
不動産投資では、利回りがたびたび話題になります。しかし、世間で語られる利回りは、土地価格を含めた利回りです。
では、すでに所有している土地の「土地活用の利回り」については、どのように考えればよいのでしょうか。
元々土地をお持ちの方の場合、土地活用の利回りの考え方は、不動産投資の利回りの考え方の真逆で「ローリスク・ハイリターン」を狙えます。
この記事をお読みいただくことで、「利回りの計算方法」、そして「高い利回り狙える活用方法」「土地活用を軌道に載せるための土地活用会社の選び方」などについて知ることができます。
ぜひ最後までご覧ください。
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「うちの土地はどんな活用ができる?」「いくら儲かるのか知りたい」という方はご活用ください。
「リスクが低くて利回りは良い」みたいな都合の良い話はない?
相続などを通して、立地が良好で賃料が高い都市部の土地を得られた場合は、「ローリスク・ハイリターン」となる土地活用を実現できる可能性があります。
「都会の土地は高いから、投資の利回りは小さくなる」というのはこれから土地を購入することを前提とした話なので、すでに土地を持っている人にとってはあてはまりません。
詳細については「元々土地を持っているなら「ローリスク・ハイリターン」も十分狙える」をお読みください。
土地活用でよく言われる「利回り」ってどうやって計算するの?
主な利回りの種類としては「表面利回り」と「NOI利回り(実質利回り)」の2種類があります。
不動産会社が提示してくる利回りは表面利回りであるケースも多いですが、物件の収益力をより実態に近い形で表しているのはNOI利回りの方です。
それぞれの計算方法については「利回りの種類と計算方法」の中で詳しく解説しています。
土地活用の種類としてはどんな種類がある?
利回りの良い(ただしリスクは高め)土地活用の種類としては、「商業テナント系」、そこそこのリスクで中程度のリターンを得るなら「住居系」、利回りは低めながら低リスクで手堅く運用するなら「老人ホームなどの介護福祉施設系」というのが代表的な土地活用方法です。
いずれの方法を選ぶにせよ、その土地の周辺で取引されている「土地建物付きの一棟収益物件」の利回り以上は確保するべきです。
詳細については「高利回りも狙える~リスク別の土地活用方法~」「確保したい利回り水準」をお読みください。
土地活用の利回りを高めるには?
詳しい解説は以下
目次
1.元々土地を持っているなら「ローリスク・ハイリターン」も十分狙える
土地価格を含まない(元々土地を所有している)場合の利回りに関しては、一般的に議論されているような「ハイリスク・ハイリターン」か「ローリスク・ローリターン」かという話ではなく、「ローリスク・ハイリターン」となる可能性もあります。
「リスクが少ないにもかかわらず高いリターンを見込める」というのはどのような状況なのかご説明します。
1-1.立地が良好な都市部は賃料が高い

土地をすでにお持ちの場合は、土地価格がゼロで、建物投資しか発生しないため、立地が良いほど利回りが高くなります。
というのも、「建物の建築費は全国どこでも同じである」のに対して、「賃料は都市部ほど高くなる」という事情があります。
したがって、「すでに土地を持っているのであれば、都市部での土地活用は田舎での土地活用に比べてリターンが高い」と言えます。
上でご説明したこととは逆に、「都会での土地活用よりも田舎での土地活用のほうが利回りが高い」と言われることもあります。
しかしながら、これはあくまでも「土地を持っていない状態から土地を購入する」ことを前提とした話です。
1-2.都市部の土地を相続した人は「ローリスク・ハイリターン」を実現できる可能性がある
田舎では(建物費用は都会と変わらないものの)土地を都市部よりも安く取得できる分、土地活用をスタートするのにあたっての初期費用が安く済みます。
利回りの計算(詳しい計算方法については後述)においては、初期費用が少ないほど利回りが高くなるので、初期費用が安く済む田舎での土地活用では(得られる賃料が都会ほどではないとしても)都会よりも高い利回りが弾き出されることがあるのです。
繰り返しになりますが、はじめから土地を持っている場合は都会と田舎で建築費が変わらないので、賃料の高い都会のほうが利回りが高くなります。
一般的に、「賃料は低いけど初期費用も低い田舎での土地活用はローリスク・ローリターン」「賃料は高いけど初期費用も多い都会での土地活用はハイリスク・ハイリターン」と言われるのですが、はじめから都市部の土地を持っているのであれば、都市で土地活用を行うのは「ローリスク・ハイリターン」となるのです。
ゆえに、もし相続で都市部の土地を得たのであれば、土地活用にチャレンジすることを検討する価値があります。
2.利回りの種類と計算方法
最初に、利回りの種類と計算方法について解説します。
不動産投資の利回りは、投資額の中に土地価格を含みます。
一方で、元々土地を持っている人の利回りは、投資額の中に土地価格は含まないことになります。
2-1.表面利回り
表面利回りとは、1年間の賃料収入総額を投資額で割ったものになります。
表面利回り = 年間賃料収入 ÷ 投資額
表面利回りは数値が大きく見えるため、物件のチラシなどに記載されています。
2-2.NOI利回り(実質利回り)
