本記事では、マンション経営の家賃収入相場について解説しています。
これからマンション経営を始める人が、「いくら収入が入るのか」「マンション1室の収支事例は?」といった疑問が解消できる記事です。
- 一般的にマンション経営における平均収入は約540万円
不動産経営における平均収入540万円を得るためには、どのくらいの規模のマンションを所有すればよいかシミュレーションで確認しましょう。
マンション経営にかかる費用は、建築費や購入費が大きな割合を占めますが、その他にかかる費用も理解しましょう。
なぜ、家賃収入だけで暮らすのは難しいのか。不動産経営における実態と懸念点を理解しましょう。
目次
1.マンション経営の収入はいくら?
ずばり!2020年の国税調査によると、不動産経営における平均収入は約540万円となっています。
不動産経営における所得金額別の割合は以下のとおりです。
所得金額 | 割合 |
---|---|
~100万円 | 5.3% |
100万円~200万円 | 19.1% |
200万円~300万円 | 17.2% |
300万円~500万円 | 24.1% |
500万円~1,000万円 | 23.0% |
1,000万円~2,000万円 | 8.6% |
2,000万円~5,000万円 | 2.4% |
5,000万円~1億円 | 0.3% |
1億円~ | 0.1% |
上記の表は、不動産経営全体の数値となっているため、アパートや大型ビルの所有者も含まれます。
マンション経営は不動産経営の主流といえるため、マンション経営における平均収入も約540万と考えていいでしょう。
2.マンションの1室 間取り・戸数別の収支事例
マンション経営で「儲からない」と言われ失敗しているケースとしては、自分に合った資金計画を立てずになんとなく始めてしまうことが、大きな要因です。
そこで自分に合った資金計画としては、「どのくらいの規模のマンション」を所有すればよいのか間取り・戸数別に分かりやすく表でまとめました。
収入項目 | 1K・6戸 | 1K・12戸 | 1LDK・8戸 | 2LDK・4戸 |
---|---|---|---|---|
家賃/月 | 7万円 | 6万円 | 9万円 | 12万円 |
投資額 (建築費用、購入費用など) |
6,000万円 | 1億円 | 1億2,000万円 | 7,000万円 |
家賃収入/年 | 504万円 | 720万円 | 864万円 | 576万円 |
空室率 | 10% | 5% | 15% | 5% |
年間支出 (家賃収入の20%) |
100万円 | 144万円 | 172万円 | 115万円 |
手元に残る金額/年 | 353万円 | 540万円 | 476万円 | 433万円 |
実質利回り | 5.8% | 5.76% | 4.4% | 5.2% |
上記の表から分かる通りマンションは「戸数や家賃、空室率」によって手元に残る金額は大きく異なりますが、戸数が多く実質利回り5%以上の物件であれば540万円程度の所得を得ることが可能です。
なお、「実質利回り」とは、マンション経営における年間の経費を引いた投資額に対して純利益がどのくらい出るかを割合で算出したものです。
実質利回りは以下の計算式で算出されます。
(年間家賃収入-年間経費)÷投資額
「実質利回り」は現実的な利回りの算出方法であるため、マンション経営をはじめるときの収支計画において重要な役割となります。
マンション経営における利回りの計算方法については、以下の記事をご覧下さい。
3.マンション経営にかかる初期費用
マンション経営にかかる費用のほとんどは「建設費」や「購入費」です。
マンションを建設する場合は、構造によって単価が大きく異なるため注意が必要です。
その他の初期費用として、不動産取得税や印紙税などの税金、登記費用、仲介手数料、ローンにかかる費用などが挙げられます。
建設するか購入するかで費用は変わりますが、基本的に物件価格が高くなるほど、その他の費用も高額になります。
マンション建設・購入にかかる費用の2〜3割の自己資金があれば、安定した経営が期待できるでしょう。
マンション経営で必要な初期費用やランニング詳細は以下の記事を参考にしてください。
4.マンション経営の収入だけで暮らすのは難易度が高い
戸数が多く実質利回り5%以上の物件を所有できれば、家賃収入だけ暮らすことが可能です。
しかし結論、現実的に言えばマンション経営の収入だけで暮らすのは、かなり難易度が高いことであると言えます。
主な実情や懸念点は、以下のとおりです。
- マンション経営をしている人は兼業が多い
- マンション経営をしている人の約半数はサラリーマンの平均年収以下
- 大きな投資額が必要になる
それぞれ詳しく解説します。
4-1.マンション経営をしている人は兼業が多い
上記は、国土交通省が2019年に実施した賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査ですが、7〜8割の人が賃貸経営以外に仕事をしています。
現実的には、2〜3割程度の人しか賃貸経営を専業としておらず、マンション経営の収入だけで暮らしている人は少数派といえるでしょう。
4-2.マンション経営をしている人の約半数はサラリーマンの平均年収以下
2020年の国税調査によると、不動産経営における平均収入は約540万円となっています。
あくまで平均の数値であり、複数のマンションを所有している人や大型ビルを所有している人も含まれています。
従って「マンション一棟」「アパート一棟」規模であれば、平均以下の収入になる可能性が高いでしょう。
また、国税庁によると2022年の給与所得者の平均年収は458万円となっていますが、不動産所得者の約半数が400万円以下となっています。
つまり、マンション経営をしている人の約半数はサラリーマンの平均年収以下であることが実情です。
4-3.大きな投資額が必要になる
家賃収入だけで暮らすには、ある程度の規模があり収益性が高いマンションの経営する必要があります。
投資額から、いくらの収益が見込めるか以下のシミュレーションで確認してみましょう。
収入項目 | 1K・8戸 | 1LDK・12戸 | 2LDK・8戸 | 3LDK・12戸 |
---|---|---|---|---|
投資額 (建築費用、 購入費用など) |
5,040万円 | 9,720万円 | 1億2,240万円 | 2億4,840万円 |
面積(坪)/戸 | 7坪 | 9坪 | 17坪 | 23坪 |
家賃/月 | 7万円 | 9万円 | 15万円 | 18万円 |
収入/月 | 56万円 | 108万円 | 120万円 | 216万円 |
支出/月 | 約39万円 | 約75万円 | 約84万円 | 約151万円 |
所得/年 | 204万円 | 396万円 | 432万円 | 780万円 |
給与所得者の平均年収を得るためには、1億円以上の投資額が必要となります。
加えて、マンション経営をする場合、不動産投資ローンやアパートローンを利用する人がほとんどですが、物件の金額が高くなると審査も厳しくなります。
いきなり家賃収入だけで暮らす事ができる経営規模のマンションを所有するのは、難易度が高いといえます。
5.マンション経営を成功させるコツ
マンション経営を成功させるコツとしては、以下の5つです。
- 自己資金を増やす
- 余裕のある収支計画を立てる
- 好立地で建てる
- 賃貸ニーズの高い間取りを選ぶ
- 管理業務の委託は比較してから選ぶ
マンション経営では、特に自己資金をしっかり用意した上で余裕のある資金計画を立てることは欠かせません。
経費はしっかり計上する、確定申告で特別控除をうける、節税対策をするなど儲け(手元に残るお金)をより多くするための工夫をするとよいでしょう。
マンションで成功させるためのコツは、以下の記事で詳しく記載しています。
マンション経営をする際にランニングコストはどんなものがかかるのか知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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