
遊休地をビジネスに活用する方法はさまざまです。土地の広さや周辺環境、どのような人からの需要が見込まれるかによって、最適な活用方法は異なります。
遊休地に最適な建物を建てて運用すれば、土地という資産を有効活用できます。どのような形態を希望し、どの程度の収益性を求めているのかも踏まえて、ビジネスでの活用方法を考えましょう。
この記事では、遊休地のビジネス活用例を13種類解説します。
- アパート賃貸・マンション賃貸
- 戸建て賃貸
- オフィスビル
- 福祉・医療施設
- 商業施設(貸店舗)
- ホテル・旅館
詳しくは1.【高収益を得たい人向け】遊休地の活用方法6選にて解説しています。
- 駐車場・コインパーキング
- トランクルーム
- 太陽光発電
- 定期借地
- コインランドリー
- 貸倉庫・貸工場
- 土地信託
詳しくは2.【手間をかけずに土地を有効活用したい人向け】遊休地の活用方法7選にて解説しています。
1.【高収益を得たい人向け】遊休地の活用方法6選
まずは「高収益を得たい」と考えている人向けの活用方法についてです。
詳しい特徴やどんな人に向いているのかについて解説します。
1-1.アパート・マンション賃貸
向いている人の特徴 |
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アパートやマンション経営では、十分な入居者需要を見込めれば、長期的に安定して家賃収入を得られます。
ただし、築年数の経過や周辺環境の変化に伴って、空室リスクが高まる可能性がある点に注意が必要です。適正な家賃の水準を維持したり、必要に応じて設備を新しくしたりするなど、空室が生じないような工夫を施すとよいでしょう。
なお、必要な敷地面積については、アパート(2~3階建ての集合住宅)は165平米(約50坪)以上、マンション(3階建て以上の集合住宅)は330平米(約100坪)以上が目安です。
2-2.戸建て賃貸
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戸建て賃貸用の物件は、変形地や狭小地でも建築しやすいメリットがあります。土地に関する制約がアパートやマンションよりも緩やかで、公共交通機関からのアクセスがよくない土地でも活用できるでしょう。
3LDK以上の間取りになることが一般的なため、主にファミリー層がターゲットとなるでしょう。そのため、ファミリー層の賃貸需要があるエリアであれば、戸建て賃貸は有用な選択肢です。
2-3.オフィスビル
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オフィスビルは、居住用の建物と比べて高い賃料収入が見込めます。一方で、景気の影響を受けやすく、不況時には撤退する企業や店舗が増えるため、空室リスクが高まる点に注意が必要です。
2-4.福祉・医療施設
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小規模な福祉・医療施設であれば、狭い土地でも建築できます。一方で、大規模な施設を建築する場合は、目安として500平米(約150坪)以上の敷地面積が必要になります。
福祉・医療施設は、通常のオフィスビルと比較してテナントの安定性が高いメリットがあります。少子高齢化に伴って福祉施設や医療施設の需要が高まっていることから、安定した入居が期待できるでしょう。
2-5.商業施設
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商業施設の形態は、小規模店舗から大規模店舗までさまざまです。スーパーマーケットやショッピングモールのような大規模商業施設の場合は、事業用定期借地権を設定することもあります。
「建物賃貸方式」の場合、売上に応じて家賃が変わる変動型と、店舗ごと借り上げてもらい、毎月決まった家賃を収めてもらうリースバック型(一括借り上げ方式)の2パターンがあります。
商業施設としての土地利用は、高い収益を見込める一方で、景気変動の受けやすい点を押さえておきましょう。
2-6.ホテル・旅館
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ホテル・旅館経営は景気の影響を受けやすく、専門知識が求められる活用方法です。
出張のビジネスマンやインバウンドの観光客など、明確なターゲットを定め、想定どおりの利用者層を確保できれば、安定的かつ高収益が期待できるでしょう。
ただし、適当な換気・採光・照明・防湿及び排水設備の整備など、建物の基準に関して旅館業法を遵守する必要があります。
2.【手間をかけずに土地を有効活用したい人向け】遊休地の活用方法7選
続いて、「手間をかけずに土地を有効活用したい」と考えている方向けの活用方法を紹介します。
