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お悩みQ&A
繁忙期でも空室が埋まりません。管理会社の対応に我慢の限界です!
- 2025.03.05
- 管理会社
- 空室改善
- Q&A

たーざんさん
今年、繁忙期になっても空室が埋まりませんでした。管理会社からも建設的な意見がもらえず困っています。
私は、埼玉県熊谷市で6室のアパートを経営しています。築15年の木造です。
駅から徒歩10分以内で、室内のリフォームはきっちり行っているほうだと思います。古さは感じないと内見した方には言われています。
6室の1室(1階)が6か月以上空室です。管理会社には「繁忙期になれば大丈夫」と言われていましたが、結局埋まりませんでした。
客付けしてもらえるよう、何度も管理会社には通っています。アドバイスを聞いても「家賃を下げましょうか」の一点張りです。家賃は周辺の同じ築年数のアパートと比較して、高くもなく安くもなくなので、値段だけが問題とは思えません。
管理会社を変えるのも手ですが、変えてもダメだったらと思うと、まずはできることはないかと考えています。
こういう場合、皆さんどうしていらっしゃるのでしょうか。
たーざん/60代/神奈川県厚木市
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後藤 謙治さん
管理会社との契約内容に基づき、成果に関する具体的な基準や改善要求が可能であれば、改善を求めていきます。
まずは管理会社との対話を重ね、具体的なマーケティング戦略や改善策の提示を強く要求することが第一歩です。
それでも満足に至らない場合、契約終了も検討することになります。
1.まずは管理会社との契約内容を確認
(1) 業務内容・成果基準が明確化されているかを確認
管理会社との契約書に、入居者募集に関する具体的な業務内容や達成すべき目標数値・成果(例:繁忙期の入居率の目標)が明記されているかどうかを確認してみてください。
募集方法の追加・変更や募集内容の修正を具体的に定めるケースもあります。これらの具体的な義務(業務)が果たされていない場合、これを行うように改善要求をすることが考えられます。
他方で、具体的な記載がない場合、管理会社が果たすべき義務が契約上定まっていない可能性が高く、改善要求が難しい場合もあります。
(2) 改善要求や契約終了の検討
契約書に、業務の不備・不足(法律的には「債務不履行」といいます。)があった場合について、改善要求や契約解除に関する条項があれば、それを根拠に管理会社に対して改善要求を行うことが可能です。
記載がない場合であっても、管理会社がなすべき具体的な業務(義務)が定められている場合は、それを行うよう求めることは可能です。
2.入居率上昇に向けた施策―管理会社に求めること
(1) 物件の現状分析・再評価
長期間の空室がある場合、他の入居済の居室との比較検討結果や近隣物件と比較した客観的な市場調査データを収集し、問題点を洗い出します。あわせて、物件の魅力はどこにあるのか、手を加える方策がないか、などについて検討します。
(2) 広告・プロモーションの見直し
管理会社が「家賃を下げる」以外の具体的なマーケティング戦略を提示していない場合、大家さん自身や不動産コンサルタントなどの専門家に依頼して、広告手法や内容(写真や動画の充実、WEB 広告、SNS 活用など)の改善を検討することも有効です。
(3) 管理会社への要求方法
これらの事項は、管理会社に委託している場合、(契約内容次第ですが)募集業務の一環として行われるべき施策であり、どのような業務がなされているか説明を求めるとともに、不足がある場合はその部分を改善するよう求めることが考えられます。
これらについて改善を要求する場合、メールや文書など、伝えた内容が記録として残せる方法が望ましいです。電話や面談時の口頭でのやり取りは、行うべき業務の範囲が不明確になるため、できる限り避けることが望ましいです。
3.管理会社の変更検討
現在の管理会社が建設的な提案をしておらず、業務改善が見込めない場合は、別の管理会社への切替えも検討します。切替えにあたっては、既存の契約の解約条件や違約金、今後の業務引継ぎなどを十分に精査する必要があります。
とはいえ、管理会社との管理委託契約の内容としては、そこまで詳細な業務内容を記載していないことも多いです。まずは、入居者募集について、現在行っている募集方法はどんなものかを把握し、管理会社の方でどのような具体的なアクションを検討しているか、よく話合うところがスタートになると思います。
まずは管理会社との対話を重ね、具体的なマーケティング戦略や改善策の提示を強く要求することが第一歩です。
それでも満足に至らない場合、契約終了も検討することになります。
1.まずは管理会社との契約内容を確認
(1) 業務内容・成果基準が明確化されているかを確認
管理会社との契約書に、入居者募集に関する具体的な業務内容や達成すべき目標数値・成果(例:繁忙期の入居率の目標)が明記されているかどうかを確認してみてください。
募集方法の追加・変更や募集内容の修正を具体的に定めるケースもあります。これらの具体的な義務(業務)が果たされていない場合、これを行うように改善要求をすることが考えられます。
他方で、具体的な記載がない場合、管理会社が果たすべき義務が契約上定まっていない可能性が高く、改善要求が難しい場合もあります。
(2) 改善要求や契約終了の検討
契約書に、業務の不備・不足(法律的には「債務不履行」といいます。)があった場合について、改善要求や契約解除に関する条項があれば、それを根拠に管理会社に対して改善要求を行うことが可能です。
記載がない場合であっても、管理会社がなすべき具体的な業務(義務)が定められている場合は、それを行うよう求めることは可能です。
