これから土地を売却する人の中には、買取による売却を検討している方も多いと思います。
買取は早く売れるというメリットがある一方、価格が安くなるというデメリットも存在します。
また、一部に詐欺まがいのケースあるため、どのようなリスクがあるのか事前に知っておくことも失敗しないために重要です。
この記事は「土地買取」について解説します。
買取と仲介の相違点や買取価格の相場、土地買取の手数料、メリットとデメリット、交渉力を上げる方法、買取における注意点と対処法を紹介します。
ぜひ最後までご覧ください、
「売却を考えているけど、難しい話をたくさん読むのは苦手」「すぐに売却したい」という方は、この記事をざっくりと大枠で押さえた上で、まずは「HOME4U(ホームフォーユー)」を使って複数の不動産会社にまとめて売却査定を依頼してみることをおススメします。
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1.土地の買取と仲介の相違点
買取とは、転売を目的とした不動産会社への売却のことです。
それに対して、仲介とは、直接、個人等の一般消費者へ売る売却のことを指します。
買取と仲介の違いをまとめると、表の通りです。
比較項目 | 買取 | 仲介 |
---|---|---|
買主 | 不動産会社 | 一般消費者 |
売却期間 | 早い | 長い |
確実性 | 高い | 低い |
秘匿性 | 高い | 低い |
仲介手数料 | 発生しない | 発生する |
売主責任 | 負わなくて良い | 負うのが原則 |
価格 | 安い | 高い |
価格の透明性 | 低い | 高い |
買取と仲介の流れを示すと、下図のようになります。
買取も仲介も最初に行うのは査定です。
買取の査定は購入する不動産会社が購入額を提示することですので、価格に納得すればそのまま査定した不動産会社に売却して終了となります。
土地の買取の要する期間は2週間~1ヶ月程度です。
一方で、仲介の査定は不動産会社が売却予想価格を算出する査定となります。
不動産会社が査定した金額を元に土地を売り出し、買主を決めるまでに3ヶ月程度の時間を要します。
売買契約をした後も、さらに引渡までに1ヶ月程度空けることが一般的です。
そのため、土地の仲介に要する期間は全部で5~6ヶ月程度となります。
買取は、転売を目的とした不動産会社への売却となるため、不動産会社が転売益を確保して購入します。
よって、買取による売却価格は仲介による価格よりも安いです。
それに対して、仲介は一般消費者へ市場価格で直接売ることができますので、売却価格が高くなります。
よって、両者の違いは、買取は「売却価格は安いけれども早く売れる」のに対し、仲介は「売却価格は高いけれども売るのに時間がかかる」という点が大きく異なることになります。
物件を不動産会社に買ってもらう「買取」と、買い手を見つけてもらう「仲介」、2つの売却方法についてお伝えしました。依頼する会社によって、買取の金額や受けられるサービスが異なります。HOME4U(ホームフォーユー)では買取査定と仲介での売却査定を取り扱っており、希望に合わせてお選びいただけます。どちらにするか迷う場合も、まずは複数の不動産会社に査定依頼をして比較検討してみましょう。
2.土地買取価格の相場
土地買取価格の相場は、仲介による売却価格を100%とした場合、仲介の価格の80~90%程度となります。
立地条件が良く、すぐに売却できるような土地であれば90%程度です。
それに対して、立地や形状が悪く、なかなか売れないような土地だと80%程度となります。
ただし、土地上に古家が残っている場合や土壌汚染または地下埋設物がある場合にはさらに価格が下がります。
古家が残っている場合は、取り壊し費用に相当する額が買取価格から控除されます。また、土壌汚染や地下埋設物がある場合には、汚染土の除去費用や地下埋設物の撤去費用が買取価格から控除されます。
条件 | 買取価格の相場 |
---|---|
条件の良い土地 | 仲介価格の90% |
条件の悪い土地 | 仲介価格の80% |
古家がある土地 | 標準的な買取価格から取り壊し費用が控除される |
土壌汚染がある土地 | 標準的な買取価格から汚染土の除去費用が控除される |
地下埋設物がある土地 | 標準的な買取価格から地下埋設物の撤去費用が控除される |
3.土地買取の手数料
土地買取は仲介ではないため、手数料は不要です。
特に不動産会社へ支払う費用はなく、売主は手数料の負担なく売ることができます。
不動産会社は買い取った土地を転売することで利益を稼いでいるので、売主が不動産会社に手数料を支払う必要はないのです。
不動産会社にとって、買取は仲介よりも利益率の高い儲かるビジネスであるため、手数料をもらわなくても経営ができるようになっています。
4.土地買取のメリット
土地買取のメリットには以下の点が挙げられます。
- 早く確実に売れる
- 近所に知られずに売ることができる
- 仲介手数料がかからない
