減価償却はアパート経営に欠かせない知識です。この記事では、減価償却の意味や計算方法、減価償却が終わるとどうなるか、減価償却の注意点などについてわかりやすく解説します。

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公開日
2020年06月18日
変更日
2020/06/18
カテゴリ
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アパート経営をするなら知っておきたい!減価償却の基礎知識

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アパート経営をするなら知っておきたい!減価償却の基礎知識

アパート経営では、「減価償却」という言葉が登場します。
減価償却とは、アパートの建物建築費を費用として各期に配分していく手続きのことです。
また、「減価償却費」は、建物価値を減少させるという会計上の「つじつま合わせ」のために存在する費用ですが、実際にはお金が出て行くわけではないため、節税をしてくれるという嬉しい役割を担っています。

とはいえ、初めてアパート経営を検討している方などの中には、何のために存在するものなのか良く分からないという方もいらっしゃると思います。

そこでこの記事では、「アパートの減価償却」について、わかりやすく解説していきます。
この記事を読むことで、減価償却の意味や計算方法、償却期間が終わったらどうなるか、減価償却の注意点などについて理解を深めることができますので、ぜひ最後までおつきあいください。

1.アパートの減価償却とは

最初に「減価償却」とは何かについて解説します。

1-1.減価償却の意義

減価償却とは、建物や備品、車両等の固定資産の価値を減少させていく手続きをいいます。
減価償却によって計上される費用のことを「減価償却費」と呼びます。

減価償却を知るには、「資産」と「費用」が繋がっているということを理解することが第一歩です。

資産とは現金や土地、建物等の財産のことを指します。
最もわかりやすい例として、現金で資産と費用の関係を考えます。

例えば、現金を100万円持っている人が、毎年、10万円ずつ使うとします。
すると、1年目は費用として10万円を使うと、資産の現金は90万円となります。
2年目も費用として10万円を使うと、資産の現金は80万円です。

このように「費用」としてお金を使っていけば、「資産」は毎年減っていきます。
つまり、費用と資産は繋がっているということです。

資産の中には建物も存在します。
建物は古くなると、損傷や劣化が生じ、資産価値が落ちるのが一般的です。

この「建物の資産価値は落ちる」という考え方は、会計の世界でも同様とされています。
50年前に5,000万円で建てた建物が、50年後も5,000万円の価値があると考えるのはさすがに無理があるためです。
そこで会計上も、建物は毎年価値を落とすというのがルールになっています。

では、建物の資産価値が100万円とした場合、この資産価値を毎年落とすためにはどうしたら良いのでしょうか。

現金では、費用を使えば資産が減るという関係がありました。
「費用を使えば資産は減る」という関係から、その逆に「資産を減らすには費用を発生させる」という考えも成立します。

つまり、資産を減らすためには、つじつま合わせとして費用を発生させなければならないということです。

そこで、経年とともに建物価値を落とすため、計算上、無理矢理生じているのが「減価償却費」になります。

減価償却費という費用を発生させることで、矛盾なく毎年建物の価値を落とすことができるのです。

減価償却費は建物価値を落とすために生まれた計算上の費用であるため、実際にお金の支出を伴うものではありません。

しかしながら、れっきとした会計上の費用であるため、減価償却費によって利益も小さく計算されます。
税金は利益に対してかかるため、利益が小さくなると税金も少なくなります。

そのため、減価償却費は支出が伴わないにもかかわらず、税金を小さくしてくれるという節税効果があるのです。

尚、同じ不動産であっても、土地は減価償却を行わないことになっています。
会計上、土地は何年経っても価値が減らない資産という考え方が採用されており、土地には減価償却は行われないのです。

1-2.定額法と定率法

減価償却には、定額法と定率法の2種類があります。
定額法と定率法では、減価償却費の計算方法が異なるため、資産の減り方と費用の計上のされ方が違います。

定額法とは、固定資産の耐用年数中、毎期均等額の減価償却費を計上する方法です。
耐用年数とは、減価償却費が計上できる期間になります。
定額法では、費用で計上される減価償却費は、毎年、同額です。

定額法による減価償却費の計算方法は、以下のようになります。

定額法による減価償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率

 

