アパート経営も良いけれども、もっとこだわりのある土地活用をしてみたいとお考えのオーナー向けに、これからの時代を先取りした、経営して面白味のある土地活用をまとめました。

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更新日
2023.08.18
カテゴリ
土地活用, 記事

面白い土地活用方法全28選。意外な賃貸経営方法とユニークな土地活用

面白い土地活用方法全28選。意外な賃貸経営方法とユニークな土地活用

土地活用の種類や方法を調べていると、アパート経営やマンション経営などの賃貸住宅経営が、最も人気があるのがわかります。しかし、中には、特徴やこだわりのあるタイプの面白い土地活用をしている方もいて、興味がわきます。

今回は、土地活用として個性がある、面白いものを調べてまとめています。しかし、ひとくちに面白い土地活用と言っても、土地から利益を生むという、土地活用の絶対ルールからは外れないように、きちんと採算ベースに乗せられる可能性が高いものだけを集めています。

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この記事のポイント まとめ

土地活用として面白い!コンセプト型賃貸住宅BEST18

面白い土地活用のなかでも、まずは人気のある賃貸住宅経営で個性的なものをご紹介します。以下のとおり、こだわりのある賃貸住宅の例は多くあります。

  1. デザイナーズ賃貸タイプ
  2. プレミアム・ガレージタイプ
  3. DIYのできるタイプ
  4. ミュージシャン対応型タイプ
  5. ワイン・タバコ愛好家タイプ
  6. 外国人向け高級賃貸タイプ
  7. 和風タイプ
  8. ペット共生タイプ
  9. 女性・学生専用タイプ
  10. 福祉・シニア向けタイプ
  11. 子育て支援タイプ
  12. 食事付寮タイプ
  13. 環境対応型タイプ
  14. テレワーク対応タイプ
  15. 高セキュリティタイプ
  16. コレクティブハウスタイプ
  17. 農園・ガーデン付きタイプ
  18. マンスリー賃貸タイプ

詳しくは「土地活用として面白い!コンセプト型賃貸住宅BEST18」をご確認ください。

その他の面白い土地活用方法 10種

賃貸経営以外にも、面白い土地活用の方法はあります。以下に10種類をご紹介します。

  1. コワーキングスペース・シェアオフィス
  2. マンションモデルルーム会場
  3. カーシェアスペース
  4. 貸農園
  5. キャンプ場
  6. 保育園経営
  7. コインランドリー経営
  8. 駐車場経営
  9. トランクルーム経営
  10. 自販機などの設置

それぞれの特徴について、詳しくは「その他の面白い土地活用方法 10種」をご確認ください。

土地活用をはじめる前に注意すべき6つのこと

特徴のある個性的な土地活用の導入を検討する際には、注意しておくべきことがあります。6つの確認すべきポイントは以下のとおりです。

  1. こだわり賃貸ニーズがあるかを確認する
  2. 所有地の法律などを確認する
  3. リスクをシミュレーションする
  4. 資金計画に無理がないかを確認する
  5. 売却も視野に入れて考えておく
  6. 信頼と実績のあるハウスメーカーや建築会社に相談する

詳細は「土地活用をはじめる前に注意すべき6つのこと」をご確認ください。

1.土地活用として面白い!コンセプト型賃貸住宅BEST18

土地活用で最もメジャーなのは、アパート経営やマンション経営などの「賃貸住宅」による不動産経営です。本章では、こだわりのある不動産経営のひとつとして、コンセプト型賃貸住宅を18種にまとめています。

コンセプト型賃貸住宅とは、マンションやアパート全体に共通する、ハッキリとした志向性や個性が感じられるように作った建物です。一般的な入居者層よりも、特定の趣味や嗜好を持つ方に照準を絞って設計・建築しています。

狭い市場を狙い撃ちしたタイプの賃貸住宅ですが、特定の趣味や嗜好を持つ方にとってはライフスタイル満足度が高くなるため、長期更新をしてもらいやすくなり、結果的には安定経営につながりやすくなります。

一般的な賃貸住宅設計に比べれば、精度の高い市場調査と、高めの建築コストになりますが、そのマンションやアパートだけが持つ、付加価値の高さによって、賃貸経営は成功しやすい傾向があります。

  1. デザイナーズ賃貸タイプ
  2. プレミアム・ガレージタイプ
  3. DIYのできるタイプ
  4. ミュージシャン対応型タイプ
  5. ワイン・タバコ愛好家タイプ
  6. 外国人向け高級賃貸タイプ
  7. 和風タイプ
  8. ペット共生タイプ
  9. 女性・学生専用タイプ
  10. 福祉・シニア向けタイプ
  11. 子育て支援タイプ
  12. 食事付寮タイプ
  13. 環境対応型タイプ
  14. テレワーク対応タイプ
  15. 高セキュリティタイプ
  16. コレクティブハウスタイプ
  17. 農園・ガーデン付きタイプ
  18. マンスリー賃貸タイプ

1-1.デザイナーズ賃貸タイプ

デザイナーズ賃貸とは、建築家やデザイナーが内装デザインや設計をした賃貸住宅のことです。担当するのは、新進気鋭のデザイナーから世界的に有名な建築家までさまざまです。

デザインは、建物の構造と内装に分かれており、どちららか片方だけ、または著名人が建築したものをオマージュした〇〇風というものでも、デザイナーズ物件と呼ばれます。

例えば、過去に有名な建築家が手掛けた、コンクリート打ちっぱなしスタイル、外観に木をふんだんに使用した木目デザイン、ガラス張り部分が多く光がたくさん入る開放的なデザイン、螺旋階段を使用したデザインなどを参考にしたものなどがあります。

一般的な設計と比較すると、一つひとつの設備や建材に高いデザイン性が求められるため、一部屋あたりのコストは高くなりますが、外観内観ともにカッコよく、住んでいて気分が良い部屋です。

主に見た目の点で、周辺エリアの中でハッキリ差別化ができる、絶対的な付加価値がありますので、少し賃料が高くても納得して入居してもらえます。

1-2.プレミアム・ガレージタイプ

自動車やバイク・自転車を趣味にしている方をターゲットにした賃貸住宅です。車の場合は一階、バイクや自転車の場合は室内に駐輪スペースを設け、お気に入りの車体を室内に駐車(保管)できます。

市場には、ガレージ(車庫)に住居に準ずる簡易設備がついたガレージハウスというものがありますが、こちらは普通のマンションの中に直接、車体を持ち込める作りになっているところが違います。「プレミアム・ガレージ」または「ガレージイン・タイプ」と呼ばれています。

室内に車体があるため、自分が車から離れている間に車体にキズをつけられたりしないという安心感に加え、自分の生活空間に愛車があり、四六時中、眺めて暮らすことができるという意味においても、車やバイク好きには、非常に価値のある賃貸住宅になります。

