「老後には年金がもらえる予定だけど、それだけでは生活が不安」という方は多いのではないでしょうか。
そこで検討したいのが年金以外の老後に向けた資産形成です。「定年後も働いて給与を得る」「預金を運用する」といった方法がありますが、もし土地を保有しているならば、不動産の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事では、土地や不動産を活用するための具体的な方法やメリット、注意点について紹介していきます。
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老後に向けた資産形成が重要
近年では、年金給付額の変化や医療費・介護費の増大などを踏まえ、それぞれで老後への備えをすることが必要となってきました。
老後に備えた資産形成のひとつとして、土地・不動産活用を検討してみてはいかがですか?
例えば以下の例で考えてみましょう。戸建て賃貸経営の年間収益を計算すると、以下の通りです。
<例:戸建て賃貸経営の場合>
- 初期投資費用(ローン2,050万円、自己資金1,000万円):3,050万円
- 年間賃料収入:216万円
- 年間経費:26万円
- 年間ローン返済額:約108万円(返済期間:25年)
この場合、年間の収益は82万円となります。
上記はあくまで一例ですが、計画的な資産形成に土地・不動産活用が有効であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
老後に向けた資産形成の必要性については「土地・不動産活用による老後の資産形成について」の項目をご確認ください。
土地活用で老後の資産形成をするメリット
土地活用は老後の収入作り・老後の資産形成に向けた有効な手段であり、以下のようなメリットがあります。
- 家賃収入など毎月定期的な収入が期待できる
- 家族に資産を残すことができ、相続税対策にもなる
- 団体信用生命保険を生命保険代わりにもできる
詳しくは「老後に備えた土地・不動産活用の3つのメリット」の項目をご確認ください。
おすすめの土地・不動産活用の方法
老後に備えた土地・不動産活用の方法として、代表的なものには以下があります。
- マンション・アパート経営
- 戸建て賃貸経営
- 駐車場経営
- 太陽光発電
それぞれの方法について、詳しくは「おすすめの土地・不動産活用の方法」の項目をご確認ください。
老後の土地・不動産活用の注意点
老後に向けて土地・不動産活用をするには以下のようなポイントを押さえておく必要があります。
- 家族の了解を得ておく
- 期待していた収入を得られない可能性がある
- ローンを組むことで返済金が生じる
メリットだけでなく、注意点も把握したうえで土地活用を始めることが大切です。詳しくは「老後の土地・不動産活用の注意点について」をご確認ください。
目次
1.土地・不動産活用による老後の資産形成について
近年、老後の資金形成を考えることは非常に重要となってきています。まずはその必要性と、どのような形で資産形成が行えるのかについて考えてみましょう。
1-1.老後に向けた資産形成の必要性
どうして老後に向けた資産形成が必要となるのか、まずは3つの観点から見ていきます。
- 老後2,000万円問題
- 年金制度への不安
- 医療費・介護費増大の不安
1-1-1.老後2,000万円問題
老後2,000万円問題とは、金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の試算によって、「老後の30年で約2,000万円が不足する」という試算が示されたことに関わる問題をいいます。
この試算におけるポイントは以下のとおりです。
- モデル世帯は夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯
- 月ごとの実収入は209,198円、実支出は263,718円。差額は54,520円
- 20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取り崩しが必要となる
これらの額を預金だけで補うには準備が難しい方も多いのではないでしょうか。定年後も働き続けて収入を得る方法もありますが、健康面から考えると現役時代のようなペースで働くことは難しいかもしれません。
そうなると、土地を持っている方は活用を考えるのがベストでしょう。
参考:金融審議会|市場ワーキング・グループ報告書
1-1-2.年金制度への不安
最近は、「年金があるから老後の生活は大丈夫」という考え方をする人は少ないのではないでしょうか。国民年金や厚生年金の給付額は年々引き下げられる傾向にあります。
令和2年度(月額) | 令和3年度(月額) | 令和4年度(月額) | |
---|---|---|---|
国民年金 (老齢基礎年金(満額)) |
