「【基礎から解説】建て替え・リノベの基礎知識と判断基準」内の、「古い(築古)マンションをリノベーションする」ケースを想定した事例集です。マンションの老朽化対策を考える際、一般的に検討されるであろう問題や課題を、リノベーションを通じてどのように解決可能かを想定事例を通じて分かり易く理解していただけます。ケース毎に「リノベーションする事で発生するメリットやデメリット」「リノベーションするとどうなるのか」等も掲載し、リノベーション検討時に知りたい情報を取得し易く工夫しています。

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更新日
2023.06.28
カテゴリ
リフォーム

【想定事例集】「古い(築古)マンションをリノベーションする」事例5つ

【想定事例集】「古い(築古)マンションをリノベーションする」事例5つ

所有する古いマンションのリノベーションをめぐる想定事例集です。リノベーションのイメージが湧きやすい内容になっています。

1.経営するマンションのエントランスもリノベーションするケース

解決したい課題

建物から感じる古臭さをなるべく排除し、入居率を上げたい。

想定解決策

部屋だけではなくエントランスもリノベーションし、入居率アップ。

Before
before
After
after

<想定設定>
立地:千葉県柏駅から徒歩7分圏内
築年数:34年

【表 リノベーション前後マンション比較】
リノベーション前 リノベーション後
構造 鉄筋コンクリート造
延べ床面積 96坪
階数 4階建て
家賃 3.5万円(1K 16戸) 5万円(1K 16戸)
入居率 31% 93%
年間家賃収入(実質) 210万円 900万円

<想定費用>
立ち退き費用:約105万円
リノベーション費用:約3,800万円
合計:約3,905万円

費用について詳しく知りたい方はこちら
【徹底解説】古い(築古)マンションのリノベーション費用・相場と工事事例

リノベーションの業者・会社について詳しく知りたい方はこちら
【古いマンションのリノベーション】良い会社の選び方!【おすすめの会社も8社紹介】

リノベーションするメリット

  • エントランスのリノベーションでぱっと見のアピールがしやすくなる
  • 家賃をアップできる

リノベーションするデメリット

  • 新築物件の方が注目はされやすい
  • 大掛かりなリノベーションはそれなりにお金がかかる

リノベーションするとどうなる?

入居率が落ちてきている築古マンションは、部屋のリフォームだけでなくエントランス部分をリノベーションすると印象をグッと良くすることができます。

このケースでは、エントランスの古臭さをなるべく排除するようなリノベーションを施し、部屋の内装も変え古臭さを取り除くと想定します。
全体を綺麗な印象にすることで入居率と家賃を上げることができるでしょう。

デメリットとしてはこの場合入居者に立ち退いてもらい、リノベーションをするので立ち退き費用を考えなくてはいけません。

さらなる注意点として、どれだけリノベーションを施しても「新築」物件扱いにはならないという点があります。
入居者を集めるのに、周辺の競合となるマンションに新築がどれだけあるか調査することも重要です。

また、リノベーションは建て直しをするよりは安く済みますが施す箇所が多くなるほど高くなるので、どれくらい家賃や空室率を上げられるのか、よく計画を練るべきでしょう。

2.経営するマンションの古さを活かしたリノベーションをするケース

解決したい課題

親から相続した思い入れのあるマンションなのでいいところは残して蘇らせたい。

想定解決策

良いところを残したリノベーションをし、ビンテージ好きな人にアピールする。

Before
before
After
after

<想定設定>
立地:愛知県豊橋駅から徒歩15分圏内
構造:40年

【表 リノベーション前後マンション比較】
リノベーション前 リノベーション後
構造 鉄筋鉄骨コンクリート造
延べ床面積 180坪
階数 5階建て
家賃 4万円(1LDK 20戸) 5万円(1LDK 20戸)
入居率 25% 100%
年間家賃収入(実質) 240万円 1,200万円