よくある設計としては、車の場合は車庫にシャッターが付き、ガレージから直接、玄関とリビングに入れる作りになっています。バイクや自転車も同様に、自室内に駐輪するところがあります。

一般的なガレージハウスと違うのは、普通のマンションにガレージ機能を足すだけですので、都心部でも郊外でも広さに応じたものが作れるところです。また住宅施設としてはマンションレベルのつくりになっているため、ガレージとはいうものの、かなり高級感のあるガレージになります。

シャッター設置、バイク類を運搬できる広めのエレベーター設置などのコストはかかりますが、入居者からすれば部屋の中に専用ガレージを借りることができるのと同じですので、相場より高い家賃設定でも、ガレージ代込みの値段という意味で、納得の価格となります。また、プレミアム・ガレージ賃貸自体の数が少ないため、エリアにおける希少価値は高くなります。

1-3.DIYのできるタイプ

DIYとは「Do it your self」の略語で、日本語では日曜大工のことです。一般的な賃貸住宅では、室内の原状回復が難しくなる壁や柱への釘打ちや、ペンキ塗装などは禁じられているケースが多く、賃貸住宅ではDIYはできないという前提があります。

コンセプト型賃貸にすると、「DIYができる前提の賃貸住宅」を作ることができます。具体的には、契約の際に原状回復の項目をなしにすることで、現実化します。

一般的な不動産契約が、原状回復(借りた時の状態に戻す)ありきであるため、構造を変える以外のDIYを許可するというのは、かなり珍しいタイプの賃貸住宅と言えます。築年によって、以下のような違いがあります。

A 新築の場合

新築の場合は、設備を設置したら、入居者が壁紙などを選べるところからスタートできます。内装をご自身でやりたい方や、作業はプロにやってほしいけども、自分の好きな壁紙や床材を選びたいなど、入居者によって希望条件が変わります。

建物の設計や竣工に関しては、ハウスメーカーや建築会社にコンセプト型住宅を希望していることを伝え、スケルトン渡し(設備と最低限の室内装備をした状態で引渡しをする)の契約にします。最後の内装仕上げをしないので、その分、コスト削減ができます。

B 中古の場合

退居した方が原状回復をした場合はAと同じ状態に戻りますが、そのままで残していったケースでは、次の入居者が好きにDIYをしても良いという条件で入居募集ができます。壁紙をはがして変える・塗り直すなど以外にも、床材の上にカーペットを敷く、棚を作るなどが可能です。

原状回復をしないため、退去時にクリーニング以外の壁紙と床材の変更などのオーナー負担がない分、礼金・敷金を低く設定することもできます。

また、賃貸契約の中から原状回復の項目は削除せずに、毎回新しく入居者が決まるたびに、カタログの中から好きな床材・壁紙・家具などをオプション料金で選べるというコンセプトにしている賃貸マンションもあります。

C 築年がとても古い場合

築年がとても古い場合には、押し入れ・障子・ふすまなどの、構造に直接関係のない造作に関しては、DIYでのリフォーム可にすることで、家賃下落と空室リスクを回避できるようになります。

例えば、押し入れをベッドとして使えるようにする、天井をむき出しにして天井高を高くする、消防法に影響がなければ、ベランダ(物干し)の一部をサンルームにするなど、入居者のアイデア次第で自由にDIYが可能です。

オーナーとしては心配な部分もありますが、プロのリフォームに来てもらうレベルではなく、あくまで素人の日曜大工レベルでの、簡易的な造作変更であれば許容範囲とします。

このように、自分で手をかけた部屋というのは愛着もわきますので、築年が古くて使いづらい設備があったとしても、長期の更新が期待できます。

釘打ちやペンキ塗装など躯体の一部に跡が残るようなDIYに関しては、オーナーがどこまでのDIYを許可するかを自由に采配できます。原状回復を契約から削除していますので、入居者がしたDIYは元に戻ることはない前提で、ルールを作ってください。

このようなタイプのコンセプト住宅は、入居者にとっては手塩にかけたマイホームのように感じられる、唯一無二の自分の居場所になりますので、自然と自分のつくった空間を維持しようとします。

そのため、普通の賃貸住宅よりも丁寧に扱ってもらえるようになり、結果的に、設備などの寿命が延びる傾向にあります。この方法は、新築だけではなく、運営中の古いマンションやアパートで、大規模なリノベーションができないケースにも、現在空室になっている部屋ごとに使える方法です。ただし、水回りなどの構造に関した部分はオーナー負担で直す必要があります。

1-4.ミュージシャン対応型タイプ

賃貸物件の中には、もともと、音楽対応型防音住宅というものがあります。遮音性が特に高く、ピアノやギターなどの楽器演奏を24時間できる物件のことです。音大などの近くにある学生向け賃貸住宅には、このような対策を施してある賃貸物件が比較的多くあります。

音楽対応型防音住宅には、天井・壁・床の全面に吸音板・反響板などを使って、周囲に音が伝わらないように工事をします。この板は分厚いものではないため、例えば、普通のマンション居室を後から防音仕様に変更をしても、部屋が狭くなったりはしません。

このような部屋は、音楽以外にも、ゲームや映画での音響を楽しむ方、夜中でも電話や会話が多い方、都心にいても静寂を好むタイプにも好まれます。敷地に余裕がある場合は、数人でミニコンサートが開けるようなステージを用意するなど、音楽対応型防音賃貸住宅として、コンセプト性の高いマンションにできます。賃料設定はかなり高めにしても、必要性のある方が入ってくるタイプの賃貸住宅です。

1-5.ワイン・タバコ愛好家タイプ

入居者をワインやタバコ(葉巻)などの嗜好品を愛好する方向けに絞ったマンションは、富裕層に一定の人気があるタイプの賃貸住宅です。住むために借りる方もいますが、趣味の部屋として借りるケースもあります。

ワインの場合は、全室に備え付けのセラーまたはセラールームがあり、さらに地下にはワイン好きの住人が共有できるワインカーブ(貯蔵庫)の設置をするなど、ワインを愛好し収集する趣味の方にとって嬉しい設備の整った住宅となります。

広さに余裕があれば、建物内にソムリエが常駐するバーや、試飲会のできるショップ併設をするなど、趣味人が趣味を楽しむためのコンセプトを十分に発揮することができます。

タバコ・葉巻・パイプなどの愛煙家に向けた賃貸もあります。タバコ類は、喫煙者であることを黙って入居しても、部屋の壁紙や天井に独特のニオイとヤニがしみつきます。

退去時の黄ばみや臭いが深刻な場合は、全ての壁紙・天井・床材を張替えることになり、敷金以上の費用がかかれば、借り主負担になることもあります。このような退去時のトラブルを避けるため、物件によっては、はじめから「喫煙者不可」としているところもあります。