一方で、定率法とは、固定資産の取得費から減価償却累計額を差し引いた未償却残高に、毎期一定の償却率を乗じて減価償却費を計上する方法です。
費用として計上される減価償却費は、毎年、低減していきます。

定率法による減価償却費の計算方法は、以下のようになります。

定率法による減価償却費 = 未償却残高 × 定率法の償却率

 

定率法は廃止されましたので、これからアパートを建てる方は、定額法のみを知るだけで十分です。

1-3.耐用年数

減価償却では建物の構造によって耐用年数と償却率が定められています。
アパートのような事業用不動産の構造と耐用年数の関係は以下の通りです。

建物構造 事業用
耐用年数 償却率
木造 22年 0.046
木造モルタル 20年 0.050
鉄骨造 3mm以下 19年 0.053
3mm超4mm以下 27年 0.038
4mm超 34年 0.030
鉄筋コンクリート造 47年 0.022
鉄骨鉄筋コンクリート造 47年 0.022

 

例えば、木造アパートを建てた場合は、耐用年数は22年、償却率は0.046を用いて計算することになります。

つまり、木造アパートでは、22年間は減価償却費が計上されるということです。
一方で、鉄筋コンクリート造でアパートを建てると、47年間も減価償却費が計上されることになります。

2.減価償却の計算方法

この章では、減価償却の計算方法について解説します。

2-1.取得時期と計算方法の関係

アパートは、取得時期によって減価償却方法が異なります
取得時期による減価償却の計算ルールの変遷は以下の通りです。

平成10年(1998年)度税制改正により、平成10年4月1日以後に取得した建物(躯体のこと)の償却方法については、定額法に限るとされました。

平成19年(2007年)度改正により、平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産については、定額法または定率法のいずれであっても、償却可能限度額(取得価額の95%相当額)および残存価額(10%)を廃止し、耐用年数経過時点に1円(備忘価額)まで償却できるようになりました。

平成19年度改正では1円まで償却するために、改定償却率や保証率といった概念が導入されています。

また、同時に定率法の償却率は250%定率法が開始されました。
250%定率法とは、定額法の償却率を2.5倍とする定率法のことです。

平成23年(2011年)12月の改正により、定率法の償却率の見直しが行われ、平成24年(2012年)4月1日以後に取得した減価償却資産の定率法の償却率は、定額法の償却率を2.0倍した数値になりました。
定額法の償却率を2.0倍とする定率法のことを200%定率法と呼びます。

平成28年(2016年)度改正では、平成28年4月1日以後に取得する建物付属設備および構築物の償却の方法については、定率法が廃止され、定額法とすることになりました。

2-2.旧定額法

旧定額法とは、平成19年(2007年)3月31日以前に取得した資産に対して行う定額法のことです。
旧定額法の計算式は以下のようになります。

【定額法】

減価償却費 = (建物購入価額 - 残存価額※1) × 償却率※2 × 業務に供された月数 ÷ 12
      = 建物購入価額 × 0.9 × 償却率 × 業務に供された月数 ÷ 12

※1:残存価額とは、取得価額の10%です。
※2:償却率は旧定額法の償却率を用います。

【旧定額法の償却率】
耐用年数 償却率 耐用年数 償却率 耐用年数 償却率 耐用年数 償却率
  16 0.062 31 0.033 46 0.022
2 0.500 17 0.058 32 0.032 47 0.022
3 0.333 18 0.055 33 0.031 48 0.021
4 0.250 19 0.052 34 0.030 49 0.021
5 0.200 20 0.050 35 0.029 50 0.020
6 0.166 21 0.048 36 0.028 51 0.020
7 0.142 22 0.046 37 0.027 52 0.020
8 0.125 23 0.044 38 0.027 53 0.019
9 0.111 24 0.042 39 0.026 54 0.019
10 0.100 25 0.040 40 0.025 55 0.019
11 0.090 26 0.039 41 0.025 56 0.018
12 0.083 27 0.037 42 0.024 57 0.018
13 0.076 28 0.036 43 0.024 58 0.018
14 0.071 29 0.035 44 0.023 59 0.017
15 0.066 30 0.034 45 0.023 60 0.017

2-3.定率法

定率法は、固定資産の取得費から減価償却累計額を差し引いた未償却残高に、毎期一定の償却率を乗じて減価償却費を計上する計算方法です。

減価償却費 = 未償却残高 × 償却率 × 業務に供された月数 ÷ 12

 