1つ目は、早く確実に売れるという点です。
土地の買取は、早い会社だと3日~1週間程度で売れるところもありますので、ほぼ即売できます。
また、仲介の場合、売買契約後から引渡までの間に買主が契約を解除してくることがあります。
買取では、不動産会社か契約を解除してくるようなことはほぼないため、確実性も買取の方が高いです。
2つ目は、近所に知られずに売ることができるという点です。
仲介ではチラシやインターネット広告を行いますので、土地が売られていることが知れ渡ることになります。
土地の上にも「売地」の看板を立てることが一般的ですので、必然的に近所に売却中であることが知れ渡ります。
近所に知られたくないという事情を抱えている人にとっては、買取はメリットといえます。
3つ目は、仲介手数料がかからないという点です。
不動産会社に支払う手数料はゼロ円ですので、大きな費用の負担をすることなく土地を売却することができます。
5.土地買取のデメリット
土地買取のデメリットを示すと以下のものが挙げられます。
- 価格が安い
- 価格交渉がしにくい
1つ目は、価格が安いという点です。
土地の買取価格の相場は仲介の80~90%程度であるため、高く売りたいのであれば仲介の方が適しています。
2つ目は、相手がプロであることから価格交渉がしにくいという点があります。
交渉力を上げる方法としては、「第6章 土地買取の交渉力を上げる方法」で詳しく解説します。
6.土地買取の交渉力を上げる方法
この章では土地買取の交渉力を上げる方法について解説します。
6-1.事前に相場を良く調べておく
土地買取の交渉力を上げるには、自分でも事前に相場を調べておくことが重要です。
土地買取の相場は、仲介の80~90%程度ですので、仲介の相場を知っておくことが鍵となります。
土地価格の相場は、国土交通省が運営している土地総合情報システムで調べることができます。
土地総合情報システムは、国土交通省が土地を売買した当事者に対し行ったアンケート結果に基づき、成約価格をベースにした相場情報が開示されている点が特徴です。
成約価格とは、実際に決まった取引価格のことを指します。
土地の売却では、売り出し価格と成約価格が異なるのが一般的です。
売り出し価格とはチラシやインターネットの広告等に記載されている販売価格のことを指します。
以下に、首都圏における土地の売り出し価格と成約価格の過去10年間の推移を示します。
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2019年)」
過去10年間を平均すると、成約価格は売り出し価格に対して93%です。
土地の成約価格は売り出し価格に対して1割ほど低いということになります。
チラシやインターネットの広告では、売り出し価格しかわからないため、実際の成約価格の水準を把握できません。
不動産会社と交渉するには、成約価格の相場をしっかりと把握し、仲介で実際に取引される価格水準を知っておくことがポイントです。
6-2.複数の不動産会社に査定を依頼する
土地買取の交渉力を上げるには、複数の不動産会社に査定を依頼することがコツです。
査定を1社にしか取らないケースでは、相手がプロであるため、価格を上げる交渉が難しくなります。
一方で、複数社から買取の査定額を受領しておけば、3,200万円と査定してきたA社に対して「B社は3,500万円で査定してきました」ということができます。
もしA社がどうしても買いたいという希望があれば、B社の価格よりも上乗せしてくるため、交渉によって価格を上げることもできるのです。
相手がプロである場合、比較対象となる他のプロの査定額も用意するのが交渉力を上げる基本となります。
複数の不動産会社に買取の査定を依頼することは、高く売るための最も有力な方法となりますので、見積もりはぜひ複数の会社に依頼するようにしましょう。
複数の不動産会社へ依頼する際は、HOME4U(ホームフォーユー)がお勧めです。
HOME4U(ホームフォーユー)では全国規模の大手企業から、実績豊富な地域密着型の企業まで、全国約1,500社と提携しています。まずは複数の不動産会社に査定依頼をして比較検討してみましょう。
7.土地買取における注意点と対処法
この章では土地買取詐欺に対する注意点と対処法について解説します。
7-1.着手金等を要求されるケース
土地買取では、着手金等を要求されるケースがあります。
「第3章 土地買取の手数料」でも紹介しましたが、土地買取では手数料は発生しません。
そのため、不動産会社は着手金や手数料は要求できないこととなっています。
不動産会社は宅地建物取引業法によって得られる報酬の内容や金額が厳しく定められています。
【不動産会社が受け取れる報酬と受け取れない報酬】
(受け取れる報酬)
- 仲介手数料
- 依頼者の依頼による広告料金
- 依頼者の特別の依頼による現地調査や出張等の費用
(受け取れない報酬)
- 依頼者の依頼によらない広告費用、文書費用等
- 指定流通機構への情報登録料、重要事項説明料等
