高収益の土地活用を狙うなら商業系のテナント貸しがおススメです。
テナントとは、不動産の借主のことを指します。マンションやアパートの入居者もテナントと言っても間違いではありませんが、一般的にテナントというと店舗やオフィスビルを借りる商業系・事業系の借主を指すことが多いです。
この記事では、商業系・事業系の借主をテナントと定義します。テナントが借りてくれるような土地であれば、住居系ではなくテナント貸しを検討した方が投資効率は高いです。
ただ、テナントによる土地活用を検討したいと思っても、「何から手を付ければ良いのか分からない」、「どんなところに注意をしなければいけないのか知りたい」と感じている人も多いのではないでしょうか。
またテナントによる土地活用は、収益性も高い反面、一定のリスクも伴います。そのため、テナントによる土地活用では、リスクを最小限に抑えるためにも建物の企画や賃貸借契約の知識等が必要です。
そこでこの記事ではテナントによる土地活用で必要な建物企画のポイントや賃貸借契約をする上での注意点について解説します。
テナントによる土地活用を成功させるためのコツをまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
また、以下のボタンから土地情報を入力すると、最大10社の土地活用専門企業があなたの土地に合った建築費の見積もりや、収支計画を無料診断いたします。
「うちの土地でテナント経営できる?」「いくら儲かるのか知りたい」という方はご活用ください。
1. テナント商業ビルの企画のコツ
最初に、駅前にある1階に店舗、2階以上は塾や診療所、飲食店が入居するようなテナント商業ビルについての企画ポイントを解説します。
1-1. ビルの顔を意識する
テナント商業ビルは、店舗を入居させるので、店舗の視認性を最大化することを意識する必要があります。
店舗の部分は、いわゆるビルの顔になります。テナントを誘致しやすくするためには、1階の店舗部分が一番目立つように設計することが重要です。
土地が角地の場合には、実際に人通りが多い面はどちらかを確認した上で、ビルの顔を決めるようにします。
もし上に住宅を作る場合は、入口を分けることになりますが、住宅の入口は裏に回します。長期的にテナントを誘致させやすいビルにするため、店舗の視認性を最優先に考慮したビルにしましょう。
1-2. 無柱空間を意識する
店舗の区画は、柱の無い無柱空間が理想的です。テナント区画内に柱があるだけで、テナントがなかなか決まらないということが良くあります。
商業ビルの価値を決める非常に重要なことですので、テナント区画内の柱はなるべく作らないような企画をしてください。
ただし柱と柱のスパンを長くして、無柱空間を作ろうとすると、梁(柱間に横たわっている材)が太くなるため、建築費が高くなります。
テナントに好まれる無柱空間を作ろうとすると、建築費が上がってしまうというジレンマが生じます。
しかしながら、長期的に稼ぎ続ける商業ビルにするためにも、無柱空間には強くこだわるようにして下さい。安易に妥協せず、テナント区画は無柱空間を目指しましょう。
1-3.「2階以上」は慎重に検討する
よほど良い立地でない限り、2階以上はテナントの誘致は基本的に厳しいです。
2階以上もテナント区画とする場合、将来的にもテナントを誘致し続けることができるかを慎重に判断した上で、決定してください。
店舗は、2階や地下に出店すると、急激に売上を落としてしまいます。物販店などは、1階以外は基本的に厳しいです。
2階以上は塾や美容院、弁護士事務所などが有力なテナント候補になりますが、このようなテナントは基本的には賃料は高く取りにくい傾向があります。
場合によっては、2階以上は割り切って住宅にする等の選択もする必要です。2階以上にテナント区画を作るかどうかは慎重に判断するようにして下さい。
2. テナント一棟貸しの企画のコツ
この章では、コンビニのようなテナント一棟貸しについて解説します。
2-1. 建設協力金も検討する
建設協力金とは、テナントが建物代金をオーナーに融資して建物を建てる方式です。返済は家賃収入の中から建物オーナーがテナントに対して行います。
建設協力金は、テナントが銀行よりも有利な条件で融資をしてくれるため、オーナーにとってはメリットがあります。また、テナントもお金を貸して出店する以上、撤退しにくくなり、退去リスクも下がります。