NOI(Net Operating Incomeの略)利回りとは、年間の賃料収入から年間経費を引いた純収益を投資額で割ったものです。
実質利回りと呼ばれることもあります。
NOI利回り = (年間賃料収入 - 年間経費) ÷ 投資額
投資の判断をする際は、表面利回りではなく、物件の収益力をより実態に近い形で表すNOI利回りの方が重要です。
2-3. シミュレーションでわかる!表面利回りとNOI利回りの違い
例えば、土地活用会社から「Aプラン」と「Bプラン」の2種類の提案を受けたケースを考えてみましょう。
A・Bそれぞれのプランの概要は以下のような数値として仮定します。
Aプラン
初期投資費用:1,200万円
年間賃料収入:150万円
年間経費:100万円
Bプラン
初期投資費用:1,000万円
年間賃料収入:100万円
年間経費:40万円
表面利回りについて、AプランとBプランを比較します。
Aプラン
表面利回り = 年間賃料収入 ÷ 投資額
= 150万円 ÷ 1,200万円
= 12.5%
Bプラン
表面利回り = 年間賃料収入 ÷ 投資額
= 100万円 ÷ 1,000万円
= 10.0%
以上より、表面利回りを比較する限りではAプランのほうが投資価値が高いことになります。
一方で、NOI利回りで比較すると以下のようになります。
Aプラン
NOI利回り = (年間賃料収入 - 年間経費) ÷ 投資額
= (150万円 ー 100万円) ÷ 1,200万円
≒ 4.16%
Bプラン
NOI利回り = (年間賃料収入 - 年間経費) ÷ 投資額
= (100万円 ー 40万円) ÷ 1,200万円
= 5%
以上より、NOI利回りに関してはBプランのほうが投資価値が高いことが分かります。
以上のシミュレーション例のように、経費までを含めて検討することで、物件の収益力をより実態に近い形で把握することが可能となります。
3.高利回りも狙える~リスク別の土地活用方法~
この章では「高利回りを狙える土地活用方法」を含め、“リスク別”の土地活用方法を紹介します。
例えば、最初にご紹介する「商業テナント系の土地活用」は、のちに説明するように店舗の撤退リスクなどが存在する反面、地方であっても高い利回りを実現できる可能性があります。
ご自身が許容できるリスクの程度と相談しながら、どの土地活用方法に手をつけるかじっくり考えて見ましょう。
3-1.リスク高めだが、 高い利回りも狙える商業テナント系

土地活用で利回りが高いのは、コンビニなどの商業テナント系の土地活用になります。
コンビニなどの商業テナントは賃料単価も高く、一方で建物は鉄骨造で比較的安く建築することができるため、利回りが非常に高くなります。
商業テナント系の場合、地方でもNOI利回りが10%以上を確保できることも珍しくありません。
コンビニなどの物販系は賃料単価が高いため利回りは高いですが、飲食店や美容院となると賃料単価が安くなるため、利回りは物販系の半分以下となることもあります。
なお、商業テナントの場合は撤退リスクがあるため、事業リスクは全体として高くなります。
そのため、元々土地を持っている方の場合でも「ハイリスク・ハイリターンとなってしまう可能性はあります。
商業テナントを招いての土地活用中にも、「土地だけを事業者に貸す」という方法と「オーナーが建物を建てて事業者に貸す」方法とがあります。
それぞれの方法によって、利回りとリスクの程度に違いがあります。
3-1-1.土地だけを事業者に貸し出す方法
オーナーが持っている土地をそのまま事業者に貸し出す方法です。
土地に店舗などを建てるのは事業者側がコストを払って実施することになります。
したがって、オーナーとしては店舗などの建物を建てるコストを払う必要はなく、比較的低めのリスクで土地を活用することができます。
通常、土地を貸し出す際には「事業用定期借地権」を設置し、事前に土地を貸し出す期間を決めます。
契約で決めた期間が終われば、土地はオーナーの元へ戻ってきます。
3-1-2.オーナーが建物を建てて事業者に貸す方法(リースバック方式)
オーナー自身が商業店舗の建設コストを負担し、建物ごと事業者に貸し出す方法で、「リースバック方式」とも呼ばれます。
この方式では、建物を建てる分初期投資が大きくなります。
一方で、「土地に対する地代」と「建物の賃料」という二つの収入源ができるので、より大きなリターンを得られる可能性がある方法です。
中には建物建設のための費用の一部を「協力金」として負担してくれる事業者もいるので、少なめの負担で実現できる場合もあります。
協力的な事業者がいれば、チャンスと考えて建物の建設を検討してみるのもよいでしょう。
3-2.土地によってリスクが違う!ミドルリターンは住居系
高利回りとまではいかないものの相応の利回りが確保できるのは、アパートや賃貸マンションの住居系の土地活用です。
都市部のワンルームアパートなどでは、建築投資に対して7~8%の利回りを確保することも現実的です。
一方で、郊外での賃貸経営となると、建物投資額に対してNOI利回りが低めの水準になりやすいため、都市部と田舎とで明暗が分かれる運用方法といえます。
もしも持っている土地の場所が都市部であれば、高利回りに近いリターンを得られる可能性もあるので、住居系の土地活用方法を検討してみるのも一つの手です。
3-3.リスクも利回りも低め!老人ホームなどの介護福祉施設系
