この記事では、古い(築古)マンションのリノベーションを検討している方に向けて、自分がやるべきリノベーションの内容の検討を具体的に開始できるよう、情報をまとめています。
おすすめのリノベーション業者はこちら
・【徹底解説】古いマンションのリノベーションに良い会社の選び方&おすすめの会社8
中古マンションのリノベーションはなぜ必要?
検討層の選択肢から外れないように、内装・外装を古すぎないように整えるほか、機能面と安全面、衛生状態の面でも競争性を持つために必要です。
内装のリノベーションにとどまることが多いので築古の一戸建てよりも安く行えますし、建て替えに比べれば圧倒的に安価なうえ、建て替えが出来ない再建築不可物件であっても施工可能なメリットもあります。
築20年のマンションのリノベーション費用相場とおすすめ改修箇所は?
一般的に水回りを中心としたリノベーションを行うことが多く、そのための費用相場は約100~250万円です。
築30年のマンションのリノベーション費用相場とおすすめ改修箇所は?
古めかしくなったデザインや設備を作り変えるための、間取り変更や傷んだ設備の交換を行うことが多く、そのための費用相場は約150~400万円です。
築40年のマンションのリノベーション費用相場とおすすめ改修箇所は?
建物全体の劣化が進み、フルリノベーションもしくはスケルトンリノベーションの検討を行うことが多くなっています。そのための費用相場はフルリノベーションで約500~900万円、より大規模なスケルトンリノベーションで約1,000~2,000万円です。
具体的な想定事例は?
この記事では
- 水回りの設備を一新、家族でもくつろげる広々としたバスルームにした事例
- 40年前の和室を現代的な洋室にイメージチェンジした事例
の2つの参考事例を載せています。
もっと事例を見る
・【想定事例集】「古い(築古)マンションをリノベーションする」事例5つ
詳しい解説は以下
1.中古マンションにリノベーションが必要な理由
築年数を重ねた中古マンションの中でも、新しい物件に対して競争優位を保っている物件は数多くあります。物件の人気を左右する要素はいくつもありますが、「内装・外観が古すぎないこと」はとても重要です。
たとえ立地や駅からのアクセス・利便性に優れていても、あまりにも古臭い印象を感じさせてしまう物件だと、他の物件との競争に負けてしまいます。
また、見た目の印象だけでなく、機能面と安全面、衛生状態の面でも競争性を持つことが大切であり、これらの要素を磨くのがリノベーションの意義です。
またリノベーションには「古い設備を取り除き、標準設備にする」という意味合いも含まれます。
検討層の選択肢から外されないように、時代にあった最低限の設備を整えておく、というのも中古マンションをリノベーションする上で大切にしたい考え方です。
・中古マンションのリノベーションは比較的取り組みやすい
築古マンションのリノベーションは、同じく築古の一戸建てをリノベーションする場合と比べて、費用は少なく、工期も短めになる傾向があります。
一般的に、屋根や外壁などには手をつけず、内装や水回りのみのリノベーションを手掛けるためです。
ただ単に工事の箇所が少ないというだけでなく、雨や強風などの天候に左右されない分、イレギュラーによる長期化も起こりにくいことも、理由の一つとして挙げられます。
また、フルリノベーション・スケルトンリノベーションの場合はこの限りではありませんが、基本的に建て替えと比べるとずっと安価なうえ、間取り変更などの工事によって、見た感じの印象をまるで違う物件のように変化させることが出来ます。
また、再建築不可能物件でも施工できることは大きなメリットです。
ただし、「壁式構造」と呼ばれる、間仕切り壁で建物を支える構造の場合、間取り変更に制限がかかったりすることもあるので、注意しましょう。
2.築古マンションのリノベーション費用相場とおすすめ改修箇所
築古マンションのリノベーション費用相場は、築年数によって100万円~数千万円までの差が開きます。また、それぞれ劣化の進み具合が違うため、手掛けるとよい改修箇所も異なります。
築年数 | 費用相場 | おすすめ改修箇所 |
---|---|---|
築20年 | 約100~250万円 | キッチン・風呂・トイレ等水回り |
築30年 | 約150~400万円 | 壁の撤去を含む間取り変更や傷んだ設備の取り換え |
築40年 | 約500~2,000万円 | フルリノベーションもしくはスケルトンリノベーション |
2-1.築20年でするリノベーションの費用とおすすめ改修箇所
築20年のマンションでは……
- 基本的にはキッチン・風呂・トイレなど水回りのリノベーションのみ
- 費用相場は約100~250万円
