軽量鉄骨のアパートは、建築費は安いのに高性能というコストパフォーマンスの高さで人気です。そんな軽量鉄骨アパートの特徴と建て方のポイントをくわしく説明します。

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更新日
2022.12.02
カテゴリ
アパート経営, 記事

軽量鉄骨アパートのメリット・デメリット。建築費と坪単価についても解説

軽量鉄骨アパートのメリット・デメリット。建築費と坪単価についても解説

軽量鉄骨のアパートを建てるにあたり、軽量鉄骨アパートのメリット・デメリットなど、できるだけくわしく知っておきたいところです。
土地活用のために鉄骨アパートの建築をご検討中の土地オーナーに向けて、軽量鉄骨アパートの特徴を木造アパートと比較した場合の建築費や性能の違いも含めて解説します。
これを読めば、軽量鉄骨でアパートを建てる際のポイントがすべてわかります。

また、鉄骨アパートの具体的な建築費が知りたい方は以下のボタンから、建築費の見積もりを含む詳しい建築プランを手に入れられます。ぜひご利用ください。

1.軽量鉄骨アパートとは?メリットとデメリット

アパートの構造には主に木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の3つがあり、そのうち鉄骨造は重量鉄骨と軽量鉄骨に分けられます。
アパートに限らず、建物といえば木造が当たり前だった時代には、軽量鉄骨はプレハブの倉庫でしかありませんでした。ところが、1950年代後半からプレハブ住宅を独自開発するメーカーが現れ、一部の公営住宅に軽量鉄骨が使われるようになりました。いつしか軽量鉄骨の住宅やアパートは市民権を得て、今ではその人気もすっかり定着しています。
そんな軽量鉄骨造のアパートのメリット、デメリットをご紹介します。

1-1.軽量鉄骨でアパートを建てるメリット

まずは、軽量鉄骨の特徴と軽量鉄骨でアパートを建てるメリットについて説明していきます。

1-1-1.建築費を抑えることができる

同じ鉄骨造でも、薄い骨格材を用いた軽量鉄骨は重量鉄骨に比べて格段にコストが安く、初期費用を抑えてアパートを建築することが可能です。
軽量鉄骨のアパートは工場で部材を生産するため、大量生産ができることもコスト削減に一役買っています。
下の表はアパートの建築にかかる坪単価の目安ですが、軽量鉄骨アパートの坪単価が木造アパートの坪単価を下回っていることがおわかりいただけると思います。

木造 鉄筋コンクリート造 鉄骨造
坪単価 77万~100万円 90万~120万円 80万~120万円
(軽量)80万~100万円
(重量)90万~120万円

1-1-2.耐震性は比較的高い

アパートの耐震性は、入居者の安全だけでなくオーナーの資産を守るという意味でも必要不可欠です。
軽量鉄骨造の建物は鋼材のねばりが地震の力を吸収するため倒壊しにくく、重量が軽いため振動による建物への影響が小さいという特徴があります。
建築費が安いにもかかわらず、これだけの耐震性を兼ね備えていることから、コストパフォーマンスはかなり高いといえるでしょう。

1-1-3.品質が安定している

軽量鉄骨のアパートは、あらかじめ工場で生産した部材を現場で組み立てていく「プレハブ工法」によって施工されます。工場内での作業がメインとなるため、軽量鉄骨のアパートは品質にバラつきがありません
施工会社の技術力や作業員の熟練度、施工時の天候といった条件によって仕上がりが左右されることがなく、どのような状況であっても一定の水準を保つことができるというのは、オーナーにとっても入居者にとっても大きな安心につながります。
工場作業により工程が合理化されているため、ほかの構造に比べて工期が短いのもポイントです。

1-1-4.木造に比べて耐久性が高い

木造アパートの法定耐用年数は22年。3~4ミリの鉄骨を使用した軽量鉄骨アパートの法定耐用年数は27年です。

構造 法定耐用年数
鉄筋コンクリート造 47年
鉄骨造(金属造) 骨格材の肉厚4ミリ超 34年
骨格材の肉厚が3ミリ超4ミリ以下 27年
骨格材の肉厚が3ミリ以下 19年
木造 22年

出典:減価償却資産の耐用年数等に関する省令(別表第一)より作成

法定耐用年数がそのまま建物の寿命というわけではありませんが、軽量鉄骨の法定耐用年数が木造よりも長く設定されていることから、軽量鉄骨の方が木材よりも耐久性が高いと想定されていると考えられます。
ただし、躯体の耐久性を維持するためには、木造でも軽量鉄骨でも定期的なメンテナンスが必須です。鉄骨はさびに弱く、厚さ3~4ミリの軽量鉄骨は特にさびによるダメージも大きいと考えられるため、耐久性を維持するためには防さび処理が必須となります。

