木造3階建て共同住宅について解説します。技術的基準である準耐火構造や避難上有効なバルコニー、敷地内通路、プランイメージの他、5つの注意点についても紹介します。

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公開日
2020年11月05日
変更日
2020/11/05
カテゴリ
記事, これから始める人向け, 賃貸住宅の新規建築

木造3階建て共同住宅って本当にお得?ルールと注意点を解説

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木造3階建て共同住宅って本当にお得?ルールと注意点を解説

土地活用の悩みの一つに、昨今の高い建築費があります。
高い建築費を抑えるために、木造で3階建てのアパートを建てたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

3階建ての共同住宅は原則として耐火建築物としなければなりませんが、一定の要件を満たす木造3階建ての住宅であれば、準耐火建築物にすることができます。
準耐火建築物で建てられる木造3階建て共同住宅は、「木3共(もくさんきょう)」とも呼ばれます。

木3共であれば準耐火建築物であるため、建築費をある程度まで下げることは可能です。
では、木3共とは一体どのような要件を満たす建物なのでしょうか。

そこでこの記事では、「木造3階建て共同住宅」について解説します。
木造3階建て共同住宅の基礎知識や要件、木3共を建てるにあたっての注意点についてわかりやすく紹介していきますので、ぜひ最後までおつきあいいただき、理想のアパート建築の実現にお役立てください。

1.木造3階建て共同住宅とは

木3共とは、以下の4つの条件を満たした木造3階建ての共同住宅のことです。

  • 防火地域以外の区域
  • 地階を除く階数が3
  • 3階のすべてが、共同住宅、下宿、寄宿舎
  • 技術的基準に適合した構造

防火地域とは、市街地における火災の危険を防除するため定める地域のことですが、主に都市部のターミナル駅周辺の中心市街地が指定されています。

防火地域に指定されているエリアは限られた一部の地域のみであり、一般的な住宅地のほとんどは「防火地域以外の区域」です。

そのため、階数や技術的基準を満たせば、かなり広いエリアで木3共を建てることができます。

2.木造3階建て共同住宅の技術的基準

この章では木3共の要件の一つである「技術的基準に適合した構造」について解説します。

2-1.準耐火構造とする

木3共では、建物を準耐火構造にすることが必要です。
具体的には、主要構造部である壁、柱、床、梁、屋根の軒裏の非損傷性が通常の火災に対して加熱開始後1時間以上であること、壁、柱、屋根の軒裏の遮熱性が1時間以上であること、外壁の遮炎性が1時間以上であることがそれぞれ規定されています。

木3共で求められる準耐火性能は基本的には1時間です。
これは共同住宅が就寝に利用される建築物であるため、通常の準耐火建築物に求められる45分間の性能よりも高くなっています。

2-2.避難上有効なバルコニーを設ける

木3共では、原則として避難上有効なバルコニーを設けることが必要です。
避難上有効なバルコニーとは、具体的には避難ハッチ等が設けられているバルコニーのことを指します。

ただし、以下の条件を満たしている場合には、例外としてバルコニーを不要とすることが可能です。

  • 宿泊室などから地上に通じる主な廊下や階段その他の通路が直接外気に開放されていること
  • 宿泊室などの通路に面する開口部に遮炎性能を持つ防火設備を設けていること

2-3.敷地内通路を設ける

木3共では、道に接する部分を除く建築物の周囲に、原則として幅員が3m以上の敷地内通路を設けることが必要です。

ただし、以下のすべての条件を満たしている場合には、例外として敷地内通路を不要とすることが可能です。

  • 宿泊室などに避難上有効なバルコニーなどを設けていること
  • 宿泊室などから地上に通じる主な廊下、階段その他の通路が直接外気に開放されていること
  • 宿泊室などの通路に面する開口部に遮炎性能を持つ防火設備を設けていること
  • 外壁の開口部から上階の開口部へ延焼するおそれがある際に外壁の開口部の上部に遮炎性能のあるひさしなどが防火上有効に設けられていること

2-4.開口部(3階)を防火設備とする

準防火地域内の木3共では、3階の宿泊室などの外壁の開口部と宿泊室など以外の部分に面する開口部に、遮炎性能を持つ防火設備を設けることが必要です。

ただし、以下のいずれかの条件を満たしている場合には、例外として3階の開口部の防火設備を不要とすることが可能です。

  • 開口部から90cm未満の部分に宿泊室など以外の部分の開口部を設けないこと
  • 宿泊室など以外の部分の開口部と50cm以上突出した庇、そで壁などを設けていること

