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親から引き継いだアパートの家賃設定がめちゃくちゃ…常識的な金額に戻せる?

  • 2025.03.05
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  • 先輩大家

ホリさん

こんにちは。

兵庫県の姫路市のはずれで木造2階建てとRC3階建ての2棟の大家をしています。

父が他界し、母と自分で大家業を引き継ぐことになりました。今は自主管理です。

今まで父が1人で経営していたのでわからなかったのですが、

どうやら店子に言われるがままに家賃を下げたりしてきたようで、相場の家賃と相当な開きが生まれています(最大7000円近くも)。

しかも、部屋ごとに家賃が違うようで(更新のたびに頼み込まれたら下げていた?)、1階のほうが2階より高い…と、もうぐちゃぐちゃです。

自分の代になったので仕切り直して、管理会社も入れて家賃設定もやり直したいです。

次の更新時に入居者さんに事情を話そうと思っていますが、入居者さんが首を縦に振らなかったら、家賃を戻すのは難しいでしょうか。

田舎なので、できるだけ穏便にしたいとは思っています。(毎日顔を合わせるため)

いい方法があれば教えてください。

ホリ/50代/兵庫県姫路市

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福井 優太

福井 優太さん

大家業を引き継いで行われることも大変ですが、長年の習慣や店子との関係で低い家賃を適正な金額に戻すのは大変ですよね。
毎日顔を合わせる状況では特にトラブルなく実現させたいことだと思います。

家賃の値上げにおいて、入居者さんとコミュニケーションをどれだけとれるかは重要なポイントだと思います。本格的に値上げ交渉を行う前に、お互いに困ったことがあれば相談しやすい雰囲気・関係性を作っておけると交渉がスムーズに進むと思います。交渉の際には入居者に対して状況を丁寧に説明し、現在の賃料は相場と大きくズレてしまっているため、今後は適正な相場に合わせていく必要がある(そうしないと自分たちもお金のかかることばかりで大変なんです。)と伝えておくとよいと思います。

値上げの金額について入居者さんに納得してもらうためには、地域の家賃相場をしっかり調べて、どれくらいの金額が適正かを示す根拠が必要になります。管理会社にも調査してもらいつつ、近隣の物件の家賃と比較し、どのくらいズレているのかを数値で示せるように資料を用意できるとよいと思います。

また、いきなり家賃を大幅に上げるのは入居者さんにとっては負担が大きく、反発を招くことがあります。長期間住んでくれていることに配慮をして、段階的に家賃を引き上げるのも一つの方法です。

現在自主管理で、今後は管理会社に管理を委託することをお考えとのことですが、家賃交渉の際のクッションとしても機能するので、入居者さんとの関係悪化が気になるという観点からも、管理会社に管理を依頼することは一つの方法だと思います。

以上、ホリさんのお悩み解決の一助になりましたら幸いです。

回答者

福井 優太さんプロフィール

前職で1棟での収益不動産の売買を経験。中古物件の買取再販(買取、修繕、保有、入居改善、販売)のほかに、新築賃貸マンション開発(土地仕入、プラン検証、賃料査定、入居付け、販売)などいろいろ経験したことをもとに、今はオーナーさん向けに賃貸経営の勉強会やコンサルティングを行っています。オーナーさんのお役に立てたら幸いです。
後藤 謙治

後藤 謙治さん

法律的には、既存契約に家賃改定条項がない限り、更新時の合意なしに一方的な家賃改定は認められません。そのため、入居者との十分な協議・交渉が不可欠です。

1.現行契約書の内容確認が最優先
まず、現在の賃貸契約書に「家賃改定」や「賃料改定条項」が盛り込まれているかどうかを確認することから始めます。

(1) 改定条項がある場合
契約書に基づき、更新時にあらかじめ定められた方法で家賃を見直すことが可能です。
この場合、条項に沿って交渉・通知を行えば、法的根拠があるため、比較的スムーズに改定が実現しやすくなります。