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1-2.軽量鉄骨アパートを建てるデメリット

それでは次に、軽量鉄骨アパートのデメリットについて説明していきます。

1-2-1.重量鉄骨に比べて強度が劣る

鉄骨は、骨格材の厚み6ミリを超えるものが重量鉄骨、6ミリ未満のものが軽量鉄骨に分類されています。ただし、法定耐用年数が4ミリを境に34年と27年にわかれるため、4ミリを超えるものを重量鉄骨と呼ぶこともあるなど、明確な線引きはないようです。
骨格材の厚みで強度に違いが出るのは当然のことですので、軽量鉄骨が重量鉄骨より強度面で劣るのも仕方のないことです。したがって、軽量鉄骨のアパートではブレース(筋かい)やパネルを使うなどして、建物の強度を補っているのです。

1-2-2.断熱性が低く、熱に弱い

鉄骨は、コンクリートや木材といったほかの建材に比べて熱伝導率が高いという特徴があります。
そのため鉄骨造のアパートは外気の影響を受けやすく、しっかりとした断熱を施さないと夏は熱がこもって暑く、冬は冷え切ってしまいます。
また、鋼材は不燃材料に認定されてはいるものの、高温になると強度が低下する性質があるため、耐火性を高めるには耐火被覆するなどの対策が必要です。

1-2-3.リノベーションが困難

重量鉄骨や鉄筋コンクリートのように太い柱と梁で建物を支えるラーメン構造の場合、大空間の中で自由に間仕切りを作ったり、取り払ったりすることが可能です。
それに対して、軽量鉄骨は壁で建物を支える壁式構造です。企業が独自の基準において安全性を確立しているため、将来的に間取りの変更をともなうリノベーションを行う際、たとえ1室だけであっても安易に壁を取り除いたり、移設したりということができません。
これはツーバイフォー工法など木造の枠組壁工法においても同様です。

2.軽量鉄骨アパートの建築費

アパートを建てる際にかかる費用は、大きく分けると「設計料」「工事費」「諸費用」の3つがあります。
土地を購入してアパートを建てる場合には「土地代」も必要です。
軽量鉄骨造でアパートを建てる場合は、軽量鉄骨を扱うハウスメーカーの設計施工一貫方式で行われるのが一般的です。設計料は一般的には工事費の1~3%程度といわれていますが、工事費に含まれていることがほとんどですから、あまり意識する必要はありません。
諸費用は総予算の10%程度と考えておいてください。

予算の配分は以下のようになります。

2-1.建築工事費の内訳と坪単価

先ほどの表のように、建築工事は「本体工事費」と「付帯工事費」に分かれています。
「本体工事」は建物本体をつくる工事で、工場で生産した鉄骨で躯体をつくり、外装・内装を仕上げます。設備工事も本体工事に含まれます。
対する「付帯工事」は、敷地の造成や給排水・電気・ガスの引き込み工事など、建物をつくるために必要な工事です。

建築工事費は、坪単価とアパートの面積から目安となる金額を算定できます。坪単価と工事費の算定方法を見ていきましょう。

2-1-1.軽量鉄骨アパートの坪単価

国土交通省の住宅着工統計(2019年調査)を参考に、共同住宅の工事費予定額を表にまとめました。
軽量鉄骨は鉄骨造に含まれます。

木造 鉄筋コンクリート造 鉄骨造
工事費予定額(万円) 3,095 10,434 8,058
1戸あたり工事費予定額(万円) 592 1,096 1,129
1平米あたり工事費予定額(万円) 17 24 23

出典:国土交通省「建築着工統計調査 / 住宅着工統計(2019年調査)」より作成

1平米は0.3025坪です。したがって、鉄骨造の坪単価を出すには1平米あたりの工事費(平米単価)23万円を0.3025で割ります。

23万円÷0.3025≒76万円

鉄骨造の坪単価は約76万円になります。
ただし、これはあくまでも予定額です。実際には、仕様変更や追加工事でもう少し工事費は上がります。坪単価にすると、軽量鉄骨造で74~94万円くらいになると覚えておいてください
下の表は、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」の実績坪単価になります。

木造 鉄筋コンクリート造 鉄骨造
坪単価(万円) 77~100 90~120 80~120
(軽量)80~100
(重量)90~120

2-1-2.軽量鉄骨アパートの工事費例

前述した坪単価の平均値を使って、実際に工事費を算定してみます。

■単身者向け

9坪×20戸=180坪
180坪×84万円=1億5,120万円

■ファミリー向け

18坪×12戸=216坪
216坪×84万円=1億8,144万円

それでは、木造アパートの工事費と比較してみましょう。
住宅着工統計上の平米単価を坪単価に換算するとは約56万円になりますが、実際の工事費は坪単価77~97万円の範囲内になるため、平均をとって坪87万円で計算します。

