「アパート相続・経営 経営ノウハウ」内の「メゾネットアパート経営大百科 メリット・デメリットや建築費の相場について」を基礎から解説したページです。特徴から入居率を上げるためのヒントまで、メゾネットアパート経営で成功するために知っておきたい情報をまとめてチェックできます。メゾネットアパートに強いハウスメーカーを選ぶためのポイントも紹介します。

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更新日
2024.07.17
カテゴリ
アパート経営, 記事
タグ
坪単価

【基礎から解説】メゾネットアパート経営大百科 メリット・デメリットや建築費の相場について

【基礎から解説】メゾネットアパート経営大百科 メリット・デメリットや建築費の相場について

戸建て感覚の住まいとしての特徴があるメゾネット。

メゾネットアパートの建築費用は、通常の建築費用よりも安くなる場合が多くあります。
そのため、建築費を少しでも安く抑えたいという方にとってもメゾネットタイプのアパートを検討してみる価値があります。

ただし、メゾネットアパートで成功するには強みを生かした企画も重要となります。

そこでこの記事では、メゾネットアパートの建築費用はいくらくらいかかるのか、「メゾネットアパートの建築費が安くなる理由」や「メゾネットのメリットやデメリット」「メゾネットアパートで成功するための企画ポイント」について解説いたします。

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序 1分で分かる!記事の要約

建物としてのメゾネットの特徴は?

メゾネットの特徴は、集合住宅でありながら1戸の住宅が2層となっているタイプの住宅です。
外観をお洒落に工夫しやすいほか、一般的なアパートに比べて建築費用の相場が1割ほど安いという特徴があります。

メゾネットを建てる際の建築費用の相場は?

メゾネットの建築費用は、木造の場合は一坪あたり70万円、壁式鉄筋コンクリートの場合は一坪あたり85万円です。

また、建築費用に付随してかかる費用として、設計事務所などに頼む「設計料」や税金・ローン関連手数料などの「諸費用」がかかってきます。

メゾネットアパートのメリット・デメリットとは?

メゾネットでアパートを建てるメリットとしては以下があげられます。

  • 建築費用が安い
  • 同じエリアの他物件と差別化できる

一方で、以下のようなデメリットもあるので注意が必要です。

  • 投資効率が低い
  • 空室による家賃収入減少の影響が大きい

メゾネットをうまく運営するためにできることは?

メゾネットの入居率をアップするための企画案として、以下があげられます。

  • 専用庭と専用駐車場
  • 階段下収納と横壁の防音対策
  • センスのよい外観と内装

メゾネットは珍しいタイプの建物であることが強みにも弱みにもなります。
弱みの部分をカバーしつつ魅力をアピールするためにも、上記のような施策が有効となってきます。

詳しい解説は以下

1.建物としてのメゾネットの特徴

メゾネットとは、集合住宅の中で、1戸の住宅が2層(階のこと)となっているタイプの住宅です。

一般的にはマンションタイプのものを指しますが、2階建てアパートでもメゾネットタイプは存在します。

通常、アパートやマンションは1戸が1層のフルフラットタイプのものが多いですが、メゾネットは1戸の中に階段があり、2階建ての戸建住宅のようになっています。
戸建てのように1階と2階が完全に仕切られたタイプなので、中二階のロフトとは異なります。

そのため、メゾネットタイプは「戸建てに住むことを希望しているファミリー層」が一番のターゲットとなることが多いようです。

また、2階建てアパートのメゾネットは「テラスハウス」や「タウンハウス」「長屋」等と呼ばれることもあります。
どれも明確な定義はありませんので、メゾネットアパートのことをテラスハウスと呼んでも間違いではありません。

2.メゾネットアパートの建築費用

メゾネットアパートの建築には以下の費用がかかります。

  • 設計料
  • 建築費
  • 諸費用(各種税金やローンの手数料など)

以下、それぞれについて詳しく説明します。

2-1.設計料について

設計料は、設計士や設計事務所へ設計を依頼した際に支払う報酬のことを指します。

設計料の相場は「設計施工一貫方式」を選ぶか「設計施工分離方式」を選ぶかによって変わります。

「設計施工一貫方式」は、設計から建設まで一貫してメーカーに担当してもらう方式です。
大手ハウスメーカーの多くはこの方式を採用しています。
設計施工一貫方式を選んだ場合、設計料の相場は建築費の1〜3%程度です。