65,141円 | 65,075円 | 64,816円 |
厚生年金※ (夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) |
220,724円 | 220,496円 | 219,593円 |
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
少子化の影響もあり、働く方が減少する中、支払われる年金は今後もますます増大することが予想されるため、年金制度に不安を覚える方も多いと考えられます。やはり今後のことを考えると、自分でも老後への備えをしておくことを検討した方が得策といえるでしょう。
参考:
令和4年4月分からの年金額等について(日本年金機構)
令和3年4月分からの年金額等について
1-1-3.医療費・介護費増大への不安
年金不安に加えて、医療費や介護費増大の不安もあります。70~74歳の方の医療費負担は2008年4月以降、1割負担から2割負担に変更されています。つまり、70歳以降となっても、ある程度は医療費を負担しないといけないのです。
介護費についても、前年の所得金額に応じて1~3割の負担が必要です。満足のいく介護を受けるためには、ある程度資金を貯めておかないといけません。そのためにも、土地活用をして自分でお金を作る努力をしておくほうが賢明です。
1-2.土地・不動産活用で資産を作るには
土地・不動産の活用で資産を作るには、場合によっては長期で取り組む必要があります。以下にアパート経営と戸建て賃貸経営をする際の収益モデルをご紹介しますので、イメージをつかむ際に役立ててください。
【Aプラン】2階建て木造ワンルームタイプのアパート(土地面積50坪・8室)
- 初期投資費用(建築費、諸経費):5,200万円
※ローン:約4,000万円、自己資金:1,200万円
- 年間賃料収入(家賃、共益費):672万円
- 年間経費(固定資産税、保険料、修繕費など):135万円
- 年間ローン返済額:約312万円(返済期間:15年)
- 年額利益:約216万円
【Bプラン】戸建て賃貸(土地面積40坪)
- 初期投資費用(建築費、諸経費):3,050万円
※ローン:約2,050万円、自己資金:1,000万円
- 年間賃料収入(家賃、共益費):216万円
- 年間経費(固定資産税、保険料、修繕費など):26万円
- 年間ローン返済額:約108万円(返済期間:25年)
- 年額利益:約82万円
例えば、Bプランで戸建て賃貸を経営していくことで、年間の利益としては82万円、月額では6.8万円の利益が得られますので、それを老後の生活の不足分にあてる、という考え方もできるでしょう。
あくまでざっくりとした概算値とはなりますが、老後に向けた資産形成や老後の収入づくりのイメージができるのではないでしょうか。
2.老後に備えた土地・不動産活用の3つのメリット
老後にお金が必要になる理由を確認したところで、老後のための土地活用のメリットについても知っておいてください。
老後の土地活用のメリットは以下の3点です。
- 安定的な収入が確保できる
- 家族に資産を残し、相続税対策にもなる
- 団体信用生命保険を生命保険代わりにできる
2-1.安定的な収入が確保できる
安定的な収入確保といえば、働いて給与を得ることが頭に思い浮かぶかもしれません。しかし、高齢となるにつれて健康面の問題もあり、希望通りに働けなくなる可能性もあります。給与が長期間安定的に入るとも限らないのです。
また、株式投資などで資金を運用する方法も考えられます。ただ、株式投資も必ず安定的にお金が手に入る方法でありません。
その点、アパート・駐車場経営に代表される土地活用は、一度入居者が入ればある程度の期間は安定的に家賃収入が期待できます。さらに、自分で働く必要もありません。土地活用は、定期的な収入を期待できるだけでなく不労所得を得られる手段でもあるのです。
2-2.家族に資産を残し、相続税対策にもなる
相続が発生して相続税を計算するには、土地の価値を知る必要があります。その際に使われるのが「路線価」です。相続税は、路線価をもとにして計算されますが、アパートなどの貸付事業用の土地については路線価から50%の減額をして相続税額の算出をします。
ちなみに、更地のままであれば減額はありません。アパート用地のほうが節税効果は高くなります。ただし、2018年の税制改正により相続開始前の3年以内に貸付事業用になった土地については路線価の減額はありません。
なお、アパート建設をするにあたり必要になった借入金は、その他の財産から控除することができ、節税効果がさらに高くなります。
2-3. 団体信用生命保険を生命保険代わりにできる
アパート建設や駐車場設置のためには、多額の費用がかかります。多くの方は、銀行で借り入れをして資金調達をするのではないでしょうか。資金調達をする際には、団体信用生命保険(団信)加入が条件となる場合があります。
