これからアパートを建てる人向けに、アパートのメリットや建築費と収益性を把握する方法、相続対策とアパート経営の違い、出口戦略を見据えた注意点について解説します。

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更新日
2024.07.16
カテゴリ
アパート経営, 記事

土地活用で賃貸経営!種類別メリット・デメリットや成功のポイントも解説

土地活用で賃貸経営!種類別メリット・デメリットや成功のポイントも解説

土地活用といえば、賃貸経営を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。ただ、賃貸経営と一口に言っても、アパートやマンション、戸建てなどさまざまな方法があります。

この記事では、賃貸経営を検討中のオーナーの方に向け、以下の内容を解説します。

賃貸経営は、ただ土地を持っているよりも相続税対策になり、収益を生み出してくれるなど数多くのメリットがあります。ぜひご一読いただき、ご自身の土地に合った活用方法を見つけてください。

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この記事のポイント まとめ

土地活用でできる賃貸経営の種類

土地活用でできる賃貸経営の種類には、以下のものがあります。

  • アパート
  • マンション
  • 戸建て
  • 賃貸併用住宅

このほか、土地によっては医療施設や介護施設、オフィス賃貸などが向いている場合もあります。

それぞれの方法の特徴や向いている土地、メリット・デメリットは「土地活用でできる賃貸経営の種類」をご確認ください。

土地活用で賃貸経営を行うメリット・デメリット

土地活用で賃貸経営を行うメリットには、以下のものがあります。

  • 相続税の節税対策となる
  • 土地に合わせて建てやすい
  • 収益を生む不動産ができる
  • 固定資産税の減税措置がある

それぞれの項目について、詳しくは「土地活用で賃貸経営を行うメリット」をご確認ください。

一方で、デメリットやリスクには以下のものがあります。

  • 空室リスク
  • 老朽化リスク
  • 金利変動リスク
  • 災害リスク
  • 入居者トラブル

詳しい内容や対策など、詳しくは「土地活用で賃貸経営を行うデメリット・リスク」をご確認ください。

土地活用で賃貸経営を成功させるポイント

土地活用で賃貸経営を成功させるポイントは、以下のとおりです。

  • 土地活用で実現したいことを明確にする
  • 適切な建築費で建てる
  • 適切な管理方式を選択する
  • 自己資金を準備する
  • 将来的な売却も想定しておく

詳しくは「土地活用で賃貸経営を成功させるポイント」をご確認ください。

土地活用で賃貸経営を具体的に検討されている方は、以下のボタンから無料のプラン請求をしてみることをおすすめします。最大10社からその土地に合った建物プラン・予想収益などが含まれた提案を受けることができます。

1.土地活用でできる賃貸経営の種類

この章では、土地活用でできる賃貸経営の種類をご紹介します。まず、賃貸経営の方法と向いている土地の条件を表にまとめました。

活用の種類 向いている土地
アパート 駅に近く、徒歩10分圏内
住宅街にあり、周辺にスーパーなどの施設がある
東西に長い整形の土地
広さの目安:50坪程度~
マンション 駅に近く、徒歩10分圏内
住宅街にあり、周辺にスーパーなどの施設がある
東西に長い整形の土地
広さの目安:200坪程度~
戸建て 住宅街にあり、スーパーなどの施設が周辺にある
学区が良い、公園があるなどファミリー向けのエリア
不整形の土地でも可能
広さの目安:狭小地でも可能
賃貸併用住宅 住宅街にあり、スーパーなどの施設が周辺にある
学区が良い、公園があるなどファミリー向けのエリア
不整形の土地でも可能
広さの目安:狭小地でも可能
その他 オフィス賃貸や医療施設、介護施設など

それぞれの特徴とメリット、デメリットは以下でご紹介します。

1-1.アパート

活用の種類 向いている土地
アパート 駅に近く、徒歩10分圏内
住宅街にあり、周辺にスーパーなどの施設がある
東西に長い整形の土地
広さの目安:50坪程度~
アパートはどんな土地でも比較的建てやすく、賃貸経営の中でも人気です。アパートとマンションには厳密な違いはありませんが、主に2~3階建ての小規模な集合住宅をアパートと言うことが多いです。