<想定費用>
立ち退き費用:約120万円
リノベーション費用:約7,000万円
合計:7,120万円

費用について詳しく知りたい方はこちら
【徹底解説】古い(築古)マンションのリノベーション費用・相場と工事事例

リノベーションの業者・会社について詳しく知りたい方はこちら
【古いマンションのリノベーション】良い会社の選び方!【おすすめの会社も8社紹介】

リノベーションするメリット

  • 古くても良いところは残すことができる
  • 建て替えより費用がかからない

リノベーションするデメリット

  • 賃貸物件のリフォームローンは利用のハードルが高め
  • 全室リノベーションするのに立ち退きが必要になる

リノベーションするとどうなる?

駅から徒歩で少しかかる、昭和の雰囲気が残ったマンションに、古き良き感じを活かしたリノベーションをすることを想定します。

玄関やLDKの味のある部分をそのまま残し、壁紙や水回りを一新。
あえて古さを残すことで「新しさと古さの融合」を実現し、ビンテージやレトロが好きな層に訴えかける力のある「コンセプトマンション」として蘇らせることで入居率アップを狙います。

コンセプトへの評価次第では、家賃、収益のアップも期待できそうです。

デメリットとしては、取り壊して建て直すより費用は抑えられますが、新築マンションよりローンが組みにくい可能性があるので注意が必要です。

更に大規模なリノベーションでは住人の立ち退きも必要となってきます。立ち退き費用も計算に入れ、入居者とトラブルにならないよう気をつけましょう。

3.経営するマンションの外壁をリノベーションするケース

解決したい課題

周りに新築マンションが増えたためか入居率が上がらなくなってきた。

想定解決策

外観を今風にリノベーションし、おしゃれさを入居者へのアピールポイントとする。

Before
before
After
after

<想定設定>
立地:東京都国立駅から徒歩8分圏内
築年数:30年

【表 リノベーション前後マンション比較】
リノベーション前 リノベーション後
構造 鉄筋鉄骨コンクリート造
延べ床面積 120坪
階数 6階建て
家賃 8.5万円(2DK 30戸) 8.5万円(2DK 30戸)
入居率 50% 93%
年間家賃収入(実質) 1,530万円 2,856万円

<想定費用>
リノベーション費用:約500万円
合計:約500万円

費用について詳しく知りたい方はこちら
【徹底解説】古い(築古)マンションのリノベーション費用・相場と工事事例

リノベーションの業者・会社について詳しく知りたい方はこちら
【古いマンションのリノベーション】良い会社の選び方!【おすすめの会社も8社紹介】

リノベーションするメリット

  • 入居率を上げることができる
  • 外観だけなので立ち退きを気にする必要がない

リノベーションするデメリット

  • 軽いリノベーションで家賃を上げることはできない
  • いずれ内装のことも考えなくてはいけない

リノベーションするとどうなる?

都市部からそう離れていない、駅から徒歩圏内であるファミリータイプの古くなったマンションの外観を、人目を惹くようなおしゃれなものにリノベーションする想定事例です。

マンションの外観は入居率を大きく左右するので、人目を引くような外観にすることで問い合わせが増え、入居率が上がる可能性は大幅にあります。

今回想定のマンションは内観がまだ綺麗でそのまま使えるものとするため内観に手は加えません。
そのため現在住んでいる入居者の立ち退きは必要なく、比較的スムーズにリノベーションを完了することができるでしょう。

デメリットとして考えられるのは、このように外観だけリノベーションする場合、注目度が上がり入居率アップも期待できますが、家賃はそのままにするのが妥当だと考えた方が良いでしょう。

今回内装はそのままにしますが、次に空室率が目立つようになってきた時は内装のリノベーションや建て替えを考えなくてはいけない時になるので、これで終わりだということではないことを頭にいれておくのが賢明です。

