アパート経営の長期収益化において正しい利回りの知識必須です。計算方法や考え方が複雑な利回りについて、種類や経費の変動の仕方、利回りの改善方法をわかりやすく解説します。

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更新日
2023.07.19
カテゴリ
アパート経営, 記事

【徹底解説】アパート経営の利回りの基本「計算方法」「経費の種類」「改善方法」をやさしく解説

【徹底解説】アパート経営の利回りの基本「計算方法」「経費の種類」「改善方法」をやさしく解説

この記事では、「アパート経営の利回り」にフォーカスを当て、利回りの種類やアパート経営に関する経費・家賃収入の変動リスクなど、利回りについて知っておくべき5つのことを解説していきます。

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1. アパート経営における利回りとは?

投資において「利回り」は運用状況を計る指標として欠かせない数値です。
アパート経営における利回りは、初期にかかった費用に対して、どの程度の割合で利益を出せるかを示しています。
計算に使う数字は、建築費などの初期費用、家賃収入です。健全な経営を続けていくためには常に気にかけておくべき数値といえるでしょう。

アパート経営は立地にもよりますが、土地活用の中ではリスクもさほど高くなく、堅実な利回りを期待できます。

2. アパート経営の利回り3種類と計算方法

アパート経営の利回りについて知っておくべき1つ目は、以下3種類の利回りについてです。

  • 表面利回りとは?
  • 実質利回りとは?
  • 返済後利回りとは?

現在アパート経営をしている方でも、3種類全ての利回りを計算していない方もいると思います。
そのような方も、改めて上記の利回りを確認して、自身のアパートの収益性を確かめておくと良いです。

2-1. 表面利回りとは?

表面利回りは以下の計算式で算出される利回りです。

表面利回り=年間家賃収入÷物件取得価格

このように、表面利回りはシンプルに年間家賃収入から物件取得価格を割り戻した利回りです。
すでにアパート経営している方であれば、現在の家賃収入をアパートの建築費用(+土地の取得価格)で割り戻します。

仮に、アパートに空室があったとしても、その部屋の分も予想家賃に入れて計算するという流れです。

物件情報などで記載されている利回りは一般的に、この計算方法で割り出した表面利回りを使用しています。空室などのリスクが考慮されていないため、実際アパート経営をするうえで重要になる利回りではないと認識しておいたほうがよいでしょう。

2-2. 実質利回りとは?

実質利回りは以下の計算式で算出される利回りです。

表面利回り=(年間家賃収入-年間経費)÷物件取得価格

このように、実質利回りは表面利回りに年間経費を加味して計算します。
すでにアパート経営している方は、実際に発生している固定資産税や管理委託費用などの経費を、上記計算式に当てはめて計算します。

2-3. 返済後利回りとは?

返済後利回りは以下の計算式で算出される利回りです。

返済後利回り=(年間家賃収入-年間経費-ローン返済額)÷物件取得価格

実質利回りから、さらにローン返済額を加味した利回りが返済後利回りです。
この利回りが最も現実的な利回りなので、現在のアパート経営の返済後利回りは算出しておいた方がよいです。

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3. アパート経営の利回り計算で必要な経費には変動リスクがある

アパート経営の利回りについて知っておくべき2つ目は、以下の経費に関する変動リスクについてです。

  • ローン返済額
  • 固定資産税や都市計画税
  • 退去時の原状回復費用
  • 管理委託手数料
  • 火災保険料や地震保険料
  • 共用部の修繕費用
  • 税理士への報酬
  • その他経費

現在アパート経営している方は、上記の経費の金額はおおむね把握できていることと思います。
しかし、大事なのは将来を見越した上で経費の変動リスクを知っておくことです。

