土地活用でビル建設を考えている方に向け、建設費の坪単価や「稼げるビル」にするために意識すべき10のセオリーを紹介していきます。

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更新日
2023.12.07
カテゴリ
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ビル建設費はいくら?稼げるビルを建てる10のセオリーとは?

ビル建設費はいくら?稼げるビルを建てる10のセオリーとは?

この記事では、これからビルを建設しようと考えている方に向けて、建設費の相場や「稼げるビル」を建てる10のセオリーついてわかりやすく解説していきます。

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STEP1
STEP2
この記事のポイント まとめ
ビル建築費の坪単価相場は?

ビル建設の構造別の坪単価は以下の通りです。

  • 鉄骨造:約72万円
  • 鉄筋コンクリート造:約104万円
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造:約114万円

付帯設備や資材調達費の変動が、ビル建設費用に影響します。詳しくは「1.ビル建設費の坪単価相場」「2.ビル建設費の費用項目・算出方法」でご確認ください。

「稼げる」ビルを建てる10のセオリーは?

1.ビル建設費の坪単価相場

ビル建設費の坪単価相場は、建設構造により異なります。一般的には、鉄骨造で建てられることが主流です。
それぞれの構造における坪単価の目安と構造の傾向は、以下の通りです。

【構造別:ビル建築費の坪単価相場】
構造 坪単価 傾向
鉄骨造(S造) 約72万円 広い室内空間ほど梁が太くなるため高くなる
鉄筋コンクリート造 約104万円 狭い土地、5階程度まで採用される
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) 約114万円 大型の工場・倉庫でも採用されている

※出典:国土交通省 統計表名「令和3年度 建築着工統計調査 用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額

ビルを建てようとする土地の前面道路の幅、周辺環境、間取りといった複合的な要素により、実際の坪単価は変動し、上記以上にかかるケースもあります。

適切な構造は、建てるオフィスの規模や室内空間の広さによっておのずと決まっていきますので、設計者や施工者から最適な構造を提案してもらうようにしましょう。

2.ビル建設費の費用項目・算出方法

ビル建設とマンション建築とではかかる費用が少し異なります。ここでビル建設にかかる費用項目と算出方法について解説します。

2-1.ビル建築費と他の費用項目

項目名 概要
ビル建設費 延べ床面積(坪数)と坪単価をかけて算出
内装費用・設備費用 空調設備や大型のエレベーター設置など、ビル建設独自の設備
調査費・設計費 建築前に必要。 現況測量費や、ボーリング調査費用、設計料など
契約・手続きにかかる費用 印紙代、水道分担金、司法書士手数料、火災・地震保険料など
各種税金 新築建物登録免許税、抵当権設定登録免許税、新築建物不動産取得税など

構造別の坪単価にプラスして、内装費用や設備費用なども考慮に入れなければいけないのがビル建設です。一方、一戸ごとにお風呂など水回り設備一式を設置しなければならないマンションと違い、配管だけ設置しておけばよいケースがあることもビル建設での特徴です。

諸費用については、おおよそ建築費の3~8%程度かかるといわれています。

2-2.ビル建設費の算出方法

ビル建設費の算出方法は、以下の式を使って算出します。

ビル建設費 =延べ床面積(坪数)× 坪単価

このほか、建設予定地の環境によって人件費が加算されたり、資材の調達費に変動があったりすると建設費も大きく影響を受けます。
ビル建築に向いている土地や建築費用について詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。

3.稼げるビルを建てるには?意識すべき10のセオリー

できるだけ稼げるビルにするためには、オーナー・施工主が意識しておくべきセオリーがあります。この章では、稼げるビル建設の10個のセオリーについて解説します。

3-1.整形な貸室形状にする

稼げるビルとは、テナント側にとって「借りやすい」ビルで「人気のあるビル」とも言えるため、整形な貸室形状にすることが大切になります。
ビルは、上から見た平面図で表すと、コアと貸室の2つに分かれます。
コアとは、エレベーターや廊下、階段、トイレ、給湯室等の共用空間のことです。

白抜きをコア、青い部分を貸室とすると、貸室形状には主に以下のようなものが登場してくることが多いです。

整形な貸室形状にする

以下はそれぞれの形状ごとの特徴です。

形状 特徴
L字型 中小ビルの場合はLを2分割したときに生まれる小さいほうの長方形部分が使いにくい
長方形 長方形は一番レイアウトがしやすく、正方形より好まれる
台形型・コの字型 「借りにくい」ので避けるべき形状

3-2.貸室は無柱空間にする

テナント側にとって「借りやすいビル」にするには、貸室は無柱空間にすることが鉄則です。無柱空間とは、柱が出てこない室内空間のことを指します。

貸室は無柱空間にする

貸室内に柱が飛び出ていると、机や書棚、会議室等のレイアウトがしにくくなります。

柱の本数を減らすと、梁で床荷重を支えていかなければならなくなるため、梁を太くする必要が出てきますが、梁を太くすると、鉄骨量が増えるため、その分、建設費は上がってしまうという点がデメリットです。

中小ビルで無中空間を断念すると、「借りにくい」ビルとなり、かなり競争力が下がってしまいますので、無中空間はこだわりをもって死守しましょう。

3-3.個別空調にする

これから建てるビルは、テナントが自由に空調の入り切りや温度設定ができる「個別空調」にすることが貸しやすくするポイントとなります。
「個別空調」に対して、ビル側で制御する空調のこと「セントラル空調」と呼びます。

