アパート経営をするにあたり、構造や工法に迷っている方に向けて、アパートの構造・材質比較と構造ごとのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

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更新日
2024.02.14
カテゴリ
アパート経営

【基礎から解説】アパートの構造・材質比較とメリットデメリット

【基礎から解説】アパートの構造・材質比較とメリットデメリット

アパート経営をするにあたり、構造や工法に迷っている方に向けて、アパートの構造・材質比較と構造ごとのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

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この記事のポイント まとめ
アパート建物の構造は大きく分けて3種類

一般的なアパート建物の構造は、以下の3種類です。

  • 木造(主要な支えが木材で建築されている構造)
  • 鉄骨造(建物の骨組みに鉄骨を用いられる構造)
  • 鉄筋コンクリート造(鉄筋とコンクリートで造られた構造)

構造別の建築費用と工期の目安は、以下の通りです。

【構造別の建築費用と工期 目安一覧】
適している建物 建築費用 工期
木造(W造) 2~3階の低層物件 坪当たり77万
~100万円
「階数×1ヶ月」
+1ヶ月
鉄骨造
(S造)
軽量鉄骨 アパートや2~3階の低層物件 坪当たり80万
~100万円
「階数×1ヶ月」
+1ヶ月
重量鉄骨 4階以上のマンションから商業施設、工場まで 坪当たり90万
~120万円
「階数×1ヶ月」
+1ヶ月
鉄筋コンクリート造
(RC造)
4階以上のマンションから商業施設、工場まで 坪当たり90万
~120万円
「階数×1ヶ月」
+3ヶ月

特徴や建築費用、工期に関する詳細は「1.アパートの主な構造と材質を比較」をご覧ください。

構造ごとのメリット・デメリット

構造ごとに、それぞれの特徴を◎○△×で分かりやすくまとめました。

【構造別特徴 一覧】
構造種類 コスト 工期 防音性 耐震性 耐火性 耐久性
1. 木造(W造)
主要な支えが木材で建築されている
構造
× × ×
2. 鉄骨造(S造)
建物の骨組みに鉄骨を用いられる構造
×
3. 鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋とコンクリートで造られた構造

建築構造ごとのメリット・デメリット一覧は以下の通りです。

【構造別メリット・デメリット 一覧】
メリット デメリット
木造建築
  • 工期が短い
  • コストが安い
  • 自由なレイアウトができる
  • 防音性が低い
  • 耐震性が低い
  • 劣化が早い
  • 火事に弱い
鉄骨造建築 共通
  • 工期が鉄筋コンクリート造より短い
  • 虫の発生リスクが小さい
  • 防サビ対策が必要
  • 通気性が低い
  • レイアウトがしにくいケースがある
  • 火事に弱い
軽量鉄骨造
(6mm未満)
  • 重量よりも建築コストが安い
  • 規格アパートによく採用される
  • 防音性は低い
  • 間取りに制限がある
重量鉄骨造
(6mm以上)
  • 防音性が高い
  • より強度に優れている
  • 間取りが自由
  • 軽量より建築コストが高い
  • 軽量より通気性が悪い
鉄筋コンクリート造
  • 耐震性、耐火性に優れている
  • 自由なレイアウトができる
  • 防音性が高い
  • 減価償却期間が長い
  • 工期が長い
  • 建築費が高い
  • 結露・カビ害の恐れがある

詳細は以下の項目をご覧ください。

1.アパートの主な構造と材質を比較

一般的なアパート建物の構造は、以下の3種類です。

  • 木造(主要な支えが木材で建築されている構造)
  • 鉄骨造(建物の骨組みに鉄骨を用いられる構造)
  • 鉄筋コンクリート造(鉄筋とコンクリートで造られた構造)

それぞれの特徴と、建築費用、工期の目安を以下の表にまとめました。

【構造別の建築費用と工期 目安一覧】
適している階層 建築費用 工期
木造(W造) 2~3階の低層物件 坪当たり77万~100万円 「階数×1ヶ月」+1ヶ月
鉄骨造
(S造)
軽量鉄骨 アパートや2~3階の低層物件 坪当たり80万~100万円 「階数×1ヶ月」+1ヶ月
重量鉄骨 4階以上のマンションから商業施設、工場まで 坪当たり90万~120万円 「階数×1ヶ月」+1ヶ月
鉄筋コンクリート造
(RC造)
4階以上のマンションから商業施設、工場まで 坪当たり90万~120万円 「階数×1ヶ月」+3ヶ月

以下、構造ごとの特徴、建築費用、工期の違いについて解説します。

1-1.アパート建物の構造ごとの特徴

アパート建築には、主に木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の3つの構造が用いられます。
そして特に木造や鉄骨造の軽量鉄骨が人気です。

