「アパート相続・経営 経営ノウハウ」内の「【徹底解説】木造アパートと鉄骨アパートどちらを経営すべきか?徹底比較」を解説したページです。木造や鉄骨造がアパート経営に与える影響の違いを把握し、どちらでアパートを建てるべきか判断の基準を持つことができます。安心して相談できるハウスメーカーを選ぶためのポイントも紹介します。

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公開日
2018年12月28日
更新日
2022/05/17
カテゴリ
記事, これから始める人向け, 賃貸住宅の新規建築

【徹底解説】木造アパートと鉄骨アパートどちらを経営すべきか?徹底比較

【徹底解説】木造アパートと鉄骨アパートどちらを経営すべきか?徹底比較

土地活用の話を進めていくと、ハウスメーカー各社からそれぞれ得意とする構造のアパートが提案され、オーナーとしてはどちらを選ぶべきか迷ってしまいがちです。

あるハウスメーカーは鉄骨造を強く推し、別のハウスメーカーは木造の良さをアピールする。
木造も鉄骨造も一長一短あり、一方が極端に優れているわけではありません。
ただし、大きな差こそないものの、堅牢さや法定耐用年数の違いが少なからずアパート経営に影響を与えています。

そこでこの記事では、木造や鉄骨造がアパート経営に与える影響の違いについて解説します。最後までお読みいただき、木造と鉄骨造のどちらを採用すべきかの判断に活かして頂けると幸いです。

この記事のポイント まとめ

木造アパートと鉄骨造アパートは大まかにどこが違う?

木造アパートと鉄骨造アパートのメリット・デメリットはそれぞれ以下の通りです。

木造アパート 鉄骨造アパート
メリット
  • 軽くて加工しやすい
  • 断熱性が良い
  • 頑丈
デメリット
  • 燃えやすい
  • 虫害が発生しやすい
  • 腐りやすい
  • (木造と比べて)全体的にコストが高め

詳細は「アパートの構造の種類」にて詳しく説明しています。

木造を選ぶか鉄骨造を選ぶか、何を基準に決めたら良い?

どのようなアパートを建てられるかは「土地の利用規制」や「土地の大きさ」などの制約条件に影響を受けます。
「木造を選ぶべきか、鉄骨造を選ぶべきか」というのも、上記のような制約条件が基準となって自ずと決まってくることもあります。

詳しくは「建物構造を決める要因 建築規制や土地の広さ」をお読みください。

建物の構造の違いによるアパート経営への影響は?

木造アパートと鉄骨造アパートとの違いがアパート経営へ及ぼす影響は以下の通りです。

木造アパート 鉄骨造アパート
建物規模
  • (鉄骨造に比べると)建物の規模が小ぶりになる
  • (木造よりも)大きな建物を建てられる
  • 1階に店舗区画を入れられる
外装材
  • (タイルなどの)重くて硬い材質の外装材を使うのに適さない
  • 高級で硬い材質を使用できる
  • 見た目の劣化が少なめ
耐震性
  • (新耐震基準を満たしていれば)鉄骨造と変わらない
  • 新耐震基準を満たしている木造とは変わらない
建築コスト
  • 一坪あたり70万円〜100万円程度
  • 一坪あたり80万円〜100万円程度
利回り
  • 建築当初は鉄骨造より有利
  • 築年数が古くなるほど木造よりも有利になる
修繕費
  • 大胆なリフォームも実施しやすい
  • 材料や作り方が頑丈な分、壁を壊すような大掛かりなリフォームがしにくく、抜本的には変えにくい
リフォームの自由度
  • 大胆なリフォームも実施しやすい
  • 材料や作り方が頑丈な分、壁を壊すような大掛かりなリフォームがしにくく、抜本的には変えにくい
固定資産税
  • やや低めの傾向
  • やや高めの傾向
所得税
  • 耐用年数期間内(建築から22年目まで)は木造のほうが安い
  • 耐用年数期間経過後(建築後23年以降)、減価償却による節税が効かなくなる
  • 建築から22年目までは木造よりも高い
  • 建築後23年目〜27年目は木造よりも安い
  • 耐用年数期間経過後(建築後28年以降)、減価償却による節税が効かなくなる

それぞれの項目のより詳細な解説については「建物構造によってアパート経営にどんな影響があるの?」をお読みください。

構造の違いはどのような形でアパート経営に影響する?

