この記事では、アパートをプレハブ工法で建築しようか検討している方に向けて、プレハブ工法の評価やメリット・デメリットを基礎からわかりやすく解説していきます。
プレハブ工法とは、建物の部材を工場で事前に製造・加工しておき、現場で建物として組み立てるコストパフォーマンスに優れた工法です。
構造 | プレハブ 工法 |
在来工法 |
---|---|---|
木造 | 73万円 | 77~100万円 |
鉄筋コンクリート造 | 79万円 | 90~120万円 |
鉄骨造 | 76万円 | 80~120万円 (軽量)80~120万円 (重量)90~120万円 |
詳しくは「1.プレハブ工法はコストパフォーマンスが高い」ご覧ください。
プレハブ工法でアパートを建築するメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
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メリットについての詳細は「2.プレハブ工法のメリット」を、デメリットについての詳細は「3.プレハブ工法のデメリット」をご覧ください。
1.プレハブ工法はコストパフォーマンスが高い
プレハブ工法とは、建物の部材を工場で事前に製造・加工しておき、現場で建物として組み立てる工法です。
コスト・工期・品質のいずれにおいても優れていて、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリートの構造それぞれに対応したプレハブ工法があります。
建築工事費(コスト)は1坪あたりの工事費である「坪単価」で比較できます。
プレハブ工法と在来工法の比較表は下記になります。
構造 | プレハブ 工法 |
在来工法 |
---|---|---|
木造 | 73万円 | 77~100万円 |
鉄筋コンクリート造 | 79万円 | 90~120万円 |
鉄骨造 | 76万円 | 80~120万円 (軽量)80~120万円 (重量)90~120万円 |
すべての構造においてプレハブ工法の方が「坪単価」が安くなっています。
コストを抑えられる理由は、部材を工場で大量生産できる点と工期短縮による人件費を削減できる点です。
プレハブ工法のメリット・デメリットについては2章・3章で詳しく説明します。
木造、鉄骨造などのアパートの「構造」について詳しく知りたい方は下記記事もご参考ください。
2.プレハブ工法のメリット
プレハブ工法でアパートを建築する主なメリットは以下の3点です。
- コストを削減しやすい
- 品質のバラつきが少ない
- 工期を短縮できる
具体的な内容については、以下の項目で解説します。
2-1.コストを削減しやすい
プレハブ工法は工場で同じ部材を大量生産することから、コストの削減が可能です。
また、部材を一括購入することで価格交渉がしやすくなり、原価低減にもつながります。
さらにプレハブ工法では他の工法と比べて工期を短縮できるため、人件費を抑える事ができます。
初期費用を抑える事により、家賃設定で競合物件と差をつける事ができれば入居者募集時にも強みとなるでしょう。
2-2.品質のバラつきが少ない
プレハブ工法では建物の部材を機械で製造することから、品質のバラつきが少ない点が大きなメリットです。
現場で職人が作るわけではないため、職人の技術に影響されず、高い品質を安定して維持しやすくなります。
また、設計どおり正確に施工できることで、耐震性や耐久性などが均一に担保される点もプレハブ工法の魅力といえるでしょう。
2-3.工期を短縮できる
プレハブ工法では工場で事前に製造した建築部材を現場で組み立てるため、工期を短縮できるといったメリットもあります。
アパートを短期間で完成させられることから、3月~4月などの引っ越しシーズンに入居者募集をスタートしたい場合、それに合わせて建築計画を立てやすくなります。
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3.プレハブ工法のデメリット
プレハブ工法でアパートを建築する主なメリットは以下の3点です。
- 設計の自由度が低い
- リフォーム時に制約がかかる場合がある
- 防音性が低い
具体的な内容については、以下の項目で解説します。
3-1.設計の自由度が低い
プレハブ工法では建材を工場で大量生産するため、寸法等の規格があらかじめ決まっている場合がほとんどです。
そのため、設計やデザインの自由度が低いといったデメリットがあります。
ただし工法の特徴として柱や梁が少なく、部屋面積を広くとる事ができるため、広さを求める入居者にはメリットとなります。
3-2.リフォーム時に制約がかかる場合がある
プレハブ工法によって建築したアパートは、リフォームの際に強い制約がかかる場合があります。
プレハブ工法では設計時に行政へ申請して認可をもらう必要があるため、あとから間取りを変更できないケースも少なくありません。
将来、賃貸需要に応じた間取り変更などを検討している方は、あらかじめリフォームを想定して設計プランを立てておくとよいでしょう。
3-3.防音性・耐久性が低い
プレハブ工法で建築した木造、軽量鉄骨でアパートは、壁が薄いという特徴があります。
そのため隣の部屋の生活音や、外の車の走行音などの音が響きやすいのがデメリットです。
対策として床や壁に吸音性や遮音性の高い材料を使用したり、2重窓にする事で外の騒音を抑えるなどがあります。
また木造、軽量鉄骨など選ぶ「構造」によっては、柱や梁が少ないという「工法」の特徴上、建てるアパートの規模が大きくなると耐久性が低くなります。
2~3階のコンパクトなアパートであれば問題ありません。
4.プレハブ工法と在来工法の比較
アパートの建築ではプレハブ工法が主流になってきていますが、土地の広さや形状によってはプレハブ工法の「規格」に合わない場合があり、在来工法が採用されることがあります。
コスト以外の2つの工法を比較した一覧は下記になります。
工法 | 特徴 | 工期 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
プレハブ 工法 |
建物の部材を工場で事前に製造・加工しておき、現場で建物として組み立てる工法 | 8ヶ月前後 |
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在来工法 | 大工職人が建築する日本の伝統的な工法。木造注文住宅で採用されている。 | 12ヶ月~ 15ヶ月 |
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アパート建築においては設計の自由度の高さよりも、コスト削減や短納期が重視されることが多いため、在来工法が採用されるケースは少ないといえるでしょう。
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