- 売主があらかじめ受取額を定めた場合の実際の売却額との差額
- 相手方が好意で支払う謝金
不動産会社が受け取れる報酬は限定されており、着手金は受け取れない報酬に該当します。
着手金を要求してくる不動産会社は宅地建物取引業法に違反していることになりますので、対処法としては不動産会社を変えることが適切です。
7-2.入金されないケース
土地の買取では、買取金額が入金されないケースもあります。
これは、買取が不動産会社との1対1の取引であるがゆえに生じ得る詐欺です。
不動産の売買では、売主は売買代金と引き換えに「権利証または登記識別情報通知書」を買主へ渡します。
権利証または登記識別情報通知書は、所有権移転に必要な書類であり、売主しか持っていない最も大切な書類です。
権利証や登記識別情報通知書を買主へ渡すタイミングは、必ず「入金を確認した後」に渡すというのが絶対的なルールとなります。
通常の仲介による売却では、引渡時に売主は権利証または登記識別情報通知書を持参します。
権利証または登記識別情報通知書を持参しますが、その場ですぐに買主へ渡すことはありません。
引渡時は、買主が先に入金を行います。
銀行振り込みの場合、売主が銀行口座に入金が入ったことを確認してから権利証または登記識別情報通知書を引渡すのが通常です。
仲介ではどのように入金を確認するかというと、例えばご主人が引渡の現場に書類を持参しに行き、奥様が銀行で記帳して入金を確認するケースが多いです。
携帯電話で連絡を取り合いながら、着金を確認し、必ず買主からお金が入った後に書類を引渡します。
仲介の現場では、第三者の立場である不動産会社が手続きを進めてくれるため、入金前に書類を渡してしまうようなことは発生しないのが通常です。
しかしながら、不動産会社と1対1の取引である買取では、不動産会社に騙されて入金よりも先に権利証や登記識別情報通知書を渡してしまうこともあり得ます。
「後日、入金しますから」と言われても、権利証や登記識別情報通知書は絶対に先に渡してはいけません。
権利証や登記識別情報通知書を渡してしまえば、勝手に所有権を移転されてしまうため、お金をもらえないまま売却が終わってしまいます。
入金前に権利証や登記識別情報通知書を先に渡してしまうことは、「絶対にやってはいけない」ことですので、何を言われても入金前に渡さないようにしてください。
7-3.仲介したのに買取会社に売られるケース
仲介を依頼したのに買取会社に売られるケースもあります。
これは買取というよりは、仲介で気を付けるべき注意点です。
この手口は、最初から仲介の不動産会社と買取の不動産会社が結託している場合に生じます。
仲介の不動産会社は、売主から普通に仲介の仕事を受注します。
この際、不動産会社が締結する媒介契約は、専属専任媒介契約または専任媒介契約であることが一般的です。
媒介契約とは、不動産会社に依頼する仲介・あっせんの契約のことを指します。
専属専任媒介契約または専任媒介契約とは、1社にしか売却を依頼できない契約のことです。
仲介を依頼された不動産会社は、その後、特に買主を見つける努力をせず、そのまま物件を放置します。
物件を長期間放置し、その後、売主がしびれを切らした段階で、買取の不動産会社の話を打診します。
半ば諦めていた売主は、買取の不動産会社へ売却することを了承してしまうのです。
実は買取の不動産会社に売られることは最初から仕組まれていた話であり、売主は仲介で高く売ることを希望していたにもかかわらず、結局は長い時間をかけて安く売る羽目になります。
仲介でこのようなリスクに対処するには、信頼でき不動産会社に仲介を依頼するか、または一般媒介で売却を依頼するかのいずれかになります。
一般媒介とは複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる売却方法ですので、特定の1社に売却活動を放置されるような事態を防ぐことができます。
まとめ
いかがでしたか。
土地買取について解説してきました。
買取は「売却価格は安いけれども早く売れる」のに対し、仲介は「売却価格は高いけれども売るのに時間がかかる」という点が相違点です。
土地買取価格の相場は仲介の売却価格の80~90%程度となります。
土地買取には手数料は発生しません。
土地買取のメリットは「早く確実に売れる」という点で、デメリットは「売却価格が安くなる」という点になります。
買取価格の交渉力を上げるには、「事前に相場を良く調べておく」、「複数の不動産会社に査定を依頼する」といったことがポイントです。
土地を買取で売る場合には、リスクに気を付けながら手続きを進めるようにしてください。
HOME4U(ホームフォーユー)では買取査定と仲介での売却査定を取り扱っており、希望に合わせてお選びいただけます。どちらにするか迷う場合も、まずは複数の不動産会社に査定依頼をして比較検討してみましょう。
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