また、ベランダでの喫煙は火災予防の見地と、他の入居者からのクレームがあるという理由から、禁止されているケースが多くみられます。そのため、喫煙者は自分が借りている部屋であっても、換気扇の前でしか喫煙ができないなど、肩身の狭い思いをすることになります。

はじめから、タバコ類を堂々と喫することができるコンセプトの賃貸であれば、愛煙家にとっては気分の良い住み家となります。また、建物内の全員が喫煙者なのであれば、周囲からのクレームに神経質になる必要もありません。

ただし葉巻やパイプなどには独特の香りがあり、同じ愛煙家の間にも好き嫌いはありますので、キッチンの換気扇以外に、もう一か所、強力な換気扇で排煙できるものを設備としてつけておきます。

1-6.外国人向け高級賃貸タイプ

海外から転勤してきた大使館や外資系企業の家族が、日本に来て最初に閉口するのが、家の狭さです。スペースに関する感覚が違うため、日本人にとっては十分な広さの家でも、外国人にとっては小さく狭く、窮屈で暮らしにくい場所に感じてしまいます。

例えば、マンションの場合、平均的な日本人の4人家族であれば、夫婦1室に子供部屋2つの3LDKの60~80平米であれば一般的な広さ、4LDKや100平米以上であれば、かなり贅沢と言えます。

しかし、外国人の場合、家族4人ならば6~8部屋、最低でもメインベッドルームには個別のシャワールームが備え付けてあり、それ以外に家族用バストイレ、ゲストルームの要望があります。

さらに、リビングだけで100平米以上あるのが理想なのですが、日本にはそのような戸建てや賃貸住宅は、特に都心部には存在しないに等しいため、条件の近い、広めの高級賃貸物件は、空きが出れば入居希望者が殺到します。特に、大使館や外資系企業の本社がある都心部では、その傾向が強くあります。

このようなタイプの賃貸住宅は、マンションのワンフロアをすべて使うような、超高級賃貸物件となりますが、借り主は大使館や外資系企業になりますので、滞納の心配がない、トラブルの少ない経営が可能です。常に絶対数が足りないため、突然の帰国で空室が出ても、すぐに次の借り主が見つかります。

1-7.古民家風タイプ

木造アパート経営であれば、木の風合いを活かした古民家風、経年の良さを活かす京都の町屋風など、和のテイストを意識したコンセプト型賃貸住宅が可能です。

部屋のコンセプトを「和」にするだけですので、水回りなどの現代的な便利さはそのままで、リビングなどの生活の中心となる部分を、昔の日本の生活スタイルにするイメージです。

室内の壁はしっくいや珪藻土、フローリングは畳または木目のはっきりした床材を使います。これだけで、室内に木材の良い香りがして、癒しの空間となります。

天井には大きな木の梁や木肌を見せて解放感を出し、部屋は障子やふすまなどを使って仕切るようにします。また、押し入れタイプの大型収納があると、部屋を広く使えます。

このような日本風の部屋は、可変式でシチュエーションによって部屋の間取りを自由に変えることができます。ソファやテーブルなどの大型家具が無くても、ゴロンと座布団一枚で寝転がる、冬にはこたつなど、日本人になじみのある生活習慣とシンクロしているため、不思議と落ち着く、居心地の良い住宅となります。

また、しっくい・珪藻土・畳・障子などの昔からある建材や建具は、日本の四季と湿度に合わせて室温調節をしますので、最低限の冷暖房器具でも一年中を快適に過ごせるエコな部屋になります。

デザイン的には、木肌や木目を重視した古民家風、梁や柱などの部分を艶のある黒系にした古民家風、朱色や金を効果的に挿し色に入れた和モダンなど、一棟の中で、部屋ごとにテイストの違うものも作れます。

新築から和のコンセプトにもできますが、築年の経過した木造アパートをリノベーションするときに、新しくコンセプト型賃貸としてリニューアルすることもできます。余裕があれば、外構なども和テイストの生垣などに変え、小さな庭園などを造ることで、敷地全体を統一感のあるコンセプト賃貸住宅にすることも可能です。

1-8.ペット共生タイプ

ペット可物件以外に、ペット共生タイプの物件があります。一般的なペット可物件というのは、普通の賃貸マンションの中で「ペットを飼っても良いですよ」という項目がある物件のことです。

このような建物には、ペットを飼っている人と飼っていない人が共存しています。また、普通のマンション経営をすることを前提に建築されていますので、建物すべての設備と建材において、人間だけが使うようにできています。

ペット共生型賃貸物件というのは、飼い主とペットがともに快適に暮らせることを前提に、建物と室内にさまざまな配慮をされた建物のことです。

例えば、以下のような設備が、はじめから整っています。

  • 散歩から帰った時に足洗い場
  • ペット同伴時専用の出入り口
  • 建物内に多数のリードフックや水栓がある
  • ドアに飛び出し防止柵がついている
  • 間仕切りを開放すると室内で走り回れる
  • ベランダに自由に出入り可能なペット用ドア
  • 犬の肉球でしっかり踏ん張れる床材
  • 粗相でニオイが残らない壁紙
  • 敷地内・屋上にミニドッグラン
  • 天井まで届くキャットタワーの設置
  • 壁にキャットラン・キャットウォーク設置
  • 猫トイレの設置場所
  • 玄関・窓・ベランダの飛び出し防止柵
  • 水回りに猫侵入禁止ドアをつける
  • ひねるタイプの水道栓設置
  • ニオイのつかないタイプの床材・壁紙
  • 天井埋め込み型のイオン発生器
  • 猫だけが使える高い位置にある窓

これらの設備は、普通の賃貸であれば飼い主が、ペット専門店やホームセンターなどで購入したものを自分で取り付けるなどをして、工夫をしている部分です。はじめから設備として整っているのであれば、相場より割高感のある家賃であっても、納得のいくものになります。

また、建物内すべての入居者がペットを飼っている前提ですので、動物嫌いの方に遠慮をするなどの精神的な負担がないのも、飼い主とペットにとっても付加価値の高い賃貸住宅になります。

1-9.女性・学生専用タイプ

入居者が女性のみ、学生のみなど性別や生活スタイルが同じ方が住むことをコンセプトにした賃貸住宅です。通常の賃貸住宅よりも、入居者の属性や背景が揃っているため、トラブルが起きにくく、管理がしやすいのが特徴です。

女性用は主に防犯・セキュリティ面の強化と、内装を女性好みにすることで付加価値の高い物件になります。セキュリティ面はオートロック・録画防犯カメラ付きインターホン・宅配ボックス・防犯ガラス・管理人配置などをそろえます。さらに、入居者の社会属性などを絞ることで、生活リズムも揃うので、入居者同士のトラブルも起きにくく、賃貸管理もしやすくなります。