木造と鉄骨造とでは、「法定耐用年数(法律上決められた、建物の寿命)」が異なります。
この法定耐用年数の違いは、「銀行へのローン返済期間」や「減価償却で節税できる長さ」にも影響してくることになり、ひいてはキャッシュフロー(手元に残る現金)にも影響してきます。

構造の違いによるキャッシュフローなどへの影響について、詳しくは「法定耐用年数がアパート経営に与える影響」の中で詳しく説明しています。

結局、木造か鉄骨かを選ぶポイントは?

木造と鉄骨造のどちらがアパート経営にとって有利かはケースバイケースです。
どちらを選ぶべきかは、収支計画・管理体制・アフターメンテナンスなどによって左右されます。

詳細については「木造か鉄骨かを決めるポイント」をお読みください。

オーナーが納得のいくアパートを建築するには、複数の企業のプランから、自分に合ったものを見つけるのがカギです。
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1.アパートの構造の種類

アパートは、大きく分けると下記4つの構造で建てられています。

  • 木造
  • 軽量鉄骨造
  • 重量鉄骨造
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)

今回は、木造と鉄骨をメインに取り上げ、それぞれの構造のメリット・デメリットをご紹介します。

1-1.木造のメリット・デメリット

木造は日本の代表的な建築素材です。
メリットは、他の材料に比べて軽く、加工もしやすく、断熱性が良いという点です。
材料が国内で調達できるため、古くから日本の建物に多く用いられています。

デメリットは、燃えやすく、虫害を受けやすい、腐朽しやすいという点です。
他の構造と比べると耐震性も弱いというデメリットもあります。

1-2.鉄骨造のメリット・デメリット

アパートには鉄骨造も多く採用されています。

鉄骨造は、鋼材が引っ張りに対して強いというメリットがあります。
たわみなど、部材が引っ張られる力に対して強いのが鉄骨です。
一方で、鉄骨は熱に弱いというデメリットがあります。
木造のように燃えやすい素材ではないのですが、一定の温度を超すと強度が弱くなります。

ただし、鉄骨は、鉄骨の周りに耐火被覆と呼ばれる素材を施すだけで、安いコストで耐火建築物とすることが可能です。
それに対して、木造は、木材そのものを不燃処理する必要があり、耐火建築物とするには高いコストがかかります。
そのため、耐火建築物とするには一般的には鉄骨造を選択することになります。

鉄骨造は、一般的に鉄骨の厚みが6mm未満のものを「軽量鉄骨」6mm以上のものを「重量鉄骨」と呼んでいます。
2階建までのアパートであれば、軽量鉄骨によるアパートが多いです。
なお、この記事では扱いませんが、希に2階建アパートでも鉄筋コンクリート造が採用されている場合もあります。

鉄筋コンクリート造はコストが高くなりますが、耐久性が高いため、台風の多い沖縄等で多く採用されています。

2.建物構造を決める要因 建築規制や土地の広さ

建物の構造は、土地の建築規制や広さによって必然的に決まってしまう場合があります。
木造か鉄骨かを迷う前に、ある程度土地の建築規制を知っておくと構造の決定がスムーズにできるようになります。

