賃貸住宅を省エネ基準で建てたいと考えている方に向けて、改正省エネ基準の目的や制度の中身、補助金制度、税制優遇などを詳しくご紹介!基準を満たすための費用、メリット・デメリットももれなく解説いたします。

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公開日
2020年02月06日
変更日
2021/07/26
カテゴリ
記事, これから始める人向け, 賃貸住宅の新規建築

改正省エネ基準は時期尚早!?建てる前に知っておきたい制度内容を徹底解説

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改正省エネ基準は時期尚早!?建てる前に知っておきたい制度内容を徹底解説

改正された省エネ基準で賃貸住宅を建てたいと思っていても、省エネ基準がどのようなものか詳しく理解している方は少ないのではないでしょうか。
また、改正省エネ基準の建物は補助金が受けられると聞いても、基準を満たすための費用はどれくらいかかるのか見当がつかず、進められない方もいるかもしれません。

この記事では、賃貸住宅の建築を改正の省エネ基準で建てたい方に向けて、省エネ基準の目的や制度の内容、補助金の種類、省エネ基準を満たすための費用などについて詳しく解説していきます。
将来的な省エネ基準の義務化へ備えるために、また、省エネ建築物であることで物件のアピールにつながるように、制度について理解しておきましょう。

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1.改正省エネ基準とは?

はじめに、補助金制度などの対象にもなる住宅の「改正省エネ基準」とはどのようなものか、解説していきましょう。

1-1.省エネ基準の歴史

住宅の省エネルギー基準(省エネ基準)の歴史は古く、1980(昭和55)年に始まりました。前の年1979年のオイルショックでエネルギー資源を大切にする意識が生まれ、断熱性能の強化などひとつの住宅を維持するエネルギーを、できるだけ削減する方向へと進んでいったことがきっかけです。

その後は、住宅建材の技術向上や時代に沿うように度々の改正があり、現行の基準は、大きな改正が行われた2013年の「(改正)省エネ法」に準じており、2016年に「建築物省エネ法」へと名称が改正されています。
より多くの建築物が改正省エネ基準に取り組むことで、エネルギー資源の節約や快適な居住空間が実現でき、また、建物性能が向上することで建物の寿命が長くなる効果も期待されています。

1-2.住宅の省エネ基準

化石燃料、原子力燃料、水力・太陽光など自然から得られるエネルギーを「一次エネルギー」、これらを変換・加工して得られるエネルギー(電気、灯油、都市ガス等)を「二次エネルギー」といいます。

建築物では二次エネルギーが多く使用されており、それぞれ異なる計量単位(kWh、ℓ、MJ等)で資料されています。これを一次エネルギー消費量へ換算することにより、建築物の総エネルギー消費量を同じ単位(MJ、GJ)で求めることができるようになります。

出典:国土交通省住宅局「住宅・建築物の省エネルギー基準

つまり、ソーラパネルで太陽光発電を利用して住宅の電気を賄うことは、一次エネルギー消費量の一例といえます。省エネ基準は、事務所や店舗などの「非住宅建築物」と「住宅」とに分類されており、それぞれに省エネ基準があります。アパートやマンションなどの賃貸住宅は「住宅」に含まれており、省エネ基準は次の通りです。

1-2-1.外皮(外壁や窓)の熱性能

「住宅」では、基準値以上の性能の断熱仕様や窓を採用することで、室内の温度は一定に保たれ、無駄なエネルギー消費を抑えることができます。省エネ基準では、住宅の中で暖めた空気を外に逃がさない「熱損失係数」に一定の基準値を設けており、北海道から沖縄まで、気候には地域差があるため、国内の地域を1~8まで区分しています。

また、夏場など日射による室温の上昇を防ぐ「夏期日射取得係数」にも一定の基準値があり、同じく地域区分によって適正な基準値が定められていますが、気候の地域差により、寒冷地では日射を遮る性能の基準がなく、蒸暑地では暖かさを左右する断熱性能の基準がありません。

1-2-2.一次エネルギー消費量に関する基準(冷暖房など設備)

外皮の熱性能を高めることに加えて、「二次エネルギー」と呼ばれる一次エネルギーを変換・加工して得られる「電気や灯油、都市ガス」などのエネルギーの消費を削減することは、より直接的な省エネ効果が期待できます。そのため、改正省エネ基準では「一次エネルギー消費量基準」も設けています。

一次エネルギー消費量は、「空調・団冷房設備」、「換気設備」、「照明設備」、「給湯設備」、「昇降機」、「事務機器・家電調理等」のエネルギー消費量を合計して算出します。また、エネルギー利用効率化設備(太陽光発電設備やコージェネレーション設備)によるエネルギーの創出効果は、エネルギー削減量としえ差し引くことができます。