仮に、経費が上昇する可能性があるのなら、前項で解説した実質利回り・返済後利回りも変動します。

3-1. ローン返済額

ローン返済額の変動リスクがあるのは、以下どちらかの金利タイプを選択しているときです。

  • 変動金利
  • 一定期間固定金利

仮に、全期間固定金利を選択していれば、借り換えしない限り変動リスクはありません。

変動金利は半年ごとに金利を見直し、5年ごとに返済額に反映する場合が多いです。
一定期間固定金利は、例えば5年固定であれば5年経過後に金利変動リスクがあります。

仮に、借入期間25年で4,000万円を借り入れた場合、金利が0.3%上がるだけで年間返済額は約6.6万円も上昇します。

現在は低金利時代なので、将来的に金利が上昇したときの収支も見越しておく必要があるということです。

3-2. 固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税(固都税)は、新築アパートを建築しているなら軽減措置を受けているはずです。
ただし、この軽減措置は3年間か5年間で終わってしまうので、それ以降は固都税が上昇する可能性があります。

上昇する固都税は今からでも予測できるので、将来的な収支シミュレーションするときには「上昇後の固都税」を加味した方が、精度の高い収支シミュレーションになります。

参考:東京都主税局「不動産取得税の軽減制度に係るQ&A(非課税・住宅の軽減制度等)

3-3. 退去時の原状回復費用

退去時の原状回復費用は、すでに実績があれば金額はわかりますが、実績が少ないときは見込み金額がわからないと思います。

もちろん、物件によって原状回復費用は異なりますが、「国土交通省住宅局:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」と「公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会 日管協総合研究所:第21回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』2018年10月~2019年3月」によると以下の通りです。

オーナー負担金額:2万円~5万円が大半
入居期間:単身者は2~4年ほどが多い

そのため、部屋ごとに2~4年で2~5万円の原状回復費用は発生するという想定で、収支シミュレーションを組んでおくと現実的な収支になります。

3-4. 管理委託手数料

管理委託手数料は、現在支払っている手数料を収支シミュレーションに読み込んでおきます。

仮に、親御さんから相続したアパートで管理会社もそのまま引き継いでおり、その管理会社に不満があるならば、ほかの管理会社にヒアリングしていろいろとプランを比較してください。

例えば、「管理委託手数料は少し高くなるものの、管理会社が原状回復費用を負担する」などのプランもあり、どのプランが適切かはアパート経営者によって異なります。

3-5. 火災保険料や地震保険料

火災保険はローンを組んでいれば必須加入で、地震保険は任意加入となっています。
仮に、アパートを相続したのであれば、保険もそのまま引き継いでいるでしょう。

しかし、ハザードマップなどを調べて、本当に地震保険や家財保険に加入する必要があるのか?を検討した上で判断した方が賢明です。
仮に、リスクが小さければ保険を解約し、支出を抑えることで利回りを高めた方が収益性は増します

3-6. 共用部の修繕費用

アパート経営の場合は共用部の修繕費用はオーナーが支払います。
仮に、過去の修繕履歴があればそれを参考できますが、まだ築浅なら履歴がありません。

そのため、管理会社に修繕計画を策定してもらい、将来的な収支シミュレーションに組み込んでおくことが重要です。

3-7. 税理士への報酬やその他経費

現在は自分で確定申告をしているものの、将来的には税理士へ依頼したいと思っている方は、経費に税理士への報酬も組み込んでおきます

また、仮に遠方のアパートを経営している場合は、交通費なども経費になるので組み込んでおきます。

アパート経営の経費についてもっと知りたいならこちら

4. アパート経営で利回りが良くない…改善方法は?