「設計施工分離方式」は、設計は設計事務所などに依頼し、建設のみをハウスメーカーや工務店へ任せる方式です。設計施工分離方式を選んだ場合、設計料の相場は建築費の10%程度となります。

2-2.建築費について

メゾネットアパートの建築費用の相場は、以下の通りです。

(メゾネット建築費用の相場)
木造2×4の場合 坪70万円程度
壁式鉄筋コンクリートの場合 坪85万円程度

上記は延床面積に対する単価です。例えば、木造2×4(ツーバイフォー)で、延床面積50坪のメゾネットアパートを建てる場合は、3,500万円(=坪70万円×50坪)くらいになります。

メゾネットアパートは、普通のアパートと比べると、1割程度安いイメージになります。
安価で建設可能な理由について、まずは以下の図をご覧ください。

(メゾネットアパートと普通のアパートの建物構造比較の図)
メゾネットアパートと普通のアパートの建物構造比較の図

同じ面積でメゾネットアパートを建てた場合、普通のアパートに比べて戸数が減ります。
上図の例でいうと、メゾネットアパートなら4戸ですが、普通のアパートなら8戸です。

戸数が減れば、玄関扉やバス、キッチン、トイレ等の各戸に付随する設備の数が減ります。

一方で、メゾネットアパートでは各戸の中に階段を作る必要があるため、階段の数は増えます。
普通のアパートの場合、階段は外階段1つだけです。
ただし、メゾネットアパートでは外廊下は不要となります。

このようにメゾネットでは、内階段のように増える部分はあるものの、住宅設備や外廊下等が減る効果が大きいため、トータルすると普通のアパートよりも1割程度安くなるのです。
上記の理由から、アパート建築の費用を抑えたい場合にも、メゾネットは一つの選択肢になるでしょう。

2-3.諸費用について

メゾネットを建てる際には、設計料や建築費などといったメインの表の他にも、各種の税金やローンを受ける際の手数料、司法書士へ支払う報酬などといった諸費用がかかります。

こうした諸費用の相場は、建築費の5%程度となっています。

3.メゾネットアパートのメリット

この章ではメゾネットアパートのメリットを3つ解説します。

3-1.建築費用が安い

1章でもご紹介しましたが、建築費用が安いというのがメゾネットアパートのメリットのひとつです。
さらに、他の建物を建てる場合と比較しても、メゾネットアパートのような住宅系の建物は、壁構造を検討すると建築費用を低く抑えることが可能です。

建物の構造には、大きく分けて柱と梁(はり)で建物を支える「ラーメン構造」と壁で建物を支える「壁構造」の2つがあります。

梁(はり)とは柱と柱の上に横たえて建物の重みを受ける材のことです。
ラーメンとはドイツ語でフレームのことを意味します。

世の中のほとんどの建物は、ラーメン構造が採用されていますが、住宅のように小さな部屋がたくさんあり、壁が多い構造の建物では、壁構造も可能です。
アパートやメゾネットなどの壁の多い建物では壁構造の建物もたくさんあります。
ツーバイフォーは、木造の代表的な壁構造の工法です。

壁構造の建物は、大部分がハウスメーカーの工場で壁が生産され、現場で壁を組み立てるだけで建物が完成します。
壁パネルは大量生産されるため、コストは安いです。
また、工場でほぼ出来上がるため、施工の質も高く、工期も短いという特徴があります。

建築費用は壁構造を選択すると安くなるので、ハウスメーカーに依頼する際は、構造も意識して見積もりを取るようにしてください。

3-2.同じエリアの他物件と差別化できる

メゾネットアパートは、希少性があります。

おしゃれな物件に住みたい若いカップルや戸建てに住みたいファミリー層など一定の層にメゾネット物件は人気ですが、メゾネット物件に条件を絞って賃貸アパートを探す場合、そもそも数が少ないエリアであればなかなか空室が見つからないということもあるでしょう。
供給量が少ないため、建てるだけでも差別化が可能です。

もしも、これから建てる土地の周辺に入居率の高い普通の2DKや3DKの間取りのアパートはたくさんあっても、メゾネットタイプのアパートは1つも見かけないという場合はチャンスです。

