に他の部屋でやったリフォーム後の写真をイメージとして使用します。
(○○マンション303号室 3/〇退去予定 3/〇内覧可 3/〇入居可)
④3/〇の退去立合時に予測した原状回復工事の内容を擦り合わせ。可能なら内装業者立ち合いも当日するとより良いです。※私の場合は私自身で原状回復工事をするのでその場で判断し、そのまま着工することもあります。
⑤仲介店より申し込みが入り、入居者の審査をする。
⑥審査通過後に賃貸借契約を締結する。
⑦入居者が引越しをして入居
退去連絡は解約日の一ヶ月前なので、退去連絡を受けた日から解約精算、火災保険、保証会社への連絡等の手続きはもちろんですが、次の入居者募集を開始します。
この時点で入居者募集活動が一ヶ月早く始められます。自主管理の場合、募集を依頼しないとどこの仲介店も入居者募集をしてくれませんので、一日でも早く仲介店に空室の情報を共有し、入居者を募集して新たな入居者を確保しなければなりません。
原状回復工事中で内覧もできない状態でも、空室情報だけでも申込をもらったケースは何件もあります。また、原状回復工事中でも工事の合間で内覧をできる日を通知することで、部屋を見てもらう事は可能です。
以前、リフォーム中の部屋でも良いから内覧したいと仲介店から連絡が入り、私もその場で作業をしていたので立ち合い、内覧者に直接マンションのPRや部屋のイメージなどを伝え、さらには壁紙を内覧者と一緒に決めて申込をもらったこともあります。
入居者から退去の連絡が来た場合、素早い行動が重要です。
・退去連絡がきたらその日から入居者募集を開始する
・原状回復工事を最短で手配する
・客付けに強い不動産会社に入居者募集を委託する
・内覧可能日(開始日)と入居可能日を仲介店に周知する
・大家さん自ら入居者を募集できる様々なポータルサイトを活用する
物件の空室期間を最小限に抑えるため、入居者から退去の連絡がきたらすぐに仲介店へ入居者募集を依頼し、一日でも早く入居者を確保する行動をしていきましょう。お金も追加で掛からず、簡単に行動に移せるおすすめの入居者募集です。
この記事の執筆者
この記事の執筆者
藤井健太郎
所属 株式会社UN 代表取締役
祖父母の代からの三代目大家。
14棟200戸を自主管理と委託管理で運営し、自ら原状回復工事やリフォームも行う。
数年前より物件分析、市場分析、月次、年次分析などを取り入れた賃貸経営にシフトし、キャッシュフローが改善し現在に至る
3代目大家が教える自主管理の極意<失敗しないリフォームをするために>