定率法の償却率は、取得時期によって異なる償却率を用います。

償却率 取得時期
旧定率法 平成19年3月31日までに取得した減価償却資産
250%定率法 平成19年4月1日から平成24年3月31日までに取得した減価償却資産
200%定率法 平成24年4月1日以後に取得した減価償却資産

 

旧定率法の償却率は以下の通りです。

【旧定率法の償却率】
耐用年数 償却率 耐用年数 償却率 耐用年数 償却率 耐用年数 償却率
  16 0.134 31 0.072 46 0.049
2 0.684 17 0.127 32 0.069 47 0.048
3 0.536 18 0.120 33 0.067 48 0.047
4 0.438 19 0.114 34 0.066 49 0.046
5 0.369 20 0.109 35 0.064 50 0.045
6 0.319 21 0.104 36 0.062 51 0.044
7 0.280 22 0.099 37 0.060 52 0.043
8 0.250 23 0.095 38 0.059 53 0.043
9 0.226 24 0.092 39 0.057 54 0.042
10 0.206 25 0.088 40 0.056 55 0.041
11 0.189 26 0.085 41 0.055 56 0.040
12 0.175 27 0.082 42 0.053 57 0.040
13 0.162 28 0.079 43 0.052 58 0.039
14 0.152 29 0.076 44 0.051 59 0.038
15 0.142 30 0.074 45 0.050 60 0.038

 

250%定率法の償却率は以下の通りです。

250%償却率(H19/4/1~H24/3/31)
耐用年数 償却率 改定償却率 保証率 耐用年数 償却率 改定償却率 保証率
      24 0.104 0.112 0.02157
2 1.000     25 0.100 0.112 0.02058
3 0.833 1.000 0.02789 26 0.096 0.100 0.01989
4 0.625 1.000 0.05274 27 0.093 0.100 0.01902
5 0.500 1.000 0.06249 28 0.089 0.091 0.01866
6 0.417 0.500 0.05776 29 0.086 0.091 0.01803
7 0.357 0.500 0.05496 30 0.083 0.084 0.01766
8 0.313 0.334 0.05111 31 0.081 0.084 0.01688
9 0.278 0.334 0.04731 32 0.078 0.084 0.01655
10 0.250 0.334 0.04448 33 0.076 0.077 0.01585
11 0.227 0.250 0.04123 34 0.074 0.077 0.01532
12 0.208 0.250 0.03870 35 0.071 0.072 0.01532
13 0.192 0.200 0.03633 36 0.069 0.072 0.01494
14 0.179 0.200 0.03389 37 0.068 0.072 0.01425
15 0.167 0.200 0.03217 38 0.066 0.067 0.01393
16 0.156 0.167 0.03063 39 0.064 0.067 0.01370
17 0.147 0.167 0.02905 40 0.063 0.067 0.01317
18 0.139 0.143 0.02757 41 0.061 0.063 0.01306
19 0.132 0.143 0.02616 42 0.060 0.063 0.01261
20 0.125 0.143 0.02517 43 0.058 0.059 0.01248
21 0.119 0.125 0.02408 44 0.057 0.059 0.01210
22 0.114 0.125 0.02296 45 0.056 0.059 0.01175
23 0.109 0.112 0.02226

 

