「その他記事 ノウハウ系」内の、「サブリース契約でよくあるトラブル事例集&回避策一覧」を掲載したページです。サブリース契約でよくあるトラブル事例とその回避策をまとめています。また、サブリースに関する重要な判例・法規や後悔しないための対策も併せて解説します。

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更新日
2022.07.21
カテゴリ
記事, 大家さん向け, 管理会社

【徹底解説】サブリース契約でよくあるトラブル事例集&回避策

【徹底解説】サブリース契約でよくあるトラブル事例集&回避策

サブリース契約はトラブルの多い契約です。一定のメリットはあるものの、決して看過できない数々のデメリットも抱えているため、賃貸オーナーがサブリース会社を訴える訴訟も何度も繰り返されています。

サブリース契約を締結しようとしている方は、事前にどのようなトラブルがあるのか、また回避策はどんなものがあるのか、しっかりと理解しておくことが必要です。

この記事のポイント まとめ

そもそもサブリースとはどんなものなのか?

サブリースは転貸方式による管理のことで、サブリース会社が一棟丸ごとを賃貸オーナーから借り上げて、各入居者へ転貸します。

契約には以下の2種類があります。

  • パススルー型サブリース
  • 賃料保証型サブリース

これらの違いや、どちらがより問題が多く起こりがちかということについては、「サブリースとは」の章で解説しています。

サブリースの仕組みや会社の種類、契約の流れについては、以下の関連記事をご覧ください。

【徹底解説】サブリース契約を選んでよいのはこんな人。判断基準と基礎知識を解説

サブリースで起こりがちなトラブル事例とは?回避策はあるのか?

サブリースで起こりがちなトラブル事例は以下の通りです。

  • 勧誘に関するトラブル
  • 賃料減額に関するトラブル
  • 免責期間に関するトラブル
  • 解約できないトラブル
  • 中途解約を求められるトラブル
  • 家賃の入金がないトラブル
  • 出費を求められるトラブル
  • サブリース会社破たんのトラブル

具体的にどのようなトラブルで、どのような回避策があるのかについては、「サブリースでありがちなトラブル事例集と回避策」の章で一覧で確認して頂けます。

最もトラブル件数の多い事例は? 対策方法はあるのか?

サブリース契約で起こる件数の最も多いトラブルは、賃料減額トラブルです。しかしそれについては司法で一定の解決がついており、有用な対処法は見つかりにくくなっています。

その詳しい理由については、「賃料減額トラブルの重要な判例と、「賃料減額の求めには、必ず応じなければならない」という事について」の章で解説しています。

トラブルを防ぐために、出来る対策は何か?

サブリース契約のトラブルを防ぐために出来る対策は以下の通りです。

  • サブリース以外の管理方法も比較する
  • 与信の高いサブリース会社と契約する
  • 賃料減額には応じない

詳細は「サブリースで後悔しない3つの対策」の章に記載があります。

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竹内英二

この記事を書いた専門家

(株)グロープロフィット 竹内 英二

不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。

1.サブリースとは

サブリースとは転貸方式による管理のことで、サブリース会社が一棟丸ごとを賃貸オーナーから借り上げて、各入居者へ転貸します。賃貸オーナーとサブリース会社とが、貸主と借主の関係となっている点が特徴です。以下の2種類があります。

  • パススルー型サブリース=空室に応じて賃料も変動する
  • 家賃保証型サブリース=空室が発生しても定額の賃料が支払われる

一般的に、トラブルに発展するのは家賃保証型サブリースです。
保証家賃の見直しが約2年ごとに行われ、この見直しによって多くの場合に賃料が下がることがトラブルの原因になっています。

(サブリース契約の仕組み 表)
サブリース契約の仕組み 表

以下の記事で、サブリース契約を利用するのに適している人の特徴や、メリット・デメリットについて、詳しく知っていただくことが出来ます。

【徹底解説】サブリース契約を選んでよいのはこんな人。判断基準と基礎知識を解説

2.サブリースで起こりがちなトラブル事例集と回避策

サブリースで起こりがちなトラブル事例集と回避策

この章では、実際に起こったサブリース契約に関するトラブルについて、またその回避策についてご紹介いたします。

2-1.勧誘に関するトラブル

【事例】
「アパートを新築しようと考えているのですが、サブリース会社からの勧誘がしつこく、困っています。契約期間中の家賃は一切下がらないから安心と言われたので、このまま契約してしまってもいいでしょうか?」