室内には淡いパステルカラーや、美しい形状のドアノブや電気スイッチなど、小さなところに配慮をするだけで、女性が好む内装にすることができます。

学生用は、入居者を学生のみに限定してあり、内装や設備もシンプルでコスト重視にしたものです。基本的に2~4年で退去することが前提であり、賃料負担は保護者がすることが多いので、家賃滞納リスクが起きにくい経営になります。

女性用・学生用共に、卒業・就職・転勤・転職などにより、一定期間で入れ替えがあるため、経営計画も立てやすいコンセプト型賃貸経営になります。

1-10.福祉・シニア向けタイプ

入居者をシニア世代に限定したタイプの賃貸住宅です。基本は一般的な賃貸住宅と同じですが、健康で自立しているシニア世代が快適に暮らせることを前提としたコンセプトがあります。

具体的には、室内がバリアフリー構造、必要な個所に手すりなどの支え、滑り止めや明るい照明などがあります。また、室内でのヒートショックによる事故が起きないような、室温への配慮がされた賃貸住宅です。

多くのシニアは長年住み慣れた家で暮らしたいと願うものですが、その家が、シニア世代が暮らすのには、あまり適していないケースもあります。例えば、階段や段差が多い、寒暖差が厳しい、家に荷物が多い、家の中が暗いなどの場合には、エレベーター設置があり、生活の場が1つのフロアで済むマンションの方が、生活利便性と安全性が高くなります。

また、高齢になるほど医療機関の利用回数は増えていきますので、都心部などの、交通の利便性が高いエリアの方が、シニア世代には住みやすい場所となります。セキュリティ面においては、画像付きインターホンや宅配ボックス以外にも、24時間警備サービスや、電話相談サービスなどがある管理会社に管理委託をすることで、シニアの防犯に関する不安をクリアできます。

収入や資産状況に関わらず、賃貸住宅では高齢者の入居は断られることが多いため、シニア向けのコンセプトも、付加価値の高い賃貸住宅になります。また、シニアの入居が難しいことは入居者本人が良く理解していますので、長く住まうことを前提としています。

シニア向けコンセプト型賃貸は、健康で自立できるシニアが対象ですので、日常生活にサポートが必要な場合は、サ高住などの福祉系の賃貸住宅を利用することになります。福祉系賃貸住宅であるサ高住も、土地活用として注目をされていますので、併せてご検討ください。

1-11.子育て支援タイプ

子育て世代をターゲットにした、コンセプト型賃貸住宅です。はじめて子育てをスタートするファミリーは20~30代であることが多く、まだマイホームを購入するには早いため、赤ちゃんや小さなお子さんを抱えた状態で賃貸住宅に住むことになります。

しかし、一般の賃貸住宅には子育て世代だけがいるわけではありませんので、赤ちゃんの夜泣き、子供の声、走り回る音など、生活音でのトラブルが起きやすくなります。仮に、近隣から苦情が来なくても「うるさいと思われているんだろうな」と思うこと自体が大きなストレスとなります。

また、ほとんどの賃貸住宅の設備は、大人が使うことを前提としていますので、小さな子供には危険が多い作りになっていることがあります。子育て支援タイプの賃貸住宅は、子供にとって安全で快適、一軒屋のようにのびのびと暮らせる、以下のような設計になっています。

  • キッチンの中を子供が通り抜けや・入ってこられない作りになっている
  • 冷蔵庫置き場をキッチン入口に配備し、子供がコンロなどに近づけない配置設計になっている
  • 対面式キッチンで、調理中でも子供の動きが確認できるようになっている
  • 別々のことをしていても、会話ができるような、家族の気配があるオープンな間取り設計
  • ものが増えやすいので大きな収納・クローゼット・室外倉庫がある

これらの設備は、ファミリー向け分譲マンションではよく見かけるものですが、賃貸住宅での標準にはなっていないため、とても付加価値の高い賃貸住宅になります。

子育て支援がコンセプトになっている賃貸住宅には、基本的に子育て世代しかいませんので、子供の生活音に関しては「おたがいさま」と、おおらかな気持ちでいられます。

また、さらなる付加価値としては、全ての建物とエリアで可能なわけではありませんが、賃貸住宅の1階部分に保育園施設を併設した、本格的な子育て支援コンセプト賃貸住宅の経営も可能です。1階部分に保育園の運営をする専門企業を誘致し、上階の賃貸部分に子育て世代を中心とした客付けをするなど、設計と計画の段階から盛り込むことで、強いコンセプトのある賃貸経営が可能です。

入居者は、自宅に併設した保育園があることで、子供の送迎のストレスから解放され、残業にもフレキシブルに対応できるようになります。子育て支援型のコンセプト賃貸も前項の、女性専用・単身者用と同様に、転勤・子供の就学・マイホーム購入などによって、定期的に入居者の入れ替えが起きるため、経営計画が立てやすい賃貸経営です。

1-12.食事付タイプ

部屋と食事を提供するタイプの賃貸住宅は、「食事付き住宅」というコンセプト型賃貸住宅になります。普通のマンションと同じように、エントランス・階段廊下などの共有部分に加えて、食堂に相当する場所があるのが特徴です。

社員寮と違うのは、共有部分で食事をしない時には普通の賃貸マンション利用と変わらない、プライバシーが守られている部分です。このタイプのコンセプト住宅は、外資系企業の借り上げ賃貸マンションに多く見られる傾向があります。建物内のどこかに食堂施設があり、入居者のみが食事ができるようになっています。

食事代は定額制で家賃に含まれていることが多く、食事をしなくても家賃減額はありません。代わりに、自分で食事の用意や栄養のことを考えなくても済むため、激務の外資系社員にとっては、暮らしやく使いやすい住宅環境となります。

別のコンセプトでは、食堂部分が一般の人も利用できるオープンスペースになっているタイプもあり、見た目は普通のカフェのような食堂がついている賃貸マンションもあります。このタイプの食堂は、テイクアウトにも対応しているため、入居者は自室に持ち帰って食べることもできます。

オープンスペースタイプは、使っても使わなくても良く、入居者のみ割引価格となっていること以外は、普通のカフェと変わりません。

1-13.環境対応型タイプ

環境対応型とは、オール電化やシックハウス対策など、エコロジーと健康を含めた環境対策を施したコンセプト型賃貸住宅のことです。

建物の全てを環境対応型にする必要はなく、例えば、屋上部分に設置した太陽光パネルにより、共用部分の電力をまかなうなど、建物の中に、環境保全への考え方があることが重要になります。

環境対応型物件の多くは、内装建材に自然素材を使っています。例えば、壁にはしっくいや珪藻土、床には天然の無垢材を使用し、入居者が手入をしながら使っていくようにすることで、入退去のたびに、大量の壁紙や床材のゴミを出さないことにもつながります。また、大量生産されたビニールクロス・工業用接着剤などによるシックハウス症状を避ける目的にもなります。

