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更新日
2023.02.21
カテゴリ
駐車場, 記事

【基礎から解説】駐車場経営大百科 メリット・デメリットから失敗例まで

【基礎から解説】駐車場経営大百科 メリット・デメリットから失敗例まで

駐車場経営は、気軽に始めることができ、必要に応じて終了させることができる土地活用です。手間をかけずに土地活用をしたいときには良い選択肢となるでしょう。

この記事では、駐車場経営のメリット・デメリット、初期費用や年収、失敗例など知っておきたい基礎知識を徹底紹介します。ぜひ、安定した駐車場経営にお役立てください。

駐車場の経営を具体的に検討されている方は、以下のボタンより経営プランを取り寄せてみることをおすすめします。土地の情報など簡単な入力をするだけで、最大10社から無料で見積もりが可能です。

この記事のポイント まとめ

駐車場経営とは?

駐車場経営には、主に2つの方法があります。

  • 月極駐車場
  • 時間貸し駐車場(コインパーキング)

月極駐車場は利用者と月単位の契約を結ぶ方法で、住宅街や駅近の土地に向いています。時間貸し駐車場は利用時間に応じて料金を徴収する方法で、駅近の土地や繁華街、商業施設の周辺などに向いています。

それぞれの特徴や経営方式の違いなど、詳しくは「駐車場経営の仕組みと初期費用」をご確認ください。また、駐車場経営の年収・収支シミュレーションについては「儲かる?儲からない?駐車場経営の年収」をご確認ください。

駐車場経営のメリット・デメリット

駐車場経営のメリットは以下のとおりです。

  • 気軽に始めることができる
  • 簡単に終了させることができる
  • 更地価格で売却できる

一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • 本格的な活用より収益性が低い
  • 土地から購入すると見合わない
  • 競合が発生しやすい
  • 節税効果が低い

メリットについて詳しくは「駐車場経営のメリット」を、デメリットについて詳しくは「駐車場のデメリット」をご確認ください。

駐車場経営で成功するポイント

駐車場経営で成功するポイントは以下のとおりです。

  • 駐車場ニーズのある土地で始める
  • 最大料金で差別化する
  • 定期的に周辺の状況を確認する
  • 駐車場スペースの利便性を考える
  • パートナーとなる業者を比較する

詳しくは「駐車場経営で成功するポイント」をご確認ください。また駐車場経営で起こりがちな失敗例については「駐車場経営の失敗例」をご確認ください。

1.駐車場経営の仕組みと初期費用

駐車場経営

駐車場には「月極駐車場」と「時間貸し駐車場」の2種類があります。それぞれの特徴や必要な初期費用について、詳しく見ていきましょう。

1-1.月極駐車場

月極駐車場とは、月単位の契約で貸す駐車場になります。砂利敷きで、トラロープ(黄色と黒のロープ)を使って区画割するだけでも営業開始できるため、初期費用はほとんどかかりません。また、立地による影響は少なく、ほとんどのエリアで行うことができます。

ただし、月極駐車場の収益性は決して高いとは言えません。もし時間貸し駐車場ができるような場所であれば、時間貸し駐車場を優先的に検討するのがセオリーとなります。

1-2.時間貸し駐車場

時間貸し駐車場とは、時間単位で貸す駐車場のことです。コインパーキングとも呼ばれます。時間貸し駐車場はどのエリアでも経営できるというわけではなく、駅や商業施設、観光地など、人が集まるような場所の近くでないと上手くいきません。

時間貸し駐車場は、アスファルト舗装した上に、塗料でライン引きを行い、自動精算機やゲート、パークロック(車止めのこと)、看板等を設置します。初期費用は以下のようにかかります。

【一般的な時間貸し駐車場の初期費用】
アスファルト舗装代 4,000~5,000円/m2
精算機 40~50万円/1台
ロック板 10万円程度/1台
車止め 4000円/台
ライン引き費 5,000円/台
照明、看板 15~60万円

その他、設営・工事費が数十万円、さらに道路の切り下げ工事を行う場合は30~50万円かかります。これらの費用は業者によっても金額が変動しますので、複数の業者に見積もりを依頼し、適切な額に抑えるのがおすすめです。