【回避策】
その勧誘内容は誇張されていると言えます。
家賃保証型サブリースは、いつまでも同額の家賃を保証するものではなく、将来的に減額される可能性が大きいのです。契約の段階で内容を誤解してしまうと、後々トラブルに繋がります。
サブリースは得なことばかりではないという知識を持ち、断る時には断固とした態度を見せて、安易に了承をしないようにしましょう。

2-2.賃料減額に関するトラブル

【事例】
「サブリース契約をしているのですが、定期的な見直しが行われるたび、賃料が下がることに納得がいきません。こんなに頻繁に賃料が下げられるのは、違法ではないでしょうか?」

【回避策】
サブリース会社と契約をする際には、家賃保証という名称をとうたっているとはいえ、永久に同額の家賃は保証されないということをまず念頭においておくことが大切です。
サブリース会社の賃料減額請求権については司法により一定の決着がついており、違法ではありません。ゆえに現在、裁判においては賃料減額に関して賃貸オーナーがサブリース会社を訴えても勝てない状況となっていますので、サブリース会社との契約はリスクをふまえて慎重に考えましょう。

2-3.免責期間に関するトラブル

【事例】
「家賃が保証されない免責期間があることを知らず、その間の家賃収入がなくなり困っています」

【回避策】
契約を結ぶ際に、免責期間に関する記述内容をきちんと把握しておく必要があります。
一般的なサブリース契約では、募集から入居者が決まるまでの1~3ヶ月間が免責期間となっていることが多いですが、ある事例では退去時毎に1カ月間の免責期間が発生するという契約内容になっていました。
また、設けられた免責期間より早く入居者が決まった場合であってもその間の収入は会社の利益となるので、場合によっては免責期間を短縮してもらえるよう交渉をする必要もあります。

2-4.解約できないトラブル

【事例】
「サブリース会社との契約を解除したいのですが、会社が応じてくれません。違約金を払わなければいけないとも聞いたのですが、なぜでしょうか?」

【回避策】
サブリース会社は、オーナーにとって借地借家法上の借主に該当するということを知っておきましょう。
そのためサブリース契約は簡単に解除することができず、正当と認められる理由(正当事由)と立ち退き料が必要です。

以下の記事で、立ち退きに関して詳しく解説をしています。

【基礎から解説】アパートの立ち退き料の相場と交渉の進め方

なお、このことについてサブリース会社から事前に説明がなかった場合には法律違反になりますので、条件が変わります。

2-5.中途解約を求められるトラブル

【事例】
「契約期間中にも関わらず、サブリース会社から中途解約を求められました」

【回避策】
サブリース会社との契約書は、詳細に見ておくことが大切です。
記載があった場合には、物件の立地条件が悪かった場合など会社側がこれ以上管理は出来ないと考えれば、期間中であっても契約解除を申し渡される可能性があります。

2-6.家賃の入金がないトラブル

【事例】
「サブリース会社から家賃の入金がなく、困っています」

【回避策】
社歴が浅く、経営基盤が弱い会社だと、経営が悪化した場合に賃貸オーナーに対して家賃の不払いを行うということもありえます。
サブリース会社と契約をする際には、大手の会社を選びましょう。

信頼できるサブリース会社を見極めるには、NTTデータグループが運営する、「賃貸経営 HOME4U」のサブリース一括無料相談サービスがおすすめです。
経営状況や企業規模など、信頼できる大手優良企業のみ提携しているため、安心してご利用できます。

2-7.出費を求められるトラブル

【事例】
「サブリース会社から、大規模修繕費用の負担を求められました。管理については全て会社に任せられるのではないのですか?」

【回避策】
大規模修繕工事や、退去後の原状回復費用は、原則オーナーが負担することに決められています。
契約時には、サブリース会社と物件保持のためにかかる費用の分担範囲に関して、しっかりと話し合いをしておくことが大切です。