そこでこの章では土地の建築規制と建物構造について解説します。

2-1.防火地域・準防火地域

建築基準法により、「防火地域」または「準防火地域」と呼ばれる規制が定められている地域があります。
防火地域の方が、準防火地域よりも規制が厳しいエリアとなります。

大きい市区町村の場合には、防火地域・準防火地域の情報がホームページで公開されており、インターネットで調べられることもあります。

防火地域や準防火地域は、都市部の主要駅の近辺など、比較的繁華性の高いエリアに指定されることが多いです。

繁華性の高い中心市街地では、建物が敷地いっぱいに建築することができ、隣地に近接した状態で建物が建てられています。

建物同士が近接しているエリアでは、火災が発生するとあっという間に周辺に火災が広がってしまう可能性があります。
火災時に火災が広がらないようにするためには、建物を耐火構造のある建築物としなければなりません。
このような地域は、防火地域または準防火地域に指定され、建物の構造に規制を受けます。

具体的に、防火地域内においては、地階を含む数が3階以上、または延べ床面積が100平米を超える建築物は耐火建築物とする必要があります。また、準防火地域においては地階を除く階数が4階以上、または延べ床面積が1,500平米を超える建築物は耐火建築物とする必要があります。

このように防火地域や準防火地域においては、アパートのような比較的大きな建築物は、必然的に木造が選択肢から外れます。

木造でも、不燃処理をすると耐火建築物として建てることができますが、コストが非常に高くなってしまうため、現実的ではありません。
防火地域や準防火地域では、鉄骨造や鉄筋コンクリート造を選択せざるを得ない状況となります。

一方で、防火地域や準防火地域に指定されるようなエリアは、ターミナル駅に近く賃貸需要が高いエリアです。そのため、アパート経営を行うには適した立地と言えます。

防火地域や準防火地域の土地は、賃貸経営に適した土地が多いため、多少割高な建物構造であっても積極的に土地活用をすることをおすすめします。

2-2.用途地域・容積率

用途地域・容積率

土地は、都市計画法によって「用途地域」や「容積率」が定められています。
用途地域とは建築可能な建物の用途を制限する規制であり、容積率は延べ面積の敷地面積に対する割合のことをいいます。

用途地域で店舗の建築が可能なエリアであった場合、1階にコンビニ、2階に住居のようなアパートを建築することもあります。

1階に店舗区画を作る場合、店舗は柱や壁の無い広い空間が必要となります。住居は4畳半や6畳等の小さな部屋を作って壁である程度支えることができますが、店舗区画は小さな部屋の壁で支えるということができません。

店舗区画は小さな部屋によって空間を支えることができないことから、太い梁で広い空間を作ることになります。梁とは柱と柱の上に横たえて建物の重みを受ける材のことです。
梁を太くするには、重量鉄骨などのたわみに強い鋼材が必要となります。よって、1階に店舗区画を設けるようなアパートを建てる場合、構造の選択肢は必然的に重量鉄骨が選ばれることになります。

また、容積率が高く、3階建以上のアパートを建築できるような土地もあります。3階建て以上のアパートとなると、木造も必然的に選択肢から外れ、鉄骨造を選択することになります。
4〜5階建てでエレベータを設置するようなアパートになると、重量鉄骨造または鉄筋コンクリート造が選択されます。

このように、建物の構造はどのような建物を建てるかによって、必然的に決まることがあります。店舗区画を作る場合や、3階以上のアパートを建築する場合には、その建物の用途や規模に適した構造を選択することが必要です。

2-3.土地の広さ

土地の広さは、どのような建物が建てられるかを決める重要な要素となるため、土地の広さによっても構造が必然的に決まることがあります。

特に広い土地でアパート経営を行う場合、3階建てアパートを建築することもよくあります。
3階建てアパートとなると、主流は鉄骨造となります。

用途地域の中で最も厳しい制限が設けられているのは、第一種低層住居専用地域と呼ばれる用途地域になります。第一種低層住居専用地域は、戸建て住宅が中心となる地域です。
2階建の戸建て住宅が中心であるものの、第一種低層住居専用地域の高さ制限は10mが基本です。
住宅の階高は1階あたり3mですので、高さ制限が10mあると、物理的に3階建ても可能となります。

