「アパート相続・経営 建築・建て替え」内の、「アパート外装塗装の基礎知識 費用相場や施工期間、注意点等」を基礎から解説したページです。外壁塗装を行う周期、費用相場、工事期間や注意点、アパート外壁塗装を行うメリットと行わないリスクなど、業者へ問い合せる際に必要な知識を得ることができます。安心して外壁塗装を任せられる会社を選ぶポイントも紹介します。

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更新日
2023.07.19
カテゴリ
アパート経営, 記事

【基礎から解説】アパート外装塗装の基礎知識 費用相場や施工期間、注意点等を解説

【基礎から解説】アパート外装塗装の基礎知識 費用相場や施工期間、注意点等を解説

この記事では

  • アパートの外壁塗装をするかどうか迷っているアパートオーナーの方
  • これからアパート経営を行うけれど、将来的にどれくらい外壁塗装の費用がかかるのか、あらかじめ知っておきたい方

に向けて、「外壁塗装を行う周期」、「費用相場」、「工事期間や注意点」、「アパート外壁塗装を行うメリットと行わないリスク」などについて説明します。

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外壁塗装って本当に必要?やらないとだめなの?

外壁塗装は、以下の3つの理由から定期的な実施が必要です。

  1. 【資産価値向上】建物の劣化を遅らせる
  2. 【空室リスク低減】外観を良くして入居者の印象アップ
  3. 【コスト抑制】定期的な塗装で大きな修繕費の抑制が可能

アパートの外壁塗装を行うタイミングは?

外壁塗装の周期は10~15年に一度、という周期が一つの目安です。
また、季節の中では年度末・入退去の時期にあたる月(3~4月・9月)は避けたほうが無難です。

外壁塗装の費用にも相場はある?

外壁塗装にも相場はあり、「塗料の種類」「建物の階層」「地域」といった3つの要素に価格差が出てきます。

「地域」の差は一般的に想像されるより大きく、最も高い佐賀県(1平米あたり9,478円)と最も安い岐阜県(1平米あたり1,623円)とでは実に数倍の差があります(東京23区の平均は5,661円)。

外壁塗装工事はどんな流れで進んで、どれぐらいの期間がかかる?

外壁塗装工事の大まかな流れそれぞれの期間は以下の通りです。
トータルで10日ほどの工程となります。

  1. 足場の設置 ・・・1日
  2. 高圧洗浄  ・・・3~4日
  3. 下地処理  ・・・1日
  4. 下塗り   ・・・1日
  5. 中塗り   ・・・1日
  6. 上塗り   ・・・1日
  7. 点検・見直し・・・1日
  8. 足場解体  ・・・1日

外壁塗装にかかる費用は経費として計上できる?

外壁塗装にかかる費用は減価償却費として計上可能です。

塗装工事の費用を抑える方法はある?

塗装工事の費用を抑える方法としては以下の3つがあげられます。

  1. 日頃からアパートの様子、外壁の状態を確認する
  2. 複数の企業にプラン策定を依頼する
  3. 屋根工事などと同時に行うことも検討する

塗装工事を成功させるためのコツはある?

工事成功のためのコツとしては以下の3つを意識するとよいでしょう。

  1. 入居者や近隣住民への告知、工事中の気遣いを怠らない
  2. 建設業許可が必要(500万円以上)かどうか確認する
  3. 塗装工事の実績豊富な会社を選ぶ

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詳しい解説は以下

1.なぜアパート外壁塗装は必要なのか?3つの理由

雨漏りなどの現実的な問題が生じていない場合には、外壁塗装の必要性をあまり感じないかもしれません。
しかし、定期的な外壁塗装は、安定したアパート経営のためには必須です。

外壁塗装が必要な理由は3つあります。

  1. 資産価値向上
  2. 空室リスク低減
  3. コスト抑制

詳しく見ていきましょう。

1-1.【資産価値向上】建物の劣化を遅らせる

外壁塗装には、建物を保護するという重要な役割があります。
建物の外壁は、雨や風、紫外線に常にさらされているため、時間が経つにつれ劣化します。

水分が外壁から建物の内部に入り込めば、内部を腐食させてしまうおそれがあります。
外壁塗装をすることで、建物の劣化のスピードを遅らせることができ、建物の資産価値を長期的に維持することが可能になります。