2-8.サブリース会社破たんのトラブル

【事例】
「契約していたサブリース会社が倒産し、莫大な借金を背負わされました」

【回避策】
サブリース会社と契約を結ぶ際には、会社の財務状況に注意することが必要です。破たんするようなサブリース会社は、金融機関への借入が大量に残っていてその返済も充分に出来ない状況になっている場合が多く、結果破たん以前に家賃不払いのトラブルを引き起こすことがほとんどです。
そのまま倒産した場合、不払いとなっている家賃を回収することはほぼ不可能となります。

このような場合は、賃料不払いという理由でサブリース会社に対して一方的な通知により契約を解除し、サブリース会社という転貸人を挟むことなく、オーナーが直接入居者に賃料を求めることが認められています。
ただし賃料請求者が変わることによる入居者の混乱などにより、スムーズに移行が進まない場合もありますので、注意してください。

2-9.サブリース会社と契約をする際に注意すべきこと

これらのトラブルに共通して言えるのは、契約書の表記に対する誤解や確認不足から生じることがとても多いということです。

オーナー側がしっかりと正しい認識を持ったうえで、なおかつ、契約書を隅々までしっかり把握することが大切です。

3.賃料減額トラブルの重要な判例と、「賃料減額の求めには、必ず応じなければならない」という事について

3-1.賃料減額トラブルの重要な判例

サブリースにおけるトラブルの中で最も多く報告されているのが、賃料減額トラブルです。

2年ごとに設けられる保証賃料見直しの度に会社から支払われる家賃が減るなど、オーナーにとって納得がいかないことが多々起こっており、裁判沙汰にまで発展した例も少なくありません。

しかしこの問題については司法で一定の決着がついており、オーナー側の訴えは受け入れられにくい状況となっています。

2003年10月21日最高裁第3小法廷において、サブリースに関する司法の考え方が固まるもととなった重要な判決が下されました。

昭和63年12月に土地オーナーがサブリース会社のすすめにより高層ビルを建てましたが、バブル崩壊後、市況が悪化したことから、会社は平成6年から平成11年にかけて計4回の賃料減額要求を行い、平成6年4月以降オーナーに当初の約定よりも低い賃料を支払い続けていました。

これを不服に思ったオーナーが起こした訴訟ですが、当該判決では、「サブリース契約は借地借家法が適用される賃貸借契約である」という明確な考え方が示され、会社側の勝訴となりました。
サブリース会社とオーナーの間に結ばれる契約は「特定賃貸借契約」と呼ばれ、借地借家法32条によって、会社側の賃料増減額請求権が認められています。

その内容は以下の通りです。

【借地借家法の借賃増減請求権】
第32条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

3-2.「賃料減額の求めには、必ず応じなければならない」という事

借家借地法32条によって、オーナーにはもう一つ大きな不自由が課せられています。

サブリース会社側には賃料減額請求権がありますが、一方オーナーには会社側に対して、賃料を減額出来ない旨の契約を請求することは出来ないのです。

例として、サブリース会社との賃貸借契約書に、「サブリース会社からの賃料減額請求はできないものとする」といった文言を加えるとします。
このように借主が賃料を減額できないようにする特約のことを、通称「不減特約」と呼びます。

【不減特約の例】
乙(借主)から賃料を減額できないものとする。
〇年〇月から10年間は賃料を減額できないものとする。

しかし、法律には2種類の規定があります。

任意規定=契約当事者が合意の上で契約した内容が、法律よりも優先されるもの

強行法規=契約当事者が合意の上で契約した内容であっても、条文の内容に反した特約であれば無効となるというもの

問題の借地借家法第32条は「強行法規」にあたりますので、契約当事者間で取り決めがあろうがなかろうが、強制的に適用される条文となります。
条文中には「契約の条件にかかわらず」という重要なフレーズがあり、それによって例えば不減特約のような契約を行っていたとしても、その条件に関わらず賃料減額ができるのです。
つまり、サブリース契約で不減特約を締結しても、意味がないということになります。