収益性に関しては月極駐車場よりも高くなります。また、建物を建てない暫定的な土地活用の中でも、時間貸駐車場は収益性の高い暫定利用の一つです。よって、なかなか良い土地活用が見つからず、当面、暫定的に土地で収益を稼ぎたいのであれば、時間貸し駐車場が最もおすすめです。

1-3.駐車場の経営方式

駐車場の経営方式は、大きく分けて個人経営と一括借り上げ方式の2種類があります。また、個人経営で管理業務のみ委託する方式など、さまざまな方法があります。

個人経営

月極駐車場に多くみられる経営方式で、オーナーが利用者と直接契約を結んで貸し出し、運営管理もオーナーが行う方法

一括借り上げ方式

コインパーキングに多くみられる経営方式で、オーナーは駐車場運営会社へ土地を貸し出し、一定の賃料を受け取る方法

それぞれの違いは以下の表を参考にしてください。

個人経営 一括借り上げ
契約 利用者と直接契約を結ぶ 駐車区画をまとめて運営会社などに借り上げてもらう
運営 機材の設置や運営管理はオーナー(管理のみ委託も可能) 一括で土地を貸し出し、運営会社が管理運営を行う
費用 初期費用や管理費用はすべて駐車場オーナーの負担 初期費用や管理費用は運営会社の負担であることが多い
売上 売上変動のリスクはオーナーが負う 毎月一定額の賃料を受け取る。ただし、売上の変動により減額請求も

時間貸し駐車場は、毎月売上が異なりますが、駐車場運営会社から支払われる賃料は固定です。ただし、なんらかの理由で時間貸し駐車場の売上が減少した場合には、駐車場運営会社から賃料の減額要請があります。よって、賃料は固定といっても永久に固定ではないことになります。

■ コラム ■
台数は1台からでも可能

時間貸し駐車場は1台からでも可能です。
駐車場ニーズがあるところであれば、駐車場運営会社も借りてくれます。
駐車場1台分の広さは、概ね2.5m×5.0m程度(約12.5平米)です。
切り返しや自動精算機やゲートの設置スペースも考慮すると、約12.5平米の2倍くらい、つまり25平米くらいあれば十分といえます。
25平米ですので、坪数に換算すると約7.5坪くらいです。

2.5m以上の間口があり、かつ、7~8坪程度の広さがあれば、駐車場として貸せる可能性はあります。

2.儲かる?儲からない?駐車場経営の年収

駐車場経営を始めるにあたって、気になるのは「駐車場経営は儲かるのか、儲からないのか」ではないでしょうか。ここでは収支シミュレーションを交えつつ、気になる駐車場経営の年収や収支、利回りについてご紹介します。

2-1.駐車場経営の収益性は高くはない

結論から言えば、駐車場経営の収益性は決して高くはありません。収益性に関しては、土地の固定資産税を下回る場合もありますし、やや上回る場合もあるといった程度です。

例えば、東京の港区や千代田区あたりでは、土地の固定資産税が高過ぎて駐車場では固定資産税を賄えないこともあります。それに対して、時間貸し駐車場ニーズの全くないような地方エリアでは駐車場の賃料も安いため、固定資産税が低くても賃料が固定資産税を下回ってしまうことがあります。

駐車場経営は暫定利用の中では収益性が高い部類ですが、建物を建てる本格的な土地活用と比べると収益性ははるかに低い、と覚えておきましょう。

2-2.月極駐車場の収支シミュレーション

例えば、4,000万円で購入した土地で、月額賃料1万円で駐車場を経営した場合の収益例は次のようになります。

<条件>

  • 駐車スペース:10台(1台25m2
  • 稼働率:90%
  • 月額賃料:1万円

<初期費用>

  • 土地価格:4000万円
  • 初期費用(アスファルト舗装工事等):180万円

<ランニングコスト>

  • 管理委託料:賃料の5%(年5万4000円)
  • 固定資産税等:40万円(年)

<収益>

  • 年間収益
  • =年間賃料-ランニングコスト
    =108万円-5万4000円-40万円=62万6000円

  • 初期費用
    =4000万円+180万円
    =4180万円

実質利回り 62万6000円÷4180万円✕100≒1.5%

2-3.コインパーキングの収支シミュレーション

4,000万円で購入した土地で、コインパーキングを経営した場合の収益例は次のようになります。

<条件>

  • 駐車スペース:10台(1台25m2
  • 稼働率:25%
  • 時間単価:200円
  • 24時間365日営業

<初期費用>

  • 土地価格:4000万円
  • 初期費用(アスファルト舗装工事、機械の設置費用等):450万円

<ランニングコスト>

  • 管理委託料:賃料の10%(約44万円)
  • 固定資産税等:40万円(年)