リノベーション内容例 | 費用 |
---|---|
トイレ交換 | 10~30万円 |
浴槽交換 | 50~150万円 |
洗面台交換 | 10~50万円 |
システムキッチン交換 | 50~100万円 |
築20年のマンションは、基本的には建物の傷みもそれほど進行していないことが多く、各設備の劣化も問題になるほどではないことがほとんどです。
ただし、トイレ・風呂・キッチン・洗面台などの水回りは、他の場所と比較してもこまめなメンテナンスが必要な箇所で、比較的早めの年数で改修工事が必要です。
機能面でも、キッチンのIHヒーターやトイレのウォシュレット機能、洗面台の鏡のくもり防止機能など、20数年前の施工時点では一般的でなかったものの、現在ではかなり普及している機能を付け加えると、他の競合物件に対する競争力維持につながります。
なお、一箇所ずつ別々に工事するよりも、セットで工事する場合のほうが割安です
原状回復を目的としたリノベーションだけであれば、4つあわせたセットの工事でも100万円台前半から可能です。
一方で、さまざまな機能を付加したり、より高級な材料でグレードアップするようなリノベーションの場合だと、150万円から200万円台後半が相場となります。
2-2.築30年でするリノベーションの費用とおすすめ改修箇所
築30年のマンションでは……
- 設備や全体的なデザインが古めかしくなり、建物全体の劣化が少しずつ進む段階。間取り変更や傷んだ設備の交換が必要
- 費用相場は約150~400万円
リノベーション内容例 | 費用 |
---|---|
間取り変更 | 100~300万円 |
壁の撤去・設置 | 10~70万円 |
畳からフローリングに変更 | 1畳あたり4万円程度から |
押し入れからクローゼットに変更 | 10~20万円 |
壁紙の貼り換え | 1㎡あたり4万円程度から |
3点ユニット交換 | 50~80万円 |
現在築30年に突入する物件は、昭和〜平成初期の時代の建築様式に基づいて設計された間取りになっているため、現代のライフスタイル、借り手が求めるデザインに合っていないことが多いです。
加えて、建物全体の劣化も少しずつ進んでおり、設備も古びてきます。
具体的には、和室や3点ユニットなど、敬遠されやすい設備を現代のものにアレンジすることは検討しやすいリノベーションの一つと言えます。
間取り変更や壁の撤去・設置を伴う内装の大きな変更をすれば、全体的に時代遅れになっているデザインでも一新することが可能です。
また、壁の撤去というとかなり大がかりな工事をイメージしてしまいがちですが、実際には1〜2週間程度で工事を完了できる場合もあります。
2-3.築40年でするリノベーションの費用とおすすめ改修箇所
築40年のマンションでは……
- 建物全体が劣化する。内装・外装の見た目改善と機能向上のためのフルリノベーションもしくはスケルトンリノベーションの検討時期
- 費用相場は約500~2,000万円
リノベーション内容例 | 費用 |
---|---|
外装リフォーム(塗装) | 120~300万円 |
耐震補強工事 | 100~200万円 |
基礎補強工事 | 50~500万円 |
間取り変更 | 100~300万円 |
水まわり全体一括工事 | 100~150万円 |
築40年目に入ると、建物の全体的な劣化がかなり進行してくるため、見た目を左右する内装・外装を一新させることはもちろん、安全に関わる面(耐震性など)や、居住者の健康と快適な生活に関わる面(断熱性・遮音性など)の面も考慮した全面的なフルリノベーションの実施を検討すべきタイミングとなります。
通常のフルリノベーションの場合、費用は500万〜900万円、工期は1ヶ月〜5ヶ月が相場です。
他に、もっと根本的な作り直しの工事として、近年注目を浴びている「スケルトンリノベーション」という手法もあります。
スケルトンリノベーションは骨格や土台だけを残してコンクリートの箱の状態にし、内装・壁・水回りなどを全面的に解体して、根本的に中身を入れ替える大規模な工事を行うものです。
この手法を取ることで、間取りや構造を自由度高く、抜本的に変えることができます。
スケルトンリノベーションは変更の自由度が高く、設備も新品のものを取り付けることができるため、新築物件に限りなく近い仕上がりにできるというメリットがありますが、一方で費用がかさみ(1,000万円〜2,000万円)、工期も3ヶ月〜半年と長くなってしまう点がデメリットとしてあげられます。
3.【想定事例集】中古マンションのリノベーション事例2選
ここからは、実際に中古マンションのリノベーションを行う場合の想定事例を取り上げます。
中古マンションのリノベーションについて、どんな選択肢が存在するのかを理解し、リノベーションへのイメージを深めるのにお役立てください。