3階建てのアパート

第一種低層住居専用地域で3階建てのアパートを建てる場合、隣地に日影を落とさない等、他の条件もクリアーすることが必要ですが、広い土地の場合には他の条件をクリアできることがあります。

このように、土地オーナーご自身が2階建のアパートしか建てられないと思っていても、プロが設計すると3階建てのアパートが建てられるような場合もあるのです。
3階建てのアパートを建てる場合には、木造は選択肢から除外されることになります。

一方で、土地が非常に狭い狭小地においても、容積率が高い土地では3階建てのアパートを建てることがあります。狭小地で土地を活用する場合でも、鉄骨造が必然的に選択されることがあります。

ベストな建物の選択肢が2階建のアパートに限られる場合、木造か鉄骨造か判断が迫られるようになります。
土地活用では、建物の構造を選ぶ前に、まずはその土地の広さから建てられる建物の階数を知る必要があるのです。

3.まずはプラン相談をしてみよう

複数の会社にプランの相談をすることで、その土地に合った建物とその構造について知ることができます。まずは、建物の構造プランを請求してみてください。

アパートの構造は、土地の利用規制や土地の大きさによって、どのようなアパートを建てるのがベストなのかが決まり、それに伴って構造が決まることもあります。
店舗区画を入れるようなアパートや、3階建て以上のアパートを建築する場合は、木造の選択肢は必然的に排除されます。

また、防火地域や準防火地域における一定規模以上のアパートも、木造の選択肢は除かれます。つまり、木造アパートが登場するのは、2階以下のアパートを建築する場合のみということになります。

そこで、まずは木造か鉄骨造かを選択する前に、本当にベストな建物は2階建アパートなのかということを検証することが必要です。
2階建アパートしか建てられないと思っていても、実際に専門家が検証した結果、実際には「3階建てアパート」や「1階に店舗を入れるアパート」が建てられることが判明する可能性もあります。

土地活用を考えるということは、様々な可能性を検証して、最適なプランを考えることになります。
1~2社のハウスメーカーにしか話を聞いていない場合には、ぜひ幅広く他の会社からも提案を受けるようにしましょう。

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4.建物構造によってアパート経営にどんな影響があるの?

この章では建物構造がアパート経営に与える影響について解説致します。

4-1.建物規模

建物規模に関しては、鉄骨の方が階数の高い大きな建物を建てることができます。
3階建て以上のアパートを建てる場合や、1階に店舗区画を入れるようなアパートを建築する場合は、鉄骨造を選択することになります。

用途地域が第一種低層住居専用地域以外の場合には、立地が良ければ店舗を誘致できることがあります。
1階に事業系の店舗区画を誘致できる場合は、鉄骨造を選択しても通常のアパートよりも収益性が高くなる可能性があります。

4-2.外装材

外装材に関しては、鉄骨の方が石調やレンガ調のタイルなど、比較的、高級感のある硬い材質の外装材で仕上げることが可能です。
タイルのような硬い材質の外装材は、重いため木造ではあまり採用されることがありません。

重くて硬い外装材は、経年の劣化も少なく、新築時の風合いも長期に維持することができます。鉄骨造は硬い外装材を付けることができるため、経年による見た目の劣化は、木造よりも少なめです。

4-3.耐震性

木造アパートの方が耐震性は弱いというイメージをお持ちの方が多いようですが、耐震性に関しては、新耐震基準を満たした建物であれば、大きな地震が来ても木造でも鉄骨造でも倒壊するようなことは基本的にありません。

ただし、大きな地震が発生した後などに木造住宅への入居希望者が減少する可能性は考えられます。

4-4.建築コスト

建築コストに関しては、低層階の場合、一般的には木造の方が安めです。
建築費の坪単価相場は、木造は「坪70万円〜100万円程度」、鉄骨造(軽量鉄骨造)は「坪80万円〜100万円程度」です。
建築コストの安さが木造の最大の魅力
と言えます。