1-2.【空室リスク低減】外観を良くして入居者の印象アップ

建物の外観は物件選びの重要なポイントです。
多少の家賃の差(少しだけ高い程度)ならば、外観がきれいなアパートに住みたいと考える人が大半です。

逆に、外壁が剥げて色あせているアパートは、似たような条件の物件と比較された場合、どうしても見劣りしてしまいます。

外観が美しい建物は手入れが行き届いていると感じられるため、そのような物件は入居者に「ここに住めば快適に暮らせる」「管理が行き届いている」と安心感も与えることができます。

外壁塗装を行うことは空室リスクの回避につながります

1-3.【コスト抑制】定期的な塗装で大きな修繕費の抑制が可能

長期間放置した後に外壁を塗り替えると、塗装前に下地処理しなければならない箇所が多くなってしまい、工事費が増えてしまいます。
こまめに(国土交通省ガイドラインに沿った期間を目安に)外壁塗装をするほうが、長い目で見ると維持コストを抑えられ、予定外の大きな出費を予防することにもつながります。

2.アパート外壁塗装を行う築年数の目安とタイミング

アパートの外壁塗装は、いつ頃どのようなタイミングで行うべきなのでしょうか。
アパート新築後、外壁塗装を実施するタイミングの目安について解説します。

2-1.外壁塗装の周期:10~15年がひとつの目安

一般的に、「外壁は10年に1回塗り替えが必要」と言われています。
塗料の耐用年数は種類によって変わりますが、10年程度のものが多いため、10年ごとに塗り替えが必要と言われるのです。

国土交通省の「第3編 長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」でも、「分譲マンションの外壁の塗装や屋上防水などを行う大規模修繕工事の周期は12年程度」とされています。

アパートでも同様に考えるとすると、新築後10~15年の間には塗り替える必要があります。

外壁塗装のような大規模修繕は、費用がかかるだけでなく、工事期間中は入居者や近隣住民にも影響があります。
事前に計画を立て、心構えと準備をしておくことが大切です。

【参考】国土交通省「第3編 長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント

2-2.外壁塗装のタイミング:煩忙期(年度末など入退去時期)は避ける

外壁塗装を行うと決めた場合、具体的に「いつ」行うか決める必要があります。

この際、なるべく入居者の入れ替わりが少ない時期を選ぶことをおすすめします。

理由は、入居者の入れ替わりが多い春や秋には、完成できているほうが入居者を集めやすくなるからです。3~4月は、入学や入社、転勤などにより引越しする人が増えます。9月頃も転勤が多い時期です。

また、外壁塗装は、足場を組んだり塗装のために工事の車両が入ったりするため、物理的に引越しなどの作業とバッティングすると入居者、近隣、引っ越し業者にとって迷惑となります。

部屋探しをする人にとっては、アパートの外観も物件を選ぶ重要なポイントです。もし内覧に来たときに外壁塗装の作業中であれば、外観をイメージできず、入居を躊躇してしまうことも多いでしょう。
入居者を確保するために、できるだけ引越しの少ない時期に外壁塗装をすることが大切です。
入居・転勤シーズンの少し前には工事が終わるように計画を立てましょう。

<参考>塗装したほうがよいかどうか?外壁劣化の現れの例

外壁塗装すべきタイミングかどうかは、実際に外壁を見ることでも判断ができます。以下はプロでなくてもある程度判断できる目安ですので参考にしてください。

・「チョーキング」

塗装したほうがよいかどうか?外壁劣化の現れの例 チョーキング

塗料が劣化してくると、チョーキングと言って、外壁に触ったときに白い粉が付くようになります。これは、塗料に含まれる顔料が紫外線の影響で結合力を失ったため起こるものです。

・「剥がれ」

塗装したほうがよいかどうか?外壁劣化の現れの例 剥がれ

外壁の塗装が劣化すると、細かくひび割れたように浮き上がって剥がれる現象が起きます。塗装が剥がれることで、その下にある外壁材そのものがダメージを受ける可能性が高くなります。

・「クラック(ひび割れ)」

塗装したほうがよいかどうか?外壁劣化の現れの例 クラック(ひび割れ)

年月が経つと、地震や近隣の工事による地面の振動、その他さまざまな要因で、強固に作った外壁であってもクラック(ひび割れ)が生じることがあります。
クラックができれば、外壁から雨が入り内部が腐食する原因となるため危険です。外壁にカビやコケが生えている場合には、すでに水が浸透している可能性もあります。早急に修繕と外壁塗装を考えたほうがよいでしょう。

