この記事では、マンションのリノベーションを検討している方に向けて、自分がやるべきリノベーションの内容の検討を具体的に開始できるよう、情報をまとめています。
詳しくはこちら
・【徹底解説】マンションのリノベーションに良い会社の選び方&おすすめの会社5つ
マンションにリノベーションが必要なのはどうして?
マンションを選ぶ入居者は、「自分が住んだときにどのような生活が出来るか」を思い描きます。そのため、築年数よりも人気の設備の充実具合が、人気を左右するのです。
そのため、お持ちのマンションがライバル物件と比べて築浅でも、設備が充実していなければ検討対象から外れてしまう危険性があります。
マンションの代表的なリノベーションの費用相場は?
- トイレ・浴室・キッチン・洗面台などの水回りの設備交換
(数万円~250万円程度の範囲内) - 壁の撤去・設置などの間取り変更やフローリングの貼り換え
(10万円~300万円程度の範囲内) - 押し入れからクローゼットに変更したり、畳から和室にするなど和室から洋室へのリフォーム
(10万円~100万円程度の範囲内) - 外観リノベーション
(50万円~1,000万円程度の範囲内) - 宅配ボックスや防犯カメラの設置など設備の設置
(10万円~100万円程度の範囲内)
などが代表的です。
おすすめのリノベーションメニューの費用相場は?
- 水回りの丸ごとリノベーション
(約100~450万円) - 内装を和室から洋室に大幅リノベーション
(約40~100万円) - 外壁塗装を含む外装リノベーション
(約850~1,500万円) - 設備・内装一新スケルトンリノベーション
(約500~2,000万円)
マンションのリノベーションの事例は?
この記事では、
- 28年前の風呂場を最新式のユニットバスに!水回りを中心としたリノベーション
- 間取り変更で“Withコロナ”の時代に対応した「在宅ワーク向け」の部屋を実現
の2つの想定事例を載せています。
詳しい解説は以下
目次
1.そもそもマンションにリノベーションが必要な理由
「まだ築年数もそんなに古くないし、設備にも故障なく使えているから、リノベーションは要らないんじゃないかな?」とお考えかもしれませんが、古い物件でなくてもリノベーションは大切です。
特に賃貸マンションの場合、物件としての人気は設備の充実具合に大きく左右されます。
ライバル物件のほうが築年数が古かったとしても、リノベーションをしたばかりで新しい設備が充実していれば、入居者はそちらに流れる可能性が高いでしょう。
入居者の多くは、築年数よりも設備の充実度に着目し、「この設備があればこんな生活ができるなあ」と想像するものだからです。
たとえば、北関東や東北・北海道のように比較的気温が低い地域であれば、「風呂暖房付き・築25年」の物件は「風呂暖房なし・築10年」の物件より魅力的に感じられることもあります。
幸いマンションは一戸建て住宅と異なり、床面積が小さく、外壁や屋根の工事の必要性も低い分、比較的少ない費用と期間でリノベーションを実施できます。
周囲の競合物件の設備状況を調べ、かつてはメジャーでなかったものの現在はスタンダードになりつつあるものや、入居者の求める設備・間取り・デザインに関しては、予算と相談しつつもできるだけ早く取り入れていくべきことが大切なのです。
リノベーションの基礎知識はこちら
・【基礎から解説】リノベーション・リフォームの基礎知識と違い
2.マンションの代表的なリノベーションにかかる費用一覧
マンションのリノベーションにかかる代表的な費用には、下記のようなものがあります。
リノベーション内容 | 費用相場 |
---|---|
トイレ床の張り替え | 〜2万円 |
便座の取り替え | 3万〜20万円 |
トイレ全体のリノベーション (便座交換・便座の位置移動・洗浄機など各種システムの導入含む) |
20万〜50万円 |
リノベーション内容 | 費用相場 |
---|---|
