アパート経営は土地も担保に入れて融資を受けるため、土地ありだと成功しやすくなります。土地があっても自己資金の準備が難しい方への対策も含めたアパート経営についてまとめています。

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更新日
2024.09.11
カテゴリ
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土地ありで始めるアパート経営は有利!建築費用・自己資金・利回りとリスクを解説

土地ありで始めるアパート経営は有利!建築費用・自己資金・利回りとリスクを解説

過去に土地を購入した、または相続した土地がある場合は、土地ありでアパート経営をはじめることができます。土地ありのアパート経営は、土地がないケースと比較すると利益を生みやすいため、土地活用として成功しやすいという特徴があります。

この記事では、土地をご所有で、アパートをご検討の方向けに、次のようにまとめています。

  1. アパート経営は土地ありだと成功しやすくなる5つの理由
  2. 土地ありのアパート経営で必要な資金
  3. 土地があっても資金がない場合のアパート経営
  4. 土地ありでアパート経営でも注意すべき5つのリスク

最後までお読みいただくと、土地ありではじめるアパート経営の長所が良く理解でき、安心して土地活用をするための第一歩が踏み出せるようになります。

また、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」では土地活用やアパート経営について、経営プランを一括して無料請求できます。以下のボタンから土地情報を入力すると、最大10社のハウスメーカーがあなたの土地に合った建築費の見積もりや収支計画を無料診断いたします。
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この記事のポイント まとめ

アパート経営を土地ありで始めると成功しやすいのはなぜ?

アパート経営は土地ありで始めると以下のようなメリットが働き、成功しやすくなります。

  • 建築費だけでアパート経営ができる
  • 土地を担保に融資が受けられる
  • 質の高い建物を建てられる
  • 高利回りで経営効率が良い
  • ローンを早く返済できる

詳しくは「土地あり」のアパート経営が成功しやすい5つの理由」をご一読ください。

土地ありでアパート経営を始めるとき用意する資金は?

土地があるケースでアパート経営を始めるには次のお金が必要です。

  • ローンの頭金(自己資金)
  • 諸経費
  • 各種税金

以上の3種は自己資金から用意します。詳しくは「アパート経営を土地ありでスタートするのに必要なお金」で解説しています。

土地ありでも資金がない場合はどうする?

土地があっても初期費用の一部は自己資金から負担する必要があります。もし、自己資金がない場合は以下の対策が有効です。

  • 自宅を担保に入れてお金を借りる
  • 自宅兼アパートの「賃貸併用住宅」にする
  • アパート規模を小さくする
  • 土地の一部を売却して資金を作る
  • より良い条件の土地に買い替える
  • 他の土地活用で資金を作る
  • ファミリー経営のアパートにする
  • できるだけ低金利のローンを組む

詳しくは「土地があっても資金がない場合のアパート経営は?」をご確認ください。

土地ありのアパート経営でも注意すべきリスクは?

土地ありのアパート経営でも注意すべきリスクには、以下の5つがあります。

  • 建築規制によっては希望のアパートが建てられない
  • 専有面積で部屋数・間取りが決まってしまう
  • 賃貸ニーズのない地域では空室率が高くなる
  • 経年劣化による家賃低下は避けられない
  • リース契約ではトラブルも起こる

注意点の詳細は「土地ありのアパート経営でも注意すべき5つのリスク」で解説しています。

1.「土地あり」のアパート経営が成功しやすい5つの理由

「土地あり」のアパート経営とは、使っていない土地や、相続などで引き継いだ土地をご所有の方が、その土地にアパートを建てて経営をすることです。

アパート経営には、土地あり・土地なしの2パターンがありますが、土地がない状態ではじめるアパート経営と比較すると、土地ありではじめるアパート経営は、ローリスクになり、経営に成功しやすくなる傾向があります。

本章では、アパート経営を土地ありでスタートすると、経営に成功しやすくなる理由を以下の5つにまとめています。

  1. 建築費だけでアパート経営がはじめられる
  2. 土地を担保に融資が受けられる
  3. 質の良い建物を建てられる
  4. 高利回りで経営効率が良い
  5. ローン返済を早く完了できる