構造ごとの特徴は以下の通りです。

【構造別 材質と適している階層一覧】
材質と適している階層
木造 主要な支えが木材で建築されている構造
2~3階の低層物件が適している
鉄骨造 軽量鉄骨
(厚さ6mm未満)
建物の骨組みに鉄骨を用いられる構造
アパートや2~3階の低層物件が適している
重量鉄骨
(厚さ6mm以上)
建物の骨組みに鉄骨を用いられる構造
4階以上のマンションから商業施設、工場まで適している
鉄筋コンクリート造 鉄筋とコンクリートで造られた構造
4階以上のマンションから商業施設、工場まで適している

「どの構造が最適」であるのかは、その土地の特性(気温や湿気が多い等の環境的特性)や、ターゲット層の特徴(ファミリー層が多い等)によって変わってきます。

自分の予算等も踏まえつつ検討場所を十分にリサーチした上で、構造選びをすることが重要です。

1-2.建築費用の違い

構造によって建築費用には違いがあります。
どのように違うのか、構造ごとに建築費用の目安を以下にまとめました。

【構造別建築費用 一覧】
建築費用
木造 坪当たり77万~100万円
鉄骨造 軽量鉄骨造 坪当たり80万~100万円
重量鉄骨造 坪当たり90万~120万円
鉄筋コンクリート造 坪当たり90万~120万円

表を見ると、木造と軽量鉄骨造の建築費用が比較的安く、重量鉄骨造と鉄筋コンクリート造の建築費用が比較的高いことがわかります。

耐久性に優れている構造は、素材自体に重みがあるため地盤の工事が必要になることもあります。
上記の要因で建築費用は耐久性に比例する傾向があり、重量鉄骨造と鉄筋コンクリート造では、より高額になりやすいです。

1-3.工期の違い

構造ごとで工期にも違いがみられます。
どのくらい工期が変わってくるのか、目安を以下で簡単にまとめました。

【構造ごとの工期 一覧】
工期
木造・鉄骨造 「階数×1ヶ月」+1ヶ月
鉄筋コンクリート造 「階数×1ヶ月」+3ヶ月

上記の目安に合わせて、具体的なシミュレーションを行いました。

【3階建ての木造アパートを建築した場合の、工期目安】
3階建ての木造アパート:4ヶ月
=「(階数)×1ヶ月」+1ヶ月=3ヶ月+1ヶ月
【2階建ての鉄筋コンクリート造アパートを建築した場合の、工期目安】
2階建ての鉄筋コンクリート造アパート:5ヶ月
=「(階数)×1ヶ月」+3ヶ月=2ヶ月+3ヶ月

あくまで目安ではありますが、工期を把握しておきたい場合は参考にしてみてください。

工期についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。

あなたの土地に合っているのは「木造?」「鉄骨造?

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2.アパートの構造の選び方

アパート建築に用いる構造の選び方は、主に以下の2つが挙げられます。

  1. 「長期安定」と「節税対策」どちらを望むのか
  2. 建築環境に最適な構造はどれか

それぞれの選び方について、詳しく解説します。

なおアパート建築の構造について検討している方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

2-1.「長期安定」と「節税対策」どちらを望むのか

結論、「長期に少しずつ経費を計上したい方」は重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造がおすすめです。
「短期に経費を多く計上することになるが、より節税をしたい方」は木造での建築をおすすめします。

これは、「法定耐用年数」と「構造の種類」によって、経費として減価償却費を計上できる金額や期間の長さが違うからです。

減価償却費は、以下の計算式で求めることができます。

減価償却費 = 取得価額(アパートの取得費用)× 償却率

構造別の法定耐用年数と、定額法償却率は、以下の通りです。

【構造別の耐用年数と定額法償却率 比較一覧】
構造 耐用年数 定額法償却率
木造 22年 0.046%
鉄骨造 軽量鉄骨造 3mm以下 19年 0.053%
3mm超4mm以下 27年 0.038%
重量鉄骨造 34年 0.030%
鉄筋コンクリート造 47年 0.022%
【取得費が1億円だった場合の、構造別 減価償却の比較】
構造 経費として計上できる期間 減価償却費/年
木造 22年 460万円
鉄骨造 軽量鉄骨造 3mm以下 19年 530万円
3mm超4mm以下 27年 380万円
重量鉄骨造 34年 300万円
鉄筋コンクリート造 47年 220万円

木造は法定耐用年数が22年です。
つまり、減価償却費を計上できる年数が22年ともいえるため、上記構造の中では比較的短期で減価償却費の計上が終わってしまいます。
しかし、減価償却費自体は上記表の中で2番目に高く、年間での節税額が高くなるといえます。

一方で鉄骨造(重量鉄骨造)の場合は法定耐用年数は34年、鉄筋コンクリートの法定耐用年数は47年と他の構造に比べてかなり長くなっています。
そのため、長期的に減価償却費の計上が可能であり、木造に比べると長期安定の経営がしやすくなるのです。
ただ長期的に経費を計上できる分、1年間で計上できる減価償却費は木造等より安くなるという仕組みです。