200%定率法の償却率は以下の通りです。

200%償却率(H24/4/1~)
耐用年数 償却率 改定償却率 保証率 耐用年数 償却率 改定償却率 保証率
      24 0.083 0.084 0.02969
2 1.000     25 0.080 0.084 0.02841
3 0.667 1.000 0.11089 26 0.077 0.084 0.02716
4 0.500 1.000 0.12499 27 0.074 0.077 0.02624
5 0.400 0.500 0.10800 28 0.071 0.072 0.02568
6 0.333 0.334 0.09911 29 0.069 0.072 0.02463
7 0.286 0.334 0.08680 30 0.067 0.072 0.02366
8 0.250 0.334 0.07909 31 0.065 0.067 0.02286
9 0.222 0.250 0.07126 32 0.063 0.067 0.02216
10 0.200 0.250 0.06552 33 0.061 0.063 0.02161
11 0.182 0.200 0.05992 34 0.059 0.063 0.02097
12 0.167 0.200 0.05566 35 0.057 0.059 0.02051
13 0.154 0.167 0.05180 36 0.056 0.059 0.01974
14 0.143 0.167 0.04854 37 0.054 0.056 0.01950
15 0.133 0.143 0.04565 38 0.053 0.056 0.01882
16 0.125 0.143 0.04294 39 0.051 0.053 0.01860
17 0.118 0.125 0.04038 40 0.050 0.053 0.01791
18 0.111 0.112 0.03884 41 0.049 0.050 0.01741
19 0.105 0.112 0.03693 42 0.048 0.050 0.01694
20 0.100 0.112 0.03486 43 0.047 0.048 0.01664
21 0.095 0.100 0.03335 44 0.045 0.046 0.01664
22 0.091 0.100 0.03182 45 0.044 0.046 0.01634
23 0.109 0.112 0.02226

2-4.新定額法

新定額法とは、平成19年(2007年)4月1日以後に取得した資産に対して行う定額法のことです。
新定額法の計算式は以下のようになります。

【定額法】

減価償却費 = 建物購入価額 × 償却率※ × 業務に供された月数 ÷ 12

※償却率は新定額法の償却率を用います。

【償却率】
耐用年数 償却率 耐用年数 償却率 耐用年数 償却率 耐用年数 償却率
  16 0.063 31 0.033 46 0.022
2 0.500 17 0.059 32 0.032 47 0.022
3 0.334 18 0.056 33 0.031 48 0.021
4 0.250 19 0.053 34 0.030 49 0.021
5 0.200 20 0.050 35 0.029 50 0.020
6 0.167 21 0.048 36 0.028 51 0.020
7 0.143 22 0.046 37 0.028 52 0.020
8 0.125 23 0.044 38 0.027 53 0.019
9 0.112 24 0.042 39 0.026 54 0.019
10 0.100 25 0.040 40 0.025 55 0.019
11 0.091 26 0.039 41 0.025 56 0.018
12 0.084 27 0.038 42 0.024 57 0.018
13 0.077 28 0.036 43 0.024 58 0.018
14 0.072 29 0.035 44 0.023 59 0.017
15 0.067 30 0.034 45 0.023 60 0.017

2-5.中古アパートの減価償却の計算方法

中古アパートを取得したときの減価償却方法は少し特殊です。
減価償却の計算には償却率を用いますが、その償却率は耐用年数によって決まります。
中古アパートを購入した場合、まず耐用年数を何年とするかを決めることが必要です。

アパートのような事業用不動産を取得した場合の耐用年数の求め方には、以下の2通りがあります。

  1. 法定耐用年数の全部を経過しているケース
  2. 法定耐用年数の一部を経過しているケース

 

例えば、木造アパートの耐用年数は22年です。
築30年の中古の木造アパートを購入した場合なら「法定耐用年数の全部を経過しているケース」となります。

それに対して、築10年の木造アパートを購入した場合なら「法定耐用年数の一部を経過しているケース」ということです。

それぞれのケースにおける耐用年数の求め方は以下のようになります。

【法定耐用年数の全部を経過しているケース】

中古物件の耐用年数 = 法定耐用年数 ×20%

【法定耐用年数の一部を経過しているケース】

中古物件の耐用年数 = 法定耐用年数 - 経過年数 + 経過年数 × 0.2

 

最初に、築30年の木造アパート(法定耐用年数は22年)を購入した場合の耐用年数および償却率を求めてみます。

【法定耐用年数の全部を経過しているケース】

中古物件の耐用年数 = 法定耐用年数 ×20%
          = 22年 × 20%
          ≒ 4年 (端数は切り捨て)

新定率法の4年の償却率は0.250です。
よって、築30年の木造アパートを購入した場合、償却率0.250を用いて減価償却の計算を行っていきます。

 

次に、築10年の木造アパート(法定耐用年数は22年)を購入した場合の耐用年数および償却率を求めます。

【法定耐用年数の一部を経過しているケース】

中古物件の耐用年数 = 法定耐用年数 - 経過年数 + 経過年数 × 0.2
          = 22年 - 10年 + 10年 × 0.2
          = 12年 + 2年
          = 14年