コンビニなどでは、立地が良い場合、建設協力金方式をテナントが提案してくれることがあります。一棟貸しの場合には、建設協力金の可能性がないかどうかについても、検討するようにしましょう。
2-2. 資産区分と修繕区分を明確にする
一棟貸しの場合、テナントが建物オーナーの資産をまるで自分の建物のように使っていきます。
本来、建物の修繕は建物オーナーが行いますが、一棟貸しの場合、日常的な修繕はテナントが負担するようなことが良くあります。
すると、建物オーナーの資産をテナントが修繕するようなことが生じ、年数が経過すると、テナントの資産と建物オーナーの資産が入り混じってしまうことがあります。
最終的には、退去時に何がどちらの資産なのかわかなくなってしまうため、トラブルの原因となります。
トラブルを回避するためにも、資産区分と修繕区分は明確化し、書面に残すようにしてください。
2-3. 予約契約を締結する
一棟貸しをする場合、着工前に必ず賃貸借契約の予約契約をするようにします。
予約契約の目的は、万が一工事期間中にテナントが出店を取りやめるようなことがないように、違約金を設定しておくためです。
工事を着工したら、建物オーナーには投資が発生します。工事中にテナントに出店を取りやめることがないように、また万が一、取りやめた場合にリスクを抑えるためにも、予約契約は必須になります。
3. テナント賃貸借契約の注意点
この章ではテナントと賃貸借契約を締結するにあたっての注意点を解説します。
3-1. 定期借家契約による契約
テナントとの賃貸借契約は、定期借家契約で締結することを強くおススメします。
賃貸借契約には、普通借家契約と定期借家契約の2種類があります。2つの賃貸借契約の大きな違いは更新があるかどうかです。
賃貸借契約には、契約期間がありますが、契約期間満了時にテナントの申入れにより更新ができるのが普通借家契約で、更新できないのが定期借家契約になります。
普通借家契約で不都合が生じるのは、「立ち退き」です。
仮に将来、古くなった建物を建て替えたいと思った場合、普通借家契約だとテナントを退去させるために莫大な立ち退き料が発生してしまうという問題があります。
定期借家契約では、契約期間満了時点で、テナントが確定的に退去しなければなりません。仮に、契約期間満了時にテナントがまだ営業を続けたいと言っても、退去しなければならないというのが定期借家契約のルールです。
定期借家契約であれば、契約期間満了時に確定的にテナントを退去させることができるため、立ち退き料が発生しないというメリットがあります。
テナントの立ち退き料には、営業補償が含まれるため、アパートやマンションの住居系の借主の立ち退き料と比較すると、金額が莫大になる可能性があります。
テナントの立ち退き料は、億単位になることもあり、建物オーナーにとっては将来的に大きなリスクとなってしまいます。
アパートやマンションの立ち退き料は引っ越し代程度で収まることも多いですが、テナントの立ち退き料は金額が桁外れに大きくなるため、定期借家契約を選択することはとても重要です。
定期借家契約は2001年3月より施行された比較的新しい制度です。当初、普通借家契約がかなり浸透していたことから、定期借家契約による契約締結はなかなか進みませんでした。
しかしながら、近年においては建物オーナーに定期借家契約を選択する人が増えたことから、テナント側が定期借家だからと言って契約を拒むことはできない状況になっています。
現在は、テナントの賃貸借契約においては定期借家契約がかなり浸透しています。テナントの賃貸借契約に関しては、賃料相場に関しても普通借家契約との違いはほぼありません。
定期借家契約を条件として契約しても、多くのテナントは応諾してくれる状況となっています。そのため、テナントとの賃貸借契約を締結する場合には、必ず定期借家契約で締結するようにしましょう。
尚、定期借家契約では、契約期間を長めに設定することがポイントです。ただし普通借家契約のように2年とかで契約しようとすると、テナントが2年で退去しなければならなくなるため、さすがに応諾してくれません。
相手との交渉次第ですが、10年や20年といった長期スパンで契約すると、テナントも安心して契約することができるようになります。
3-2. 原状回復の取り決め
商業系のテナントは、テナント区画をスケルトンの状態で貸し出します。スケルトンとは内装仕上げをしていないコンクリート打ちっ放しの状態のことを言います。