実際、自然素材を使った賃貸住宅は非常に希少であり、特に、アレルギー疾患のある方や、子育て世代にとっては、「安全な環境」が買えるという、付加価値の高い賃貸物件となります。

日本は、2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロを目指しているため、今後、賃貸住宅でも小型太陽光パネルを利用し、Wi-Fi利用・携帯電話やPC充電などの個人・個室レベルの電力などは、電気を自力で生み出せるようなライフスタイルへとシフトしていく計画があります。

環境対応型のコンセプト住宅は、現在経営中のマンションやアパートでも、後付けで少しずつプラスできるタイプの付加価値であり、段階的に、賃貸物件の市場価値を高めることができます。

1-14.テレワーク対応タイプ

コロナ禍をきっかけにテレワークが一般化しましたが、賃貸住宅にもテレワーク対応型の物件が増えてきています。テレワーク対応の部屋には、以下のような環境が整っています。

Wi-Fiが利用できネット環境が完備している。

マンション設備としてネット環境が完備していることが望ましい。

ワークスペースが確保できる

室内に仕事だけをする場所が確保できる。間仕切りなどによるものでもOK。

直射日光が当たらない

夏場は暑い。また、パソコン画面が光って見えない。

ある程度の遮音性がある

遮音性が低いと、ネット会議などの話し声が漏れてしまうことがある。また、隣近所の話し声や会議中の内容が聞こえてくると、仕事に集中できない。

テレワーク以外にも、最近はユーチューバーなどで動画配信を副業とする人も増え、自宅でビジネスをする人が増えています。そのため、上記で必要とされるテレワーク環境以外にも、間仕切りの変更や照明・音響設備の追加によって、自宅をオフィス化・スタジオ化できるなど、可変性のある間取りが求められます。

また、テレワーク対応の部屋は、住居兼仕事場として使う以外にも、自宅とは別に、完全な自分用オフィスとして借りるケースもあります。

1-15.高セキュリティタイプ

一般的なマンションに備わっている安全に対する設備を、より強化したタイプの賃貸です。オートロック・宅配ボックス・録画機能付きインターホン以外にも、エントランス指紋認証・24時間警備システム・指紋認証型金庫などをつけることで、「防犯」という安全性を確保できます。

また、災害に対する安全という意味では、免震耐震機能のある構造・非常時用の電源確保システム・防災用備蓄倉庫を完備し、さらに、敷地内に防災用井戸を掘っておくなど、その土地で考えられる万全のセキュリティで対応できるようにします。

1人暮らしから家族がいる方までを含め、そこに住むうえでの安全・安心を買うことができる、付加価値の高い賃貸住宅です。

1-16.コレクティブハウスタイプ

コレクティブハウス(Collective House)とは、生活する上でのさまざまな家事労働を、その家に住む入居者が共同で行い、入居者同士で助け合って子育て・介護・精神的なサポートをしていく住まい方です。非常にコンセプト性が高く、一旦入居をすると、少しくらいのことでは退去をしたりしない傾向があるため、長期安定経営が実現します。

入居者各自が自立して暮らせる設備の整った専用住宅部分と、入居者であれば自由に使える共有空間・共有設備があります。

コレクティブハウスの立ち上げ時に「入居者組合」をつくり、入居者全員でコレクティブハウスの運営をするためのルール作りなどをします。例えば、各自の住居スペースに何でも生活道具を持ち込むのではなく、洗濯機・掃除機・掃除用具のような、共有しても良いものはシェアすることで、自室部分を広く使うためのアイデアを出し合っていく、などです。

コレクティブハウスでは、入居希望者は他の居住者とも面談を行い、全員が納得の上で入居が決定します。このような経緯があるため、住民同士のトラブルは発生しにくく、また、これによって入居者の連帯保証を入居者組合がすることになります。

普通の賃貸運営とは違う部分が多いので、事前の勉強が必要になりますが、少子高齢化やシングル化が進む日本に抜本的な解決策がない現状を考えると、近い将来、日本社会で必要とされる、福祉性の高いタイプのコンセプト型賃貸住宅と言えます。

1-17.農園・ガーデン付きタイプ

賃貸住宅には、1階であっても庭や畑などはないものであり、ベランダガーデニングやベランダ菜園をして楽しむのが一般的です。農園やガーデニング付きタイプのコンセプト型賃貸には、敷地内にガーデニングができる庭、または畑がついているタイプの賃貸住宅です。

希望者は半坪~1坪程度の広さの区画を借りて、敷地内で自由にガーデニングや家庭菜園を楽しめます。アパートなどを建てる敷地内にスペースがある場合は、検討してみる価値があります。

レンタル料はエリアの駐車場の月額料金と同じくらいに設定し、利用期間も駐車場と同じように半年~1年単位に区切ります。小さな子供がいる方や、自然が好きな方にとっては、自宅にお庭や畑ができる場所があるのですから、納得の値段となります。サービスとして共有のクワ・シャベル・バケツなどを用意しておくと、利用者が増える可能性が高まります。

入居をしたからと言って、園芸や畑をしなければならないわけではありませんので、部屋から眺めるという楽しみで入居をする方もいらっしゃいます。市場にはプロの運営するレンタル畑などがありますが、こちらはあくまで、趣味の場所を入居者限定で土地貸しするという発想です。

1-18.マンスリー賃貸タイプ

マンスリー賃貸とは、ひと月ごとに部屋を借し出す、というコンセプトの賃貸経営です。基本の賃料が月額となっており、それより短い場合は日割り、長い場合にはまとめ割りなどがあります。

マンスリータイプの賃貸住宅には、基本、生活に必要な家財がすべてそろっています。例えば、ベッドや布団、クローゼット、椅子テーブル、クッション類、鍋などのキッチン用品、カトラリーや食器類も、その部屋の仕様に合ったものが完備しています。

長く住む前提ではないため、安全性さえしっかりしていれば、簡易な構造でも入居者が細かいことを気にしないという点で、コストを抑えた経営ができます。

生活に必要なものが一通りそろっているため、手ぶらで引っ越してきてもすぐ、普通の生活をスタートできます。以前は単身赴任などのビジネスユースが基本でしたが、最近は、ネットワークの発達により、日本国内を移動しながら、仕事と生活を両立する自由なライフスタイルを求める層にも支持されています。

入居者は基本的に、数か月ごとに自分の住居を移動しますので、敷金礼金などがかかる賃貸住宅ではなく、月ぎめ家賃で、体一つで移動できるタイプの住居を求めます。また、海外から日本に来た方も、どこに定住するのかを決めていないうちは、このようなスタイルの賃貸住宅を転々としながら、気に入ったエリアを探す方もいらっしゃいます。