<収益>

  • 年間収益
    =年間賃料-ランニングコスト
    =438万円-44万円-40万円=354万円
  • 初期費用
    =4000万円+450万円
    =4450万円

実質利回り 354万円÷4450万円✕100≒7.9%

3.駐車場経営のメリット

この章では駐車場のメリットについて解説します。

3-1.気軽に始めることができる

駐車場は、初期投資額が低いため、気軽に始めることができるというメリットがあります。

時間貸し駐車場は、駐車場運営会社に貸し出す賃借方式を採用するのが一般的です。
施設貸しと呼ばれる方式では、土地オーナーが負担する初期費用はアスファルト舗装程度です。また、アスファルト舗装を駐車場運営会社に負担させる土地貸し方式もありますので、初期費用はほぼゼロでも始めることも可能です。

アパートやマンション等の建物投資を伴う活用では、大きな借入をして建物を作る必要があります。
駐車場であれば、手持ちの現金で行うことも多いため、銀行との融資調整や借入金返済を心配する必要も不要です。

また、駐車場に関しては、作ることや始めることを規制するような法規制は特にありません。規制がなく、初期費用負担も少ないことから、ニーズがあればどこでも気軽に始めることができるのです。

3-2.簡単に終了させることができる

駐車場は、簡単に終了させることができるというメリットがあります。

駐車場は、駐車場運営会社と賃貸借契約を締結しますが、この賃貸借契約は簡単に解除することが可能です。駐車場運営会社の権利は、使用貸借と呼ばれる弱い権利に該当し、土地オーナーが解除したいときに自由に解除することが可能です。

ただし、原則自由に解除できますが、契約書に1ヶ月前の解除予告を定めているケースでは、1ヶ月前の解除予告が必要となります。

3-3.更地価格で売却できる

駐車場は、途中で土地を売却したくなったときでも、更地価格で売却できるというメリットがあります。更地価格で売却できる理由は、駐車場運営会社との契約が使用貸借であり、つまり借主の権利がいつでも解除できる弱い権利だからです。

アパート等の建物投資を伴う活用では、オーバーローン(ローン残債が売却額を上回る状態のこと)によって売却しにくくなるといった現象もあり得ます。また、地方のアパート等では、売却価格が元々の土地価格と建物投資額を合わせた金額以上に伸びず、売却することで損をするようなこともあります。

一方で、建物所有目的の借地権が設定されている土地(底地と呼びます。)の場合、売却すると土地価格が著しく低くなります。底地は売却自体も非常に困難であり、仮に売却できたとしてもその価格は更地価格の1~2割程度です。底地の価格が低いのは、借地人から土地を返してもらうのが困難なことが理由です。

駐車場であれば、購入した人がすぐに自分で土地を利用することができるため、価格は更地から特に減価されることはありません。つまり、駐車場は土地の価値を落とす利用方法ではないため、売却もしやすいです。

4.駐車場経営のデメリット

この章では駐車場のデメリットについて解説します。

4-1.本格的な活用より収益性が低い

先にもご紹介したとおり、駐車場経営は賃貸経営などの本格的な土地活用より収益性が低いという特徴があります。都心の土地では固定資産税を下回る場合もあり、上回ったとしても大きな収益は期待できません。

駐車場でプラスの収益を上げることができるのは、中心部からやや離れた賃料が高くかつ固定資産税が安いエリアとなります。例えば、首都圏でいえば千葉市やさいたま市、横浜市等の都市部からドーナツ状に広がったやや郊外のエリアが駐車場で比較的高い収益を得ることができます。

一方で、土地活用で最も収入を多く得るには、建物投資を伴う活用が適しています。家賃収入は地代収入よりも大きくなることが一般的であるため、大きな収入を得るならアパート等の建物投資が必要です。

また、事業用定期借地権等の定期借地事業は、アパート等の収入よりは劣るものの、駐車場よりは収入は高いです。定期借地事業は、相当地代(年間賃料が路線価で求めた更地価格の6%程度)と呼ばれる地代収入が得られることから、投資を伴わない割には得られる地代が高いです。

