アパート経営で節税するにはどんな費目があるのかをしっかり知ることが重要です。この記事ではアパート経営の経費の考え方や費目、経費にならない支出を解説します。

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公開日
2020年07月09日
変更日
2020/07/28
カテゴリ
記事, これから始める人向け, 賃貸住宅の新規建築

アパート経営で経費になるもの大公開!理解を深めて賢く節税

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アパート経営で経費になるもの大公開!理解を深めて賢く節税

個人が行うアパート経営では、経費で認められる範囲は決して広くはありません。
そのため、アパート経営で節税を行うには、一つ一つの費用項目の存在と内容について知ることが重要です。

では、アパート経営で認められる費用にはどのようなものがあるのでしょうか。

そこでこの記事では「アパート経営の経費」について解説致します。

この記事を読むことで、どのようなものが経費となるのか理解が深まり、効果的にアパート経営を行えるようになりますので、ぜひ最後までおつきあいください。

1.アパート経営における経費の基本的な考え方

アパート経営で認められる経費とは、アパート経営のために要した費用に限られるというのが基本的な考え方です。

個人でアパート経営を行う場合、家事消費と費用を明確に分ける必要があります。
家事消費とは、「事業とは無関係な個人的な支出」のことです。

個人は自分のお金を贅沢や無駄遣いで使うことがありますが、贅沢や無駄遣いのように「アパート経営には関係のない支出」は費用にはなりません。

経費の中には「接待交際費」や「交通費」、「通信費」、「新聞図書費」、「消耗品費」等の家事消費と混同されやすい費目もあります。

家事消費と混同されやすい費目は、あくまでもアパート経営のために要した支出のみが費用の対象です。

アパート経営の経費は自己申告の世界ですので、申告が通ればその通り費用となります。
ただし、将来税務調査が入ったときに、家事消費と認定されてしまった費用は過去に遡って費用が否認される恐れがあります。

そのため、家事消費と混同されやすい費用は、必要性を証明できるように準備をしておくことが必要です
領収書を保存し、状況を説明できる書類や記録を必ず残すことがポイントとなります。

アパート経営で経費を多く計上したい場合には、常にアパート経営とのつながりを考え、領収書や記録の保管をしっかり行うようにしてください。

2.アパート経営で認められる経費

この章ではアパート経営で認められる経費について解説します。
認められる経費には、下表のような19の費用があります。

1. 公租公課
2. 損害保険料
3. 修繕費
4. 管理委託料
5. 仲介手数料
6. 広告宣伝費
7. 青色事業専従者給与
8. 給料賃金
9. 水道光熱費
10. 通信費
11. 交通費
12. 接待交際費
13. 新聞図書費
14. 消耗品費
15. 解体費・立ち退き料
16. 地代・家賃
17. ローン保証料
18. 借入金利子
19. 減価償却費

それぞれ、ひとつずつ解説していきます。

2-1.公租公課

公租公課とは税金のことです。
アパート経営では、「固定資産税や都市計画税」、「登録免許税」、「不動産取得税」、「事業税」といった税金が経費となります。
細かく見ていきましょう。

2-1-1.固定資産税及び都市計画税

固定資産税とは、毎年1月1日時点の不動産の所有者に対し課税される市区町村税です。
都市計画税とは、毎年1月1日時点における都市計画で指定されている市街化区域内の不動産の所有者に対し課税される市区町村税となります。

固定資産税の税率は1.4%、都市計画税の基本税率は0.3%です。
それぞれの計算方法は以下のようになります。

固定資産税 = 課税標準額 × 1.4%
都市計画税 = 課税標準額 × 0.3%

出典:東京都主税局

課税標準は、建物については固定資産税評価額となります。
一方で、土地については住宅用地の軽減措置が適用されるため、固定資産税評価額に一定の乗数を乗じたものが課税標準です。