ただし、木造でもハイスペックな設備を導入すれば鉄骨造よりもコストは高くなります。
また、複雑な形をした木造アパートも、コストが割高となります。

アパートの建築費は、大きく分けて躯体40%、仕上40%、設備20%程度で構成されます。
さらに躯体は基礎、壁、屋根、柱、梁等で構成されており、木造か鉄骨造かで差がつく部分は全体工事費の中でほんの一部分です。

(アパート建築費の構成比率)

したがって、木造を選んだとしても、良い仕上材やハイスペックな設備を選定すれば建築費は鉄骨造よりも高くなります。

4-5.利回り

家賃に関しては、木造も鉄骨造もほぼ変わりません。
木造は建築費が安いため、建築当初の利回りは鉄骨造よりも木造の方が有利となります。

ただし、鉄骨造は硬い外装材を使用することにより、老朽化のスピードを遅くすることができます。
そのため、築年数が古くなると、老朽化が進みやすい木造の方が早く家賃が下がっていく傾向はあります。

4-6.修繕費

修繕費は、似たようなアパートであれば木造と鉄骨造との間で、ほとんど違いはありません。

ただし、鉄骨造では屋根を陸屋根(平らに造った屋根のこと)とするケースがあります。
陸屋根にすると屋根部分は屋上アスファルト防水と呼ばれる防水仕上げを施すことになります。

屋上アスファルト防水は、10年に1度程度、貼りかえる必要があり、修繕費が発生します。
陸屋根は木造アパートでは通常採用されない構造のため、鉄骨造で陸屋根を採用した場合には、木造よりも鉄骨造の方が修繕費はかかることがあります。

鉄骨造を採用する場合には、修繕費が木造アパートとほぼ変わらないような作りの建物にすることがポイントとなります。

4-7.リフォームの自由度

将来的なリフォームの自由度は木造の方が高くなります。
鉄骨造は、部屋の壁の中に柱やブレース(筋交い構造の鉄骨)が組み込まれており、壁で建物荷重を支えている部分があります。

そのため、鉄骨造のアパートの部屋の中には壊せない壁が多いという特徴があります。
例えば、3LDKのアパートの壁を壊して広めの2DKを作るといった大胆なリフォームを行おうとした時、木造であれば実施可能でも、鉄骨造の場合は実施できないことがあります。

鉄骨造は、壁を壊すような大掛かりなリフォームができず、将来の空室対策リフォームで抜本的な変化を与えにくいという特徴があります。
鉄骨造は、後から間取りを変更しにくいため、プランを計画する際は、十分な市場調査を行った上で決定するということが重要です。

4-8.建物の固定資産税

建物の固定資産税に関しては、鉄骨造の方が建物評価額は高くなることから、鉄骨造の方が高くなる傾向にあります。

ただし、建物の固定資産税評価額は、新築請負工事金額の50~60%程度です。
木造であっても請負工事金額が鉄骨造よりも高い場合は、建物評価額が高くなってしまい、固定資産税も高くなります。

4-9.所得税

アパート経営で生じる所得税については、耐用年数期間内であれば木造の方が安くなります。
木造と鉄骨造で同じ金額でアパートを建てた場合、木造の方が耐用年数は短いため、減価償却費が大きく計上されます。

例えば、建築費が5,940万円として、耐用年数が22年の木造と27年の鉄骨造(3mm超4mm以下)で1年間当たり計上される減価償却費を考えてみます。
減価償却費は、簡単にいうと建築費を耐用年数で割ったような金額が毎年計上されます。
建築費が5,940万円の場合、耐用年数が22年なら毎年約270万円、耐用年数が27年なら毎年約220万円が計上されることになります。

減価償却費は実際に毎年支出を伴う費用ではありませんが、会計上は費用であるため、減価償却費によって利益が小さくなり、その結果、税金も少なくなります。

ただし、耐用年数が満了すれば減価償却費は計上されなくなるため、その後、税金が一気に上がります。
木造の場合、築23年目に税金は上がりますが、鉄骨造(3mm超4mm以下)の場合には築28年目で税金が上がるということです。
したがって、節税できる期間に関しては鉄骨造の方が長くなります。