団信とは、ローン契約者が亡くなったり、高度障害状態になったりしたとき、契約者に代わりローンの残債を保険金で相殺する仕組みの保険です。このような特徴を持つ団信は、生命保険代わりにも活用することができます。
なぜなら、万が一の場合でもローン残債はなくなり、遺族にアパートや駐車場を残すことができるからです。「家族に財産を残せるか心配」という方も団信を利用することでアパートや駐車場を相続財産とすることが可能になります。
3.おすすめの土地・不動産活用の方法
老後のための土地活用の方法には、どのようなものがあるのでしょうか。それぞれの土地活用の特徴について、まずは表にまとめましたのでご確認ください。
収益性 | 手間の 少なさ |
初期投資の 少なさ |
期間 | 節税効果 | |
---|---|---|---|---|---|
マンション・ アパート経営 |
◎ | △~〇 | × | 長期 | 〇 |
戸建て賃貸経営 | ◎ | △~〇 | × | 長期 | 〇 |
駐車場経営 | △ | 〇 | 〇 | 短期~長期 | × |
太陽光発電 | △ | ◎ | △ | 長期 | × |
以下、詳しくご紹介していきます。
3-1.マンション・アパート経営
土地活用の手段として人気のあるのがマンション・アパート経営です。「駅が近い」「学校が近い」といった人気のエリアであれば、空室リスクも少なく安定的な家賃収入が期待できます。
収益性 | 手間の 少なさ |
初期投資の 少なさ |
期間 | 節税効果 | |
---|---|---|---|---|---|
マンション・ アパート経営 |
◎ | △~〇 | × | 長期 | 〇 |
また、前述した通りマンション・アパートが建つ土地は、貸付事業用の土地に該当するため、更地にしておくよりも節税効果が高くなる点もおすすめのポイントです。ただし、空室リスクを減らすためには人気エリアに建設することが重要になります。
また、建築後しばらく経つと老朽化するため、そのメンテナンス費用がかかることも覚えておきましょう。
3-2.戸建て賃貸経営
ファミリー層が多い住宅地にある土地ならば、戸建て賃貸経営も検討してみてください。戸建て賃貸物件は、「子どもが小さく、マンションでは騒音で迷惑をかけるかも」「庭があるならばガーデニングをやってみたい」といった方から大きなニーズがあります。
収益性 | 手間の 少なさ |
初期投資の 少なさ |
期間 | 節税効果 | |
---|---|---|---|---|---|
戸建て賃貸経営 | ◎ | △~〇 | × | 長期 | 〇 |
なお、戸建て賃貸物件は高めの賃料であっても一度入居すれば、数年は住み続けてくれる可能性傾向が高いです。そのため、「長期間にわたり家賃収入を得たい」という場合にもピッタリ。こちらも、マンション・アパート経営と同様に老朽化によるメンテナンスは必須です。
3-3.駐車場経営
駐車場経営も人気の土地活用の一つです。
収益性 | 手間の 少なさ |
初期投資の 少なさ |
期間 | 節税効果 | |
---|---|---|---|---|---|
駐車場経営 | △ | 〇 | 〇 | 短期~長期 | × |
コインパーキングと月極駐車場があるため、それぞれに特徴を把握して、どちらが向いているかを検討してください。
- コインパーキング
-
コインパーキングの専門会社に土地を貸し、賃料を得るものです。設備費用は、会社持ち、管理も会社が行ってくれるため、土地の所有者が負担になることはほとんどありません。「狭い土地に設置できる」「撤退時に手間がかからない」といった点もメリットです。
観光地やオフィス街など、一時駐車のニーズが高い地域ならば、高収益が期待できます。しかし、マンション・アパート経営等と異なり、更地扱いになる駐車場経営では固定資産税の節税は期待できません。
- 月極駐車場
-
土地の所有者と駐車場利用者が月単位で賃貸契約を結びます。いったん利用者が見つかると、ある程度の期間は賃料が入るため、安定的な収入を求める方にピッタリです。ただし、「駐車場利用者を見つける必要がある」「場所によっては空室リスクが高くなる」「コインパーキング同様に固定資産税の節税にはならない」という点は、気を付けておいてください。
3-4.太陽光発電
田舎に広い土地を保有している場合は、太陽光発電システムパネルの設置も選択肢の一つです。発電した電気を電力会社に売ることで収入を得られます。賃貸住宅経営や駐車場経営と異なり、入居者(利用者)を募集する必要がない点は魅力です。
収益性 | 手間の 少なさ |
初期投資の 少なさ |
期間 | 節税効果 | |
---|---|---|---|---|---|
太陽光発電 | △ | ◎ | △ | 長期 | × |
しかし、太陽光発電システムの設置料金は「自己負担になる」「将来の売電価格がどうなるか分からない」といった点は押さえておいてください。