住宅用地の軽減措置が適用される住宅用地は、「小規模住宅用地」と「一般住宅用地」の2つにわかれ、それぞれ固定資産税評価額に以下の係数が乗じられて課税標準額が求められます。

区分 定義 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地 住宅用地で住宅1戸につき200平米までの部分 1/6 1/3
一般住宅用地 住宅用地で住宅1戸につき200平米を超え、家屋の床面積の10倍までの部分 1/3 2/3

※東京23区はさらに1/2

出典:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)【土地】2 住宅用地及びその特例措置について」

小規模住宅用地は住宅1戸につき200平米まで適用されますので、例えば戸数が10戸のアパートなら2,000平米の広さの土地までが小規模住宅用地の対象です。
よって、アパートの敷地では多くのケースで敷地全体が小規模住宅用地となります。

2-1-2.登録免許税

アパートを新築すると、保存登記のための登録免許税が生じます。
所有権保存登記とは、新たに生じた不動産について初めて行なわれる所有権の登記のことです。

建物保存登記の登録免許税は、以下の計算式で計算されます。

登録免許税 = 建物の固定資産税評価額 × 0.4%

建物の固定資産税評価額は、新築工事費の概ね50~60%程度です。

また、アパートローンを組む場合は抵当権の設定登記も行います。
抵当権とは、ローンを返済できなくなった場合、銀行が優先的に弁済を受けることができるための権利です。

抵当権設定登録免許税は、以下の計算式で計算されます。

登録免許税 = 債権金額 × 0.4%

2-1-3.不動産取得税

アパートを新築すると、不動産取得税が生じます。
住宅の不動産取得税の計算式は以下の通りです。

不動産取得税 = 建物の固定資産税評価額 × 3%

尚、戸建て以外の貸家(アパート等)については、以下の床面積を満たすと不動産取得税の軽減措置を受けることができます。

住宅の床面積:40平米以上240平米以下

面積要件を満たす住戸は、1戸あたりの固定資産税評価額から1,200万円を控除した金額に税率を乗じたものが不動産取得税となります。

1戸あたりの不動産取得税

不動産取得税 = (1戸あたりの固定資産税評価額 - 1,200万円) × 3%

不動産取得税の軽減措置の効果は大きく、面積要件を満たすと木造や軽量鉄骨造のアパートでは不動産取得税がゼロになることもあります。

これからアパートを建てる方であれば、1戸あたりの面積を意識すると不動産取得税を節税することが可能です。

2-1-4.事業税

個人が10室以上のアパートの貸付を行った場合、事業税というと都道府県税かかります。
事業税は、不動産所得から事業主控除額(290万円)を控除した額に標準税率5%を乗じて求めます。