マンスリー賃貸タイプの経営をするオーナーの中には、入居者が全国を渡り歩くことを前提に、複数の都市にマンスリー賃貸住宅を建築し、民泊やB&Bのインターナショナル・ネットワークに加入をして、世界規模で経営をする方もいます。

また、建物一部にランドリールームなどの共用設備を作っておくことで、シェアハウスのように使うなど、利用者にも経営者にとってもフレキシブルな使い方が可能です。

2.その他の面白い土地活用方法 10種

本章では、場所やスペースを貸し出すタイプの土地活用として10種類をまとめました。

  1. コワーキングスペース・シェアオフィス
  2. マンションモデルルーム会場
  3. カーシェアスペース
  4. 貸農園
  5. キャンプ場
  6. 保育園経営
  7. コインランドリー経営
  8. 駐車場経営
  9. トランクルーム経営
  10. 自販機などの設置

2-1.コワーキングスペース・シェアオフィス

コワーキングスペース・シェアオフィスともに、事務所を複数のビジネス利用をする方に貸し出すものです。比較的新しい業種なので、法的な分類はないのですが、一般的な認知としては次のような振り分けになっています。

コワーキングスペース

時間貸しまたは月額のサブスクリプション契約で、特定の事務所の利用権を貸し出すスタイル。事務所内はオープンな空間になっており、その中のどこでも、自由に好きな場所を、その日の自分のオフィスまたは作業場として使える。オープンスペース全体をかりて、セミナーなどを開催することも可能。

シェアオフィス

一つのフロアの中に間仕切りで個別のオフィススペースを作り、その一部を希望する期間のみレンタルする方法。個別のスペースには電源・椅子テーブルなどのオフィスに必要な備品があり、レンタル中は自由に使ってよい。

個別の事務所空間を貸しているので、オープンなエリアは受付エリアのみのケースが多い。

経営方法は、場所をレンタルオフィスなどの専門会社に貸すか、ご自身で運営することも可能です。

2-2.マンションモデルルーム会場

駅から近いなどの、ある程度の利便性があるエリアの土地であれば、大手デベロッパーが開発するマンションなどの、モデルルーム会場として土地貸しができます。大手企業のモデルルームは、100平米ほどの豪華な室内を完全再現したものが多く、マンションギャラリーなどの名称で、これから建築をするマンションの事前販売会のために使います。

1つのマンション販売に対しては1~2年の短期契約になりますが、周辺エリアにマンション開発がある場合は、別のマンションのモデルルーム会場としても需要があるため、複数の企業に向けて長期の貸し出しをすることもあります。

モデルルーム会場は、マンション開発をする駅から3~5駅ほどはなれたエリアにあることが多いため、比較的、広範囲のモデルルームに対応できます。

2-3.カーシェアスペース

カーシェアスペースとは、自動車・自転車・キックボードなどを時間貸しするための、パーキングスペースを貸し出す土地活用です。車一台分くらいの広さがあれば、全てのタイプに対応できます。

車一台分のスペースで、以下のようなことが可能です。

車は1台分しか停められません。貸し出している場所にアプリ登録をした利用者が来て、利用開始します。車体の返却場所は移動先でもよく、空いた場所には、別の利用者が使っている車が駐車することもあります。

車がない場合は、カーシェア会社担当者が、貸し出しスペースまで配車をします。利用料金はアプリからのネット決済のため、精算機械などの設置が不要です。

自転車

電動自転車の場合は、複数台の駐車が可能です。車体についたGPS情報をもとに、どの車体がどこの場所にあるのかをアプリで管理します。

管理会社が定期的に充電と修繕作業のために自転車を回収して、必要な場所に再分配します。利用料金はアプリからのネット決済になりますので、精算機の設置が不要です。また、車一台分よりも狭いスペースでもスタートできます。

キックボード

前項の自転車と同様、複数台の駐車が可能です。車体についたGPS情報をもとに、車体の位置や台数をアプリが管理します。管理会社が定期的に充電と点検をした後、台数のバラつきがある場合は再分配をします。利用料金はアプリからのネット決済になります。

自転車よりも小さい、または折り畳み式になっているため、敷地内に半畳ほどのスペースがあればスタートできます。

賃料は定額制が多く、レンタル料の多少にかかわらず、毎月決まった土地代が振り込まれます。コインパーキングなどと違い、精算機械を設置する必要がないため、場所さえあれば明日からでもスタートできます。

自転車やキックボードであれば、半畳ほどのスペースがあればよいので、現在経営中の賃貸住宅の玄関前などで開始できます。どのタイプでも、場所を貸すだけで、土地の整備や車体機器のメンテナンスはすべて専門会社が行います。

2-4.貸し農園

貸し農園とは、レンタル農園や市民農園などとも呼ばれる、農地を貸し出すタイプの農園経営をすることです。貸農園経営には2パターンがあります。

ひとつは、ご所有の土地が農地で、現在も農業を営んでいるが、土地が余っている場合に貸農園をする方法があります。2つ目は、農地ではない土地をお持ちの方が、ご所有の土地を「貸農園」として営業する方法です。ご所有の土地が農地ではない場合には、貸農園をスタートする前に、農業委員会への届け出申請が必要です。

貸農園は、他の土地活用方法と比べると、建物などの設備を建てる必要がないため、初期投資も少なく、経営ダメージが起きにくい土地活用方法です。専門会社もあり、自治体のサポートも万全です。

普通の農業と違い、持っている農地を一般の人に貸すだけで、貸し出した土地からの生産物(野菜など)を販売することはできませんので、大きな収入を期待する土地活用としては向いていません。

貸し出し方法や運営方法にも、ご所有の農地の条件によってルールが違いますので、ご自身で経営をするよりも、専門会社に農地をレンタルする方法が、気楽に土地活用ができる傾向があります。

ご所有の土地や農地を、これから先も土地を減らさずに子孫に受け継いでいける方法として、選択する価値のある土地活用方法のひとつです。
【参照:農林水産省 市民農園の開設方法

2-5.キャンプ場

郊外や田舎に土地や山を持っているのであれば、キャンプ場として貸し出しが可能です。キャンプ場には大きく分けて、以下の4種があります。

普通のキャンプ場

一般的なキャンプ場で、車を駐車スペースに置き、キャンプ地へと移動します。BBQに使えるセットとしてレンガや石などがあり、簡易的な水道施設があることもあります。多くの場合、利用料が発生します。

ただし、駐車スペースやキャンプスペースが整備されている必要はありません。

野営キャンプ場

野営キャンプ場とは、一般的なキャンプ施設ではない場所でキャンプをすることです。山の中や川のそばなど、ご所有の土地の一部を使っても良いとしているだけですので、まったく何の管理されていない自然の場所を貸し出すことになります。火事や事故が起きた場合は、キャンプをした本人の自己責任となります。