3.アパート外壁塗装費用の内訳と価格相場

外壁塗装には費用がかかるため、資金計画が必要です。
ここからは、アパート外壁塗装にかかる費用の内訳や金額の相場について説明していきます。

3-1.外壁塗装費の内訳

外壁塗装でかかる費用には、次のようなものがあります。

・塗料代
塗料にはさまざまな種類があり、種類によって単価が変わります。
・足場代
外壁塗装を行うときには、職人が作業をするための足場を設置するため、足場代がかかります。
・人件費
外壁塗装では、作業を行う職人の人数に応じた人件費がかかります。
・その他の費用
現場管理費、廃材処理費などがかかります。

3-2.相場価格の違い

外壁塗装の相場価格は、塗料の種類や建物の高さによって異なります。
下記を参考に、大まかな目安を立ててください。

3-2-1.塗料の種類による価格の違い

アパート外壁塗装に使う塗料には、さまざまな種類があり、塗料の種類によって単価が異なります。
下記の表は一例となります。

【塗装の種類別 外壁塗装の相場と耐用年数】
塗料の種類 1平米あたりの単価 耐用年数
アクリル 1,000~1,200円 6~8年
ウレタン 1,800~2,000円 7~10年
シリコン 2,000~3,500円 7~15年
ラジカル 2,200~4,000円 6~8年
フッ素 1,000~1,200円 8~16年
無機 3,500~5,500円 10~25年
光触媒 3,800~5,500円 10~20年

なお、一般的に単価の高い塗料ほど耐用年数が長いため、安いものを選んだほうが得とは限りません。
なぜなら、価格の高い、耐用年数の長い塗料を使うことで、外壁塗装の周期を長くできる場合もあるからです。

安い塗料で耐用年数が短く10年に一度塗り替えるのと、15年に一度塗り替えるのでは、同じ30年の間に塗り替える回数は安い塗料のほうが増えてしまいます。

トータルコストがどの程度になるのか、信頼のおけるハウスメーカーや建築会社、施工会社にしっかりと試算をしてもらいましょう。

3-2-2.建物の高さ(階数)による価格の違い

建物の高さによって、塗装する面積や必要な足場の面積が変わります。
2階建てよりも3階建てのほうが、外壁塗装の価格は高くなります。

塗装面積の目安は、2階建ての場合約500平米、3階建ての場合約700平米になります。

3-2-3.地域ごとの相場の違いもある

外壁塗装の相場は、地域によっても変わります
総務省統計局がまとめている「2019年度小売物価統計調査年報」によると、全国の県庁所在地の1平米あたりの外壁塗装費(※)の平均額は、次のようになっています。

※足場設置(養生シート取付あり)、高圧洗浄を含む、2階建、一戸建、塗装面積140~160平米、外壁材は窯業系サイディング、下地補修はシーリング打ち替え、塗装回数3回、シリコン樹脂系塗料使用、材料費含む

【地域別 外壁塗装の相場】
順位 都市 1平米あたりの価格(円) 順位 都市 1平米あたりの価格(円)
1 佐賀 9,478   26 名古屋 6,076
2 岡山 9,042   27 神戸 5,791
3 水戸 8,963   28 東京都区部 5,661
4 千葉 8,178   29 5,519
5 青森 8,174   30 福島 5,425
6 那覇 8,048   31 金沢 5,405
7 盛岡 7,992   32 高知 5,309
8 山形 7,865   33 宮崎 5,292
9 松江 7,654   34 長崎 5,232
10 福岡 7,630   35 長野 5,226
11 奈良 7,617   36 熊本 5,167
12 大分 7,574   37 札幌 5,085
13 静岡 7,500   38 さいたま 4,988
14 大津 7,278   39 大阪 4,912
15 和歌山 7,270   40 鳥取 4,892
16 京都 7,048   41 徳島 4,612
17 甲府 7,000   42 新潟 4,577
18 松山 6,891   43 福井 4,285
19 富山 6,524   44 鹿児島 3,868
20 山口 6,508   45 広島 3,591
21 仙台 6,501   46 秋田 3,469
22 横浜 6,484   47 岐阜 1,623
23 宇都宮 6,289        
24 前橋 6,250        
25 高松 6,133        