浴槽のみの交換 | 50万〜150万円 |
浴槽・タイル・扉の交換、バリアフリー化 | 100万〜250万円 |
リノベーション内容 | 費用相場 |
---|---|
キッチンの取り替え | 50万〜100万円 |
キッチン位置の移動(壁付き式からリビング対面式への変更) | 100万〜200万円 |
リノベーション内容 | 費用相場 |
---|---|
洗面台のみの交換 | 10万〜50万円 |
洗面所全体のリノベーション(脱衣所の改装などを含むリノベーション) | 30万〜50万円 |
リノベーション内容 | 費用相場 |
---|---|
壁の撤去・設置 | 10万円〜70万円 |
床のフローリング張り替え(6畳の場合) | 10万円〜20万円 |
壁紙の貼り換え | 1㎡あたり4万円~ |
間取り変更 | 100万円~300万円 |
リノベーション内容 | 費用相場 |
---|---|
畳からフローリングに変更 | 30~70万円 |
床・壁・天井を洋風に変更 | 15万円~20万円 |
押入れからクローゼットへの変更 | 10万円〜20万円 |
和室から洋室への全面リノベーション | 40万円~100万円 |
リノベーション内容 | 費用相場 |
---|---|
外壁塗装(7階建ての場合) | 600万円〜1,000万円 |
エントランスを自動ドアに変更 | 100万円〜200万円 |
植栽 | 〜50万円 |
リノベーション内容 | 費用相場 |
---|---|
宅配ボックス | 40万円〜60万円(ダイヤル式の場合) 50〜100万円(電子式の場合) |
オートロック | 1戸あたり10〜20万円 |
防犯カメラ | 1つあたり10万円程度 |
マンションのリノベーションは大きく分けて内装と外装とに分けられます。おおむね内装の方に意識が向きがちですが、実は費用対効果が高いと言われているのが外装のリノベーションです。
例えばエントランスの扉を自動ドアに変更し、周囲に植林をすればマンションの価値は飛躍的に上がります。
近年はコロナウイルス感染症の影響もあり、非接触の扉が好まれていますし、植栽は建物に品格と安らぎのイメージをもたらします。
また、集合住宅ならではの防犯対策も人気です。
例えばオートロック機能や防犯カメラの設置は、マンション全体の防犯対策の底上げに繋がります。
3.リノベーションのおすすめメニュー例と費用相場
おすすめメニュー例 | 費用相場 | 得られる効果 |
---|---|---|
水回りの丸ごとリノベーション | 約100~450万円 | ・清潔感が格段にアップ ・劣化も時代の変化が表れやすい部分だけに、先進的な雰囲気が出る |
内装を和室から洋室に大幅リノベーション | 約40~100万円 | ・和室時点に比べて入居者からの印象は大幅アップが期待できる ・ついでに間取りも現代的なものにすればデザイン性が高くなり、選ばれる確率が上がる |
外壁塗装を含む外装リノベーション | 約850~1,500万円 | ・建物の見た目がガラッと変えられる ・エントランスに凝れば高級感が格段にアップ |
設備・内装一新スケルトンリノベーション | 約500~2,000万円 | ・設備や間取りに最新の流行を取り入れることが可能 ・入居者に大きくアピールが出来、家賃を少し上げることも可能 |
以下で、それぞれ詳しく説明いたします。
3-1.水回りの丸ごとリノベーション
〈具体的な施工箇所と費用相場〉
- トイレ・風呂・キッチン・洗面台をまとめてリノベーション
- 費用相場は約100~450万
トイレ・浴室・キッチン・洗面所といった水回りの機能は、入居者が内見の際に重視するポイントの一つであり、技術の進歩による影響を受けやすいという特徴があります。
例えばウォシュレット機能の有無も、住む人によってはかなり重視しています。キッチンも今では壁付けになっているものより、オープンキッチンが人気です。