メゾネットアパートであれば、普通のアパートと「つくり」が根本的に違います。
仮に普通のアパートをメゾネットタイプに改修しようとしたら、大工事になります。
普通のアパートとメゾネットアパートでは元々が大きく異なっているため、競合である既存の周辺アパートには簡単に真似されることはないのです。

メゾネットアパートは希少性があり、かつ、真似されにくいため、同じエリアのアパートと差別化できるという点もメリットです。

4.メゾネットアパートのデメリット

この章ではメゾネットアパートのデメリットを3つ解説します。

4-1.投資効率が低い

メゾネットアパートは普通のアパートよりも賃料単価が低くなりがちなことから、投資効率が低い点がデメリットです。

メゾネットは確かに希少性があるのですが、それは裏を返すと「収益性が低いため、やる人が少ない」がゆえの結果です。

メゾネットは戸建てに近い間取りであるため、おもなターゲットがカップルやファミリー層になります。
ファミリー向けの間取りはワンルームに比べると1戸あたりの面積が大きく、そのため賃料総額も大きくなり、予算の関係で借りられる人が限られてしまいます。

入居者を確保するためには、ある程度、家賃を抑える必要があり、面積当たりの賃料単価が下がってしまいます。

メゾネットは、周辺における普通のアパートの3LDKの家賃が競合対象です。
しかしながら、メゾネットには階段部分があるため、普通のアパートの3LDK並の家賃にすると、賃料単価がさらに落ちます。
階段部分の家賃を上乗せしてしまうと割高感が出てしまうため、普通のアパートの3LDKと家賃水準を合わせざるを得ないのが実態となっています。

4-2.空室による家賃収入減少の影響が大きい

メゾネットアパートは、空室の影響が大きくなるというデメリットもあります。

メゾネットタイプを選択した場合、ワンルームの間取りに比べて戸数が減ります。
例えば、2階建てアパートで8戸できるような建物を、メゾネットにすると4戸となってしまいます。

戸数が減ると、困るのは空室時の影響です。
1戸空室が発生すると、8戸のアパートの場合は12.5%の損失ですが、4戸のアパートの場合は25%の損失となってしまいます。

また、メゾネットにはそれほど強い賃貸需要がありません。
メゾネットを志向する人は、戸建賃貸にも興味を持っている人が多いため、周辺に戸建賃貸の物件があると、そちらに流れる傾向があります。
戸建て志向の人は、しっかり庭があるなど、独立性のある戸建賃貸の方を好む傾向があるからです。

一方で、アパートを借りるならフルフラットの間取りの方が良いと感じている人も多く、中に階段があるメゾネットは敬遠されてしまうこともあります。

お金持ちの人が贅沢に平家を建てることを好むように、フルフラットというのは住みやすい間取りなのです。

以上の理由から、メゾネットは一度空室が発生してしまうと、次の入居者がなかなか埋まりにくいという性質があることがわかります。

戸数の少なさに加え、賃貸需要の弱さもあり、メゾネットアパートは普通のアパートに比べ、空室の影響が大きくなりやすいのです

5.メゾネットのデメリットをカバーする企画ポイント

メゾネットのデメリットを解消していくには、入居率を上げ、常に人気となるメゾネットアパート建築を企画することが重要です。

そこでこの章ではデメリットを解消するための企画ポイントについてご紹介します。

5-1.専用庭と専用駐車場

メゾネットを志向する人の多くは、「戸建てっぽさ」を求めています。
各戸に専用庭や専用駐車場を設けることで、より戸建てっぽさを演出することができます。

専用庭とは、各戸の住人が個人的に使用できる庭をさします
マンションの1階の部屋などによくある企画です。
残念ながら、せっかくのメゾネットなのに、専用庭を設けていないアパートは多くあります。
戸建賃貸との競争に勝つには、専用庭を付けて庭の存在をアピールすることが重要です。

また、車の所有が一般的なエリアでは、玄関の前などに専用駐車場を設置することで、戸建ての駐車スペースのようなメリットを作り出すこともできるでしょう。

専用庭や専用駐車場を採用できるかどうかは敷地の条件にもよりますが、設計者には事前にきちんと希望を伝えるようにしてください。

5-2.階段下収納と横壁の防音対策

メゾネットは階段があることで、普通のアパートよりも1つ有利な部分があります。
それは階段下収納を設置できるという点です。

普通のアパートは収納不足というのが常に課題となっています。
階段下収納で収納量を増やせることはメゾネットの強みです。
階段を無駄に感じてしまう人にも、収納があれば無駄に感じることが少なくなります。
階段下収納も何も言わないと設計者が作ってくれないことが多いでので、必ず階段下収納は要望するようにしてください。