1-1.建築費だけでアパート経営をはじめられる

アパート経営には土地と建物が必要ですが、すでに土地をご所有ですので、アパートの建築費だけで経営をスタートすることが出来ます。

土地は、エリアにもよりますが、アパートが建てられるだけの広さや条件が揃った土地を新規に購入しようとすれば、数千万円もの金額になることもあります。土地ありのアパート経営は、土地の分の費用が必要ありませんので、経営負担が少なくなります。

1-2.土地を担保に融資が受けられる

土地をお持ちの場合、その土地を担保に、アパート建築のためのローンを借りることができます。アパート経営によるローンは、一般的には、土地と新築する建物の両方を担保に入れることができますので、建築プランの選択肢が広くなります。

例えば、土地を担保に入れたときに、借り入れができる金額の範囲でアパート建物を建てれば、最もリスクの低いアパート経営ができますし、土地建物を合わせた金額まで予算を広げて質の良いアパートにし、家賃設定を高くすることもできます。

さらに、十分な自己資金を用意した上で、土地を担保にしてアパートローンを借りれば、より低金利にすることができ、経営負担を軽くすることもできます。

1-3.質の高い建物を建てられる

土地の購入資金が必要ない分、その分を建築費に回して、建物のグレードを高くすることもできます。
アパート経営のためのローンは、土地と建物を両方担保に入れることができますので、例えば、次のようなことができます。

  • 付帯設備をよくする
  • デザイン性のあるものにする
  • セキュリティをよくする

アパート建物の質をよくする、グレードを上げることで、周辺エリアにあるライバル物件との差別化を図り、さらに家賃を高く設定することもできます。

1-4.高利回りで経営効率が良い

土地購入のための金額負担がない分、アパート経営がスタート時から高利回りになり、リスクの少ないアパート経営ができます。かんたんな例を出して、土地あり・土地なしのアパート経営を比較してみましょう。

例)10室 家賃10万円 建物価格5,000万円 土地価格5,000万円だった場合

土地ありアパート経営の場合
  • 土地代 0円(ご所有のもの)
  • 建物代金 5,000万円
  • 年間家賃収入 10室×10万×12か月=1,200万円
  • 表面利回り※(年間家賃収入÷物件価格)×100
    1,200万円÷5,000万円×100=利回り24%
土地なしアパート経営の場合
  • 土地代 5,000万円
  • 建物代金 5,000万円
  • 年間家賃収入 10室×10万×12か月=1,200万円
  • 表面利回り※(年間家賃収入÷物件価格)×100
    1,200万円÷1億円×100=利回り12%

※利回りには表面利回りと実質利回りがあります。
シミュレーション計算として表面利回りを使っています。

上記は非常に単純な比較例ですが、はじめから土地があるだけで、土地なしではじめるアパート経営よりも、利回りがグッと高くなるのがわかります。

つまり、同じ場所で同じ規模のアパートを経営した場合には、土地ありでスタートすると、ローリスク・ハイリターンな経営が期待できます。

1-5.ローンを早く返済できる

アパートローンの返済原資は、入居者からの家賃です。土地購入をする必要ない、土地ありアパート経営の場合は、はじめから借入額を抑えることができるため、ローン返済を早く終わらせることもできます。

例えば、はじめから家賃収入からの返済比率を高く設定する以外にも、経費などを差し引いた毎月の手残り分をまとめて繰り上げ返済をするなどをして、完済時期を早めることもできます。

ローン完済をした後は、家賃収入から経費を差し引いた分がすべて収入となり、アパート経営による長期安定収入を早期に実現できる可能性が高くなります。

2.土地ありのアパート経営で必要な資金

本章では、アパート経営を土地ありではじめる場合に、オーナーが準備するお金についてまとめています。用意するお金は以下の3種類になります。

  1. ローンの頭金(自己資金)
  2. 諸経費
  3. 各種税金

2-1.ローンの頭金(自己資金)