3-1.水回りの設備を一新、家族でもくつろげる広々としたバスルームにした事例
費用総額:220万円
工期:10日
・概要
浴室・トイレ・キッチン・洗面台の4箇所を一斉にリノベーション。
老朽化した箇所を一新するとともに、トイレの温度調節機能設置や、浴室の浴槽の拡大などを施し、家族でも快適にくつろげる空間を実現しました。
・リノベーション前の状況
リノベーション前は、築20数年を経てトイレを中心に汚れが蓄積し、また便座の温度調節機能など現在であれば一般的となっている機能が搭載されていないなど、水回りを中心に課題がある物件でした。
・具体的なリノベーション内容
リノベーションを通じて老朽化した浴室・トイレ・キッチン・洗面台を一斉に交換。
・リノベーション後の状況
汚れが目立っていたトイレやキッチンの清潔感を取り戻し、トイレの便座の温度調節機能も設置。
さらに、せまかったお風呂の浴槽を拡大し、ファミリーの入居者でも親子で一緒に浴室を利用できるようになりました。
浴槽の改造を実施した分、費用は220万円とやや高額となりましたが、クリーンさと家族連れにも対応できる空間を実現しました。
3-2.40年前の和室を現代的な洋室にイメージチェンジした事例
費用総額:340万円
工期:2週間
・概要
和風だった部屋全体を洋風にリノベーション。
畳や押し入れといった古い設備を取り換えることで、ライフスタイルに合う現代的なデザインの物件に生まれ変わりました。
・リノベーション前の状況
およそ築40数年を経ており、リビングと壁を隔てて隣接する寝室は、ヒモで引っ張って明かりをつけたり消したりするタイプの照明と、古くてやや清潔感に欠けた印象のある押し入れが残る和室となっていました。
時代にそぐわない古臭い雰囲気のためか、数度の内見を経てもなかなか新規の入居者が決まらない状態でした。
・具体的なリノベーション内容
部屋全体のイメージチェンジを主な目的とし、この和室を含め、壁の取り払いや間取りの変更を含む工事を実施。
まずは和室の畳を現代的なフローリングへと変更。カーペットを敷いてベッドを設置することもできる洋風の部屋へとリノベーションしました。
さらに、和室の中にあった押し入れも、洋室への変更に伴って布団等を収納する必要がなくなるため、衣服を収納可能なクローゼットへの変更も行いました。
・リノベーション後の状況
洋室へのスタイルの変換で、令和のライフスタイルも考慮した現代風の物件へとイメージチェンジを果たし、新規の入居者からの内見も何件か入るように。
見た目が入居者に与える印象を、数段良くすることが出来ました。
古いマンションのリノベーション事例をもっとみる
・【想定事例集】「古い(築古)マンションをリノベーションする」事例5つ
古いマンションのリノベーションにお勧めの業者はこちら
・【古いマンションのリノベーション】良い会社の選び方!【おすすめの会社も8社紹介】
リノベーション系記事一覧
- 【基礎から解説】リノベーション・リフォームの基礎知識と違い
- 【徹底解説】効果は?コスパは?空き室改善のためのリノベーション
- 【基礎から解説】相続税対策としてのリノベーション・リフォームの基礎知識
- 【徹底解説】古いマンションのリノベーションに良い会社の選び方&おすすめの会社8つ
- 【徹底解説】古い(築古)アパートのリノベーションに良い会社の選び方&おすすめの会社7つ
- 【徹底解説】古い一戸建てのリノベーションに良い会社の選び方&おすすめの会社5つ
- 【徹底解説】マンションのリノベーションに良い会社の選び方&おすすめの会社5つ
- 【徹底解説】アパートのリノベーションに良い会社の選び方&おすすめの会社7つ
- 【徹底解説】一戸建てのリノベーションに良い会社の選び方&おすすめの会社7つ
- 【想定事例集】「古い(築古)マンションをリノベーションする」事例5つ
- 【想定事例集】「古い(築古)アパートをリノベーションする」事例5つ
- 【想定事例集】「古い(築古)一戸建てをリノベーションする」事例5つ
- 【想定事例集】「マンションをリノベーションする」事例5つ
- 【想定事例集】「アパートをリノベーションする」事例5つ
- 【想定事例集】「一戸建てをリノベーションする」事例5つ
- 【徹底解説】古い(築古)マンションのリノベーション費用・相場と工事事例
- 【徹底解説】古い(築古)一戸建てのリノベーション費用・相場と工事事例
- 【徹底解説】マンションのリノベーション費用・相場とおすすめの工事内容
- 【徹底解説・想定事例付】一戸建てのリノベーション費用・相場
- 【想定事例集】「古い(築古)マンションをリノベーションする」事例5つ
この記事のカテゴリトップへ