また、盲点になりがちなのが、騒音問題です。
ファミリー層だけでなくカップルや単身者もターゲットにする場合、上下に関しては戸内であるため気にすることはありませんが、横の住人への配慮が必要になることもあります。

プライバシーの確保のために、賃貸併用住宅のような縦割りの間取りにする、横壁をしっかりと防音対策するなど騒音トラブルを理由とする退居者が出ないように事前に策を講じることも検討してみてはいかがでしょうか。

5-3.センスのよい外観と内装

メゾネットは「おしゃれな外観が気に入って入居する」という人が少なくありません。
そのため、外観にはある程度こだわる必要があります。

メゾネットは、建物前面に1階の玄関と2階のバルコニーが顔を出します。
普通のアパートの場合だと、玄関側は1階も2階も玄関しか見えないため、メゾネットの方が明らかに建物の表情が豊かです。

(普通のアパートとメゾネットアパートの外観の違い)
普通のアパートとメゾネットアパートの外観の違い

そのため、メゾネットアパートのほうが外観も全体的にお洒落です。

レンガ調タイルで表情を付けたり、アーチ形の扉にしたりするだけでも西欧風のおしゃれなメゾネットにすることができます。
デザイナーズを採用したいという方もいらっしゃるかもしれません。

なお、お洒落な外観に仕上げたい場合は、可能な限り設計者へ具体的な外観のアイデアを出すようにするとよいでしょう。
ただし、オーナーのこだわりが強すぎると入居希望者の好みにマッチしないという残念な結果になってしまう場合もあるので、入居者ニーズを踏まえて検討することも大切です。

また、内装もシンプルでありつつある程度センスのよいものを採用することをオススメします。

外観にマッチした建具の配置や壁紙等でも、魅力を高めることが可能です。

おしゃれなメゾネットアパート

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6.メゾネットアパート経営に強いハウスメーカーを選ぶためのポイント

メゾネットは少し変わったタイプの建物ということもあり、ニーズがないエリアで建設してしまうと、うまく入居者が集まらない状態となってしまいます。

そこで、メゾネットの建物を建てる際のハウスメーカー選びでは施工技術のみならず、建設後の運営についてもノウハウ豊富なメーカーへ依頼することが大切です。

以下、「安心して相談できるハウスメーカー」を選ぶために必要不可欠なポイントについてお伝えします。

6-1.ハウスメーカーの提示する「経営プラン」

多くの大家さんはアパートを建築するタイミングで、建築にかかる費用や工法、出来上がる物件などのことばかりを気にかけがちですが、出来上がった後の収益を左右する要素として「完成前・完成後の経営プラン」も非常に重要です。

各メーカーが提示しているランニングコストや収支計画をチェックすることによって「より具体的で現実性が高い計画」を掲げている会社を選ぶことが重要です。

6-2.ハウスメーカーの規模

大手ハウスメーカーのアパート・マンションはもともと施工の質が高いので、劣化しにくく、修繕費も最小限で済みます。

また手厚いアフターサービスが付いていますので、長年に渡り建物のコンディションを維持することができます。

中小のハウスメーカーも「大手にはできない細やかなサービスを提供できる」というイメージを消費者に持たせようとアピールしていますが、少なくとも「大切な資産を形成する」ことを第一に考えればでは、やはり大手ハウスメーカーに建ててもらうのが安心です。

6-3.評判・口コミ

ハウスメーカーの評判や口コミについては、インターネットを活用することによって業者の立場から独立した中立な意見を拾うことができます。

特に近年では、通常のGoogle検索の他に、SNS上で情報を探すことによって「生のユーザーの声」を見つけやすくなっているので、ぜひご活用ください。

6-4.問い合わせへの対応

問い合わせへの応対が手厚い会社であれば、実際に契約を結んだ後のフォローの質にも期待できるでしょう。

気になるハウスメーカーがあれば、事前にメールで相談してみて、担当者がどれぐらい丁寧に応対してくれるかを確かめるのも一手です。

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自分に合ったハウスメーカーを知りたい方はぜひチェックしてみてください。

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