老後の資産形成にピッタリな土地活用方法を4つご紹介しました。ただ、どの方法がご自身に向いているのか、すぐにわかる人は多くありません。
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4.老後の土地・不動産活用の注意点について
具体的な土地活用方法とメリットをご紹介しましたが、注意点についても触れておきます。メリットだけでなく、注意点も把握して土地活用を決めるようにしてください。
4-1.家族の了解を得ておく
土地の活用について、家族の了解をきちんと取ってください。もしかすると更地にしている土地に、子ども世帯が「家を建てたい」と考えている可能性もあります。また、「自分は駐車場経営をするつもりで話を進めていたが、家族はアパート経営をしたいと思っていた」という意見の違いが生じる場合も少なくありません。
後になって家族内でもめることがないように、土地の運用については、内容や開始時期について事前によく話し合って決めるようにしてください。
4-2.期待していた収入を得られない可能性がある
マンション・アパートの経営、駐車場経営などは、入居者(利用者)がいれば毎月安定的な収入を得ることができます。しかし、入居者がいない場合、収入はありません。せっかくアパートを建設しても期待していたほどの収入を得ることができない恐れもあるのです。
土地活用は、アパート建設や駐車場設備の設置など元手がかかります。想定していた収入を得られない場合は、損失が生じるかもしれない点は忘れないようにしてください。
4-3.ローンを組むことで返済金が生じる
マンション・アパート建設や、駐車場設備の設置、太陽光発電システムの設置にはお金がかかります。そのため、多くの方が銀行のローンを利用する傾向です。しかし、ローンを利用すると毎月返済をしないといけません。
収入は入るかもしれませんが、毎月出ていくお金もあるのです。なお、ローンの返済を滞らせてしまった場合、信用情報に傷が付き、「他の借り入れができなくなる」「クレジットカードの作成ができなくなる」等の弊害が生じます。
そのため、返せるお金かどうかまでしっかりと確認したうえでローンを組むようにしてください。ちなみに、マンション・アパート建設費用のローン契約時には団信加入を求められます。
しかし、団信で残債が返済されるのは契約者に万が一のことが起こったときのみです。基本的には、借りたお金は必ず返しきらないといけないことは絶対に意識しておいてください。
5.信頼できる土地・不動産活用の相談先の選び方
土地活用には様々な選択肢があり、土地の形状や面積、オーナーの要望によって最適な方法は変わってきます。そのため、要望や土地の特徴・状況に合わせて提案してくれるプロに頼るのがおすすめです。
5-1.おすすめの建築会社の特徴
土地活用に関する相談をするなら、オーナーの要望と「需要と供給」「エリアの法規制」「土地の面積・形状」も踏まえて、最適な活用方法を提案してくれる相談先がおすすめです。
名の知れた大手企業に相談した場合でも、オーナーにとって最適な提案が得られるとは限りません。
その理由の一つは、それぞれの企業の「得意分野」を勧められる確率が高いため。また、担当者の経験値に差があるためです。
相談先の企業の得意分野はさまざまですが、できれば「アパート建設に特化した企業」「コインパーキングの運営企業」などではなく、複数の得意分野を持つ企業に相談すると、幅広い提案が受けられるかもしれません。
5-2.活用方法は比較してから選ぶ
土地を活用する場合は、多様な選択肢があるため、コンサルティング能力の高い企業に相談することが大切です。
はじめからプランを提示されることもありますが、要望を出してからプランを提示されることも多くあります。スムーズにプランを提示してもらうためには、土地活用の要望について整理しておくことが必要です。
- とにかく収益性の高いものがよい
- 長期的に安定収入を得たい
- 固定資産税の負担を軽くしたい
- 短期間でも止められる形で土地活用したい
- 初期費用を抑えたい
- 手間をかけたくない
上記の要望で、ご自身に当てはまるのはどれでしょうか。要望を伝えた上で、複数の専門企業に相談して提案内容を比較検討し、最も優れたプランを選ぶことが大切です。
提案を比較してみると、建築費の差や、想定家賃の妥当性、節税効果などの違いが見え、どの企業の提案が最善なのか見極めやすくなります。
複数のプランを比較したいときには、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」の一括プラン請求を利用すると、様々な特色を持つ優良企業からまとめて提案を受けられます。
各企業から提案された設計プランや事業計画について、じっくり比較検討してみてください。
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