汚れがたまりやすく、経年劣化が目に留まりやすい箇所でもあるため、10年単位で修繕が必要とされています。
こうした特徴から、時代にあわせたリノベーションでアップデートすることが必要であり、その効果も表れやすいと言えます。
水回りがピカピカで清潔だと、そのマンション全体に下す清潔感の評価が大きく上がるのです。
トイレ・風呂・キッチン・洗面台の4つをまとめて工事すると、割引プランになる企業もあります。
個別にリノベーションするよりもコストパフォーマンスに優れているので、まとめて工事することも視野に入れつつ、リノベーションのタイミングを検討するとよいでしょう。
3-2.内装を和室から洋室に大幅リノベーション
〈具体的な施工箇所と費用相場〉
- 押し入れからクローゼットへの変更に加え、壁・天井・床まで全体を洋風にリノベーション
- 費用相場は約40~100万円
近年、和室は古臭いイメージをもたれがちで、加えて「畳に傷がつけてしまうのが気になって家具などを持ち込めない」という理由でマイナスの評価を受けることも増えてきています。
そこで近年のリノベーションでは、和室を洋室へと変更するニーズが高まっています。
和室から洋室にするだけで入居者からの評価は好印象になることが多いですし、施工箇所が広い場合には、ついでに現代的な内装デザインを取り入れれば、他の物件との差別化につながります。
もともとの部屋が天井や建具も含めて純和風だった場合には、箇所ごとに対応するよりもまとめて洋室に変換した方がコストは安く済みます。
一方で和風といっても畳と押し入れがあるくらいという場合には、押し入れからクローゼットに変更し、畳を撤去して床下の工事を行い、フローリングの床に張り替えるだけで対応できる可能性があります。
床の張り替えは、60〜70万円かかる場合もあるものの、畳の上にフローリングカーペットを敷くという簡易的な洋風リフォームであれば、5万円程度で済ませることもできます。その場合クローゼットへの変更を含めても10~30万円程度です。
3-3.外壁塗装を含む外装リノベーション
〈具体的な施工箇所と費用相場〉
- 外壁塗装、植栽、自動ドアの設置、エントランス照明の変更などのリノベーション
- 費用相場は850万円~1,500万円
外壁塗装を行うと、沈んだ外壁のトーンを高められる上、2色に塗り分けるなどの工夫で外観をガラリと変えることが出来ます。
更に、マンションを紫外線や漏水から守れる上に、防藻・防汚などの機能を付け加えて、建物の性能を向上させられるメリットも。
また、エントランスまわりの整備も大切です。
植栽に加え、エントランス内の照明を間接照明なども用いたおしゃれなものに取り換えれば、ホテルのような高級感ある雰囲気を演出出来ます。
資金に余裕があれば、防犯グッズも検討してみると良いでしょう。防犯カメラやオートロックなどはアパートには見かけない、マンション独自のものなので、あれば検討層も魅力的に思うでしょう。
3-4.設備・内装一新スケルトンリノベーション
〈具体的な施工箇所と費用相場〉
- 梁や土台などの基礎部分を残して、床・柱・壁まで全面リノベーション
- 費用相場は500万円~2,000万円
スケルトンリノベーションは、文字通り建物の骨格部分と土台のみを残し、床や柱、壁に至るまで全面的に入れ替える手法です。
多くの予算と工期を要しますが、その分、間取りの変更や設備移動などを含め、自由度の高いバージョンアップを実現可能です。
例えば、キッチンやトイレなどの位置を変えて使いにくい生活導線を入居者のライフスタイルに合わせて作り変えたり、壁を新たに設置したり、反対に細かく分けられていた部屋を広い居室に作り変えたり、といったことが自在に出来ます。
部屋のなかに小上がりの小さな空間を用いるなど個性的なデザインを一部取り入れれば、最新鋭のとてもおしゃれな部屋に生まれ変わるのです。
また、戸建の場合、フルリノベーションは屋根の工事も伴うのでより多くの費用と工期がかかってきますが、マンションの場合は戸建と比較して、費用面でも工期の面でもやや少なめの負担で済みます。