アパートを建てるための資金を金融機関から借りるときに、頭金として準備するもので、自己資金とも言います。準備する金額は、建築総額の最低2割と言われています。例えば、総額1億円のアパート建物であれば、最低2,000万円の自己資金準備が必要になります。

ただし、建物の費用総額がわからないと、自己資金の金額もわからないため、まずは建築プランを入手して、ご所有の土地にどのようなアパートを建てることができるのかを把握する必要があります。

どのようなアパートを建てて、いくらかかるのかなどの具体的な数字がないと、自己資金額もわからず、アパート経営の全体像が見えにくくなってしまうので、複数のハウスメーカーや不動産会社から建築プランを取り寄せ、プランの比較検討をするところからはじめて下さい。

NTTデータグループが運営する「HOME4U オーナーズ」なら、最大10社のハウスメーカーから、一括で建築プランを取り寄せることができます。

複数の建築プランをじっくりと見比べていくことで、ご所有の土地にどのような規模のアパート建築が可能で、どのくらいの資金の用意が必要なのかが、ハッキリとイメージできるようになります。

2-2.諸経費

諸経費とは、アパートの建築代以外にかかる金額のことです。諸費用の内訳は、だいたい以下のようなものになります。

  • 不動産取得税・登録免許税・印紙税などの、アパートを建てた時にかかる税金
  • 上記の登記などを依頼する司法書士への報酬
  • 建物にかける火災保険料
  • 融資の際にかかる事務手数料

諸費用のめやすは、建築費の5%程度ですので、建築費1億円であれば50万円前後のお金が必要です。こちらも、まずは建築プランなどを取り寄せ、具体的な建築額を出してもらう必要があります。

具体的な費用については「アパート経営の初期費用」の参考記事をご覧ください。

2-3.各種税金

アパートが完成して入居者が決まると、家賃収入が発生します。これらの収入から経費を差し引いたものが、オーナーの利益となります。年間の利益が20万円を超えた場合には、確定申告が必要になります。

会社勤めをしている場合は、不動産収入の分を確定申告すると、会社から徴収されるものとは別に、所得税・住民税が発生します。確定申告は、その年の収入に関した申告を、翌年の3月15日までに自分で申告・納税します。

また、土地の固定資産税と都市計画税は、今までも支払いをされていたと思いますが、今後は、アパート建物の分も固定資産税が発生するようになります。固定資産税は自分で計算する必要はなく、毎年6月頃に、アパートを建てた自治体から固定資産税評価証明書と一緒に、支払通知が郵送されます。

3.土地ありでも資金がない場合のアパート経営は?

アパート経営を始めるためには、ご所有の土地にアパートを建てる必要があります。アパート建築をするときは、ほとんどの方がアパートローンを組んで建築費を用意します。

しかし、このアパート建築費が大きいと、アパートローンを借り入れる時の自己資金(頭金)が十分に準備できず、アパート経営をスタートさせること自体を、難しく感じてしまうことがあります。

基本的に、現行のアパートローンは、自己資金として建築総額の2割が必要なため、仮に建築総額が1億の場合は2,000万円もの自己資金が必要となります。

本章では、このように、土地があっても資金準備に不安がある方向けに、少なめの自己資金でもスタートできる対策を8つにまとめています。

 

  1. 自宅を担保に入れてお金を借りる
  2. 自宅とアパートが一体化した、賃貸併用住宅にする
  3. アパートの規模を小さくする
  4. 土地の一部を売却して資金を作る
  5. より良い条件の土地に買い替える
  6. 他の土地活用で資金を作る
  7. ファミリー経営のアパートにする
  8. 出来るだけ低金利のローンを組む

3-1.自宅を担保に入れてお金を借りる

活用予定地以外にマイホームをお持ちの場合は、活用予定地とマイホーム、さらに完成したアパート建物を担保に入れることで、自己資金の準備ができるようになります。

マイホームを担保に入れる方法には、アパートローンを組む金融機関で、マイホームに抵当権を設定して、自己資金の代わりとするのが一般的です。この場合は、現金での資金準備は不要となります。