【引用元】総務省統計局「2019年度小売物価統計調査年報

例えば、東京都区部で2階建てアパート(外壁面積約500平米)の外壁塗装を行う場合の金額の目安は、1平米あたりの単価が5,661円なので、以下のようになります。

1平米あたりの単価×外壁面積=5,661(円)×500(平米)=2,830,500 → 約283万円

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4.アパート外壁塗装工事にかかる期間と工事の流れ・季節ごとの注意点

アパート外壁塗装工事はどのような順番で進み、それぞれのステップごとにどれだけの時間がかかるのかについて知っておきましょう。
また、工事を実施する季節ごとの注意点についても解説します。

4-1.外壁塗装工事の流れと施工期間

アパートの外壁塗装工事にかかる期間は、一般的に10日から2週間程度です。

ただし、建物の高さや天候によって、かかる期間は伸びることもあります。
屋根工事やベランダ工事を同時にする場合には、さらに日数がかかります。
工事の大まかな流れは、次の図のようになります。

(外壁塗装工事の流れと必要日数)
外壁塗装工事の流れと必要日数
①足場の設置
日数目安・・・1日
職人の安全と作業効率の向上のため、建物の周りに仮設足場を設置します。
足場ができたら、近隣に迷惑がかからないよう、メッシュシートをかぶせます。
②高圧洗浄
日数目安・・・3~4日
高圧洗浄機を用いて、外壁の汚れを落とします。
高圧洗浄をすることで、塗料の効果を高めることができます。
高圧洗浄の後はしっかり乾燥させなければならず、天候によっては3~4日かかることがあります。
③下地処理
日数目安・・・1日
外壁のひび割れ、さびなどを補修します。目地のシーリングを打ち替えるコーキングも行います。
下地処理が終わったら、次の工程からは塗装に入ります。塗装のための養生作業を行います。
④下塗り
日数目安・・・1日下塗りは色付けするのではなく、色付け用の中塗り・上塗り塗料をしっかり付けるために行うものです。
シーラーやプライマーと呼ばれる透明または白色の下塗り塗料を使います。
⑤中塗り
日数目安・・・1日
中塗りは上塗りと同じ塗料を使うため、上塗りの1回目と言われることもあります。
⑥上塗り
日数目安・・・1日
仕上げ塗りになります。
トップコートとも呼ばれます。
⑦点検・見直し
日数目安・・・1日
塗り残しやムラがないか立ち会って確認します。
気になるところはやり直してもらいましょう。
⑧足場解体
日数目安・・・1日
足場を撤去し、ゴミなどを片付けます。

4-2.施工する季節ごとの注意点

外装塗装は外回りの工事ですので、天候の影響を直接的に受けやすくなります。
そのため、塗装を行う季節によっては、工期が長くかかったり、季節によってはきれいに仕上がらなかったりすることもあります

・春の塗装工事

春は気温や天候が安定していて、塗装工事には適した季節です。日照も徐々に長くなる頃ですので、作業時間も長く取れ、効率的に進めることができます。
ただし、3月は気温が低い日もありますので、中旬以降からの施工がおすすめです。

・夏の塗装工事

夏は気温が高く、塗装の乾きも早いため工程も予定通りに進むことが多い季節です。
日照は1年で最も長く、作業はしやすい環境です。

しかし、6月~7月は梅雨に入りますので、雨天や湿度の高さなどから、ある程度の工期を確保して進める必要があります。
また、気温があまりにも高くなる猛暑時は、作業に支障がでることもありますので、施工時期には気を付けましょう。

・秋の塗装工事

秋は気温が安定していますので、塗装工事には向いている季節ですが、台風の影響を受ける時期でもあるため、天候をみながらの工程管理が大事になります。

また、外回りの工事は強風になると、足場や養生が飛ばされる危険があります。
ゴミの飛散なども含めて近隣に迷惑が掛からないように管理することが大切です。

・冬の塗装工事

冬は、徐々に気温が低くなりますので、塗装の乾きにくさが出てきます。
乾きにくいとはいっても、乾燥までの日数を確保すれば問題なく施工ができます。

ただし、気温が5℃以下や氷点下になるような天候で塗装工事を行うのは避けた方がよいといえます。
なぜなら、下地補修のコーキングの乾きが悪かったり、凍結してしまったりすると、後で亀裂が入るなど仕上げをしても不具合が起きる可能性もあるためです。