オートキャンプ場

オートキャンプ場とは、キャンプ場の貸し出しスペースに、車で乗り入れができるタイプのキャンプ場のことです。普通のキャンプ場では、車は指定された場所に駐車をしておかなければなりませんが、オートキャンプ場は、自分がキャンプをする場所まで直接車で入ってこれるので、荷物運びもラクで、雨が降っていてもキャンプができるため、人気があります。

野営キャンプ同様、車で入れる場所であれば、特に整備をする必要がありません。

グランピング場

グランピング場は、キャンプに必要なさまざまな道具が準備してあるキャンプ場です。利用者は手ぶらで来て、手ぶらで帰れるため、会社帰りに気が向いたら気楽に楽しめるタイプのキャンプ場です。

シャワーやトイレなども完備していることが多く、敷地内にはアスレチックやバーベキュー設備が整っていることもあります。さまざまな設備があるため、施設管理が必要であり、グランピング場内での宿泊ができる施設がある場合は、旅館業の営業許可も必要になります。他のキャンプ場と比較すると、最も高い利用料の設定ができますが、施設などに初期費用がかかります。

キャンプ場は、ご所有の土地を一時的に使いたい人に貸すだけですので、やめたい時にいつでもやめることができます。大きな収入は期待できませんが、何もしないでただ持っているよりは、利益が発生します。

ただし、テントなどの宿泊施設を作ると旅館業、BBQの食材を販売したら飲食店としての届け出が必要になります。

2-6.保育園経営

保育園は待機児童を預かる場所として、高い需要があるタイプの土地活用です。メインは、保育園を運営している会社に、土地または建物を貸し出して賃料を得る方法です。

土地を貸す場合は、土地に保育園事業者が施設を建築して、運営をします。建物を貸し出す場合は、保育園事業者が希望する建物を土地オーナーが建てて、土地建物両方の賃料を得る方法があります。

また、中古の戸建て・マンション・アパートを、保育園として使えるようにリノベーションをしてから貸す方法もあります。地域に対して社会貢献性の高い土地活用でもありますので、土地活用の内容にもこだわりたい方は、検討してみる価値があります。

2-7.コインランドリー経営

コインランドリー経営での土地活用は、土地や建物をコインランドリー事業者に貸し出して、賃料を得る方法か、ご自身がコインランドリー経営をスタートする方法があります。

事業者に土地を貸し出す場合は、土地の賃料を得ます。ご自身でコインランドリー経営をする場合は、チェーン展開をしているコインランドリー会社に加盟をするか、単独経営をする方法があります。

コインランドリーはフランチャイズ化が進んでおり、プレキャストされた簡易な建物と設備のみでスタート可能なため、はじめての経営でも、土地活用として取り組みやすいと言えます。

2-8.駐車場経営

駐車場経営は、車を停めるための場所を貸し出す土地経営で、時間貸しタイプと、定期契約タイプがあります。

時間貸しタイプは、コインパーキングと呼ばれる方法です。専門会社があるので、敷地を貸すだけでコインパーキング経営に必要な整備や機械の設置から、精算管理まですべてを委託できるタイプのものがあります。

また、専門会社から機械を借り上げて経営はオーナーが自分でするなど、複数の経営パターンも用意されています。選択したプランによっては、自己資金ゼロ・初期投資費ゼロでスタート可能です。

定期契約タイプは、昔からある「月極駐車場」と呼ばれるもので、半年から1年の更新で月額の駐車料金を得る方法です。ご所有の土地に車が停められるように、簡単な整地と区分けをするだけでスタート出来ますので、手間のかからない方法です。

どちらのタイプも、予算の範囲で初期費用を抑えたスタートができ、管理にも手間がかからないという点では共通しています。

コインパーキングで成功するコツなどは、詳しくはコインパーキングの記事でも解説していますので、ご確認ください。

2-9.トランクルーム経営

トランクルームは、荷物を収納するためのスペースを貸し出すサービスです。荷物を置く区分に対して料金が発生し、利用者は借りた区分の中に、荷物をしまっておくことができます。

トランクルームと呼ばれる業態には2種類あり、倉庫業を運営するタイプと、レンタル収納スペースを運営するタイプがあります。倉庫業は郊外にコンテナや倉庫を借りて、そこで倉庫業を経営管理する専門業種です。レンタル収納スペースは、建物内に荷物用のスペースを貸す、スペース賃貸業という不動産業になります。

どちらも住居ではないので、日当たりや騒音などを気にする必要がなく、住宅としては人気が出にくいタイプの土地でも、トランクルームであれば問題なく土地活用がはじめられます。収納しておきたい荷物のニーズによって使い分けができますので、駅歩のあるエリアでも、車でしか行かれない郊外や田舎でも、トランクルームビジネスは成立します。

トランクルーム経営にも専門会社があり、フランチャイズとしてご自身が経営する、土地建物を貸して経営を委託するなど、複数の土地活用パターンがあります。

トランクルームのメリットやデメリット、運営方式の違いなど、詳しくはトランクルームの記事でも解説しています。

2-10.自販機などの設置

ご所有の土地に自動販売機を設置して、自動販売機の売り上げが収入になるタイプの土地活用です。自動販売機が置ける半畳ほどのスペースさえあれば成立するので、他の土地活用方法と併用するのが一般的です。

中には、公道沿いの土地に自動販売機を数多く設置して、休憩場のように利用してもらうというアイデアやコンセプトのある土地活用方法をしているケースもあります。このビジネスは、仮に近くにコンビニエンスストアがあったとしても、自動販売機でコンビニよりも安い値段で販売していればニーズが発生します。

酒類とタバコは許認可が必要ですので、清涼飲料水やお菓子類の販売が一般的です。経営方法は、専門会社から機械類をリースして経営委託する方法と、専門会社などから中古の自動販売機を購入して、ご自身で取り付けて経営管理をする方法があります。

3.土地活用をはじめる前に注意すべき6つのこと

ここまで、こだわりのある面白い土地活用方法をたくさん紹介してきましたが、最後に、このような特徴のある土地活用の導入をご検討の場合に、注意しておくべきことを6つにまとめています。

  1. こだわり賃貸ニーズがあるかを確認する
  2. 所有地の法律などを確認する
  3. リスクをシミュレーションする
  4. 資金計画に無理がないかを確認する
  5. 売却も視野に入れて考えておく
  6. 信頼と実績のあるハウスメーカーや建築会社に相談する

3-1.こだわり賃貸ニーズがあるかを確認する

どのようなコンセプトや個性のある土地活用の場合でも、ご所有の土地があるエリアにニーズがあるかどうかを確認してください。例えば、ミュージシャン対応タイプのコンセプト賃貸経営をスタートするのであれば、近隣に音楽に関した大学や専門学校がある、スタジオミュージシャンなどが出入りする施設があるなどのニーズが必要になります。