5.法定耐用年数がアパート経営に与える影響

建物の構造が異なると、法定耐用年数も異なってきます。この章では法定耐用年数がアパート経営に与える影響について解説致します。

5-1.法定耐用年数とは

法定耐用年数とは、建物や機械などの償却資産について、会計上の減価償却計算を行うための計算の基礎となる年数のことを指します。

法定耐用年数は国が定めており、その期間は建物の構造と用途によって決まります。
住宅用の建物においては、木造を鉄骨造の耐用年数は以下の通りです。

(構造別耐用年数)
木造 22年
鉄骨造(厚さ3㎜以下) 19年
鉄骨造(厚さ3㎜超4㎜以下) 27年
鉄骨造(厚さ4㎜超) 34年

耐用年数は、あくまでも会計の計算上定められた年数であり、実際に使用できる年数とは異なります。

現在では建築技術が高くなっているため、木造も築30年を超えても十分に使用することが可能です。実際に使用できる年数とは別物であり、便宜上定められた年数になります。

また、アパートローンの借入期間を耐用年数以内としている銀行が多いです。
借入期間に影響するため、アパート経営者にとっては、耐用年数は関心の高いところだと思います。

特に軽量鉄骨については、ハウスメーカーによって厚さが3㎜以下を採用している場合と、3㎜超4㎜以下を採用している場合があります。

同じ軽量鉄骨でも、借入期間が異なりますので、軽量鉄骨を再用意する場合は、ハウスメーカーにしっかりと法定耐用年数を確認するようにしましょう。

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5-2.減価償却費とは

減価償却費とは、資産の額を減少させていくために、毎年決められた計算方法で発生する費用のことをいいます。

初年度に建物建築費を一気に費用計上すると、初年度が大赤字となってしまいますが、一度に費用計上はせず、毎年ちょっとずつ分けて費用化していくのが減価償却という手続きになります。

実際にお金が出ていくのは、初年度の建物投資のときだけであるため、毎年の減価償却費は実際に出ていくお金ではありません。
減価償却費は実際には支出されないお金ですが、売上から引かれる費用となるため、会計上の利益は減価償却の分だけ減ります。

税金は利益に対してかかるため、利益が減ればその分税金も減ることになります。
すると、減価償却費は実際に支出されないお金にも関わらず、税金を減らしてくれる存在となります。

そのため、減価償却費には「節税効果」があります。
減価償却は、法定耐用年数の期間内に行われるため、減価償却費は法定耐用年数の期間内のみ発生します。

例えば木造アパートであれば新築から22年間、厚さ3㎜超4㎜以下の鉄骨造なら27年間は減価償却費が発生することになります。

耐用年数を過ぎると減価償却費が発生しなくなるため、減価償却費による節税効果が無くなります。すると、木造アパートなら23年目から、厚さ3㎜超4㎜以下の鉄骨造なら28年目から急に税金が増える形になります。

木造や鉄骨造は法定耐用年数が異なるため、アパート経営においては急に税金が増えるタイミングが異なるという影響があります。
建物構造の違いは、節税できる期間の長さにも影響を与えているということを理解しておきましょう。

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5-3.減価償却費とキャッシュフローの関係

アパート経営ではキャッシュフローも理解しておく必要があります。
キャッシュフローとは手元に残る最終的な現金のことです。

この節では、借入金を全く使わない場合のキャッシュフローを考えます。
アパート経営の最終的な手残りは、税引後の利益と考えがちですが、実は税引後利益は最終的な手残りではありません。

税金を計算するための費用のうち、減価償却費は実際に出て行かないお金なので、減価償却費は手元に残っているお金になります。
すると、法定耐用年数内のキャッシュフローは以下のようになります。