4.最低限のリノベーションをするケース

解決したい課題

入居率や家賃は上げたいがなるべくお金をかけたくない。少しの修繕で改善できるならそうしたい。

想定解決策

空室の部屋から水回りのリノベーションを施し、家賃と入居率を上げる。

Before
before
After
after

<想定設定>
立地:宮崎県宮崎駅から徒歩20分圏内
築年数:39年

【表 リノベーション前後マンション比較】
リノベーション前 リノベーション後
構造 鉄筋コンクリート造
延べ床面積 108坪
階数 5階建て
家賃 3万円(1K 20戸) 3.5万円(1K 20戸)
入居率 30% 100%
年間家賃収入(実質) 216万円 840万円

<想定費用>
リノベーション費用:約2,400万円
合計:2,400万円

費用について詳しく知りたい方はこちら
【徹底解説】古い(築古)マンションのリノベーション費用・相場と工事事例

リノベーションの業者・会社について詳しく知りたい方はこちら
【古いマンションのリノベーション】良い会社の選び方!【おすすめの会社も8社紹介】

リノベーションするメリット

  • 入居率を上げることができる
  • 建て替えより費用がかからない

リノベーションするデメリット

  • 家賃を大幅に上げることは難しい
  • 新築ほど注目は集められない

リノベーションするとどうなる?

主要駅から少し離れた一人暮らし用マンションを想定します。

リノベーションが必要かどうかは周辺物件がどんな物件が多いか調査することも重要です。
新築物件が多いエリアにあるマンションである場合、リノベーションをするだけでは入居率を上げにくいですが、競合物件が比較的古いものが多ければ最低限のリフォームでも十分である可能性があります。

リノベーションのメリットとしては、建て替えるより費用がかかりにくいことですが、さらにお金をかけたくないというのであれば空室になっている場所からリフォームを施していくことも可能なので、入居者の立ち退きで悩む必要はなくなります。

最低限のリフォームでは大幅な家賃の上昇は狙えませんが、少額であれば上げることもできるでしょう。
入居率を上げることを重視しているのであれば十分と言えるかもしれません。

また、新築物件よりは注目度が低くなることを頭に入れておきましょう。

5.リノベーション自由なマンションとするケース

解決したい課題

古くて人気がなくなってきたマンションを建て替えるか悩んでいるがあと数年はこのままマンション経営をつづけたい。

想定解決策

貸主負担DIY型賃貸として貸し出す。入居者に自由にリノベーションしてもらうことで延命する。

想定解決策 イメージ

<想定設定>
立地:東京都江古田駅から徒歩15分圏内
築年数:45年

【表 マンション詳細】
リノベーション前 リノベーション後
構造 鉄筋コンクリート造
延べ床面積 60坪
階数 4階建て
家賃 7.5万円(2DK 12戸) 7万円(2DK 12戸)
入居率 33% 83%
年間家賃収入(実質) 360万円 840万円

<想定費用>
リノベーション費用 :入居者負担のため特になし

DIY型賃貸にするメリット

  • リノベーション費用を入居者に負担してもらうことになるので節約できる

DIY型賃貸にするデメリット

  • 家賃を安くしなくては入居率をあげることが難しい
  • 数年後の建て替え時に立ち退きでトラブルになるかもしれない

DIY型賃貸にするとどうなる?

芸術系大学に近い、古くなり家賃の安くなった広めのマンションを想定します。

入居者が自由に好きなように内装が変えられるDIY可の賃貸マンションは、個性的な部屋を求める学生から一定の需要があると考えられます。

1981年以前に建てられたマンションは、新耐震基準が適用されていない可能性が高く耐震性能が低い心配があるので、耐震性の点から考えると建て替えることが望ましいです。
しかし、あと数年だけ今のままマンション経営を続けると想定した場合、入居者に部屋の細部のリノベーションはお任せしてしまうのがいいかもしれません。

この場合家賃は下げることになりますが、貸主のリノベーションの費用負担がなくなります。

ですが建て替えの予定を控えていることを伝えて入居者を探さないと、トラブルになるかもしれません。
定期借家にするか、家賃を大幅に下げるかなどをして入居者を探しましょう。

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