なお、法定耐用年数を過ぎると減価償却費での節税ができなくなり、急激に税負担が増える点に注意してください。

2-2.建築環境に最適な構造はどれか

狭小地には木造が最適で、防火地域に指定されているエリアには鉄骨造や鉄筋コンクリート造が最適です。

狭小地では、重機が使えなくても比較的簡単に施工できる木造が好まれます。
木造は自由なレイアウトが組みやすく、狭い空間を最大限有効活用できることから、狭小地には最適です。

一方、防火地域に指定されているエリアでは木造の建築が認められない可能性があります
指定地域でアパートを建てる場合は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造を選択するのが最適です。

木材に不燃処理を施したり避難経路を確保したりすれば、防火地域でも木造が認められる可能性もありますが、費用が高額になってしまうおそれがあるため、注意してください。

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3. 構造別メリット・デメリット

この項目では、アパートの構造別でそれぞれのメリット・デメリットを解説します。

3-1.木造建築アパートのメリット・デメリット

木造建築のメリット・デメリットは以下の通りです。

【木造特徴 まとめ】
構造種類 コスト 工期 防音性 耐震性 耐火性 耐久性
1. 木造(W造)
主要な支えが木材で建築されている構造
× × ×
【木造建築のメリット・デメリット】
木造建築のメリット 木造建築のデメリット
  • 工期が短い
  • コストが低い
  • レイアウトを自由に決めやすい
  • 遮音性が低い
  • 耐震性が低い
  • 劣化が早い
  • 火事に弱い

木造建築は工期が短くコストも低いため、アパートの家賃も低くでき、入居者の経済的負担を軽くできるメリットがあります。
また木造では室内に柱や梁が出ないため、レイアウトを自由に決められ、入居者が快適に暮らしやすい環境です。

一方、木造建築には遮音性が低い、耐震性が低いというイメージを持っている人が少なくありません。
鉄骨造などに比べると劣化が早く、外観が古びた印象を与えやすくなるため、場合によっては人気がなく入居率が下がる可能性も否めません。

他の構造に比べると火事に弱い点もデメリットです。

3-2.鉄骨造建築アパートのメリット・デメリット

鉄骨造建築のメリット・デメリットは以下の通りです。

【鉄骨造特徴 まとめ】
構造種類 コスト 工期 防音性 耐震性 耐火性 耐久性
2. 鉄骨造(S造)
建物の骨組みに鉄骨を用いられる構造
×
【鉄骨造メリット・デメリット】
鉄骨造建築のメリット 鉄骨造建築のデメリット
  • 規格アパートによく採用される(軽量鉄骨造)
  • 防音性を高い(重量鉄骨造)
  • 虫の発生リスクが小さい
  • 防サビ対策が必要
  • 通気性が低い
  • レイアウトがしにくいケースがある

鉄骨造のうち、軽量鉄骨造は規格化した建材を用いて建築する規格アパートによく採用される建材です。

また、重量鉄骨造は防音性を高くできるメリットがあります。

両方に共通する特徴として、鉄骨造であれば穴をあけられないため、シロアリなどの虫が発生するリスクが小さいこともメリットの1つです。

一方、防サビ対策が必要な点や気密性が高いために通気性が低い点には注意が必要です。

加えて、室内に柱が張り出してしまうため、レイアウトが自由にできない場合もあります。

3-3.鉄筋コンクリート造建築アパートのメリット・デメリット

鉄筋コンクリート造建築のメリット・デメリットは以下の通りです。

【鉄筋コンクリート造特徴 まとめ】
構造種類 コスト 工期 防音性 耐震性 耐火性 耐久性
3. 鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋とコンクリートで造られた構造
【鉄筋コンクリート造メリット・デメリット】
鉄筋コンクリート造建築のメリット 鉄筋コンクリート造建築のデメリット
  • 耐震性、耐火性に優れている
  • 設計の自由度高い
  • 木造、鉄骨造よりも防音性能が高い
  • 減価償却期間が長い
  • 結露・カビ害の恐れがある
  • 建築費が高い

鉄筋コンクリート造は耐震性、耐火性に優れているため、入居者が安心して暮らせるでしょう。設計の自由度が高いことや防音性能に優れていることから、入居者の満足度が高くなる傾向にあります。

一方、デメリットとしては結露・カビ害の恐れがある点に注意が必要です。
さらに建築費が高いため家賃が高くなる傾向にあり、入居者の経済的な負担が重くなってしまいます。

アパートには木造や鉄骨造を用いることが現実的な選択肢ですが、敷地が広い場合や4階以上のアパートにする場合には、鉄筋コンクリート造での建築も視野に入れて良いでしょう。

アパート建築に用いられる構造の特徴やメリット、デメリットについてはこちらの記事も合わせてご覧ください。

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