駐車場の収益性は、あくまでも暫定利用のレベルなので、本格的な土地活用と比べると、かなり低いということは知っておいてください。

4-2.土地から購入すると見合わない

駐車場は、収益性が固定資産税よりもちょっと高い程度であるため、土地から購入して実行しようとしても収益が見合わないというのがデメリットです。

例えば借入金を使って土地を購入すると、毎月、借入金の返済が発生します。駐車場収入が固定資産税をすれすれ上回る程度だと、収益の中から借入金の返済原資が捻出できず、キャッシュフローがマイナスとなってしまいます。

ただし、土地を持っている場合や、自己資金100%で土地を購入する場合は借入金の返済は発生しません。そのため、賃料が土地の固定資産税を上回れば土地から購入しても駐車場を行うことはできます。しかも、土地を安いときに購入して、高いときに売れば土地の売却益まで得ることが可能です。

4-3.競合が発生しやすい

駐車場は元々土地を持っていないと行うことは難しいですが、逆に土地を持っていれば誰でも簡単に始めることができてしまいます。空地ができるとすぐに駐車場となってしまい、競合が発生しやすいというのがデメリットです。

駐車場は、土地利用の規制がなく、かつ、初期費用が安いため、気軽に始めることができるというメリットがありました。しかしながら、そのメリットが参入障壁を低くしており、競合が発生しやすいというのがデメリットも生んでいます。

駐車場もニーズは無限にあるわけではないため、競合が発生するとすぐに供給過剰となります。供給過剰になれば、値引き合戦が始まってしまうため、収益性が悪化します。

4-4.節税効果が低い

駐車場は、節税効果が低いというデメリットがあります。土地の固定資産税については、更地評価となるため節税はできません。一方で、駐車場経営の相続については、節税対策になる場合とならない場合があります。

まず、月極駐車場のような青空駐車場の場合は、自用地として評価されるため、相続税の節税効果はないです。それに対して、車庫などの施設を駐車場の利用者の費用で造ることを認めるような契約の場合では、土地の賃借権が発生し、更地より減価されます。

相続税対策に関しては、やはり建物投資を伴う活用の方が優れています。賃貸物件を建てると、建物には借家権割合による評価減、土地には貸家建付地評価減といった相続税評価額が下がる効果が生まれます。本格的な相続税対策を行う必要がある場合には、建物投資を伴う活用を検討すべきです。

以上、解説してきた「駐車場」、「定期借地事業」、アパート等の「建物投資を伴う活用」の土地活用を比較すると、下表のようになります。

【駐車場・定期借地事業・建築投資 特徴比較表】
駐車場 定期借地事業 建物投資を伴う活用
権利の種類 使用貸借 定期借地権 賃借権
契約期間 短期可能 30年以上が多い 通常2年以上
投資額 少ない 少ない 大きい
中途解約 しやすい できない しにくい
売却価格 高い 低い 高い
収益性 低い 駐車場より高い 高い
賃料下落リスク 高い 低い 高い
相続税対策効果 低い 低い 高い

5.駐車場経営の失敗例

ここでは、駐車場経営の失敗例をいくつか紹介します。

5-1.開業した土地の需要が低かった

駐車場を始めたものの、車どおりが少なかったり、固定資産税の割に賃料が上がらない土地だったりして、赤字になってしまうケースがあります。

駐車場経営が成功しやすい土地は、駐車ニーズがあり、なおかつ固定資産税が安いエリアです。駐車ニーズの有無は、土地の条件や近隣の駐車場の動向を確認することである程度は判断できるため、必ず事前に確認しましょう。

5-2.賃料を減額された

時間貸駐車場では、駐車場運営会社から賃料減額の要求があるケースがあります。

例えば、近隣の大規模工事現場が終わる場合には、しばらくすると賃料減額要請が来ることが多いです。職人さんが車で現場まで来るため、工事現場の近隣の時間貸し駐車場は、しばらく特需が続きますが、工事が終わってしまうとパッタリと売上が激減することから、土地オーナーに対して賃料減額要請が来るのです。

また、近隣に競合駐車場ができる場合も賃料減額の要求が良くあります。特に、駅に近い場所等のもっと条件の良い場所に停めやすい駐車場ができてしまうと、そちらに顧客を大きく奪われてしまいます。