また、同じくマイホームを担保に入れる方法として、リバースモーゲージを使うと、アパート建築の自己資金相当額を「現金」で準備することができます。

リバースモーゲージとは、マイホームを担保にしてまとまった資金を借入れし、その持ち家にずっと住み続けながら、借入をした方が死亡したときに、その不動産を金融機関が処分をしてローン完済させるという仕組みです。

将来的に、現在お住まいのマイホームを相続する必要がなく、子世代には収益物件としてアパート建物だけが残ればよいのであれば、最もまとまった資金準備できる方法です。さらに、借りたお金はかなり先まで返さなくても良いのに、マイホームには住み続けることができますので、気持ちの上でも負担が軽くなります。

また、リバースモーゲージは借りた金額を毎月返済していくこともできますので、アパート経営がスタートし、入居者から家賃が入るようになったら、アパートローンとリバースモーゲージの両方を返済していけば、アパートとマイホームの両方を子世代に遺してあげることもできます。

ただし、マイホームを担保に入れる方法は、その不動産の資産価値相当額までしか担保価値がありませんので、住宅ローン返済が進んでいる必要があります。

またリバースモーゲージは、金融機関によっては、申請者が60歳以上などの制限がありますので、申込条件などをよく調べて比較しておく必要があります。
【参照:住宅金融支援機構「リ・バース60」

3-2.自宅兼アパートの「賃貸併用住宅」にする

自己資金の準備に不安があるが、アパート経営で土地活用をしたい場合は、考え方を切り替え、マイホームと賃貸部分が一緒になった「賃貸併用住宅」を検討してみることをおすすめします。

賃貸併用住宅では、賃貸部分にはアパートローン、住宅部分には住宅ローンを適用します。アパートローン部分は事業用のローンですが、マイホーム部分の住宅ローンは個人のローンですので、自己資金がほとんどなくても借り入れをしやすい傾向にあります。

この方法だと、絶対に必要となる自己資金2割はアパートローンの部分だけになりますので、自己資金の準備額を抑えることができます。

また、賃貸併用住宅の場合は、そこをマイホームにすることができますので、今お住まいの家を売却したうえで、賃貸併用住宅を建築すれば、新築のマイホームに住める上に、自己資金に関しての問題もクリアできます。

3-3.アパートの規模を小さくする

ご希望の建築プランの規模を小さくして建築総額を抑えると、自己資金も小さくできます。多くの場合、ハウスメーカーや不動産会社からの建築プランは、その土地から最大の利益を出すように考えられていますので、比較的、グレードの高い、規模の大きなものが提案される傾向にあります。

さらに、各ハウスメーカー独自に推薦したい工法や住宅設備などがふんだんに盛り込まれているため、プラン内容をシンプルにしていくことで、建築総額を抑えることも可能です。

ただし、アパート規模を小さくした結果、部屋数が極端に減る場合は、収支シミュレーションのバランスに注意してください。なるべく返済計画に影響が少ない部分から縮小していくことをおすすめします。

これらのプラン調整はハウスメーカーや不動産会社の担当者と一緒に考える方が、長期にアパート経営をする上で支障が起きにくい、バランスの良いプランとなります。

3-4.土地の一部を売却して資金を作る

活用予定地が広い場合は、土地の一部を売却して資金を作ることができます。バランスの良いアパート経営に必要な最低限の広さは、居室部分の延べ床面積で60坪(200平米)くらいであり、一般的なアパート建物は80~100坪(約260~330平米)のものが多い傾向があります。

アパートの延べ床面積の広さは、平屋建てだけではなく、2階建て、3階建てのように、上に延ばしていくことでも確保できますので、実際のアパート建物に、とても広い土地が必要になるわけではありません。

