空室改善コンサルタントの石川龍明先生に築古アパート・マンションの収益改善方法を語っていただきました。

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【プロがすすめる】築古アパートの収益改善の方法とは?

石川 龍明

この記事を書いた専門家

空室リスクコンサルタント石川 龍明

土地活用プレーイングマネージャー、賃貸に特価した上級コンサルを通して、資産の有効活用を多数手がけたノウハウを活かし、個人の資産形成に関する相談業務やセミナー等を全国で開催している。新賃貸の預言者HPにて情報発信中。

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【プロがすすめる】築古アパートの収益改善の方法とは?

横濱の桜木町と馬車道の間に新しく出来た商業ビル。
関内よりも桜木町の方が、元気が出てきたような気配の夜。
今宵はJAZZフレディ・ハバードの『OPEN SESAME』を聴きながら商業ビルのイタメシ屋さんでコラムを書いている。

横濱の街を歩いてみても、建て替え時期に来ているアパートメントはたくさんある。

そんなアパートメントの前に立ってみても半分以上空いている様子。
そして、その建物のメンテナンスもこれから大分お金が掛かりそうな気配。

大変だな…オーナーはこれからどうするのだろう?
今後、築古物件のオーナーが全員直面する問題だ。
今回のコラムでは、そういった築古物件のオーナーに向けた、「これからどうするか?」について語ろうと思う。

1.古いアパートメントを所有するオーナーが考える『ペイン(痛み)』とは?

1-1.世界のアパートメントの寿命

「平成30年度 住宅経済関連データ」国土交通省

上記のデータを見ると、日本の住宅は平均32.1年で建て替えられ、明らかに対応年数が住宅先進国に比べて短い。

日本が住宅先進国に遅れを取り「ストック型社会モデル」にならないのはいくつかの理由がある。

高度経済成長を契機に住宅は質でなく量を重視して住宅の性能が良く無いものが乱立した。
自ずと、寿命が短くなる結果を招いた。

また、バブル時代の頃から土地神話などと言われだし、建物の価値より土地の価値に重点を置くようになっていった。

その結果から日本の中古住宅のマーケットはいまだ確立されていない。
ニューヨークに行った時、友人の不動産エージェントに尋ねた事がある。
アメリカの中古住宅のマーケットはどのようになっているのか?

彼の答えは、
「アメリカの不動産マーケットは中古住宅のマーケットが80%、新築は20%」
だと言う。

彼の所見ではあるが、
「日本はその真逆の数値で、新築マーケットが80%、中古マーケットが20%くらいではないか」
とその違いを語るのだった。

※実際の新築・中古住宅の流通比率は以下の通りです。「平成30年度 住宅経済関連データ」国土交通省より

しかし、日本でも、新型コロナの影響で新築物件のモデルルームが一時どこも閉鎖していた。
そのため、中古住宅や中古分譲マンションがセンス良く再生リノベーションされている。

価値観や価格を上げて、高値でかなりの量が流通しているのだ。

日本でもヴィンテージ感を大切にする中古の流通が動き出したのかな?
それもセンスの良い若者たちから…非常に嬉しいことである。

New Normal時代は築古のアパートメントでも、スポットが当たる時代になるかも知れない。

では、築古アパートメントをどのように活かしていくか考えていこう。

1-2.築古アパートメントの6つの「ペイン(痛み)」

特に、「空室率上昇と家賃下落」、「キャッシュフローバランスの崩壊」件について、詳しく見ていこう。

1-2-1.空室率上昇と家賃下落

長くアパートメント経営を続けていると『空室問題』は避けられないものだ。

アパートメントは部屋が空かないことは絶対に無い。
たまに30年間満室の事業計画を出している会社もあるがそんな事はあり得ない。

現実は空室が出てしまい、中々入居者が入らないと家賃を下げ、それでも入らなければ家賃をまた下げる。

空室率が上がり、家賃は下落する。
これを賃貸経営の『家賃下落スパイラル』と僕たちはいう。

ここに入ってしまったアパートメントはラットレースのようになかなか抜けだせなくなるので、このコラムを読んで『家賃下落スパイラル』を回避するヒントにしてもらいたい。

1-2-2.キャッシュフローバランスの崩壊

新築を建てる時、またはその計画をしているときにはみんな『事業収支計画書』を穴が開くほど見るのだが、資産の組換えが必要になった築26年~30年のアパートメントオーナーは、この『事業収支計画書』を持っていない。

これでは空室率・家賃の下落率・アパートメントの体力測定等見ることが出来ないので、名寄帳(固定資産台帳)の確定申告の写しから資料を再度作って、このアパートメントの効果測定をすることが多いのが現実だ。

これをしないと家賃はちゃんと入っているのに手残り金が少なくなってきた時の判断が難しい。
これは、これからのコラムでも分かりやすく解説していこうと考えている。

土地やアパートメントは持っているだけでは資源だ。
そこに自分の智慧が加わって優良な資産になる。

現時点で、新築時の家賃から10%以上下がっている状況だったり、アパートメントの空室率が50%を超えていたりしたら注意信号だ。
専門家に相談してアパートメントの効果測定をしっかり行い、そのあとの資産の組換えまで海図を創ってほしい。