(2) 改定条項がない場合
既存契約中は家賃の一方的な変更は認められません。つまり、更新時に入居者の合意がなければ、現行条件のまま更新されるのが原則となります。

2.更新時の交渉方法と対応策
更新時に家賃を市場相場に合わせるためには、入居者との合意が必要となります。大まかなポイントは、以下のとおりです。

(1) 丁寧な説明と根拠の提示
賃料改定の必要性について、丁寧に説明します。なぜ家賃を改定する必要があるのか、地域の賃料相場や類似物件のデータを示しながら説明することになります。父の代のときに、個別の交渉で値下げした結果、相場と乖離してしまっていることや、管理体制の強化や将来の設備投資の必要性などを挙げて説明すると、納得感のある説明になります。

(2) 段階的な値上げ
一度に大幅な家賃アップを提示すると入居者の反発を招く可能性が高いため、複数回に分けた段階的な改定を検討する場合もあります。これにより、急激な負担増加を回避し、入居者側も調整しやすくなります。再改定時にトラブルとならないよう、値上げ交渉の経過や段階的な引き上げについて、文書を取り交わしておくことが望ましいです。

(3) メリットの提示
管理会社を導入することによる安心感、迅速なトラブル対応、共用部分の整備など、家賃アップに伴うメリットを具体的に説明することで、入居者の理解を得る可能性が高まります。

3.合意が得られない場合の対応
賃料改定条項に基づく改訂交渉や契約更新時に入居者が値上げに同意しない場合、現行契約条件が継続することになります。
将来的に市場家賃に戻す意向が強い場合、契約更新時における「更新拒絶」も選択肢となりますが、これはトラブルのリスクを伴うため、慎重に検討する必要があります。
その際は、事前に管理会社や専門家等に法的な助言や交渉の進め方について相談することがオススメです。

回答者

後藤 謙治さんプロフィール

数万件規模の物件を管理する賃貸管理会社を顧問先として複数有する事務所にて執務。退去・隣地・承継問題など大家さんに関わる様々な法律問題に対応した実績がある。
中小企業から上場企業まで、多数の企業事案を経験しており、クレーム対応にも豊富な実績がある。
相続や離婚・交通事故など一般民事にも幅広く対応可能。
弁護士向けの研修や市民向けセミナー、経営者向けの勉強会などの講師実績あり。
お問合せは下記より。
藤井 健太郎

藤井 健太郎さん

入居者や仲介店に言われるがままに賃料を下げて成約させた経験は過去に私にもあります。賃料を下げるのは簡単ですが、後から上げるには難しいのが現状です。

まずは、競合となるエリアの物件を調査し、ご自身の物件のどの部屋が市場賃料より低いのか、あるいは、高いのかを把握してみてください。レントロールやスタッキングを作成していな場合は一度作成してみるのも効果的です。

一般的に値上げのタイミングは、既存入居者に対しては次回更新時での交渉、または空室募集の際になります。値上げの際の募集家賃などは、市場調査を行い、今後依頼を考えている管理会社や仲介店などにも相談をしてみましょう。

ただし、先代の方が値下げをした理由や原因が実は隠れている可能性があります。設備の修繕をしていないまま、水漏れで内装にカビが発生しいるなどの原因も考えられます。可能であれば値下げした理由を入居者に確認してみるもの良いと思います。

回答者

藤井 健太郎さんプロフィール

200戸を自主管理と委託管理で運営し、自ら原状回復工事やリフォームも行う。新築~築古、単身~ファミリーと幅広く展開中。
夜逃げや孤独死、火事、訴訟、デッドクロス、資金ショートetc.多くの事を経験し賃貸業の難しさと怖さを知る。
数年前より物件分析、市場分析、月次、年次分析などを取り入れた賃貸経営にシフトし、キャッシュフローが改善し現在に至る。

※回答内容は、すべてのケースに該当するものではありません。
より詳細な回答を求められる場合は、個別で専門家に相談することをお勧めいたします。

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