また、アパート経営で成功するためには、棟数が多い・規模が大きければ良いというわけではなく、周辺エリアの潜在的な入居者需要とのバランスが大切です。ハウスメーカーや不動産会社からの建築プランには、エリアマーケティングをした結果として、適切な規模のアパートが提案されていますので、複数のプランを取り寄せて比較検討をしてみてください。

上記のような理由から、広い土地をお持ちの場合には、適切な大きさのアパート建物を建てるのに必要な広さだけを残して、残りは売却をしてしまっても問題がないことがわかります。売却をした土地の代金は、そのままアパートの自己資金として使えます。

3-5.より良い条件の土地に買い替える

ご所有の土地が、あまりアパート経営には向いていない場所にあるケースがあります。アパート経営に最も向いた土地とは、駅歩の少ない、利便性の高い場所です。

相続などで引き継いだ土地の場合、必ずしも土地条件がアパート経営向きではないこともあり、そのような場合は、アパート経営に条件が合った土地に買い替えてからアパート経営をはじめれば、より安定した収入が期待できる物件になります。

ご所有の土地が、アパート経営に向いているか、潜在的な入居希望者があるかどうかは、ご自身で調べるよりも、不動産とアパート経営のプロフェッショナルである、ハウスメーカーや不動産会社の担当者に相談するほうが、より的確なアドバイスがもらえます。

ハウスメーカーや不動産会社であれば、買い替え予定地での建築プランなども同時に提案してもらえますので、今ご所有の土地での建築プラン・収益プランとの比較もすることができます。

3-6.他の土地活用で資金を作る

今すぐアパート経営をスタートする必要がないのであれば、3~5年くらいの中期的なスパンでアパート経営を計画し、実行までの間に、別の土地活用をして自己資金を作る方法があります。

例えば、駐車場経営・定期借地・トランクルームなど、比較的短い期間でもできる、初期投資がほとんどかからない土地活用方法がいくつかあります。ご所有の土地を有効活用することで、次のアパート経営のための資金を、活用予定地が稼ぎ出してくれます。

このような土地活用方法に関しても、複数のハウスメーカーや不動産会社の土地活用プランを比較して、将来のアパート経営に着実につながるプランを探し出す必要があります。

比較的資金を抑えた土地活用については、「お金のかからない土地活用」の記事をご参考ください。

所有地に向いている土地活用を知りたい方は「HOME4U オーナーズ」を使えば、最大10社から無料で土地活用プランが手に入れられます。

3-7.ファミリー経営のアパートにする

ご所有の土地が、駅前や駅近物件、利便性の高い場所にあるなど、アパート経営向きの場所にある場合は、はじめから法人化し、ファミリー経営のアパートにすることで、自己資金の問題をクリアできることがあります。

ファミリー経営のアパートにするには、アパート経営を主体とする会社法人を設立し、会社が土地にアパートを建てるという方法が一般的です。この方法だと、アパート経営がファミリービジネスになりますので、会社の構成員は家族になります。

会社設立をするときに、構成員になる家族がそれぞれ出資をする形で、会社の資本金としてお金を集めることができます。会社の資本金は、そのままアパート建築の自己資金とみなされるため、個人だけで自己資金を準備するよりも、多くの資金準備ができます。

新設企業ですので会社としての実績はまだありませんが、この会社には、出資金と土地、これから建てるアパート建物という法人資産に加え、アパート入居者から得られる家賃収入という、堅実な経営母体と経営計画があります。

そのため、金融機関は、ご所有の土地がアパート経営に適していると判断した場合には、準備した自己資金が総額の2割以下であっても、融資を行う傾向があります。

また、ファミリー経営のアパートは、入居者からの家賃収入を、社員(家族)に役員報酬として再分配することができ、それらは会社の経費となるため、節税効果の高いアパート経営ができます。

この方法だと、万が一、突然の相続が起きた場合でも、アパートの土地建物とアパート収入はファミリー会社の所有となるため、相続税の課税対象は、故人が出資した資本金額のみとなります。