アパート経営の利回りについて知っておくべき3つ目は、利回りを改善する方法として「投資ローンの借り換え」を検討することです。

というのも、ローン返済額はアパート経営の経費において最も高額になりやすいからです。
投資ローンの借り換えをするかどうかは、以下を知っておくと判断しやすくなります。

  • 借り換えを行うメリット
  • 借り換えに向いている方

借り換えることで金利負担が軽減すれば、経費(支出)が軽くなり利回りの向上につながります。

4-1. ローン借り換えを行うメリット

投資ローンの借り換えを行うメリットは以下3点です。

  • 利息額が安くなる
  • 利回り向上で事業拡大できる
  • 団体信用生命保険の補填が充実している

4-1-1. 利息額が安くなる

例えば、ローン残高3,000万円、金利3%、残年数20年、年齢40歳の場合には、借り換えすることで以下のような状況になる可能性があります。

得する額:約330万円
毎月返済額:最大6.9万円減額
利回り:最大1.9%改善

※モゲチェック調べ

もちろんケース・バイ・ケースですが、借り換えることで上記のようなメリットがあれば、アパート経営の収益は大きく改善します。

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4-1-2. 利回り向上で事業拡大できる

仮に、借り換えに成功して利回りが上がれば、そのアパート経営の収益性も上がっています。
そうなれば、余裕資金も生まれるので「物件数を増やす」という事業拡大もしやすくなるのです。

4-1-3. 団体信用生命保険の補填が充実している

さらに、借り換えする銀行によっては以下のように団体信用生命保険の保障を手厚くできます。

  • がん保険を付ける
  • 3大疾病や8大疾病を付ける
  • 病気やケガの保険を付ける

要は、年齢に応じて保険内容を手厚くしたいというニーズに対応できるということです。

4-2. 借り換えに向いている方

前項のように借り換えのメリットは人それぞれですが、借り換えに向いているのは以下のような方です。

  • 2013年以前に物件を購入
  • 借入金利が2%以上
  • 元本が1,500万円以上

上記に該当する方は、借り換えることによって金利が下がり、総返済額の負担が軽くなる可能性があります。

そのため、上記に該当する場合モゲチェックというサービスを利用して、借り換えのシミュレーションをしてみることをおすすめします。
モゲチェックなら、借り換えによって得するどうかを簡単にチェックできますし、金利の特別優遇もあります。

5. 利回り計算時は家賃収入の変動リスクを知ろう

アパート経営の利回りについて知っておくべき4つ目は、家賃収入の変動リスクである以下です。

  • 空室リスクを読み込む
  • 家賃下落リスクを読み込む

上記は利回りの「家賃収入」部分になるので、下落すれば利回り低下に直結します。

5-1. 空室リスクを読み込む

空室リスクを完全に読むことはできません。しかし、空室になるということは家賃収入がゼロになるということなので、以下を参考に予測しておきましょう。

  • 過去の実績から予測する
  • 不動産会社にヒアリングする

5-1-1. 過去の実績から予測する

仮にアパート経営の実績が長いのであれば、レントロールを確認して空室率を予測できます

その結果、1年で平均0.7カ月の空室になるのであれば、収益は約94.2%(1-0.7カ月÷12カ月)になるので「年間家賃収入×94.2%」でシミュレーションしなければいけません。

5-1-2. 管理会社にヒアリングする

実績がない場合には管理会社にヒアリングしてください。実績が豊富な管理会社であれば、精度の高い空室率を算出できます。

5-2. 家賃下落リスクを読み込む

アパートの建物部分は経年劣化していくので、どうしても築年数に応じて家賃も下落していきます。
家賃下落率も前項の空室率と同じく、完璧に読むことはできません。

しかし、不動産会社にヒアリングしたり、競合物件を調べたりすることで、家賃下落率を予測することは可能です。

5-2-1. 下落率を予測する

周辺で自分が保有しているアパートと近しい条件の物件、言い換えると賃貸希望者が「同時に検討しそうな物件」をピックアップします。

そして、その物件の平米単価を割り出し、エクセルなどで築年数ごとに並べます。
そうすれば、築年数に応じた家賃が分かるので、おのずと築年数ごとの家賃下落率が分かるというわけです。