新定率法の14年の償却率は0.072です。
よって、築10年の木造アパートを購入した場合、償却率0.072を用いて減価償却の計算を行っていきます。

 

それぞれのケースで償却率を求めたら、定額法の計算式に当てはめて減価償却費を計算することになります。

【新定額法の計算式】

減価償却費 = 建物購入価額 × 償却率※ × 業務に供された月数 ÷ 12

※償却率は、法定耐用年数の超過の有無によって求めた償却率を用います。

3.減価償却が終わったらどうなるか

減価償却が終わると、アパートオーナーの手残りは大きく減少します。

耐用年数(法定耐用年数)を過ぎたアパートは減価償却費が計上されなくなります。
法定耐用年数は、あくまでも会計上の減価償却を計上できる期間を定めたものですので、建物の物理的な耐用年数とは関係がありません。

耐用年数を過ぎてもアパートの見た目は変わりませんし、普通に使い続けることができます。

しかしながら、見た目上は変わらないのですが、会計上は大きな変化が生じます。
耐用年数を過ぎると減価償却費が終わるので、一つの費用がなくなることとなり、利益が増えます。
利益が増えてしまうことで、税金も一気に増えるのです。

一見すると「利益が増える」というのは良いことのように思えますが、アパート経営では減価償却が終わる前と後で特に収入が増えていないことがネックとなります。

全体の収入が増えないのにもかかわらず、税金だけが増えるため、利益が増えても一つも嬉しくないのです。

元々、減価償却費は支出を伴わない費用ですので、減価償却費に相当するお金はアパートオーナーの手元に残ったままとなります。

減価償却が終わる前は、借入金の返済がゼロとした場合、「税引き後の利益+減価償却費」がアパートオーナーの手元に残っていました。

一方で、減価償却が終わった後は「税引き後の利益」のみがアパートオーナーの手元に残ります。
そのため、減価償却が終わるとアパートオーナーの手残りは大きく減ってしまうのです。

減価償却費の終了後の手残り減少のダメージを防ぐには、耐用年数満了後でも入居率が高く、修繕費もあまりかからない建物を建てておくことが最も効果的な対策となります。

耐用年数満了時は、建物は古い状態です。
アパートは建物が古くなると、賃料も下がり、空室も増えていきます。
また、修繕費も増加します。
アパートは、ただでさえ古くなると収入が減り、支出が増えるのが特徴です。
そこに減価償却終了による税金アップが加わると、かなり痛いダメージを受けることになります。

よって、減価償却終了による税金アップのダメージを緩和するには、古くなっても収入が減らず、支出が増えないアパートを建てることが必要なのです。

古くなっても満室が維持でき、修繕費が増えないようにするには、施工の質の高いアパートを建てることに尽きます。

施工の質の高いアパートを建てるには、「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」の無料のプラン一括請求サービスを利用して、優良なハウスメーカーと出会うことから始めると良いでしょう。
国内屈指のハウスメーカー最大7社から、建築費や収益計画を盛り込んだアパート建築プランの提案を無料で受けることができます。

大手ハウスメーカーのアパートはもともと施工の質が高いので、劣化しにくく修繕費があまりかかりません。
また、手厚いアフターサービスが付いていますので、長年に渡り建物を良い状態に維持することができます。
大手ハウスメーカーでアパートを建てた方の声を聞くと、決まって「アフターサービスが良い」という答えが返ってきます。
大切な資産を形成するという意味では、アパートは大手ハウスメーカーに建ててもらうのが安心です。
様々なハウスメーカーをじっくり比べて決めることをおススメします。

減価償却終了後のことも考慮した上でアパートを建築するなら、ぜひ「HOME4U 土地活用」をご利用ください。

4.減価償却の注意点

この章では、減価償却の注意点について解説します。

4-1.借入金との関係

減価償却費と関連し、アパートの借入金は以下の2点を意識することが重要です。

  • 毎年の返済額を「減価償却費以内」とする
  • 借入期間を「耐用年数以内」とする

 

借入金返済額は、支出を伴いますが利益を小さくしてくれる費用ではないという点がポイントとなります。
借入金返済額が費用にならないのは、お金の貸し借りは会計上の損益ではないためです。

お金を借りた際、借りたお金が売上として課税の対象となることはありません。
借りたときに売上として課税しなかったのだから、返したときも費用として節税できないというのが理屈となります。