また、会社の構成員以外には、アパートの土地建物と不動産収入を引き継ぐ権利がなく、無用な親族間トラブルを避けることができます。

このように、ファミリー経営のアパートにすることで、スタート時の資金の問題をクリアし、さらに、親から子、子から孫へと、資産の目減りをさせずに継承していくことが可能です。

ただし、いったん会社という形にしてしまうと、法人として適切な形を維持するための諸経費もかかるようになるので、アパート経営として採算が合うかをシミュレーションしてから検討します。実行前には、税務の専門家、相続の専門家などにも相談をしておく必要があります。

法人化を考えるタイミングやメリット・デメリットについては、下記「アパート経営の法人化」の記事で詳しく説明しています。

3-8.できるだけ低金利のローンを組む

アパートローンには金利が発生しますが、自己資金額が少ないと、アパートローン金利も高くなるのが一般的です。金融機関の中には、自己資金が総額の2割に満たなくても対応をしてくれるところもありますが、借入額が多くなりますので、結果的に金利も高めになり、返済額も大きくなります。

そのため、借入前には必ず複数の金融機関で無料相談をし、少しでも金利の低い申請先を複数用意しておくようにします。
また、自己資金が大きく足りないことで、アパート経営後の返済負担が大きくなる場合には、現時点で借りられる金額に相応した建築プランに変更をし、借入と返済のバランスが取れた経営方法を再検討してみる必要があります。

4.土地ありのアパート経営でも注意すべき5つのリスク

本章では、土地ありでアパート経営をスタートする際に失敗を避けるために、注意しておくべき点を5つにまとめています。

 

  1. 建築規制によっては希望のアパートが建てられない
  2. 専有面積で部屋数・間取りが決まってしまう
  3. 賃貸ニーズのない地域では空室率が高くなる
  4. 経年劣化による家賃低下は避けられない
  5. リース契約ではトラブルも起こる

失敗のリスクを限りなく小さくしたい、という方は「アパート経営の失敗事例」の記事もご参考ください。

4-1.建築規制によっては希望のアパートが建てられない

日本にあるすべての土地は、その土地に建てられる建物の大きさや用途が法律で決められています。ご自分の土地だからと言って、何でも好きな建物を建てられるわけではなく、あくまで、法律に則った建築物を建てることになります。

まずはご所有の土地に、アパートのような集合住宅を建てることができるのか、そして、建てられるのであれば、どのくらいの大きさ・広さ・高さの建物が建てられるのかを知っておく必要があります。

土地によっては、アパート経営をするのに採算が十分に取れない大きさ・高さの建物でしか建てられない場合もあります。その場合は、アパート経営以外の土地活用をするか、アパート経営に適した土地への買い替えを検討する必要があります。

4-2.専有面積で部屋数・間取りが決まってしまう

アパート経営で適切な経営をするための広さが、十分に確保できるかを検討しておきます。この広さとは、土地の広さと、アパートの居室部分となる専有面積の両方を指します。

まず、土地の広さは、一般的なマイホームを戸建てで建てられる40坪以上はあるのが理想です。これ以下の土地面積は狭小地と呼ばれるものになりますので、アパート建築プランの選択肢そのものが少なくなります。しかし、狭小地だからといってアパート建築が難しいわけではなく、次に説明する専有面積が確保できれば、問題ありません。

専有面積とは、アパート建物のうち、居室部分が占める広さのことです。この専有面積の広さによって、部屋を何室取れるかが決まり、それによって収支プランも決まります。

一般的なワンルームタイプの場合、一部屋の広さが25平米(7.56坪)くらいになりますので、専有面積60坪の広さだと約8室の賃貸部分を作ることができます。この専有部分は、2階建て3階建てと階数を増やせば広げることができますので、前項で解説した土地条件がとても大切になってきます。

4-3.賃貸ニーズのない地域では空室率が高くなる

賃貸ニーズとは、ご所有の土地の周辺エリアで、潜在的にどのくらいの入居者の需要があるかを、マーケティングすることです。専門性の高い調査になりますので、「HOME4U オーナーズ」の一括プラン請求などで取り寄せた、複数のハウスメーカーや不動産会社からの建築プランをもとに、訪問査定の後、担当者に詳しく調査をしてもらうことになります。