また、冬は日没時間が早く日照時間も短くなります。外での作業時間が制限されますので、その分工期が長くかかることもあります。

外装塗装は、積雪地域や気温が氷点下になる地域を除いて、1年間を通して施工が可能なものです。
しかし、季節によって天候などの影響を受けることもありますので、施工時期を選ぶことができるなら、適した季節に行うとスムーズに運びやすくなります。

5.アパート外装塗装は減価償却の計上が可能

アパート外装塗装の費用は、減価償却として確定申告で経費として計上することが可能です。
ただし、修繕費として捉えられる部分もあります。
詳しくみていきましょう。

5-1.減価償却できる外装塗装

資産を向上させた費用であれば、減価償却として適切な耐用年数で毎年経費として計上ができます

「資産の向上」とは、建物価値や性能を高めたものを意味していますので、アパートの維持管理のためなら「減価償却」の対象になります。

一方、下地の劣化補修など修繕のためなら、「修繕費」の対象になります。工事の内容としては類似しており線引きが難しいため、迷ったときには税理士などに相談してください。

5-2.償却期間は建物で判断

外壁塗装を減価償却で計上するときの耐用年数は、一般的には建物の法定耐用年数が適用されることになります。

建物の法定耐用年数は、構造体によって定められており、住宅の木造なら22年、木造モルタルなら20年、鉄骨造(厚さ3㎜以上4㎜以下)なら27年、鉄筋コンクリート造なら47年となっています。

5-3.減価償却のメリット・デメリット

外装塗装を減価償却で計上するメリットは、年度の利益に合わせて、経費計上を調整できる点です。

減価償却は数年にわたって経費計上をするものですから、利益があまり出ない年度では、計上をせずに利益を確保するなど、柔軟な対応が可能です。将来的に銀行融資の予定がある場合、申告の内容を印象よくしておくためには減価償却は効果的です。

一方で、デメリットとしては、年度内で計上できる減価償却額に上限がある点です。
複数年で経費計上できるのが減価償却のメリットでもあるのですが、利益が多い年でも経費を増やすことができないため、節税調整はできません。

しかし、アパート経営のような自営業は、収益に波があることも多く、経費計上の調整ができるメリットの方が優先順位としては大きいのではないかと考えられます。

・外壁塗装工事は減価償却費か修繕費か?

外壁塗装工事にかかったお金を経理処理する場合、費用として計上するか、資本的支出と考え資産計上するかという問題があります。

費用とする場合には、かかった工事は「修繕費」として、一括してその年の経費に含めます。
一方、資産とする場合には、「建物」勘定を使って固定資産計上した後、減価償却費として毎年少しずつ費用に含めていくことになります。

国税庁の法人税法に関する基本通達によると、「当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分が資本的支出」、「当該固定資産の通常の維持管理のため、又はき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額が修繕費」とされています。
外壁塗装は維持管理や原状回復のためのものと言えるため、通常は修繕費として計上します。

6.アパート外壁塗装工事の費用を抑える3つの方法

アパート外壁塗装は大がかりなメンテナンスなので、アパート経営における「経費」となります。以下の3点に気を付けることで、コストを抑えられます。

・日頃からアパートの様子、外壁の状態を確認する
外壁の劣化を放置していると、塗り替えを行う際にかかる費用が大きくなってしまいます。
早めに塗り替えたほうが、コストを抑えられるため、外壁をこまめにチェックし、塗装のタイミングを逃さないことが大切です。
・複数の企業にプラン策定を依頼する
外壁塗装の相場は、上記で平均値は紹介していますが、地域性や物件ごとの状態の違いもあり、わかりにくいものです。「よくわからないまま目についた会社に依頼したら、後で聞いたら相場よりも大幅に高い金額を請求された」ということも起こり得ます。
外壁塗装の適切な金額を知るためには、複数の会社にプランを策定してもらい、比較検討する必要があります。
・屋根工事などと同時に行うことも検討する
屋根工事も足場を設置しなければなりません。近い将来、屋根も修理しなければならないのであれば、外壁塗装工事と合わせて屋根工事もしたほうが費用を抑えられます。
そのほかに、ベランダの修繕なども足場が必要になるため、必要な場合には同時に行うことも検討してください。