アパート経営では、借入金の返済を考慮した実際の手残りのことをキャッシュフローと呼びます。

利益は、支出を伴わなくても費用となる減価償却費が影響します。
それに対して、キャッシュフローは費用にならなくても支出を伴う借入金元本返済額が影響します。

よって、アパート経営では、利益とキャッシュフローが異なるのが通常です。
ただし、減価償却費と借入金元本返済額を同額にすると利益とキャッシュフローが同額になる性質があります。

借入金返済額が減価償却費よりも大きくなると、キャッシュフローが利益よりも小さくなります。

キャッシュフローを利益以上にしたい場合は、最低でも借入金返済額を減価償却費以内とすることが必要です。

また、耐用年数を経過した後に借入金の元本返済額が残っていると、税金も増えてしまうためキャッシュフローが相当に悪化します。

耐用年数満了後のキャッシュフローの悪化を最小限にするには、借入金は耐用年数以内で完済することが必要です。

4-2.修繕費と資本的支出

アパート経営では、修繕にも減価償却の知識が必要です。
減価償却を理解するには、「資産」と「費用」が繋がりを意識することがポイントでした。

修繕では実際にお金の支出を伴いますが、その支出は費用とはならず資産になることもあるという点が注意点です。

一口に修繕と言っても、様々なものがあります。
修繕といったら、例えば部屋のクロスの貼り替えのような簡単なものをイメージすることが多いです。

一方で、増築してもう1部屋作るような工事は修繕と呼べるでしょうか?
もう1部屋作ったら、その部屋は新たに家賃を稼ぐことができますので、修繕というよりは資産を作ったというイメージです。

結論からすると、クロスの貼り替えのような工事は費用であり、増築のような工事は費用ではありません。

増築のような工事は新たに資産を作ったものとみなされ、その支出は「資本的支出」と呼ばれます。

このように、工事を行っても「費用となるもの」と「資本的支出となるもの」の2種類があるということです。

費用と資本的支出の境界は、金額が20万円未満の修繕であれば費用となり、20万円以上の修繕であれば資本的支出とみなされます。

例えば、部屋のクロスの貼り替えで8万円かかった場合には、その支出は修繕費となります。
一方で、屋上防水に100万円かかった場合は、その支出は資本的支出ということです。

資本的支出は新たに資産を作ったという支出ですので、その支出は全額その期に費用となるわけではありません。
一度は資産になりますので、その資産は減価償却費の対象となります。

つまり、資本的支出は、小さな建物を作っているというイメージです。
一ヵ所につき100万円の工事をした場合、100万円がその期に全て費用となるわけではなく、耐用年数に応じて減価償却費で少しずつ費用化されることになります。

従って、その年だけ節税をしたいからという理由で大きな工事を行っても、全額費用にはできませんのでご注意ください。

尚、例外的に20万円以上の支出を行っても全額が費用となる修繕もあります。
それは「外壁塗装」です。

外壁塗装であれば、100万円の工事であっても全額その期に費用計上することが可能です。
外壁塗装は、アパート経営の中で大きな支出を一度に経費として落とせる数少ない選択肢となります。

ただし、外壁塗装であっても、既存の壁をグレードアップするような工事を行うと、新たな資産を作ったものとみなされ、資本的支出となります。

全額費用として認められるのは単純な塗替えだけですので、大きな費用を作りたい場合には、グレードアップ工事が含まれていないかどうかを確認するようにしてください。

まとめ

いかがでしたか。
アパートの減価償却について解説してきました。

減価償却費は、資産である建物の価値を減らすために発生する会計上の費用です。
減価償却費が計上できる期間の耐用年数は、建物構造によって決まっています。

減価償却費の計算方法は不動産の取得時期によって異なるのが特徴です。
中古アパートを購入したときは、法定耐用年数の超過の有無によって耐用年数の求め方が異なります。

減価償却が終わっても建物は引き続き使用することが可能です。
耐用年数が満了すると減価償却費の計上ができなくなりますので、急に税金が増えます。
借入金については、元本返済額を減価償却費以内とし、返済期間を耐用年数以内とすることが賢明です。

減価償却費は、常に資産と費用の繋がりを意識しながら理解していくと良いでしょう。

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