上記のようなプロによる調査以外に、素人目線で見たマーケティングも、ご自身でしておく必要があります。アパートの建設予定地の周辺を歩いてみて、エリアを往来をしている人の年齢層や雰囲気、周辺のライバル物件となるアパートなどを見て回ります。

そのうえで、「こんな感じのアパートならば、住みたいと思う人がいるのではないか」という、これから経営するアパート全体のイメージを持っておくと、複数の建築プランの中から相性の良いものを選びやすくなります。

4-4.経年劣化による家賃低下は避けられない

ハウスメーカーや不動産会社からの建築プランの多くには、経営や収支のシミュレーションが添付されています。しかし、これらのシミュレーション計算の多くは、アパートが新築であることを前提とした計算であるため、楽観的な数値である傾向があります。

どんなに手入れをしても、新築の賃料のままで経営を続けられるアパートはありません。経年・不具合・空室発生・ライバル物件の登場など、さまざまな要因が重なり、家賃は少しずつ下がっていくのが通常です。

そのため、入手したプランをベースに、ご自身で再計算したものも作り、アパートの将来も含めて比較するようにしてください。計算し直すときには、周辺アパートで10年・20年が経過した部屋の賃料をもとにします。

家賃が大幅に下がった状態でも、返済計画に支障が出ないか、空室が発生したときに、どのくらいの影響があるかなど、現実的な視点を持ったうえで、建築プランを見るようにしてください。

オーナーとしてシビアに計算したシミュレーションをもとに建築プランを選ぶと、現実の経営が始まっても、アパート経営での失敗を避けやすくなります。

4-5.リース契約ではトラブルも起こる

アパート経営が始まった後に、不動産管理会社に管理を頼むこともできます。不動産管理会社とは、入居者募集・契約・入退去対応・家賃の確認・クレーム対応などの、アパート経営全般の管理業務を委託する会社のことです。

入居者とオーナー両者の窓口となるポジションですので、管理会社が誠実で良心的な会社だと、入居者に更新をしてもらいやすくなり、長期安定経営につながりやすくなります。

大手ハウスメーカーではグループ企業内に不動産管理会社を持っていることが多いため、そのまま管理委託になることが多いのですが、ご自身で良い会社を知っているのであれば、ご自身で選んだ不動産管理会社にしても問題ありません。

良い会社は、ネットの口コミなどで探すこともできますが、近隣でアパート経営をしている方から紹介してもらうこともできます。また、NTTデータグループが運営する「賃貸経営HOME4U」の一括無料相談をご活用いただくと、エリアにある複数の賃貸管理会社からの賃貸経営の管理プランを比較できます。

5.アパート建築会社選びはプランを比較

アパート経営をスタートすることが決まり、具体的にどのような建物が、いくらで出来るのかなどを知るためには、建築プランや経営プランを含めた見積もりが必要です。その際、ひとつの会社をはじめから決めうちするのではなく、必ず、複数のハウスメーカーや不動産会社からの建築プランや土地活用プランを請求し、内容を比較するようにします。

それぞれの企業は、各社が推薦したい独自の設備やプランがありますので、複数のプランを比較することで、その特徴もハッキリと知ることができます。検討の際には、建物だけではなく、収支プランも比較をし、アパート完成後の長期にわたる運営期間に、なるべく損失がないようにすることも、バランスの良い経営には大切です。

複数の建築プランの取り寄せには、一回の入力で最大10社までのハウスメーカーや不動産会社からの建築プランが請求できる、NTTデータグループが運営する「HOME4U オーナーズ」の一括プラン請求ご活用ください。

建築プランだけではなく、土地とエリアをもとにした土地活用プラン、それぞれの収支シミュレーションプランなど、土地活用全般へのサポートができる、相性の良い企業を見つけることができます。

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