ただし、物件のつくりによってはこうした大規模なリノベーションが難しい場合もあるので、注意が必要です。
4.【想定事例集】マンションリノベで検討したい!「今風」なリノベ2選
ここでは、リノベーションについての理解をより深められるよう、リノベーションの想定事例を取り上げます。
4-1.28年前の風呂場を最新式のユニットバスに!水回りを中心としたリノベーション
想定費用総額:180万円
想定工期::8日
・概要
築28年目を迎え、水回りの老朽化が目立ち始めた物件の浴室・トイレ・台所・キッチンを4箇所一斉にリノベーションする想定事例です。
・リノベーション前の状況
今回想定の平成初期に建築されたマンションの場合、リノベーション以前の風呂場はタイル張りの床である事が殆どで、新築マンションではポピュラーな機能となっている追い焚き機能や浴室暖房などもありません。
さらに、入口の段差もきつく、高齢者にとっては安全面でやや不安を感じる設計のイメージです。
・具体的なリノベーション内容
リノベーションで風呂場を中心とした工事を実施。時代を感じさせるタイル張りの床をカラリ床に変えることで、水はけも良く、足を滑らせにくくなったことに加え、段差の無い設計に変えたことで高齢者でも安心して入れるバリアフリーの浴室となります。
さらに、浴槽自体もトレンドのユニットバスに付け替え、新しさと明るさを感じさせる浴室へと変身。もちろん、追い焚きや浴室暖房なども備えます。
補足として、今回の様に一度に複数の箇所に手を加えるという比較的規模の大きい工事であれば、水回り4箇所の一斉工事に割引プランを提供している企業に工事を任せると、比較的少なめの予算でリノベーションを済ませることができます。
・リノベーション後の状況
浴室以外のトイレ、キッチン、洗面場も年季の入った箇所は新しい部品に取り替え、新築マンションにも見劣りしない部屋となりました。
4-2.間取り変更で“Withコロナ”の時代に対応した「在宅ワーク向け」の部屋を実現
想定費用総額:380万円
想定工期:30日
・概要
近年、住宅事情に最も大きな影響を与えたのが2020年のコロナ・ショックです。
この出来事をきっかけにして、少なからずいくつかの会社が在宅勤務を導入するようになりました。そのため、部屋の中に「在宅勤務用のワークスペース」を取り入れた物件が人気を集めるようになっています。
今回の事例では、仕事部屋として新たな小部屋を設置します。
・リノベーション前の状況
このケースでは、コロナ禍で急な在宅勤務をするようになったものの、落ち着いて仕事が出来るスペースがなく、リモート会議などでも周りの音声が入る心配をしなければならなかったり、気が散ったりしている状況をイメージしています。
・具体的なリノベーション内容
近年では、「リビングを広くする」ために壁を取り払うのがトレンドとなっていますが、今回のリノベーションではあえて「壁を設置する工事」を実施しました。
費用は壁を取り払うよりも、若干高めになります。
・リノベーション後の状況
今回想定のリノベーションでは、間取り変更を通じてワークスペースとしての新たな小部屋を設置したころで、「仕事部屋としての快適さを追求した“職住一体型”の空間を作る」ことに成功しました。
現在、比較的収入に余裕のある世帯主を中心に、「多少賃料が高くてもいいから、仕事のパフォーマンスが高まる部屋に入居したい」というニーズを持つ入居者も増えてきています。
時代のニーズにあった間取りは在宅勤務のビジネスマンや小規模の企業のオフィスからのニーズも見込まれるため、入居者獲得の競争では極めて有利になることが見込まれるでしょう。
なお、マンションのリノベーション想定事例をもっとご覧になりたい方は下記の記事をご参照ください。
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