出典:国土交通省住宅局「住宅・建築物の省エネルギー基準」

1-3.旧省エネ基準との違い

住宅における現行の省エネ基準と旧省エネ基準との違いについて説明すると、以下のようになります。

改正前 改正後
一次エネルギー消費量基準の導入 ・外皮の熱性能のみ ・外皮の熱性能
・一次エネルギー消費量
その他 ・地域区分の変更
・性能評価単位が用途により異なる等

出典:国土交通省住宅局「住宅・建築物の省エネルギー基準」P,2・P,52.省エネ基準住宅の支援制度

省エネ基準を満たし、一定の要件をクリアした住宅は、さまざまな支援制度を受けることができます。それではここからは融資や税金、補助金などの支援制度をご紹介していきます。

2-1.住宅ローン支援

一定の基準に該当した省エネルギー性に優れる住宅に対して、住宅金融支援機構(フラット35)が金利引き下げをする制度です。この制度は2019年現在において、新築、改修ともに対象になります。

対象の要件

省エネルギー性の基準は断熱等性能等級4、または、一次エネルギー消費量等級4

優遇措置

当初5年間は金利が0.25%引き下げられる。さらに、長期優良住宅等の基準に該当すると、当初10年間の金利が0.25%引き下げられる。

2-2.税金の特例

税金の特例は、住宅ローン減税、所得税、登録免許税、不動産取得税などさまざまな優遇措置があります。

税金の種類 対象の要件 優遇措置
住宅ローン減税 低炭素住宅(※)・長期優良住宅 10年間で最大500万円減税
所得税 低炭素住宅・長期優良住宅 性能強化費用相当額の10%を控除(上限650万円)
所得税 一定の省エネ基準を満たす住宅 最大25万円の減税
所得税(ローン) 一定の省エネ基準を満たす住宅 5年間で最大62,5万円の減税
登録免許税 低炭素住宅・長期優良住宅 所有権移転登記0.1%~0.2%控除、所有権保存登記0.1%控除
不動産取得税 長期優良住宅 課税基準1,300万円控除
固定資産税 長期優良住宅 取得翌年の固定資産税額を1/3軽減
贈与税 一定基準の省エネ基準を満たす住宅 住宅取得等資金の贈与税非課税限度額500万円加算

参考:国土交通省資料「住宅・建築物の省エネ化に関する支援制度」p,3「住宅に係る省エネ関係税制(H30年度税制改正案)
※低炭素住宅とは外皮の熱性能が省エネ基準に適合していること、一次エネルギー消費量が省エネ基準よりも10%削減できることなどが要件になります。

2-3.補助金支援

補助金制度には次のような優遇措置があります。

サステナブル建築物等先導事業

先導的な技術にかかる建築構造等の整備費、効果検証等に必要な費用・・・補助率1/2

地域型住宅グリーン化事業

中小工務店でゼロ・エネルギー住宅(ZEH)等にするための費用・・・補助率1/2

長期優良住宅化リフォーム推進事業

既存住宅の長寿命化に必要な費用・・・補助率1/3

なお、優遇措置等は支援内容が変更になったり、期限の限定があったりするため、国土交通省住宅局のWEBサイトで最新の情報を確認してください。

3.ZEH(ゼロ・エネルギー住宅)省エネ住宅支援

補助金制度で対象になる、省エネ基準住宅にZEH(ゼッチ)住宅があります。住宅関連のニュースなどで耳にする機会が増えてきたZEH住宅とはどのようなものかご紹介していきましょう。

3-1.ZEH住宅とは

ZEH住宅とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略であり、外皮の断熱性能を大幅に強化し、外気温の影響を極力少なくさせるとともに、高効率な住宅設備を導入して大幅な消費エネルギーを図り、年間の一次エネルギー消費量の収支を「ゼロ」にすることを目指した住宅です。

国は、2030年までに全ての住宅をZEH化することを目指して推進に取り組んでいます。多くのハウスメーカーや住宅建築会社でも、ZEH仕様の住宅を建てることができます。