2-5.木3共を上から見たプランイメージ

木3共を敷地の上から見た平面プランのイメージは、下図のようになります。

木3共を上から見たプランイメージ 平面プラン

木3共の最大の特徴は、建物の周囲に幅員3m以上の敷地内通路を設けなければいけない点です。

敷地内通路を設けることによって、火災時の消火活動や避難を行いやすくし、かつ、隣接する建物への飛び火も防ぐ効果が生まれます。

3.木造3階建て共同住宅の5つの注意点

この章では木造3階建て共同住宅の5つの注意点について解説します。

3-1.部屋数が少なくなってしまうこともある

木3共は、敷地が狭いと他の構造よりも部屋数が少なくなってしまうこともある点が最大のデメリットです。

木3共では、原則として幅員3m以上の敷地内通路を設けなければならないため、他の構造と比較するとスリムな建物を建てる必要があります。

部屋数が少なくなってしまうこともある

敷地の広さにかかわらず、敷地内通路は建物周囲に3m以上必要となることから、狭い敷地で敷地内通路設けてしまうと収益への影響が大きくなります。

敷地内通路を設けると、だいたい1フロアーあたり1部屋ずつ失うイメージです。
例えば、木造以外の構造なら12戸建てられるような土地であっても、木3共にすることで9戸しか建たないというようなこともあります。

たった1フロアー1部屋と思うかもしれませんが、収益シミュレーションには大きく影響します。

敷地内通路を設けないようにするには、避難上有効なバルコニーを設けること等の敷地内通路を設けないための緩和措置を検討することが必要です。

また、狭い敷地の場合、むりやり木3共で建てるよりも他の構造で建てた方が利回りは高くなることがよくあります。

他の構造は設計の自由度が高く、部屋数も最大限に確保することができるため、トータルとして収益性が高まるのです。

また、部屋数に関しては10室以上とすると、最大65万円の青色申告特別控除や、家族への給料を経費にできる青色事業専従者給与といった税制メリットも享受することができます。

もし、木3共で部屋数が10室を下回ってしまうようであれば、敷地内通路の緩和や、他の構造によって、部屋数を10室以上にできないか検討すべきです。

いずれにしても、木3共の原則規定は狭い土地では著しく不利となるため、敷地内通路の緩和措置や木3共以外の選択肢も検証することをおススメします。

3-2.建築費が2階建てよりも高くなる

木3共は、主要構造部である壁、柱、梁(柱と柱をつなぐ横架材のこと)、床等に準耐火性能が求められるため、2階建ての木造よりも建築費は高くなります

準耐火構造とするためには、例えば「燃えしろ設計」というものを行います。
燃えしろ設計とは、仮に表面部分が燃えたとしても一定時間構造体力上支障がないようにする設計のことです。

具体的には柱や梁の太さを通常よりも太くすることで一定時間の燃焼に耐えるようにします。
燃えしろ設計では木材量が増えるため、建築費が上がります。

また、外壁や内壁にも通常(9.5mm程度)よりも厚い12mm以上の石膏ボードを貼ります。
各所に厚めの石膏ボードを貼っていかなければならないことも建築費アップの要因です。

さらに、準防火地域内の木3共では3階の外壁の開口部は防火設備を設けなければならず、建築費アップの要因となっています。

3-3.構造計算が必要で確認申請に時間がかかる

木3共では、確認申請において構造計算が必要となります。
構造計算とは、一定規模以上の建物の確認申請において適合性判定というチェックを受けるための手順です。

確認申請とは、合法的な建物を建てるのかどうかを着工前に役所等が行う図面チェックのことです。

木3共では、確認申請のステップの中に、さらに構造計算適合性判定という手順が加わるため、通常の確認申請よりも時間がかかります

賃貸経営では、竣工後、早期に入居者を埋めるために引っ越しのトップシーズンである3月を目指して竣工させるのがセオリーです。

木3共を選んだがために、確認申請が遅れて3月の竣工を逃してしまうことがあっては、大きなデメリットといえます。

また、構造計算が加わることで、設計費用もプラス30万円~50万円程度上乗せされる点もデメリットです。

適合性判定に関してはネガティブにとらえる土地オーナーが一般的であることから、構造計算はできればない方が望ましいといえます。

尚、大手ハウスメーカーが建てる3階建てアパートの中には、構造計算を省略できる大臣認定を一括で取得しており、構造計算の手順が不要となっている建物も多くあります。

構造計算を省いて竣工を早めたい場合には、施工会社は大臣認定を取得している大手ハウスメーカーを選定することが適切です。

3-4.耐用年数が短い

木造は他の構造と比べると耐用年数が短い点がデメリットです。
建物の耐用年数は、構造によって決まっています。
構造別の耐用年数は下表のとおりです。

構造 耐用年数
木造 22年
木造モルタル 20年
鉄骨造(3mm以下) 19年
鉄骨造(3mm超4mm以下) 27年
鉄骨造(4mm超) 34年
鉄筋コンクリート造 47年
鉄骨鉄筋コンクリート造 47年

 