5-3.収益シミュレーションが不十分だった

開業前に見込んでいた利回りに対して、思ったよりも固定資産税や管理費がかかったり、収入が得られなかったりして、収益が上がらないケースがあります。
駐車場経営に精通したプロに相談し、十分に収益シミュレーションをしておくことが大切です。

6. 駐車場経営の始め方

駐車場経営は、次のような流れで始めます。

駐車場経営の流れ

6-1.相談・打合せ

駐車場経営を始めるには、最初に「駐車場運営会社と相談・打合せ」することが必要です。

相談時には、できるだけ以下の資料をご用意ください。

6-2.市場調査

運営会社に相談すると、各企業がそれぞれ市場調査を行います。
周辺の時間貸し賃料の相場や、競合の状況等を確認し、提案に備えます。

6-3.賃料提案

市場調査を終えると、駐車場運営会社から賃料が提案されます。一括借り上げ方式の場合は賃料、管理委託方式の場合は想定シミュレーションの提案となります。一括借り上げ方式の賃料に関しては、駐車場運営会社が「この金額で借ります!」という提案なので、土地オーナーの収益は確定します。

一括借り上げ方式の場合は、基本的に「一番高い賃料を提示してくれる駐車場運営会社を選ぶ」ということで大丈夫です。一方で、管理委託方式の想定シミュレーションは、あくまでも想定であるため、確約されたものではありません。よって管理委託の場合は、想定売上ではなく、管理料やサポート体制等を重視して決めることが大切です。

6-4.賃貸借契約

条件の良い運営会社が見つかったら、契約を締結します。
一括借り上げ方式の場合には賃貸借契約となり、管理委託方式の場合には管理委託契約になります。

一括借り上げ方式の場合、ポイントとなるのは土地所有者からの解約予告期限です。
駐車場の賃貸借契約は、借地借家法が適用されないため、貸主が駐車場を止めたいといったらすぐに止めることができます。土地所有者からの解約予告期限には特に決まりはなく、1ヶ月や3ヶ月、6ヶ月のようなものがあります。

駐車場を経営していると、その間、売却や土地活用でもっと良い話が舞い込んでくることがあります。
その際、解約予告期限が短ければ、条件の良い話にパッと飛び移ることができます。暫定利用として駐車場経営をする場合には、解約予告期限はなるべく短めに設定することがポイントです。

6-5.工事・運営開始

駐車場運営会社と契約を締結したら、パークロックや精算機、ゲート、看板、監視カメラ、照明等の設置工事を行います。設置工事期間は、概ね1~3日程度です。工事が終われば、いよいよ駐車場経営の運営開始になります。

7.駐車場経営で成功するポイント

この章では、駐車場経営で成功するポイントについて紹介します。

7-1.駐車場ニーズのある土地で始める

駐車場経営で収益性を高めるには、固定資産税が安く、なおかつ、駐車場ニーズの高い土地で行うのがポイントとなります。

月極駐車場、時間貸し駐車場それぞれに向いている条件は以下のとおりです。

月極駐車場 時間貸し駐車場
  • 駅に近い
  • 住宅街にある
  • 駅に近い
  • 大型商業地が近い
  • 有名観光地に近い

また、立地以外にも、以下のような敷地条件の土地が適しています。

「駐車場ニーズが高い」ことと、「固定資産税が安いこと」の2つの条件を満たした土地であれば、駐車場経営が成功する確率は高まるでしょう。

7-2.最大料金で差別化する

駐車場経営は差別化が難しいですが、1点だけ差別化できるポイントがあります。それは、「24時間最大3,000円」等の最大料金の差別化です。

時間貸し駐車場は、時間単価についてはエリアで一定の相場が形成されています。表現は「30分200円」や「1時間400円」等の時間単位がバラバラになっていることがありますが、1時間に換算するとどの駐車場も同じであることが多いです。

しかしながら、最大料金に関しては、かなりばらつきがあります。最大料金とは、例えば「24時間最大3,000円」とか、「8:00~22:00最大2,000円」、「当日最大料金1,800円」等の時間単価以外の表示です。近くの工事現場で働く人など、時間貸し駐車場のヘビーユーザーは特にこの最大料金を気にします。

ヘビーユーザーはリピーターになりやすいため、最大料金を工夫すると、駐車場経営が安定します。時間単価ではなかなか差別化しにくいですが、最大料金を工夫すると固定客を獲得できるようになります。