アパートの主なメリットは以下のとおりです。

主なデメリットは以下のとおりです。

アパート経営を始める流れや注意点など、詳しくはアパート経営の記事でも解説していますので、ご確認ください。

1-2.マンション

活用の種類 向いている土地
マンション 駅に近く、徒歩10分圏内
住宅街にあり、周辺にスーパーなどの施設がある
東西に長い整形の土地
広さの目安:200坪程度~

広い土地、容積率の高い土地ならマンション経営を考えてみてもよいでしょう。マンションはアパートと比較すると大規模で、堅牢な構造で建てられることが多いのが特徴です。

マンションの主なメリットは以下のとおりです。

デメリットは以下のとおりです。

マンション経営を始める際のポイントなど、詳しくはマンション経営の記事でも紹介していますので、そちらもご覧ください。

1-3.戸建て

活用の種類 向いている土地
戸建て 住宅街にあり、スーパーなどの施設が周辺にある
学区が良い、公園があるなどファミリー向けのエリア
不整形の土地でも可能
広さの目安:狭小地でも可能

ファミリーに人気のあるエリアでは、戸建て賃貸を選択するのも一つの方法です。主なメリットとしては以下の点があります。

一方で、以下のようなデメリットもあります。

戸建て賃貸の収益や始め方など、詳しくは戸建て賃貸経営の記事でも解説していますので、ぜひご確認ください。

1-4.賃貸併用住宅

活用の種類 向いている土地
賃貸併用住宅 住宅街にあり、スーパーなどの施設が周辺にある
学区が良い、公園があるなどファミリー向けのエリア
不整形の土地でも可能
広さの目安:狭小地でも可能

賃貸併用住宅とは、自宅の一部分を賃貸として貸し出せる住宅のことを言います。建物を縦に切り分けて賃貸部分と自宅部分を分ける、1Fをオーナーの自宅として2Fを賃貸とするなど、さまざまな間取りの例があります。

横割りの間取り・イメージ図縦割りの間取り・イメージ図

賃貸併用住宅の主なメリットは以下のとおりです。

デメリットは以下のとおりです。

賃貸併用住宅のメリットやデメリット、建築費など、詳しくは賃貸併用住宅の記事でも解説しています。

1-5.賃貸経営以外の方法も

ここでは賃貸経営の種類をご紹介しましたが、土地活用には賃貸経営以外の方法も数多くあります。

広い土地で地域貢献にもつながる使い方をするなら医療施設や介護施設、建物を建てない暫定利用なら駐車場経営、立地の良い土地ならオフィス賃貸なども考えられます。

土地活用の方法とそれぞれの特徴については、土地活用方法19選の記事でも紹介していますので、ご自身の土地に合った方法を考えてみましょう。

2. 土地活用で賃貸経営を行うメリット

この章では、土地活用で賃貸経営を行うメリットについて確認します。

2-1.相続税の節税対策となる

賃貸経営は相続税の節税対策となる点がメリットです。最近では、税理士の方でも「アパートは相続対策にならない!」といったセンセーショナルなセミナーをする人もいますが、賃貸経営は今も昔も相続対策の王道です。

相続税評価額の計算ルールは昔から変わらず、現金で相続するよりアパートやマンションを相続した方が相続税評価額は下がります。これは、アパートのような他人に貸している状態の物件は、自分がすぐには利用できず権利が制約されるため、評価額が低く設定されるからです。

時価が5,000万円くらいのアパートでも相続税評価額としては3,500万円程度で評価されるため、実際よりも少ない資産を持っているとみなされ、相続税が低くなります。

つまり、実際の価値よりも低く見積もった評価額に対して課税されるため、節税が可能となるのです。

2-2.土地に合わせて建てやすい

賃貸経営といえば「広い土地でなければならないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、土地に合わせて賃貸物件を建てることは可能です。

例えば土地活用の王道といえるアパートの場合、規制の面からも建てやすいのが特徴です。2階建てアパートに関しては、工業専用地域と呼ばれる用途地域を除く地域であれば、ほとんどの地域で建てることができるため、規制の面から見ても非常に建てやすいのです。

広い土地を持っていて十分な自己資金のある方ならマンション経営にチャレンジしてみるのも良いでしょう。また、アパートを建てるのが難しい小さめの土地や変形地でも、戸建て賃貸や賃貸併用住宅なら考えられます。

このように、賃貸経営は土地に合わせた選択肢があるため、立地や土地の形状に合わせて取り組みやすい点がメリットです。

2-3.収益を生む不動産ができる

賃貸物件を建てると収益を生む不動産ができるという点もメリットです。

現金資産に比べ、土地の相続税評価額は時価よりも安いため、土地のままにしておくだけでも既に一定の相続対策になりますが、土地は、何もしなければ収益を生まないばかりでなく、固定資産税のマイナスも発生します。

賃貸経営を始めると、その土地が相続税の節税をしながら収益を生む資産に変わります。今までマイナスを発生させていった資産がお金を生み、なおかつ、相続税対策にもなるのですから、賃貸経営には二重のメリットがあるのです。

2-4.固定資産税の減税措置がある

賃貸経営をすることで、固定資産税の減税措置が受けられるのもメリットの一つです。例えば、アパートを建てて土地活用をすると、以下のような固定資産税の軽減措置が適用されます。