7.アパート外壁塗装を成功させるためのコツ

アパート外壁塗装を成功させるための注意点

アパート外壁塗装には費用もかかる上に、工事日数もある程度かかるため入居者の生活へも影響を与えます。
スムーズに外壁塗装工事を完了させるために、どのような点に注意したらよいのかをご紹介します。

7-1.入居者や近隣住民への告知、工事中の気遣いを怠らない

外壁塗装工事が始まると、工事車両の出入りや騒音、塗料のにおいなどにより、入居者や近隣住民に迷惑がかかります。

また建物には塗料の飛散防止ネットが張られるため、日当たりが悪くなってしまい、塗装の際にはベランダの私物も片付けてもらわなければなりません。
入居者には特に早めに告知するようにしてください。

7-2.建設業許可が必要(500万円以上)かどうか確認する

屋根やベランダ工事なども一度に行うとなると、工事費用が500万円を超えてしまうことがあります。
この場合は、建設業の許可を受けている会社に依頼する必要があります。

建設業許可には、国土交通大臣許可と都道府県知事許可の2種類があります。
国土交通大臣許可を受けている会社などについては、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで検索可能です。

【参考】国土交通省:建設業者・宅建業者等企業情報検索システム

7-3.塗装工事の実績豊富な会社を選ぶ

外壁塗装を成功させたいのであれば、アパート外壁塗装工事の実績が豊富な会社に依頼するのが確実です。
実績のある会社なら、ホームページに施工実績を掲載しているところも多いのでチェックしてみましょう。

優良な会社を選ぶコツについては次章で詳しく解説します。

・どうする?アパート外壁や屋根の「色」の選び方

アパートの外壁や屋根の色は、建物のイメージを左右します。
入居者を確保できるかどうかの重要なポイントになるため「経営」の一環だと考え、プロに相談して意見も取り入れながら、慎重に選ぶ必要があります。

世代を問わず最も人気のある色は、落ち着いたベージュやクリーム色です。
少し濃い目のブラウンにすれば、落ち着いて洗練された印象になります。
淡いブルーやグレーといった寒色系の色にすれば、クールなイメージになるでしょう。
外壁は面積が大きく建物そのものの印象に直結するため、原色に近い色は極力避けたほうが無難です。

屋根の色は、外壁との調和だけでなく、遮熱効果も考えて選びます。
例えば、黒の屋根は太陽の熱を反射せずに蓄えてしまいます。
明るい色のほうが遮熱効果は高いため、黒よりも薄いグレー、ブラウンなどを選ぶのがおすすめです。

8.安心して外壁塗装を任せられる会社を選ぶポイント

アパートの外壁塗装は入居希望者の呼び込みに直結する要素なので、失敗なく無事に終わらせるためにも、優良な会社に依頼したいところです。

そこでこの章では、優良な会社を見抜くためのコツについて解説します。

8-1.会社の規模

やはり、大手の会社のほうが品質が高く、劣化が遅いので、長い目で見て費用を最小限に抑えられます。

塗装の質が低かったとしても施工直後は分からず、数年経った段階でトラブルが顕在化してはじめて「実は仕事の質が低かった…」と気づき、会社選びに後悔するのはよくある話です。
上にあげたような話は、やはり小規模の業者に依頼した場合に多く起こりがちです。

また、大手の会社のほうがアフターサービスも手厚い傾向があり、長年に渡って壁のコンディションを維持することができます。

中小の業者の中には「大手にはない細やかなサービス」や「地域密着」をアピールしているところも見られますが、そうしたアピールをしていることと、実際に仕事が丁寧だったり技術があることは別物です。
「アパートを大切にする」ことを第一に考えれば、やはり大手の会社に任せるのが安心につながるでしょう。

8-2.評判・口コミ

会社の評判や口コミについては、インターネットを活用することによって中立的な意見を拾うことができます。

特に近年では、通常のGoogle検索の他に、SNS上で情報を探すことによって「生のユーザーの声」を見つけやすくなっているので、ぜひご活用ください。

8-3.問い合わせへの対応

問い合わせへの応対が手厚い会社であれば、実際に契約を結んだ後のフォローの質にも期待できるでしょう。

気になる会社があれば、事前にメールで相談してみて、担当者がどれくらい丁寧に応対してくれるかを確かめるという手もあります。

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