■単身者向け(木造)

9坪×20戸=180坪
180坪×87万円=1億5,660万円

同じ規模のアパートでも、木造アパートの方が500万円以上高くなることがわかります。

2-2.諸費用について

諸費用には敷地調査費用や登記費用、ローンの諸費用、税金、各種手数料などがあります。

トータルではかなり大きな金額になりますので、あとで慌てることのないよう総予算の1割程度を現金で用意しておいてください。

2-3.軽量鉄骨アパートの建築費を抑えるには

コストダウンの基本は、建材や設備などの不要なグレードアップを避けることです。地域の相場もありますから、建物の質を上げたからといってやみくもに家賃をアップできるわけではありません。仕様全般、費用対効果を考えた上で選ぶようにしてください。
また、軽量鉄骨アパートの場合はハウスメーカーが独自の工法やプラン設定によって、性能向上やコストダウンに取り組んでいることが多いです。したがって、建築費を抑えるためにはできるだけ多くのハウスメーカーにプランを依頼し、比較するのがおすすめです。
ただし、金額が安ければよいというものでもありません。使用している鋼材の厚みや防さび処理、耐火被覆の有無などもあわせてチェックする必要があるでしょう。

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3.軽量鉄骨アパートを建てる際のポイントとは

軽量鉄骨アパートの最大の魅力は、建築コストを抑えながらも一定水準の品質と強度を守ることができるというコストパフォーマンスの高さです。
そんな軽量鉄骨アパートの利点を生かし、より収益性の高いアパートを建築するためのポイントをお伝えします。

3-1.設計やデザインの自由度が少なくなる

軽量鉄骨造のアパートには、部材を工場生産することで一定の品質を維持できるというメリットがあることを1章でお伝えしました。
しかし、製品として品質が安定している反面、規格化された枠組みの中でプランニングする必要があるため、大空間がつくりにくい、個性的な間取りや変形地には対応しにくいなどの制限もあります。
リノベーションも難しいため、流行にとらわれないオーソドックスなアパートとして計画するのがよいでしょう。
多少自由度が下がっても、「初期費用が安い、性能や品質が安定しているといった多くのメリットがあるため、軽量鉄骨アパートには十分な需要が期待できます。

3-2.ターゲットを明確にした上で計画する

重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造のアパートに比べると、軽量鉄骨アパートはどうしても強度や断熱性、防音性といった性能面で物足りなさを感じるでしょう。
対策として、居住性よりも家賃の安さを求める単身者や若い夫婦など、あえて重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造のアパートとは異なるターゲットを設定します。
立地の問題でファミリー向けとする場合には、多少コストアップしても断熱性や防音性を上げて性能にこだわっていることをアピールすると同時に、カメラ付きのインターホンや防犯カメラを設置するなど、セキュリティーにも配慮するとよいでしょう。

3-3.家賃が高くならないよう配慮する

住まいを選ぶ上で、災害時や防犯上の安心感を第一に求める入居者は、鉄筋コンクリート造の剛健なマンションやオートロック付きの物件を選択します。
そうではなく軽量鉄骨造のアパートを選ぶということは、建物の性能よりも家賃の安さを重視しているということです。それにもかかわらず、アパートの価値を高めるために性能にこだわり、費用をかけすぎて家賃が高くなってしまっては本末転倒です。
家賃が原因で空室を増やしてしまうことのないよう、費用対効果を考えながら計画するようにしてください。

4.アパートの収益性を最大限に高めるには

工業製品である軽量鉄骨のアパートは、設計事務所や地域の建設会社で手掛けることはほとんどありませんので、軽量鉄骨アパートを取り扱っているハウスメーカーに限定してプランを依頼することになります。
ハウスメーカーによって工法や性能、プラン展開もさまざまですから、できるだけ多くのハウスメーカーのプランを比較するようにしてください。
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まとめ

軽量鉄骨のアパートは工場での生産を主とする工業製品であるという性質上、一定の品質水準を確保できる、工期が短いといった、従来の木造アパートにはないさまざまなメリットがあることをおわかりいただけたでしょうか。
それに加えて、建築費は木造と同等というコストパフォーマンスの高さから、今後も安定した人気が続くと予想できます。

軽量鉄骨造のメリット・デメリット、アパート建築にかかる費用の目安をしっかりと把握し、計画上のポイントを抑えた上で、土地活用によるアパート経営の第一歩をスタートしてください。

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