更新日
2025.02.19
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専門家コラム
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永谷直也 投資 経営ノウハウ

【2代目大家コラム】脱サラ筆者の事業拡大の極意。8棟97戸はどうやって成功したのか

今回のテーマは事業拡大です。具体的には物件購入、新築、建替えについてです。この事業拡大に苦心されている大家さんも多いのではないでしょうか。

私自身も、2012年に脱サラして賃貸業を継いでからずっと考えていました。

いくらで買うのが正解なのか、どんな物件を買うのが正解なのか分からないまま、事業拡大したい想いだけで、たくさんの物件資料を見て、実際に現地に行って、迷っている間に他の人に買われて……という事を繰り返していました。

今、当時のことを振り返ると、買う基準が無い(数字で経営していない)ので買えなかったし、買えていたとしても恐ろしい収支、状況になっていそうで怖いです。

そういった経験を経て、改めて私が考える事業拡大に必要な準備のポイント3つをお伝えします。

事業拡大3つの準備ポイント

1.数字で自身の経営現状を把握してから

2.買う、建てるなど目的を明確にしてから

3.いろんな視点で検証してから

1番ダメなのは、「物件増やしたいから(何でも良いので)買える物件を買う」です。

目的に合った物件を買わないと、後から後悔します。

相続対策が必要なのに同族法人で物件購入したり、キャッシュフロー改善が必要なのに土地建物の金額割合で土地の割合が随分と多い物件を購入していたり……。

購入してスグでは無く数年してから気づく、または相続が発生してから気づく、最悪の場合は気付かずに経営が苦しくて手放すことになる、など。

我々大家さんはこんな状況に陥りたくは無いはずです。

ですが、知らないことで損をしている大家さんが沢山いることも事実なのです。

どのようにして事業を拡大できたのか

さて、私が事業拡大を出来るようになったのは、数字で賃貸経営を始めて現状把握を完了させてからです。(ポイント①)

カーナビで例えると、GPSで現在地を把握してから、目指すゴールとの差分(課題)がようやく分かり、目的地までのルートを選択することが出来ます。

ここで言う差分(課題)とは、

  • 個人の視点では必要な相続対策の額
  • どの物件が相続対策に寄与しているのかまたはしていないのか
  • 同族法人の視点では事業計画に基づきどれくらい売上を上げる必要があるのか

などです。

私の場合は、相続対策をどのくらいの量が必要か? 年間でどれだけ課税対象額が増えるか(毎年の元金の返済額)を把握しました。つまり、同族法人の事業計画に基づいてどれだけの規模の物件が必要かを明確にしたのです。(ポイント②)

事業拡大の経験のすべて

私は、“相続対策”と”同族法人の売上増大”の2つの目的があり、結果として相続対策を優先させましたが、相続対策に同族法人を絡めることで事業拡大となっていきました。(ポイント③)

私が事業拡大において経験をしたのは、次の通りです。

  • 2015年 新築(土地活用) RC1棟9戸
    コンセプト、ターゲット明確化→差別化して、近隣より3割アップで成約&維持&値上げ中
  • 2019年 物件購入 新築(鉄骨造)の全空室(15戸)
  • 2019年 新築(土地購入) 木造 戸建て2棟2戸
  • 2021年 建替え(立ち退き、解体) 鉄骨造18戸 一括借り上げ契約
  • 2021年 物件購入 築2年RC 45戸、テナント1戸
    年間55万円満室賃料アップに成功
  • 2024年 新築(土地購入) 木造アパート 2棟7戸

結果的に現時点で8棟97戸を増やしています(建て替えがあるので純増は7棟93戸)。

これらの物件に関しての詳細は、ご要望を頂ければ別の機会にお伝えします。

独学、独断はリスクが高い

法人が単体で購入した物件は1棟しかありません。その他は、相続対策を主眼として同族法人を絡めて仕組みを作っています。

少しだけお話しすると、一般的に相続対策で物件を購入、新築(借入有り)すると、相続評価は減らすことが出来ますが、一方で物件の家賃収入が個人に入るので、個人の所得税は増加してしまいます。相続税の対策は、同時に個人の所得税の対策もしないといけないと言うことです。

相続対策を例に挙げるのであれば、一つの事象(相続税)だけでは無く、全体を見て(個人の課税所得など)対策の全体像を構築する必要があります。

このように色んな視点で検証して対策の全体像を構築することは、なかなか大家さん自身で全て網羅することが難しいです。私は各分野の専門家に頼って自分のチームを作るのが近道だと思います。自分で学んで一人でこういった事業拡大(相続対策を含む)をされた方で数年後に上手くいっていないことが判明した人もいらっしゃるので、独学、独断はリスクが高いと思って頂ければ幸いです。(ポイント③)

まとめ

今日の話をまとめると、

数字で賃貸経営の現状を把握して、(買う、建てる)目的を明確にして、各分野の専門家とチームを組んで、いろんな視点で検証をして全体像を構築する。

独学、独断はリスク高いので要注意です。

個人的には色々と経験してきたつもりでいますが、自分の経験には限りがあるので、大家さん同士が連帯して体験を共有するコミュニティーがあるといいな、と思っています。次回はこの話をさせて頂きます。

この記事の執筆者

この記事の執筆者

永谷直也

所属 株式会社永⾕エステート代表取締役
職業 宅建士・賃貸不動産経営管理士

二代目大家。10年間異業種で働いたのち家業に携わる。住人同士が仲良く安心して子育てできることを目指した、子育て応援マンションをはじめ、資産50億を目指し、10棟約170戸(賃収約1.2億円)を運営中。

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