土地は所有するだけで、固定資産税や都市計画税などの維持費用が必要となります。土地に建物(空き家)があるとさらに負担は増えます。
一方で、土地の売却や有効活用など、状況に応じた対策を講じることで、維持費の負担を軽減できる可能性があります。本記事では、土地の維持費の内訳、そして所有者が選択可能な維持費軽減策について解説します。
- 固定資産税
- 都市計画税
- メンテナンス費用
- 建物(空き家)がある場合は保険料や建物固定資産税も
詳しくは1.土地を所有していると必要な維持費用にて解説しています。
- 売却する
- 借地事業で土地活用する
- 自身で土地活用をする
詳しくは2.土地の維持費の負担を減らす方法3選にて解説しています。
1.土地を所有していると必要な維持費用
土地を所有していると必要になる維持費用は次の4点です。
- 固定資産税
- 都市計画税
- メンテナンス費用
建物(空き家)がある場合は保険料や建物固定資産税も
それぞれの費用がどのような内容なのか、詳しく見てみましょう。
1-1.固定資産税
土地を所有していると、毎年固定資産税の納税義務が生じます。固定資産税は、土地や建物などの固定資産の価値(課税標準額)に基づいて計算される税金です。
固定資産の評価額である課税標準額は各自治体が算出し、これに標準税率である1.4%を掛けることで固定資産税の目安が分かります。
例えば、課税標準額が1,000万円の土地ならば、年間おおよそ14万円の固定資産税がかかります。
出典:“固定資産税・都市計画税(土地・家屋)”.東京都主税局.(参照2024-12-22)
ただし、市区町村によっては税率が異なる場合があるので注意が必要です。
住宅用地の場合には、特例措置を利用することで税負担の軽減が期待できます。
敷地面積200平米以下の小規模住宅用地であれば、固定資産税が6分の1に軽減されます。200平米を超える部分は3分の1に軽減されます。
1-2.都市計画税
都市計画税は、市街化区域内の土地を対象に課税される税金です。都市計画事業や土地区画整理事業などの費用に充てられ、より良い都市環境の整備に役立てられます。
都市計画税の標準的な税率は0.3%です。
都市計画税も自治体による課税標準額を基に割り出すことができ、1,000万円の土地ならば、年間3万円が課税されます。
出典:“固定資産税・都市計画税(土地・家屋)”.東京都主税局.(参照2024-12-22)
都市計画税も固定資産税と同様に住宅用地の場合には、軽減措置を受けられます。敷地面積200平米以下の小規模住宅用地であれば、都市計画税が3分の1に軽減されます。
200平米を超える部分は3分の2に軽減されます。
出典:“固定資産税・都市計画税(土地・家屋)”.東京都主税局.(参照2024-12-22)
ただし、市区町村によって税率や軽減措置の内容が異なる場合があります。
1-3.メンテナンス費用
土地を所有していると、固定資産税や都市計画税以外にも、メンテナンス費用がかかります。
土地のメンテナンス費用は、その土地の状態や広さによって大きく異なります。例えば、雑草が生い茂る土地であれば、定期的な除草費用が必要になります。
また、樹木が植わっている場合は、剪定(せんてい)や伐採が必要になることもあります。これらは自身での作業が難しい場合は、定期的に専門会社へ費用を支払い依頼する必要があります。
1-4.建物(空き家)がある場合は保険料や建物固定資産税も
土地に建物がある場合は、土地の維持費に加えて、建物の維持費も必要になります。
万が一、火災や地震などの災害が発生した場合に備え、保険に加入しておく必要があります。そのため、火災保険や地震保険などの保険料がかかります。また、建物にも固定資産税と都市計画税が課されます。
さらに、空き家の場合は、建物の老朽化を防ぐためのメンテナンス費用や清掃費用も必要になります。空き家の管理を怠ると、近隣住民に迷惑をかけるだけでなく、犯罪に利用されるリスクも高まります。
2.土地の維持費の負担を減らす方法3選
続いて土地の維持費の負担を減らす方法を次の通り3点紹介します。
- 売却する
- 借地事業で土地活用する
- 自身で土地活用をする
土地のままで保有するよりも、これらの方法により土地の維持費をなしに、あるいは軽減できます。それぞれ詳しく見てみましょう。
2-1.売却する
土地の維持費を減らす最も確実な方法は、土地そのものを売却することです。
売却によって、固定資産税や都市計画税、メンテナンス費用などの維持費が一切かからなくなります。また、土地の売却益を得られる可能性もあります。
なお、土地を売却する際には、不動産企業への仲介手数料や印紙税などの費用および、売却して利益が出た場合は、譲渡所得税がかかります。
ただし、所有している土地の特性などによっては将来の活用可能性があり、慎重に判断する必要があります。
2-2.借地事業で土地活用する
土地を保有しているものの、活用する予定がない場合は、借地事業を検討してみましょう。
借地事業とは、土地を第三者に貸し、地代を得る事業のことです。土地を貸すことで、固定資産税や都市計画税などの維持費を賄えるだけでなく、安定的な収入源を確保できます。
最大のメリットは、自身で設備投資をする必要がない点です。借地人が土地活用に必要な建物を建てたり、設備を整えたりするため、土地活用に掛かるコストを抑えられます。
2-3.自身で土地活用をする
土地を所有している場合、自身で土地活用を行うという方法もあります。
代表的なものはアパート経営やマンション経営です。賃貸住宅需要の高い地域であれば、安定した家賃収入が見込めます。
その他にも、初期費用を抑えたい場合は、駐車場経営や太陽光パネルの設置などが考えられます。近年では、収納スペースの需要増加に伴い、トランクルーム経営も注目されています。
自身で土地活用をする場合は、初期費用や運営の手間、リスクなどを考慮した上で、土地の特性や周辺環境に合った方法を選ぶ必要があります。専門家に相談することも有効な選択肢と言えるでしょう。
まとめ
土地は所有しているだけでも、固定資産税や都市計画税、メンテナンス費用など、さまざまな維持費が発生します。
維持費を減らすには、土地の売却、借地事業による土地活用、自身で土地活用を行うなどの方法があります。それぞれの方法にはメリットやデメリットがあり、土地の特性や所有者の状況によって最適な選択は異なります。
自身で最適な土地活用を実現する自信がない方は、専門家へ相談して、状況に合った対策を検討することも選択肢です。
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