5-2-2. 下落率を収支シミュレーションに加味する

仮に、築年数が1年経過するごとに1.2%の家賃下落率だとします。
その際は、将来的な収支シミュレーションの年間家賃に、98.8%(100%-1.2%)を掛けて計算します。

また、前項の空室リスクも合わせて読み込むことで、さらに精度の高いシミュレーションになるでしょう。
このように、空室率と家賃下落率を加味しても高い利回りを維持できるのであれば、そのアパート経営の収益性は高いといえます。

6. アパート経営の利回りを維持するには家賃の適正値を知る

アパート経営の利回りについて知っておくべき5つ目は、家賃の適正値を知ることです。
というのも、適正な家賃でないと結局は空室リスクが高まり、利回りが低下してしまうからです。

家賃の適正値を知る上で重要なことは以下になります。

  • 過去の空室歴と入居期間を探る
  • 周辺エリアの変化を調べる

6-1. 過去の空室歴と入居期間を探る

アパート経営の実績があれば、まずは過去の空室歴を探ります。
というのも、例えば「ある部屋だけ空室期間が長い」のであれば、その部屋の家賃が適性に設定されていない可能性があるからです。

もしくは、「入居期間が短い」場合も、その部屋に住んでみなければ分からない不満があるかもしれません。
いずれにしろ、過去の空室歴と入居期間を探ることで、アパートの部屋ごとに適正値を予測する材料になります。

6-2. 周辺エリアの変化を調べる

例えば、周辺エリアで以下のような変化があったとします。

  • 商業施設ができたor移転した
  • 沿線に大学ができたor移転した
  • 駅前で開発が行われたor計画がとん挫した

要は、周辺環境が良くも悪くも変わった可能性を調べるということです。
特に、相続したアパートをそのまま経営している場合は、そのエリアに関して深く調べたことがないかもしれません。

しかし、周辺環境の変化は家賃に大きな影響を与えるので、改めてエリアの魅力や変化は調べておいてください。
そうすることで、家賃の適正値を予測しやすく、利回りの予測もしやすくなります。

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まとめ

利回りはアパート経営の収益性を測る大事な指標です。そのため、まずは3種類の利回りの概要を理解しておきましょう。
その上で、収支に影響する経費の項目や、家賃収入の変動リスクを理解し、精度の高い利回りをシミュレーションします。
そうすることで、将来にわたって継続的に収益を生み出せるアパート経営ができるでしょう。

この記事のポイント まとめ

アパート経営における利回りとは?

アパート経営でよく耳にする利回りとは初期投資に対する家賃収入の割合を表す数値です。

不動産経営では以下の3種類に分けられます。

  • 表面利回り
  • 実質利回り
  • 返済後利回り

詳しい計算方法は「2.アパート経営の利回り3種類と計算方法」をご確認ください。

アパート経営の利回りに影響する変動リスクのある経費は?

アパート経営にはさまざまな経費がかかり、実質利回りの計算にも欠かせない項目です。変動リスクを抱える経費には以下のようなものがあります。

  • ローン返済額
  • 固定資産税・都市計画税
  • 退去時の原状回復費用
  • 火災保険料や地震保険料
  • 共用部の修繕費用

詳しい解説、そのほかの経費については「3.アパート経営の利回り計算で必要な経費には変動リスクがある」をご覧ください。

アパート経営で利回りが良くないときの改善方法は?

アパート経営の利回りを改善させる方法として代表的なものは「ローンの借り換え」です。

借り換えには状況把握も重要なため、「4.アパート経営で利回りが良くない…改善方法は?」で詳しくご確認ください。

アパート経営の利回り維持に必要なことは?

アパート経営は長くなると空室リスクが生まれます。これを改善するには家賃の適正化が必要です。以下のような項目を調べて分析します。

  • 過去の空室歴と入居期間を探る
  • 周辺エリアの変化を調べる

詳しい解説は「6.アパート経営の利回りを維持するには家賃の適正値を知る」をご参照ください。

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