事業税の計算式は以下の通りです。

事業税 = (総収入金額 - 必要経費 - 事業主控除額) × 税率
    = (総収入金額 - 必要経費 - 290万円) × 5%

事業税の納付は、通常、8月と11月の年2回で、都道府県からくる納税通知書によって納付を行います。

所得税の申告で事業税の記載欄がありますので、所得税を申告していれば事業税の申告を別途行う必要はありません。

2-2.損害保険料

アパートでは、通常、建物に火災保険や地震保険といった損害保険を掛けていますが、これらの損害保険料は経費です。

損害保険は保険料を約するために、複数年を一括契約することが良くあります。
複数年契約をしている場合には、一括保険料を契約年数で割ったものが各年の経費となります。

2-3.修繕費

修繕費も必要経費となります。
ただし、その年に全額経費として落とせる修繕費は、1ヵ所当たりの修繕費用が20万円未満の工事までです。

20万円以上の工事を行うと、新たに資産を作ったものとして扱われ、その年に全額を経費として落とすことができなくなります。

【関連記事】

アパートの修繕費はいくら?相場や安く抑える方法を徹底解説

2-4.管理委託料

管理委託料とは、委託形式で管理を依頼したときに発生する費用のことです。
アパート経営の管理委託料は、家賃収入の5%程度が相場となります。

アパートオーナーが自ら管理会社を設立している場合、経費に認められる条件としては「管理料は相場の範囲であること」と、「管理の実態があること」の2つです。

管理費を否認されないようにするには、通帳等で管理会社の入出金の履歴を残すことや、業務日誌を付けておくことが必要となります。

尚、サブリース形式で管理を行っている場合は、管理委託料は発生しません。
サブリースとは転貸形式による管理です。

サブリース形式では、サブリース会社が入居者の賃料から一定料率分を差し引いた金額を賃料としてアパートオーナーに振り込まれるため、管理委託料は生じないことになります。

2-5.仲介手数料

空室の入居者募集のために不動産会社に支払った仲介手数料は経費です。
賃貸仲介の仲介手数料は、不動産会社が受領できる上限額が賃料の1ヶ月分となっています。

2-6.広告宣伝費

アパート経営では、空室の入居者募集をする際、不動産会社に広告宣伝費を支払うこともあります。
広告宣伝費も、経費の計上が可能です。

2-7.青色事業専従者給与

青色事業専従者給与とは、青色申告者と生計を一にする15歳以上の配偶者その他の親族への給与のことです。

青色申告とは、正規の簿記の原則により記帳を行い、税務署長の承認を受ける記帳方法となります。

青色申告を行い、かつ、10室以上のアパートである場合、青色事業専従者給与を経費とすることが可能です。

ただし、青色事業専従者給与は仕事に見合った給与でないと、否認されることがあります。
定期巡回や入出金管理等、実際に管理の仕事を行うことが必要です。

2-8.給料賃金

アパート経営で従業員を雇っているケースでは、従業員への給料賃金も経費となります。
給料賃金も、経費として認められるには相応の労働が伴っていることが必要です。

2-9.水道光熱費

水道光熱費も経費です。
基本的には、防犯カメラの電気代等のアパートの共用部で生じている水道光熱費が該当します。

また、自宅を不動産賃貸業の事務所として使っている場合、その事務所スペース部分の水道光熱費は経費として認められる可能性はあります。

2-10.通信費

アパート経営に要した郵便・電話料等の通信費も経費です。
例えば、不動産会社と連絡を取り合った電話代が該当します。

2-11.交通費

交通費もアパート経営のために要したものなら経費です。
例えば、遠方の実家にアパートを保有しており、現地のアパートを確認するために要したガソリン代や電車賃等は費用となります。

2-12.接待交際費

アパート経営のために要した接待交際費であれば経費です。
例えば、アパート経営の情報交換のために要したゴルフ代や管理会社に送ったお中元やお歳暮の費用が該当します。

2-13.新聞図書費

新聞図書費もアパート経営のために要した支出であれば経費にできます。
例えば、不動産系の業界新聞の購読や、アパート経営を学ぶために購入した本等が該当します。

2-14.消耗品費

アパート経営のために要した消耗品費であれば経費です。

消耗品費は、文具代や、耐用年数が1年未満もしくは取得価額が10万円未満の備品等の代金が該当します。
例えば、管理で使っているプリンターの用紙代やインク代は消耗品費です。

2-15.解体費・立ち退き料

老朽化アパートの建て替えに要した解体費や立ち退き料は経費となります。
アパート経営終了時は、解体費や立ち退き費用によって不動所得(賃貸経営で得ららる所得のこと)に大きな赤字が発生します。