7-3.定期的に周辺の状況を確認する

駐車場経営を始めたら、定期的に周辺の状況を確認することがポイントです。

駐車場は、気付かないうちに売上が悪くなることがあります。売上が悪くなるときは、近くの工事現場が終わった、競合が発生した等、周辺になんらかの環境変化があることが多いです。

周辺の環境変化は、ひっそりと変化しているため、気付かないことが多いです。通常、スーパーなどの新規オープンは、チラシなどの広告が大々的に行われるため、受身でも気付きます。しかしながら、時間貸し駐車場は、新規オープンしても大々的に広告をしないことから、蝕まれるように環境変化が進行します。

気付いたら売上が落ちていたということがありますので、定期的に周辺環境の変化を調査することが重要です。

7-4.駐車場スペースの利便性を考える

駐車場のリピーターを増やし、経営を安定させるには、利用者の利便性を考えることが大切です。収益性を重視すると土地になるべく多く駐車できるよう考えてしまいがちですが、「停めづらい駐車場」は立地が良くても利用者は定着しません。

利用者の使いやすさと収益性のバランスを考えたうえで、適切なレイアウトを決めるには、時間貸し駐車場の場合は複数の運営会社に区画レイアウトの提案をしてもらうのがおすすめです。個人経営の月極駐車場でも、実際に自分で停めてみるなど工夫しましょう。

7-5.パートナーとなる業者を比較する

駐車場経営を検討するなら、まずは駐車場の運営会社から区画レイアウトや初期費用の見積もりを含めたプランをもらいましょう。この際におすすめなのは、複数の業者に依頼し、提案内容を比較することです。

比較することで、土地に合ったレイアウトや最適な台数を把握でき、収益とのバランスも考えることができます。

HOME4U オーナーズ」を利用すれば、簡単な入力をするだけで、複数の会社に無料で相談することができます。あなたの土地の立地や形状に合った最適な活用プランを提案してもらえるので、手間をかけずにベストな選択肢を知ることができます。

8.さらに詳しく!駐車場経営の基礎知識

最後に、駐車場経営についてさらに知っておきたい知識をご紹介します。

8-1.駐車場にすると固定資産税が上がるケースがある

駐車場の固定資産税は、基本的には更地扱いと同じです。その固定資産税が、駐車場にすることで上がってしまうケースもあります。例えば、住宅を取り壊して駐車場にするケースでは土地の固定資産税が上がります。

住宅が建っている土地には「住宅用地の軽減措置」が適用されるため、土地の固定資産税が安くなっていますが、その軽減が受けられなくなるからです。また、複数筆を一体利用する場合に固定資産税が上がってしまうことがあります。とは、地番で管理されている土地の単位です。

土地の固定資産税評価額は、筆ごとに評価されます。例えば、下図の左の土地のように、見た目上は1つの土地であっても2つの筆から構成されている土地もあります。

【図 複数筆を一体利用する事例】

道路に接道されていない土地は、無道路地と呼ばれ、固定資産税評価額が低いです。

つまり、上図の左の土地は、無道路地である地番123-2よりも、前面道路に接している地番123-1の方が固定資産税評価額の「単価」は高くなります。ところが、無道路地の固定資産税評価額は、前面道路に接している土地と一体利用されると、前面道路に接している土地と同額の「単価」で評価されるようになります。

何も利用されていない草ぼうぼう状態の更地のときは、地番123-2の固定資産税評価額は低いのですが、駐車場として利用されると地番123-2と地番123-1の固定資産税評価額は同じ単価になるということです。

8-2.他の土地活用との比較も大切

ここまで駐車場経営の年収やメリット・デメリットを含めご紹介してきましたが、最初から駐車場経営だけに絞るのではなく、他の土地活用方法と比較することも大切です。

以下に、駐車場を含む代表的な土地活用方法とその特徴を表にまとめました。

活用の種類 収益性の高さ 節税効果の高さ 初期投資額の
低さ
安定性
駐車場
アパート・マンション
戸建て賃貸
賃貸併用住宅
トランクルーム
コインランドリー

駐車場以外の土地活用方法も含めて検討するなら、まずは「HOME4U オーナーズ」を利用するのがおすすめです。パソコンやスマートフォンから1分程度の簡単な入力をするだけで、最大10社からその土地に合った土地活用方法の提案を受けることができます。

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