土地活用をしない場合、もしくは駐車場など建物を建てない土地活用を選んだ場合には上記の軽減措置は適用されません。一方で、賃貸経営で上記のような軽減措置を受けた場合、建物の固定資産税は増えますが、家賃収入もあることから、固定資産税の負担感は少なく感じられます。

詳しくは固定資産税の減免に関する記事でも解説していますので、ぜひそちらもご確認ください。

3.土地活用で賃貸経営を行うデメリット・リスク

土地活用で賃貸経営を行うには、もちろんメリットばかりではありません。この章では、代表的なデメリットとリスクをご紹介します。

3-1.空室リスク

賃貸経営の代表的なリスクが、空室リスクです。賃貸経営では収入のメインが家賃収入となるため、空室が発生するとその分の収入が減ってしまいます。そして空室が発生してしまうと、その分の家賃収入を得ることができないことから、想定していた収支計画が崩れる可能性があります。

また、空室が長引くと家賃の減額につながる、新しい入居者を入れるための広告費や現状回復費がかかるなど、さまざまなリスクにつながります。

そのため、賃貸経営では継続的な空室対策が必要になります。新たな入居者の募集だけでなく、物件の価値を保つための対策や現在住んでいる入居者を出ていかせないような対策も必要です。

3-2.老朽化リスク

賃貸経営では老朽化リスクもつきものです。新築のときには家賃を高く設定でき、問題なく入居者が入るような物件でも、年月を経るとどうしても老朽化は避けられません。

老朽化は、家賃の下落や空室リスクにつながります。対策としては、適切な修繕やメンテナンスを行うことによって老朽化のスピードを遅らせることが挙げられます。また、数年おきに収支計画を見直し、家賃を下げても返済ができるような計画にしておくことも大切です。

3-3.金利変動リスク

景気によって金利が変わる変動金利で事業ローンを利用している場合、金利が変動することもリスクの一つとなります。

固定金利であれば影響はありませんが、変動金利の場合、金利が上昇することで総支払額が変わるため、返済不能に陥る可能性があります。

対策としては、はじめから固定金利でローンを組む、余裕が生まれたタイミングで繰り上げ返済を行って返済額を減らす、などがあります。

3-4.災害リスク

賃貸経営をしている最中には、地震や火事、洪水などの予期せぬ災害に遭ってしまうこともあります。火災保険や地震保険などに加入しておきリスクに備えることは必要ですが、対応にかかった費用すべてを保証してもらうことは難しいのも現実です。

そのため、できる限りは保険で備えつつも、以下のような対策を考えることも必要です。

3-5.入居者トラブル

賃貸経営では入居者トラブルを抱えてしまうリスクもあります。

上記は一例ですが、入居者トラブルが起こると、他の入居者や近隣の住民と問題を起こしてしまう、賃貸物件の評判が落ちてしまうリスクもあります。

これらの対策には、管理会社選びが重要です。トラブルが起こったときの対応や、管理業務として対応してもらえる業務は委託する会社により異なりますので、あらかじめ管理会社の評判や業務範囲も確認したうえで選びましょう。

4.土地活用で賃貸経営を成功させるポイント

この章では、土地活用で賃貸経営を成功させるポイントについてご紹介します。

4-1.土地活用で実現したいことを明確にする

土地活用の目的はオーナーによって異なり、高収益を得たい方もいれば、相続税対策が目的で始める方もいます。そのため、土地活用で賃貸経営を成功させるには、オーナー自身が土地活用で実現したいことを明確にするのが大切です。

例として、土地活用でアパートを建てる際の目的である「相続対策」と「不動産投資」で何を注視するべきかについて解説してみましょう。

相続対策とは、被相続人が他界した一時点の資産価値が重視されます。資産価値である相続税評価額は、土地の相続税路線価や建物の固定資産税評価額によって機械的に決まります。

ここで、相続対策で重視される相続税評価額の時間変化を見ていきます。アパート建築をした場合の、相続税評価額の推移のイメージは以下の通りです。

アパートは、収益物件として低い評価額となりますが、借入金も活用されるため、建築時は被相続人の相続税評価額は大きく減額されることが通常です。借入金はマイナスの現金となるため、借入額がそのまま評価額を下げてくれます。その後、アパート経営を始めると、借入金の返済は進み、被相続人もアパート収入で現金が増えていきますので、時間とともに相続税評価額は徐々に増えていきます。

被相続人が長生きするほど、相続税評価額は上がっていきますので、相続対策の効果は薄まっていくイメージです。相続対策だけを考えると、借入金は多ければ多いほど良いことになります。