2.古いアパートメントの三つの出口

古いアパートメントを所有している人は家族信託等の特殊な例を除くと、3つの選択肢しかなく、いずれかの選択を迫られる事になる。

それは、「建て替え」・「リノベーション」・「売却」だ。
このことについて少し詳しく触れてみよう。

2-1.新築に建て替える

今ある築古のアパートメントを壊して新しいアパートメントを建て替える。

※鉄骨造に関しては、軽量鉄骨は木造、重量鉄骨はRCと同程度となる。

2-2.収益改善リノベーションをする

今ある築古のアパートメントを残してデザイン・間取り・設備・収納率・セキュリティ対策等を考え、収益改善リノベーションという方法を考える。

2-3.売却をする

このまま持っていても、自分も次世代も困ることになる。

現金にして、持っていてもよし、資産に組み換えをするのもよし、不動産の断捨離だ。

2-4.三つの出口のメリット・デメリット

さて、「建て替え」・「リノベーション」・「売却」のそれぞれのメリット・デメリットを考えてみよう。

メリット デメリット
建て替え
  • しがらみのない新しい企画ができる
  • 土地が資産に代わり、長期にわたって安定した収入が得られる
  • 節税効果がでる(相続税・固定資産税・都市計画税・所得税・住民税等)
  • 建築費が高額となる
  • 経営をしっかりやらないとクラッシュする
  • 築古になると空室問題や家賃下落問題を抱える
リノベーション
  • 建て替えより安価ででき工期も半分くらいで済む
  • 現状より家賃設定を上げられる(『家賃下落スパイラル』から抜け出せる)
  • 部屋の広さや天井・梁の高さは変えられない
  • ファイナンス関係(銀行融資)が難しい
  • 今、住んでいる入居者の退去対応
  • 工事中は今まで入っていた家賃が入らなくなる
売却
  • 現金化できる
  • 毎年かかっていた税金関係が軽減できる
  • 次の資産の組み換えの原資となる
  • 仲介手数料・譲渡所得税などの諸費用がかかる
  • すぐに売却できるかどうかはわからない
  • 売り急ぐと買い叩かれる(知識がないと安く売られてしまう)

3.まとめ

築古アパートメントの大家は、いずれ『資産の組み替え』を考える必要性に迫られる。

昔は『新築10年マジック』などと言われて、新築時から10年くらいはアパートメントは空かないと言われ続けてきた。

しかし最近では『新築5年プレミアム』と言われて、新築時から5年で空室が出てくるアパートメントも増えてきている。

そして一番怖いのは『何をやっても入らないアパートメント』というキーワードを耳にする。

この『何をやっても入らないアパートメント』はご想像どおり最後の切札となる、家賃を下げて、下げて、また下げても、入居者が入らない物件が今、新型コロナの影響も相俟って、たくさん出てきている状況だ。

バブルのころは経済不況の波が、不動産は3~4年目にあとからやってきた。
今回の新型コロナ不況はそんな形で不動産に現れて来るのだろうか?

そのようなことまで考えると、今すぐやらなくても良いのだが自分のアパートメントの将来を専門家に相談し、最善の選択ができる様に、準備しておく事が非常に重要である。

築古物件の専門相談サービスをご紹介します。まずは、相談する事から始めてみましょう!

「建て替え」・「リノベーション」・「売却」を自分のアパートメントに照らし合わせて、家族が幸せになるための時間とお金の自由を得るためにしっかり考えて頂けたらこのコラムも生かされる。

家族それぞれの年齢状況、所有不動産の状況、所有資産の状況等々、いろいろ考えると「建て替え」・「リノベーション」・「売却」の選択肢は、これでなくてはいけないというものはない。

それぞれの立場にあった方法を選べばよいと思う。
そして、その中に新しい考え方としてリノベーションも加えていただきたい。

今までの古いアパートメントのオーナーが次の一手を決断する方法は、「建て替え」or「売却」がほとんどだった。

なぜ、「リノベーション」という選択肢が、なかなか選ばれてこなかったか考えると、国の政策(スクラップ&ビルド・補助金制度等)や建て替えの方がやりやすく、また、契約金額も張るという点もあり、企業側にもメリットが大きいからではないだろうか。
勿論、建て替えが最善な選択のケースも多々ある。

そして、今まで中古の住宅がアメリカなどと違って、安易に思われる傾向が日本にはあった。

私もニューヨークや隣の街ブルックリンに行くのだが、築80年や100年のアパートメントはやはり立ち止まって見入ってしまう。

ブルックリンの代表的な間取りは、

などといい、ブルックリンでは家賃が高いので3畳くらいのベッドルームでも十分人気だし家賃も取れる。

これからもリモート社会が続けば、日本もこのような暮らしながら仕事をするスペースや趣味のスペースが小さくても取れている物件は人気が出るだろう。

しかし、日本はいまだに、4.5畳を切ると部屋とは認め無いなんていうことも言われている。

ここに『CHANGEはCHANCE』(チェンジはチャンス)となるチャンスが潜んでいる。

この新しい考え方となる収益改善リノベーションを新しい選択肢に加え、専門家に気軽に相談してほしい。

賃貸経営という荒波に漕ぎ出るオーナーの船(アパートメント)の海図と羅針盤の再構築のお役に立てると思うので、一度ゆっくりと自分のアパートメント経営を振り返り考えてみて欲しい。そして相談してみてはどうだろうか。

次回は収益改善リノベーションした作品をオーナー目線と入居者目線の双方向から成功事例としてお伝えしたいと思う。

それでは次回もお楽しみに…

「yosoro!」

この記事を書いた専門家

この記事を書いた専門家

石川 龍明

所属 横濱快適住環境研究所
職業 空室リスクコンサルタント

建設会社で土地活用プレーイングマネージャーとして、販売戸数を300戸から1800戸に伸ばす。その後、コンサルティング会社で賃貸に特価した上級コンサルを務め、賃貸市場を実践の現場で体感する。その期間を通して、長期にわたり資産の有効活用を多数手がけ、そこで蓄積されたノウハウを活かし、個人の資産形成に関する相談業務やセミナー等を全国で開催している。新賃貸の預言者HPにて情報発信中。

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