法定耐用年数内のキャッシュフロー
キャッシュフロー = 税引後利益 + 減価償却費

一方で、法定耐用年数を過ぎてしまうと、減価償却費は計上されません。
そのため、法定耐用年数満了後のキャッシュフローは以下のようになります。

法定耐用年数満了後のキャッシュフロー
キャッシュフロー = 税引後利益

法定耐用年数満了後は、減価償却費がなくなるため、その分、キャッシュフローが急激に悪くなります。

減価償却費がなくなると、会計上の費用が少なくなるため、利益が増えます。
利益が増えると、税金が増えるため、税引後の利益も小さくなります。
つまり、耐用年数満了後は、税金が増えて手残りが少なくなるという現象が起こります。

このような現象は、厚さ3㎜以下の鉄骨造なら20年目から、木造アパートなら23年目から、厚さ3㎜超4㎜以下の鉄骨造なら28年目に発生するということになります。

構造の違いにより、法定耐用年数が異なるため、キャッシュフローの悪化が始まる時期も異なるということを理解しておきましょう。

5-4.法定耐用年数と借入期間

法定耐用年数と借入期間

キャッシュフローでは借入金の元本返済についても考える必要があります。
アパートの建築費でローンを組むと、毎月、借入金の返済が発生します。

まず、借入金の元本返済については費用にならないという点がポイントです。
費用になるということは、言い換えると「節税できるお金」になるともいえます。
しかし、借入金の元本返済は実際に支出されるお金ですが、節税に効果のある費用にはなりません。

そもそも、アパート経営は全額自己資金でも、全額借入金でもできる商売です。
例えば5,000万円のアパートは、全額自己資金で投資しても、全額借入金で投資しても稼げる家賃は同じです。
もし借入金の元本返済が費用になったら、全額借入金で投資をした人の方が支払う税金が安くなってしまいます。

自分で貯めたお金でアパートを建てた人が重税を受け、他人から借りたお金でアパートを建てた人は税金が軽くなったらおかしな話です。
そのため、お金の貸し借りは税金がかかる利益計算とは関係がないのです。

一方で、借入金の元本返済額は実際に支出されるお金であるため、キャッシュフローには影響します。
減価償却費が発生する法定耐用年数内におけるキャッシュフローは以下の式で表されることになります。

借入金がある場合の法定耐用年数内のキャッシュフロー
キャッシュフロー = 税引後利益 + 減価償却費 - 借入金の元本返済額

多くの銀行は、アパートローンの借入期間を法定耐用年数内と限定しています。
法定耐用年数以内で返済が終われば、減価償却費があるためキャッシュフローの悪化が和らぐことになります。

また、銀行によっては、法定耐用年数を超えた期間でアパートローンが組める銀行もあります。しかしながら、法定耐用年数を超えてアパートローンを組んでしまうと、法定耐用年数を満了した後のキャッシュフローは以下のようになります。

法定耐用年数を超えても借入金の返済が残っている場合のキャッシュフロー
キャッシュフロー = 税引後利益 - 借入金の元本返済額

法定耐用年数を超えても借入金の元本返済が残っていると、減価償却費のプラスがなくなるため、一気にキャッシュフローが悪化してしまうことが分かります。
そのため、耐用年数満了後のキャッシュフローのことを考えると、借入金の返済期間は法定耐用年数以内で借りた方が良いことになります。

つまり、木造であれば22年で組み、厚さ3㎜超4㎜以下の鉄骨造であれば27年でローンを組むことが望ましいということです。

仮に、5,000万円の借入をした場合、木造であれば毎年約227万円(5,000万円÷22年)、鉄骨造であれば毎年約185万円(5,000万円÷27年)の返済をしていくようなイメージとなり、法定耐用年数は長い方が返済は楽になることが分かります。

木造と鉄骨造は、法定耐用年数が違うことから、借入金の返済額にも影響を与えます。建築費がほぼ同額であれば、耐用年数の長い構造を選択した方が、アパート経営上は有利です。