会社側はそのことを把握しています。譲歩したように見せて契約を締結する悪質な会社も中にはありますので、サブリース会社からの賃料減額要求は防ぎようのないリスクである点、十分に理解してください。

4.サブリースで後悔しない3つの対策

サブリース契約で後悔しないために、主な対策法を3つご紹介します。

  • サブリース以外の管理方法も比較する
  • 与信の高いサブリース会社と契約する
  • 賃料減額には応じない

4-1.サブリース以外の管理方法も比較する

サブリース契約には一定のメリットはあるものの、一方で看過できない大きなデメリットも抱えているため、自分にとって最善と思えない場合には安易に契約しないことも重要です。

アパートの管理方法には、サブリース以外にも以下の2種類があります。

  • 自主管理
  • 管理委託

このうち管理委託は、賃貸オーナーが管理会社に物件の管理を委託するという形式によるもので、手数料は入居中の部屋だけに発生し、家賃収入の5%が相場です。

賃貸オーナーが入居者と直接賃貸借契約を結ぶため、空室が生じればその都度賃料は下がりますが、満室の場合にはサブリースよりも収益性は1割以上も高いことになります。
また、空室発生時の借入金返済リスクにおいても、投資の際、自己資金を増やして借入金を少なくしておくことで充分に対策が出来ます。

なるべく自己資金を増やしてサブリースを頼らなくても良い状況にしておくのがベターです。

4-2.与信の高いサブリース会社と契約する

財務内容が良く、経営状態の良いサブリース会社を選んで契約することで、家賃不払いや倒産のトラブルをある程度防ぐことが出来ます。

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4-3.賃料減額には応じない

既にサブリース契約をなさっている方は、賃料減額には応じないというのが最も効果的な対策です。

賃料減額というのはあくまでも交渉ごとなので、法律的に応じなければならないものではありません。
あまりに納得の出来ない減額請求をされた場合には、「賃料が払えないのであれば出ていってください」というスタンスで臨むことも出来るのです。

なお、これによって会社側から契約解除の申出をされたとしても、見方を変えれば良い管理会社に切り替えるチャンスと言えます。
アパート経営における管理会社の腕の影響力はかなり大きいので、うまくすれば今まで埋まらなかった空室も埋まるようになりますし、賃料を下げずに入居者が決まるケースも意外に多いのです。

ですから、サブリース会社が賃料減額交渉をしてきたら、まずは簡単に折れないことをおすすめします。

5.安心してアパート管理を任せられるサブリース会社の選び方のポイント

アパートの管理を専門の会社に任せる場合、経営の成功はその会社の誠意と腕前次第にかかっていると言っても過言ではありません。
のちのち後悔するような事態を防ぐためには、入念な準備が必要です。

5-1.契約書の説明をしっかりしてくれる。リスクを隠さない。

「経営」は押しなべて、どんな事業でも必ずリスクがあります。
だから事前に調査・企画して、リスクを最小限にする努力を行います。
良いアパート管理会社は、こっちに都合のいい話ばかりではなくしっかり契約書の内容を説明し、リスクも明確に示してくれます。
その上で、リスクを最小にする提案をして、一緒に考えてくれます。

「自分にとって有利でリスクがない」話ばかりをしてくる会社は、基本気を付けた方が良いです。

5-2.担当営業者の質

たとえ優良な会社であっても担当者の質が低いと、契約上のトラブルなどが発生するかもしれませんし、あなた自身の要望をきちんと反映してもらえない可能性もあります。

実際に担当者と話した際に違和感を感じたなら、担当者を変えるか、別のメーカーに変えてしまうことも一つの手です。

5-3.提案力がある

一度建築したり建て替えたアパートとは、数十年という長い期間付き合って行くことになります。
始めにしっかりと調査・企画し、数十年間「入居者が絶えない」アパートにする事が重要です。

優良なメーカーであれば成功実績のある「アパートコンセプトのパッケージ」を持っていますし、もしなくても地元の賃貸状況を熟知・調査していて、妥当性のある提案をしてくれます。

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