老人ホーム系の土地活用は、住居系よりも若干低めです。
介護福祉施設系は賃料単価がそれほど高くなく、また建築費は住居系とほぼ変わらないため、基本的に利回りは低くなります。
ただ、商業テナントに比べて撤退の可能性は低く、事業リスクは低めです。
高い利回りを望まず、「土地を無駄に遊ばせないこと」だけを目的とするなら、選択肢の一つとして検討するのもよいでしょう。
4.確保したい利回り水準
土地活用では、適正な建築費で投資をすることが重要であり、適正な利回りというものは存在しません。ただ、土地活用も不動産投資の一つであるため、やはりある程度の利回りは確保したいところです。
投資家調査の期待利回りは、土地価格を含んで4~6%程度でした。
そのため、土地価格を含まない土地活用の利回りは、本来なら8~10%くらいは確保すべきと考えられます。
しかしながら、現状、郊外のアパートでは8~10%の利回りはとても望めません。
8~10%は無理だとしても、少なくともその土地の周辺で取引されている「土地建物付きの一棟収益物件」の利回りは最低限確保すべきと考えられます。
理由としては、一棟収益物件の利回りを下回るような利回りであれば、わざわざそこで土地活用をする必要はなく、他の収益物件を購入した方が高収益だからです。
土地を売却して収益物件に買い替えた方が大きな利益が見込まれます。
周辺に一棟の築浅アパートが5%で取引されていれば、最低でも建物投資に対して5%以上は確保すべきです。
土地活用をする場合には、少なくとも近隣の一棟の収益物件の利回りより、高い利回りは確保するようにしましょう。
5.「利回りの高い土地活用」に強い会社を選ぶためのポイント
土地やエリアの特徴にあった土地活用を行い、高い利回りを実現するためには、専門的なノウハウを豊富に備えた土地活用会社のサポートを受けることをおすすめします。
以下、「利回りの高い土地活用に強い会社」を選ぶために必要不可欠なポイントについてお伝えしていきます。
5-1.土地活用会社の提示する「経営プラン」
多くのオーナーは物件を建築するタイミングで、建築にかかる費用や工法、出来上がる物件などのことばかりを気にかけがちですが、出来上がった後の収益を左右する要素として「完成前・完成後の経営プラン」も非常に重要です。
各社が提示しているランニングコストや収支計画をチェックすることによって「より具体的で現実性が高い計画」を掲げている会社を選ぶことが重要です。
(各社ごとに、意外なほど内容の差があるのがお分かりいただけるはずです)
「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」では、収益性までしっかり考えて提案をしてくれる、利回りの高い土地活用へ導いてくれる土地活用会社を選んで複数ご紹介できます。
複数の土地活用会社の経営プランを一括請求することができますのでご活用ください。
5-2.得意とする土地活用のジャンル
土地活用会社にはそれぞれ得意な土地活用のジャンルがあります。
会社によっては、「トランクルームの運営ならお任せください!」といったように、特定のジャンルの土地活用に特化した会社もあります。
初めて土地活用にチャレンジするのであれば、さまざまな選択肢の中から最も適した活用方法を選んでもらうためにも、特定のジャンルに特化した会社ではなく、いくつかのジャンルを取り扱っている会社に相談するのがベストかもしれません。
5-3.評判・口コミ
土地活用会社の評判や口コミについては、インターネットを活用することによって業者の立場から独立した中立な意見を拾うことができます。
特に近年では、通常のGoogle検索の他に、SNS上で情報を探すことによって「生のユーザーの声」を見つけやすくなっているので、ぜひご活用ください。
5-4.アフターサービス
土地活用をスタートさせてからの管理サポートの有無や内容についても把握する必要があります。
建物の建設後に管理までワンストップで依頼できるのか、ランニングコストはどのくらいなのか、建物の修理が必要になった時の対応、保証内容について詳しく説明を受けることをおすすめします。
「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」では、「高利回りの土地活用」に強い土地活用会社を選んで複数ご紹介できます。
「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」の運営会社は、情報サービス事業では業界最大手であるNTTデータのグループ会社「NTTデータ スマートソーシング」です。
大手が運営しているサイトということもあり、活用の種類別にプロである一流企業と提携しており、ご自身の土地に合った最適な提案を期待できます。
ぜひ一度、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」をご活用されることをおすすめします。
土地活用で高利回りを実現する方法のほかにも、多くのオーナーの方々が知りたがっている土地活用関連の情報について『【全40記事】土地・不動産を相続・経営される方のお悩みを解決する記事ランキング』にまとめています。
土地活用の疑問を解決し、不安のない不動産経営への一歩を踏み出すための第一歩としてお役立てください。
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