コンセプトや個性があることは、近隣エリアの同種の土地活用方法との差別化にはなりますが、土地活用としてのニーズがあることが、もっと大切です。ニーズの調査は、ご自身で近隣エリアを確認することも役に立ちますが、不動産のプロフェッショナルによる裏付けのある市場調査を参考にしたほうが、土地活用は成功しやすくなると言えます。

3-2.所有地の法律などを確認する

活用予定地には、どんな建物でも建ててよいわけではなく、建築基準法と都市計画法などによる、土地に付属した条件に沿ったものしか建てることができません。例えば、マンション経営を検討しているのであれば、ご所有の土地が、住宅やマンションを建てられる土地条件をクリアしている必要があります。

所有地に関した法律などは、正確な情報が必要ですので、土地に関する資料などで簡易的に把握したあとは、不動産のプロフェッショナルにサポートしてもらうことをおすすめします。例えば、不動産情報サイトなどを利用すれば、所有地の情報をもとに、ハウスメーカーや建築会社の担当者が、土地にはどのくらいの規模で、どのような目的の建物が建てられるのかなどを、土地活用プランや建築プランとしてまとめたものを、無料で提案してくれます。

具体的な土地活用方法などが手元にあれば、法律や専門知識がなくても、「なるほど、私の土地には6階建てで、このくらいの広さのマンションが建てられるのか」など、イメージがしやすくなります。その際には、なるべく数多くのプランを請求し、最良のプランを選び出すようにしてください。

NTTデータグループの運営する「HOME4U オーナーズ」であれば、ご所有の土地とエリアなどのカンタンな項目に答えていくだけで、日本全国のハウスメーカーや建築会社の中から、信頼と実績のある企業を最大10社までに絞り込んで紹介しています。

3-3.リスクをシミュレーションする

不動産への投資である以上、リスクが全くない土地活用というのはありません。また、選択した土地活用方法によっても、リスクの内容が違いますので、気になる土地活用方法が見つかったら、リスクに関してもよく理解しておく必要があります。

特に、コンセプト型賃貸住宅や、個性のある土地活用は、周辺エリアにある同じ種類の土地活用と差別化しやすく、付加価値が高いところが特徴です。しかし数年後に、より改良された形のライバル物件が現れた場合には、入居率に影響が出る可能性もあります。

このように、計画の段階でリスクを数多くシミュレーションし、それでも勝算があるかをよく考えてからスタートする必要があります。また、ご自分1人で考えるのではなく、ハウスメーカーや建築会社の担当者にも相談をし、不動産のプロフェッショナルとしてのアドバイスを参考にするようにしてください。

3-4.資金計画に無理がないかを確認する

コンセプト型賃貸住宅の場合、普通の賃貸住宅を作るよりもコストがかかるケースがあります。例えば、デザイナーズマンションであれば、室内の一つひとつの造作や建材にこだわりの物を使い、さらにデザイン料が発生します。

また、室内のあちこちに汎用品ではないものを使っているため、修理や修繕のたびに、海外のメーカーにオーダーをし、専門会社に工事をする必要があるなど、何かとコストがかかります。

これらのコストは、最終的には賃料に反映させていくのですが、賃貸経営がスタートする前の段階では、オーナーが普通よりも高額な自己資金や借入額が必要になります。また、賃料に反映させて返済計画を作っても、実際にその金額に納得をして、入居者がつくかどうかは、経営をはじめてみないとわからない部分があります。

「デザインはカッコいいけど、住みづらい」などの理由で、更新をしないで退去をされてしまえば、空室リスクが上がり、返済計画の見直しをせざるを得なくなります。このように、資金計画と返済計画に無理がないかは、慎重に検討しておく必要があります。

3-5.売却も視野に入れて考えておく

土地活用の将来の展望のひとつとして、経営計画の中には「売却」もいれておくこともおすすめします。特に、コンセプト型賃貸住宅などの、こだわり感のある賃貸経営は、もともとニッチな入居者を想定した賃貸住宅です。

何らかの市場経済の影響で、コンセプトの要となる部分が、時代とマッチしなくなった場合には、空室リスクが上がり、家賃下落リスクも高くなります。コンセプトの強い建物は、途中から一般向けの賃貸物件として扱うのは難しい部分がありますので、フルリノベーションまたは大規模リフォームなども必要になることがあります。

土地活用の目的は、ご所有の土地から最大の利益を得ることですので、手を加えて経営を続けるよりも、売却をしたほうが手にする利益が大きくなるのであれば、売却も選択肢に入れて考えておくことも必要です。

3-6.信頼と実績のあるハウスメーカーや建築会社に相談する

面白い土地活用は、同じ建物を建てるのであっても、一般的な土地活用よりも初期費用もランニングコストも高くなる傾向があります。また、コンセプトそのものを選ぶにも、入念なマーケティングが必要になるなど、普通の賃貸経営による土地活用よりも、手間暇がかかる傾向があります。

また、コンセプト賃貸住宅自体が不動産の賃貸物件として希少であるため、付加価値が高いのと同時に、マーケットの分母も少なくなります。その分、比較対象になるデータが少ないので、コンセプト型賃貸住宅などの面白い土地活用というのは、実際にやってみないとわからない部分が多いと言えます。

それでも、あえてこだわりたいという場合には、信頼と実績のあるハウスメーカーや建築会社にしっかりとしたサポートをしてもらい、ご自身のやりたい土地活用と入居者ニーズのちょうどよいところに、プランを落とし込んでもらう必要があります。

納得のいく土地活用にするためには、なるべく数多くのプランを比較し、長期的に安心経営ができるような計画を一緒に考えてくれる、信頼できる不動産業者を見つけ出すところからが、土地活用のスタートとなります。

複数の会社を比較するためには、一度の入力で最大10社にまでプラン請求ができる「HOME4U オーナーズ」の一括プラン請求をご活用ください。さまざまなタイプの土地活用を手掛けてきた、信頼と実績のあるハウスメーカーや建築会社が、オーナーの希望に沿った渾身のプランを提案してくれます。

まとめ

土地活用として面白い!と感じられるプランを、全28種にまとめて紹介しました。土地活用でメジャーなのは賃貸経営ですが、その中でも、コンセプトのある賃貸住宅がこんなに選べることがわかりました。

また、賃貸住宅ではなく、土地を貸すという形で土地活用の方法には、さまざまなものがあることもご理解いただけたと思います。どのような土地活用方法を選ぶとしても、まずは、ご所有の土地にどんな建物ならば建てられるのかを法的に確認し、そのうえで、こだわりのプランを見つけていくようにしてください。

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