ただし、不動産所得に赤字が発生した場合、他の所得に赤字を合算して所得税を節税することが可能です。

2-16.地代・家賃

借地でアパート経営をしている場合は、地代も経費です。
また、どこかのアパートを借りて、転貸によってアパート経営をしている場合は支払っている家賃が経費となります。

2-17.ローン保証料

アパートローンでは、ローンを組む際に保証会社の保証を付けることが条件となる場合があります。
保証会社へ支払うローン保証料は経費です。

2-18.借入金利子

アパートローンを組んでいる場合、借入金利子の部分は経費となります。
ただし、「利子」は経費ですが、「元本」は経費にはなりません。

借入金利子を経費とする場合は、元本と利子をしっかり分けて、利子部分のみ計上することが必要です。

2-19.減価償却費

減価償却とは、建物や備品、車両等の固定資産の価値を減少させていく手続きをいいます。
減価償却費は、減価償却の手続きによって計上される費用のことです。

平成28年(2016年)4月1日以後に取得したアパートに関しては、定額法と呼ばれる計算方法で減価償却費を計上します。

定額法による減価償却費の計算方法は、以下の通りです。

定額法による減価償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率

定額法の償却率は、アパートの建物構造によって数値が定められています。
アパートの構造と耐用年数、償却率の関係は以下の通りです。
耐用年数とは減価償却費を計上できる期間のことを指します。

建物構造 事業用
耐用年数 償却率
木造 22年 0.046
木造モルタル 20年 0.050
鉄骨造 3mm以下 19年 0.053
3mm超4mm以下 27年 0.038
4mm超 34年 0.030
鉄筋コンクリート造 47年 0.022
鉄骨鉄筋コンクリート造 47年 0.022

例えば、木造アパートを建てた場合は、償却率は0.046を用いて計算します。

アパート建物の実際の支出は、アパート建築時に建築費を支払いますが、減価償却費は会計上、建物価値を落とすために発生している概念上の費用であり、実際の支出とは異なります。

しかしながら、れっきとした会計上の費用である以上、経費となり利益が小さくなります。
税金は利益に対してかかるため、利益が小さくなると税金も少なくなります。

よって、減価償却費は支出が伴わないにもかかわらず、税金を小さくしてくれるという節税効果があるのです。

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3.所得控除できる小規模企業共済掛け金

小規模企業共済とは、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です。
小規模企業共済は、厳密には経費ではありませんが、掛け金を全額所得控除できます。

アパート経営においても小規模企業共済を利用することは可能です。
共済金は、退職・廃業時に受け取ることができ、退職金としてずっと貯金しておくことができます。

月々の掛金は1,000~70,000円まで500円単位で自由に設定することができますので、節税しながら将来のために貯金ができるというメリットがあります。

4.アパート経営で経費にならない支出

この章ではアパート経営で経費にならない支出について解説します。

4-1.借入金の元本返済額

借入金の元本返済額は費用にはなりません。
借入金返済額が費用にならないのは、お金の貸し借りは会計上の損益ではないためです。

お金を借りても、借りたお金が売上として課税の対象となることはなかったはずです。
借りたときに売上として課税しなかったのだから、返したときも費用として節税できないというのが理屈となります。

そのため、借入金の元本返済額はいくら大きくても節税には寄与しないことになります。
キャッシュフロー(手残り)を少しでも良くするには、借入金の元本返済額は少ない方が良いのです。

4-2.資本的支出

資本的支出とは、新たに資産を構築したとみなされる支出のことです。
一ヵ所当たりの工事が20万円以上となると、経費ではなく資本的支出となります。

資本的支出は新たな資産を作ったことと同じになるため、そのお金は一旦資産として計上され、減価償却の対象となります。

つまり、資本的支出となると、支出したお金が全額その期に費用となることはなく、耐用年数の期間に亘り減価償却費となって少しずつ経費で落ちることになります。

まとめ

いかがでしたか。
アパート経営の経費について解説してきました。

経費で落とせるものはアパート経営に関連する支出であり、アパート経営に関連しない支出に関しては経費で落とすことはできません。
本記事でご紹介した19種類の費用をしっかり踏まえて、適切に節税対策を行ってください。

もし、これからアパートを建築しようとお考えの方は、「HOME4U 土地活用」を使って、複数のハウスメーカーからプラン提案を受け、建築費だけでなく、将来を見通した費用も含めた収支計画をじっくりと比較した上でハウスメーカーを決めることをおススメします。

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