個別空調なら、深夜残業や土日出勤が生じても、自由に室内温度を設定できますので、快適に働くことができます。

3-4.天井高を高めにする

中小ビルは、なるべく天井高を高めにするのが貸しやすくするコツです。
天井高とは、床から天井までの高さのことを指し、オフィスで確保したい天井高は、最低でも2.8mとなります。

3.0mくらいにすると高い部類に属しますので、設計上、高くできる余地がある場合には高めの天井高を意識するようにしてください。

3-5.トイレを共用部に綺麗に作る

近年のオフィスビルは、トイレを綺麗に作ることが重要視されてきています。
共用部のトイレが決め手になって入居が決まることもありますので、最近の新築ビルはちょっとしたトイレ合戦となっています。
専有部内にトイレのあるビルは、テナント側で掃除をしなければならず、社員がトイレに立つところを目撃されることから行きにくい環境となるため大変不評です。
トイレは必ず共用部に作るようにしましょう。

3-6.エントランスの仕上げを豪華にする

ビル建設では、お金をかけるべきところと、かけなくても良いところがあり、メリハリを意識することが稼げるビルを建てるコツになります。

お金をかけるべきところとして、最も重要な部分はエントランスの内装仕上げです。
床と壁の仕上げ材を石とし、敷地の入口から自動扉、エレベーターホールへと高級感を演出しながら人を誘導していくケースが一般的です。

内装の仕上げ材として石は最も高いので、建設費の中で削りたいと思う方は多いですが、エントランスの仕上げを安価なものにしてしまうと、ビル全体の印象を下げてしまうことになります。

入居希望者にビルを案内する際、まずは1階のエントランスに目が行きますので、エントランスの雰囲気でビル全体の良否が判断されるケースが多くあります。

エントランスはビル全体の品格を上げる部分になることから、しっかりとお金をかけて豪華に仕上げることをおすすめします。

3-7.喫煙室を作る

2020年4月から改正健康増進法が施行されたことにより、オフィスでも分煙が義務化され、共用部に喫煙室のない中小ビルは、今後は競争力がかなり落ちるものと予想されます。

共用部に喫煙所がないことに不満を持っているテナントは多いため、新築ビルで共用部に喫煙室があると、テナント受けが非常に良いです。

新築時にしっかりと作り込むことが重要なので、設計を検討する際は、喫煙室を作ることを忘れないようにしてください。

3-8.利用しやすいセキュリティシステムにする

ビル建設では、テナントが利用しやすいセキュリティシステムにすることがポイントとなります。

中小ビルは、24時間の有人管理となることが少ないため、夜間や土日は閉館となることが一般的で、従業員が残業や土日出勤をする場合には、ビルの裏口を開錠して入退館することになります。

セキュリティ面と利便性は、相反する部分があり、バランスを取ることが重要です。
セキュリティは、「厳重性」よりも「存在する」ことの方が重要ですので、ある程度緩やかにしてテナントが使いやすいビルとすることを心掛けてください。

3-9.省エネビルで付加使用料を下げる

「借りやすいビル」人気のビルにするには、ビルオーナーがテナントから徴収する専有部の水道光熱費などの「付加使用料」を下げることもポイントです。
付加使用料はテナントが直接電力会社から請求されるわけではなく、ビルオーナーから徴収されるものなので、テナントにとっては透明性が低い費用です。

省エネビルとは、例えば全館LED照明を採用しているビルや、ガラス面にLow-Eガラス(太陽の放射熱を低減する働きを強化した特殊なガラス)を採用して遮熱性を高めているビルが該当します。
貸室内の遮熱性が高まると、空調効率が高まり消費電力を抑えることができます。

省エネビルは、一見すると環境に優しいだけのビルのような気がしますが、テナントにとっては付加使用料が安くなることが期待されるため、思いのほか入居を希望する事業者は増えてきます。

3-10.バランスの取れたサイン計画(ビル内案内設計)とする

貸しやすいビルとするには、「どのテナントが何階にあるのか」等、フロアや階数案内などのサインがしっかり設計されたビルにすることがポイントです。
専有部の入口にも看板を出せるように壁の下地等の設計・計画をしておくと、テナントからの評価が高くなり喜ばれます。

最後に、ビル経営全般のメリットやリスクについては以下の記事で詳しくご確認ください。

4.適切な建築費でビルを建てる方法

適切な建築費でビルを建てるには、複数の施工会社で相見積もりを取り、建築費の比較・検証をすることが成功への第一歩です。
1社の見積もりだけだと、それが適切な建設費なのか判断するのは難しいですが、他社の見積もりと比較することで、高いのか安いのかが分かるようになります。

ビル建設はほとんどの方が経験はありませんし、専門的な知識がないと内容もわからないことから、他社との比較なしで適正額を判断することは困難です。相見積もりを取ることは、ぜひとも励行してください。

複数の施工会社から相見積もりを簡単にとるなら、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」の一括プラン請求サービスがおすすめです。

HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」には、個人経営規模の中小ビル建築が得意な企業が多数参画しています。どの企業も老舗一括プラン請求サイトである「HOME4U」が厳選した施工技術の高い企業ばかりです。

まずは「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」から複数社の建築プランを取り寄せ、じっくり比較して施工会社を選定するようにしてください。

竹内英二

この記事を書いた専門家

(株)グロープロフィット 竹内 英二

不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。

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