特に鉄骨造に関しては、厚みによって法定耐用年数が異なるため、法定耐用年数が何年の鉄骨造なのか、しっかりと確認することが重要です。

構造を決定する際は、単純な安さだけではなく、耐用年数も考慮して決めるようにしましょう。

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6.木造か鉄骨かを決めるポイント

木造か鉄骨かを決めるポイント

木造か鉄骨かを決めるポイントとしては、構造だけにこだわり過ぎないということがポイントです。
結論としては、木造も鉄骨造も、どちらを選んでも正解や不正解はありません。

アパート経営上は、木造や鉄骨造の違いが与える影響をほとんど実感できず、むしろ間取りや管理会社の違いの方がアパート経営に大きな影響を与えている傾向があります。

耐用年数も、木造は22年ですが、厚さ3㎜以下の鉄骨であれば19年なので、鉄骨でも木造よりも短いものと長いものが存在します。
一概に鉄骨の方が木造よりも有利とは言い切れないのです。

また、アパート建築の提案は、ハウスメーカーから収支計画や管理体制、アフターメンテナンス等がセットで提案されることが通常です。
そのため、構造だけでアパートの優劣は決まらず、収支計画や管理体制、アフターメンテナンス等も含めて判断する必要があります。

2階建てアパートの場合は、構造にはこだわり過ぎない方が良いプランを選択できることもあります。
どちらを選んでも間違いではないため、トータルで考えて有利なプランを選ぶようにしましょう。

7.木造と鉄骨、どちらを建てるべきか」を安心して相談できるハウスメーカーを選ぶためのポイント

木造アパートと鉄骨アパートの違いについてご紹介しましたが、いざ実際に自分自身でどちらにするかを選ぶとなると、決断するのはなかなか難しいところではないでしょうか?

重要なことは、「必ずしもオーナー自身がすべてを決断しないといけない」というわけではないことです。
実際に、アパート経営で成功を重ねているオーナーほど、専門家を味方につけ、アドバイスを受けた上で決断を下しているものです。
成功のための第一歩として、複数企業に相談し、各企業からの提案を比較検討することからスタートしてみましょう。

ここからは、「安心して相談できるハウスメーカーを選ぶためのポイント」についてお話しします。

7-1.ハウスメーカーの提示する「経営プラン」

多くの大家さんはアパートを建築するタイミングで、建築にかかる費用や工法、出来上がる物件などのことばかりを気にかけがちですが、出来上がった後の収益を左右する要素として「完成前・完成後の経営プラン」も非常に重要です。

各メーカーが提示しているランニングコストや収支計画をチェックすることによって「より具体的で現実性が高い計画」を掲げている会社を選ぶことが重要です。
(各社ごとに、意外なほど内容の差があるのがお分かりいただけるはずです)

HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」では、収益性から構造を提案をしてくれる「アパート経営」に強いハウスメーカーを選んで複数ご紹介できます。複数のハウスメーカーの経営プランを一括請求することができますのでご活用ください。

7-2.評判・口コミ

ハウスメーカーの評判や口コミについては、インターネットを活用することによって業者の立場から独立した中立な意見を拾うことができます。

特に近年では、通常のGoogle検索の他に、SNS上で情報を探すことによって「生のユーザーの声」を見つけやすくなっているので、ぜひご活用ください。

7-3.木造アパート・鉄骨アパートの両方で実績のあるハウスメーカー

ハウスメーカーとしての実績が木造・鉄骨のどちらかに偏っているハウスメーカーに相談した場合だと、あなたの状況に合わせた提案ではなく、その会社が得意とする工法を勧められることにもなりかねません。

事前にハウスメーカーの施工例を見た上で、木造・鉄骨のいずれの実績もあるメーカーを選ぶのがベターです。

HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」では、木造アパート・鉄骨アパートのいずれにも強いハウスメーカーが複数掲載されています。

あなたの不動産経営を成功に導くハウスメーカー選びにお役立ていただけると幸いです。

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