商業テナントは、入居時に相当の費用をかけて内装工事を行います。全国展開しているハンバーガーチェーンやコーヒー店などは、全国どこでも同じ店構えとなっていますが、それはスケルトンの状態で店舗を借上げ、全店舗共通の内装工事を行っているためです。
商業系の内装工事は、壁や天井、床などの仕上げをテナント側で行います。これらの内装については退去時に全て取り外し、スケルトンの状態にして建物オーナーへ返します。
これを原状回復と呼びます。原状回復は、全て元通りにして戻すのが基本ですが、店舗の場合、元通りに戻せない工事が発生することがあります。
例えば、店内にトイレを設けるような場合、床下に排水管用の穴を開けるため、その穴が元に戻せないような場合があります。また天井から重たいテレビモニターを吊るす場合、天井のコンクリート部分にインサートと呼ばれる穴を開けます。
商業テナントでは、このように躯体に穴を開けるような工事が発生することが多いです。このような工事は原状回復時に元に戻すことができません。
そのため、建物オーナーとの間で、「この部分は原状回復を免除する」等の取決めを行います。尚、躯体に穴を開けるような工事に関しては、実施しても大丈夫かどうか設計者への確認も必要です。
原状回復の取決めに関しては、必ず書面で結ぶようにして下さい。長期契約では退去時にテナント側の担当者も変わっている可能性がありますので、その際、書面が残っていないとトラブルの原因となります。
トラブルを回避するためにも、原状回復の取決めは書面に残しておきましょう。
4. 必見!テナント土地活用の賢い始め方のコツ
テナントによる土地活用を開始したい場合には、できるだけ多くの企業から提案を受けることがおススメです。
土地活用を提案してくる会社は、それぞれテナント誘致力が異なります。賃料の高いテナントを引っ張ってくる会社もいれば、テナント誘致はあまり得意ではない会社もあります。
例えば、ハウスメーカーなどは、会社によってテナント誘致力にかなり差があります。そもそもハウスメーカーはテナント誘致を本業としていないため、会社がテナント土地開発に力を入れてなければテナント誘致力は弱いです。
特定の企業一社だけにテナントの土地活用提案を求めてしまうと、かなりもったいないことも起こり得ます。実はもっと良いテナントが呼べるような立地であっても、その会社のテナント誘致力が低いがゆえに、ベストな土地活用ができないというケースもあります。
そこで、テナント系の土地活用をするのであれば、なるべく多くの会社から土地活用プランの提案を受けるという手順を踏んだ方がお得です。
テナント系の土地活用プランの提案を受けるのであれば、NTTデータグループが運営する「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」の一括プラン請求サービスを使うのが良いでしょう。
一括プラン請求サービスでは、最大10社からの土地活用プランの提案を受けることができます。テナント系土地活用では、提案企業の数を増やすこと自体に大きな意味があります。
提案してくれる企業が増えるということは、その分、テナントの選択肢も増えると言うことです。賃料条件や銘柄など、良い条件のテナントを選択できる可能性が広がります。
良いテナントと出会えれば、土地活用の成功確率がグッと上がりますので、ぜひ「HOME4U オーナーズ」を利用してみてください。
まとめ
いかがでしたか?
テナントによる土地活用について解説してきました。
では、テナントによる土地活用を成功させるコツをまとめてみましょう。
- テナント商業ビルでは、店舗の視認性を考慮し、ビルの顔をどこにするかが重要です。
- テナント区画は柱の無い無柱空間が好まれます。
- 2階以上は本当にテナントが入り続けるかしっかり調査した上で企画します。
- テナント一棟貸しでは、建設協力金の可能性もあります。一棟貸しですので、資産区分と修繕区分をしっかりと取決め、着工前には必ず予約契約をするようにしましょう。
- 商業系のテナントは、将来の立ち退きリスクも考慮すると、定期借家契約による契約がおススメです。テナント区画の原状回復についても、しっかりと取決めすることを忘れないようにして下さい。
この記事で得た情報を活かして、ぜひ高収益の土地活用を実現させてください。
この記事のカテゴリトップへ