一方で、不動産投資で重視されるのは日々の収益性です。収益性は相続対策効果とは真反対の動きをしていきます。アパートは新築時には満室で最も収益性が高く、その後、築年数が経過すると空室が増え、家賃は下がり、修繕費は増えるため収益性が徐々に下がっていくことが一般的です。

アパート建築をした場合の、収益性の推移は以下のようなイメージとなります。

収益性を考えれば、借入金の返済額は少ない方がキャッシュフローは良くなります。キャッシュフローを向上させるには、建築当初の自己資金を増やし、借入金を極力減らすことが必要です。また、収益力を上げるには空室リスクを取ってでも収益性の高い管理方式を選択することも必要となってきます。

このように、相続対策とアパート経営では、借入金の借り方や管理方式の選択の方向性が異なります。アパートでは、相続対策を追求し過ぎると収益性が悪化し、収益性を追求し過ぎると相続対策の効果が薄まるという性質があります。相続税評価額を下げつつ、収入も上げるには、バランスを考えて借入金や管理方式を選択する必要があるのです。

4-2.適切な建築費で建てる

賃貸経営を成功させるには、無駄な建築費をできるだけ抑えた適正な建築費で建てることも必要となります。建物投資額が最小限に抑えられていれば、月々のキャッシュフローにも余裕が生まれ、売却時の損も最小化することができるからです。

相続対策の観点からすると、借入金は大きい方が良いため、建築費は高い方がメリットはあります。しかしながら、収益や売却時に損をしないことを考慮すれば、建築費は抑えられていることの方が重要なのです。

なお、具体的なアパート建築費用を知りたい方は、「HOME4U オーナーズ」から土地の情報を入力すると、複数のメーカーから建築費を含めた土地活用プランの提案を受けることができます。

4-3.適切な管理方式を選択する

オーナーが管理会社へ管理を委託する際の管理方法としては、大きく分けて以下の方法があります。

土地活用の目的が相続税対策であれば、管理方式は収益性が低い家賃保証型サブリースでも構いません。ただし、なるべく収益を上げたい場合には、家賃保証型サブリースより管理委託方式やパススルー型サブリースの方が向いているでしょう。

このように、何を目的として土地活用を行うのかによって、選ぶべき管理方式は変わってきます。

4-4.自己資金を準備する

賃貸経営では、自己資金をしっかりと準備することによって多くのリスクを避けることができます。

特に避けたいリスクの一つがオーバーローンです。オーバーローンとは、売却時のローン残債が売却額よりも高いことを指します。オーバーローンを防ぐには、借入金を減らすことが必要です。借入金を減らすことは、相続対策としては効果を薄めますが、高い収益を上げるという観点では効果的です。

望ましい収益や出口戦略を実現するためには、相続対策とは逆の方向性の対策が必要です。

4-5.将来的な売却も想定しておく

アパートのような収益物件の売却価格は、収益価格(家賃から費用を差し引いた純収益を利回りで割って求めた価格)で取引されます。

収益価格は土地価格と建物価格を含む価格です。郊外のアパートは収益性が低く、かつ、投資家が要求する利回りが大きいため、収益価格は安くなります。例えば、6,000万円で建てたアパートを売却しようとしたら、収益価格が6,000万円にしかならなかったということが良くあります。

この場合、土地についてはタダで売るようなものです。郊外のアパートでは、収益価格が建物投資額と元々の土地価格を合計した金額まで伸びないことが多いため、アパートを売却すると大きく損をすることが多いのです。よって、アパートは原則として売却しないつもりで建てるというのが適切であるといえます。つまり、売却すると損をすることが多いので、売却は前提としない方が良いということです。

ただし、万が一の場合、例外的に売却することもあるため、極力損をしないようにアパートを建てることが良い対応となります。売却時の損を最小限にするには、アパートができるだけ高く売れることも必要条件です。

アパートの時価は収益価格で決定されるため、売却価格を上げるには収益性が高いことが必要となります。そのため、高い価格での売却を目指すことは、収益性を高めることと同じです。アパート経営で収益性を高めることを意識していけば、自然と高い価格で売る出口戦略も行っているということになります。

5.信頼できるパートナーを探すには

土地活用の検討で必ず行いたいのが、複数の企業に土地活用について相談し、土地に合ったプランを提案してもらい、比較検討することです。オーナーご自身の要望や予算、所有する土地に合ったプランを選ぶには、複数の企業からアパート建築プランの提案を受けることが大切です。

賃貸経営と一口に言っても、土地によって適した方法は異なり、自己資金の多さやオーナー自身の希望によっても、最適なプランが変わってきます。いくつかのプランから、より自分に合ったプランを選び、安心して土地活用を任せられるパートナー企業と契約を結びましょう。

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