木造の耐用年数は「22年」です。
重量鉄骨は一般的には鉄骨の圧さが6mm以上のものを指すので「34年」となります。
軽量鉄骨でも3mm超4mm以下であれば「27年」、4mm超6mm未満であれば「34年」です。
鉄筋コンクリート造であれば「47年」となります。

耐用年数は、「ローンの借入期間」と「減価償却費による節税期間」に影響します。
アパートローンの借入期間は多くの銀行では耐用年数以内としているため、木造の場合は22年となります。

借入期間が短くなると、毎年の返済額が大きくなるため、キャッシュフロー(手残りのこと)は悪くなります。

また、耐用年数の期間内は、減価償却費と呼ばれる費用も生じます。
減価償却費とは、建物の取得原価を各会計期間に費用として配分することで生じる会計上の費用です。

減価償却費はその期に実際に支出される費用ではありませんが、会計上の費用であるため税金を少なくしてくれる節税効果があります。

ただし、減価償却費は耐用年数の期間だけ計上される費用です。
耐用年数を過ぎると減価償却費は計上されなくなるため、耐用年数満了以降は税金が高くなります。

木造は耐用年数が短いことから、他の構造よりも税金が高くなる時期が早く訪れてしまう点もデメリットです。

3-5.入居者からのイメージが必ずしも高くない

木造アパートは、入居者からのイメージが必ずしも高くないという点は考慮する必要があります。

木造というだけで、「隣戸からの騒音が漏れるのではないか」、「耐震性が低いのではないか」というイメージを持つ借主も多いです。
また、木造だから賃料が他の構造よりも安いと考えている人も多くいます。

実際には、軽量鉄骨のアパートでも騒音が漏れる物件はありますし、耐震性も現行の耐震基準を満たしている以上、木造だからといって特段弱いというわけではありません。
賃料も、木造だから安いということもないです。

しかしながら、木造に対してネガティブな印象を持っている借主が多いことから、他の構造よりも貸しやすさは劣るといえます。

中長期的なアパート経営を考慮すれば、安易に木造を選択するのではなく、重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造によって物件にグレード感を演出した方が、賃貸経営は安定していく傾向にあります。

4.予算や立地にぴったりのアパートを建てるおススメの手順

木3共では、相対的に建築費が安いというメリットはあるものの、ベストの選択肢とは言い切れない可能性も残ります。
そのため、あとで後悔しないように、他の構造としっかり比較した上で建築プランを選択することが賢明といえます。

他の構造も含めてアパートを検討するのであれば、「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」が便利です。

HOME4U 土地活用」は、土地の所在地やおおよその広さなど簡単な項目を入力するだけで、最大7社のハウスメーカーに無料でアパート建築の見積もりが依頼できるサービスで、様々な構造を得意とするハウスメーカーがバランス良く登録されていることが特徴となっています。

各社からの提案は建築費だけでなく、将来の収支計画や節税効果など、アパート経営を始めるために必要な情報がすべて盛り込まれているので、どんなアパートが一番自分に適しているのかを総合的に判断することが可能です。

通常、どのハウスメーカーがどの構造に強いといった内容は、よほど土地活用に詳しいプロでないとわかりません。

予算や立地にぴったりのアパートを建てるおススメの手順

しかしながら、「HOME4U 土地活用」を使えば、初めてアパートを建てる方でも、木造の他、軽量鉄骨や重量鉄骨、鉄筋コンクリート造(RC造)等、幅広い構造でアパート建築を検討することができます。

HOME4U 土地活用」に登録されているハウスメーカーは、構造計算を省略できる大臣認定を取得している大手企業ばかりです。
そのため、確認申請に時間がかかるというデメリットも、あわせて解消することができ、「3月に竣工を間に合わせるために急いで建てたい」といったニーズにも応えることができます。

木3共よりも有利なプランが見つかる可能性も十分にありますので、建てる前の時点では木3共だけに決めつけず、他の構造も含めて幅広く比較し、その上で最終判断されることをおススメします。

まとめ

いかがでしたか?
木造3階建て共同住宅について解説してきました。

木3共とは、一定の要件を満たすことにより準耐火構造で建てることのできる3階建ての共同住宅で、「避難上有効なバルコニーを設ける」、「幅員3m以上の敷地内通路を設ける」等の要件を満たすことが必要です。

ただし、木3共とすることで、「他の構造よりも部屋数が少なくなってしまうこともある」、「同じ木造でも建築費が2階建てよりも高くなる」といった注意点が生じます。

木3共を選択するにあたっては、他の構造と十分に比較してから判断することが重要です。
無料で使える「HOME4U 土地活用」を活用し、様々な構造のアパートの建築費や収益性の違いを、ぜひじっくり比較してみてください。

この記事の情報が、皆さんが理想のアパートを手に入れるための一助となれば幸いです。

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