それぞれの特徴やメリットについて、詳しく見てみましょう。
3-1.駐車場・コインパーキング
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駐車場経営は初期投資が安く済み、狭い土地でも有効活用できる点がメリットです。都心では、車1~2台程度のスペースを活かしてコインパーキングを設置している場所も見られます。
1か月単位で賃貸される「月極駐車場」は、駅の近くや住宅地の近く、時間貸しの「コインパーキング」は駅の近くや商業地域・病院の近くなどが向いています。
3-2.トランクルーム
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トランクルームは住宅地にあることも多い倉庫のことで、小型のボックスを敷地内に複数設置して貸し出し、賃料収入を得る方法です。
事業主が事業で使用する物品を保管したり、個人が趣味用品を保管したりするためのスペースとして提供します。
3-3.太陽光発電
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太陽光発電は、更地や建物の屋根に設置したソーラーパネルを使って電力を発生させ、その電力を決められた価格で電力会社に買ってもらうビジネスモデルです。
国は、電力会社に対して電力を固定価格で一定期間買い取ることを義務付けています。
天候に左右されやすい側面があるため、日照時間が短いエリアや降水量が多いエリアは、発電力が少なく不利だといえます。また、ここ数年は国の買取価格が下降傾向にあるため、期待通りの収益を得られるとは限りません。
3-4.定期借地
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定期借地とは、決められた期間土地を貸して地代収入を得る活用方法です。定期借地には、以下の3つの形態があります。
一般定期借地権 | 利用用途はマンションなど。借地の存続期間は50年以上 |
建物譲渡特約付借地権 | 利用用途は倉庫・工場など。借地の存続期間は10年以上30年未満 |
事業用定期借地権 | 利用用途はコンビニ、飲食店、家電量販店などの商業施設。借地の存続期間は30年以上50年未満 |
「“定期借地権の解説”.国土交通省.(参照2024-12-11)」をもとに、HOME4 オーナーズが独自に作成
オーナーは、ただ「土地を貸すだけ」なので、手間がかかりません。
3-5.コインランドリー
向いている人の特徴 |
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コインランドリーは、洗濯機や乾燥機を設置し、利用料を得るビジネスモデルです。
比較的狭い敷地でも建物を建てやすく、コンビニやスーパーの近くなど、「ついでに行きやすい」場所であれば、利用者を確保しやすいでしょう。
3-6.貸倉庫・貸工場
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敷地に倉庫や工場を建設し、事業者に貸して賃料収入を得るビジネスモデルです。昨今はインターネット通販の需要拡大によって倉庫の需要が増えており、全国的な賃貸需要が見込めます。
貸倉庫・貸工場はアクセスが悪くても収益化しやすいメリットがある一方で、借り手はある程度限られます。また、用途地域の関係で、建てられる場所が限られる点には注意が必要です。
3-7.土地信託
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土地信託とは、信託会社に土地を預けて土地の運用そのものを任せる方法です。運用で得られた利益は、配当金という形で受け取ります。
土地活用を専門家に任せられるため、所有者の手間がかからないというメリットがあります。ただし、信託会社に手数料(信託報酬)を支払う必要がある点に注意しましょう。
まとめ
遊休地の有効活用方法には、さまざまな選択肢があります。とはいえ、土地の形状や周辺環境などからニーズを探るだけでなく、予算との折り合いもつけなければなりません。
土地活用を検討している方にとって、悩ましいポイントは多いでしょう。そこで、効果的な土地活用を実現するためにも、信頼できる土地活用専門会社に相談しましょう。
「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」なら、複数の建築会社から無料で土地活用プランの提案を受けられます。「自分だけでは最適な活用方法を判断できない」という方は、ぜひご利用ください。
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