ZEH住宅は、改正省エネ基準を超える仕様で建築される住宅となりますので、室内環境はより快適になり、結果的に建物の長寿命化も期待されています。

3-2.ZEH住宅支援

ZEH住宅は集合住宅に対して、省エネ基準とは別に次のような支援制度を設けています。

3-2-1.低・中階層ZEH-M支援事業

補助対象設備

高性能外皮(断熱等)、高効率空調・給湯・換気・照明設備、蓄電システム

補助金額

一戸あたり定額70万円(住棟あたり上限額3億円/年、6億円/事業)、蓄電システム導入住戸ごと加算あり

3-2-2.高階層ZEH-M実証事業

補助対象設備

高性能外皮(断熱等)、高効率空調・給湯・換気・照明設備、蓄電システム

補助金額

補助対象経費の2/3以内ほか加算あり

4.省エネ基準に適合させるための費用

省エネ基準の建物にするためには、断熱性能の強化や高効率な住宅設備システムを導入するなど、一般的な住宅設備よりもある程度の費用は必要になります。どのくらいの費用の上乗せが見込まれるのか、建物の大きさ別の費用目安は次の通りです。

建物区分 追加的コスト 建築費の総額中のコスト割合 光熱費の低減額 回収期間
大規模住宅(30戸×70平方メートル=2,100平方メートルの共同住宅) 約20万円/戸(約3,200円/平方メートル) 約1.3% 約1.1万円/戸・年 約20年
中規模住宅(9戸×70平方メートル=630平方メートルの共同住宅) 約26万円/戸(約3,700円/平方メートル) 約1.5% 約1.6万円/戸・年 約17年

参考:国土交通省資料「住宅の省エネ性能の実態等に関する 追加分析」p,9

上記の表をみると、戸数が多くなるほど1戸あたりの費用コストの計算が有利になる傾向があります。回収期間も合わせて検討時の目安にしてください。

5.省エネ基準の住宅にするメリット・デメリット

最後に、省エネ基準で住宅を建てることは、どのようなメリット・デメリットがあるのかご紹介していきます。

5-1.メリット

おもなメリットは、下記の3つです。

省エネ基準の住宅は、光熱費の削減が期待できることはメリットのひとつです。断熱性能が強化され外気温の影響を少なくできることで、冬場は暖房の消費量を削減できることや、夏場は冷房で冷やした温度を維持しやすくなります。

また、建物の結露を防ぐことが可能なため、劣化につながる環境を避けることができます。結果的に建物の長寿命化が期待できるでしょう。

5-2.デメリット

おもなデメリットは、下記の2つです。

省エネ基準の住宅にするためには、性能強化のために一般的な住宅仕様よりもコストがかかります。高効率の住宅設備システムの導入などは高額にもなりますので、建築費の予算が限られている場合は難しい場合があります。

また、コストの一部に対しての補助金制度もありますが、対象となるには省エネ基準住宅を建てることができる一定の建築会社に限定されます。

将来的には、省エネ基準を満たした建築物が義務化になることも想定されているため、ある程度費用がかかっても省エネ基準住宅を検討したいところですが、メリット・デメリットを理解し、回収期間なども考慮して資金計画をしてください。

5-3.メリット・デメリット含めて省エネ基準の賃貸住宅にするかを検討する

省エネ基準の賃貸住宅にするかどうかは、メリットとデメリットをそれぞれ理解してから判断するとよいでしょう。
ただし、場合によっては、基準をすべて満たしていなくても、「エコ賃貸住宅」として周辺エリアの競合と差別化を図ることも可能です。

とはいえ、省エネ基準もしくはそれに近い機能・性能の賃貸住宅を建てられるハウスメーカーを自分で調べるのは手間がかかります。そのため、大手メーカーにまとめて建築プランの請求ができるHOME4U(ホームフォーユー) オーナーズのご利用がおすすめです。

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HOME4U オーナーズは、省エネ基準住宅やZEH住宅の建築実績を豊富に持つ大手のハウスメーカーと多数提携しており、最大7社から建築プランの提案を受けることができます。
土地の条件にマッチした建築プランはもちろん、収益性や資金計画についてもアドバイスをもらうことが可能です。また、補助金などの優遇措置も合わせて相談できます。

できるだけたくさんのハウスメーカーや建築会社に問い合わせることで、「改正省エネ基準で賃貸住宅を建てたい」「できるだけ省エネ基準を満たした賃貸住宅にしたい」といった要望をきちんと叶えてくれるハウスメーカーに出会うことができるでしょう。

6.まとめ

補助金制度や税金の優遇措置が利用できる省エネ基準の住宅について、追加費用の目安や回収期間、メリット・デメリットなどをご紹介してきました。省エネという言葉はよく耳にするものの、建物の詳細な基準値は一般的にはなかなか深く理解しきれない部分が多くあります。

そのため、省エネ基準住宅の専門的な情報はもちろん、建築費用の目安や資金計画、土地活用の仕方も含めて、親身に相談できる会社選びが大切になります。大切な資産である土地を有効活用できるよう、しっかりと検討していくことをおすすめします。

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