2.入居率上昇に向けた施策―管理会社に求めること
(1) 物件の現状分析・再評価
長期間の空室がある場合、他の入居済の居室との比較検討結果や近隣物件と比較した客観的な市場調査データを収集し、問題点を洗い出します。あわせて、物件の魅力はどこにあるのか、手を加える方策がないか、などについて検討します。
(2) 広告・プロモーションの見直し
管理会社が「家賃を下げる」以外の具体的なマーケティング戦略を提示していない場合、大家さん自身や不動産コンサルタントなどの専門家に依頼して、広告手法や内容(写真や動画の充実、WEB 広告、SNS 活用など)の改善を検討することも有効です。
(3) 管理会社への要求方法
これらの事項は、管理会社に委託している場合、(契約内容次第ですが)募集業務の一環として行われるべき施策であり、どのような業務がなされているか説明を求めるとともに、不足がある場合はその部分を改善するよう求めることが考えられます。
これらについて改善を要求する場合、メールや文書など、伝えた内容が記録として残せる方法が望ましいです。電話や面談時の口頭でのやり取りは、行うべき業務の範囲が不明確になるため、できる限り避けることが望ましいです。
3.管理会社の変更検討
現在の管理会社が建設的な提案をしておらず、業務改善が見込めない場合は、別の管理会社への切替えも検討します。切替えにあたっては、既存の契約の解約条件や違約金、今後の業務引継ぎなどを十分に精査する必要があります。
とはいえ、管理会社との管理委託契約の内容としては、そこまで詳細な業務内容を記載していないことも多いです。まずは、入居者募集について、現在行っている募集方法はどんなものかを把握し、管理会社の方でどのような具体的なアクションを検討しているか、よく話合うところがスタートになると思います。
回答者
後藤 謙治さんプロフィール
数万件規模の物件を管理する賃貸管理会社を顧問先として複数有する事務所にて執務。退去・隣地・承継問題など大家さんに関わる様々な法律問題に対応した実績がある。
中小企業から上場企業まで、多数の企業事案を経験しており、クレーム対応にも豊富な実績がある。
相続や離婚・交通事故など一般民事にも幅広く対応可能。
弁護士向けの研修や市民向けセミナー、経営者向けの勉強会などの講師実績あり。
お問合せは下記より。
中小企業から上場企業まで、多数の企業事案を経験しており、クレーム対応にも豊富な実績がある。
相続や離婚・交通事故など一般民事にも幅広く対応可能。
弁護士向けの研修や市民向けセミナー、経営者向けの勉強会などの講師実績あり。
お問合せは下記より。

福井 優太さん
お話しありがとうございます。繁忙期に空室が埋まらないのは、不安になりますし、オーナーであれば何より満室で経営したいですよね。たーざんさんの事例にどこまで役立つかはわかりませんが、私の周りでのオーナーさんの事例をお話ししたいと思います。
家賃の設定や、設備は近隣物件と比較して劣らないものとして、まず物件の募集情報はどちらのサイトに掲載されているかを確認してみるのはいかがでしょうか。入居者さんの目に留まることが少なければ反響も少なくなってしまいますので、SUUMO、アットホーム、HOME‘S、そのほかネット媒体にどれだけ掲載されているのかを調べ、情報が入居者さんに届いているのかを確認すると良いと思います。
次に「古さを感じない設備」の物件が近隣にいくつも存在している場合、たーざんさんの物件が特徴のない物件として見られているかもしれません。ありがちなご提案かもしれませんが、近隣の競合物件と比較して、家具家電付き、無料インターネット付き、宅配BOX付き、などで差別化を図れると内覧や成約につながるのではないでしょうか。
最後に、過去にどのような反響があったか(内見した方の反応など)を振り返り、その情報をもとにどこを改善すれば決め手になりえたのかを検討してみてください。
私の周りのオーナーさんたちは上記の改善施策を講じつつ、空室や家賃の改善を行っています。過去にあった事例で管理会社の定期清掃が行き届いておらず、共用部分が非常に汚れ、散らかっていたことが原因だったケースもありました。周辺環境の変化に起因する場合もありますので、今回お答えしたことですべて解決できるわけではないですが参考にしてください。
以上、たーざんさんのお悩み解決の一助になりましたら幸いです。
家賃の設定や、設備は近隣物件と比較して劣らないものとして、まず物件の募集情報はどちらのサイトに掲載されているかを確認してみるのはいかがでしょうか。入居者さんの目に留まることが少なければ反響も少なくなってしまいますので、SUUMO、アットホーム、HOME‘S、そのほかネット媒体にどれだけ掲載されているのかを調べ、情報が入居者さんに届いているのかを確認すると良いと思います。
次に「古さを感じない設備」の物件が近隣にいくつも存在している場合、たーざんさんの物件が特徴のない物件として見られているかもしれません。ありがちなご提案かもしれませんが、近隣の競合物件と比較して、家具家電付き、無料インターネット付き、宅配BOX付き、などで差別化を図れると内覧や成約につながるのではないでしょうか。
最後に、過去にどのような反響があったか(内見した方の反応など)を振り返り、その情報をもとにどこを改善すれば決め手になりえたのかを検討してみてください。
私の周りのオーナーさんたちは上記の改善施策を講じつつ、空室や家賃の改善を行っています。過去にあった事例で管理会社の定期清掃が行き届いておらず、共用部分が非常に汚れ、散らかっていたことが原因だったケースもありました。周辺環境の変化に起因する場合もありますので、今回お答えしたことですべて解決できるわけではないですが参考にしてください。
以上、たーざんさんのお悩み解決の一助になりましたら幸いです。
回答者
福井 優太さんプロフィール
前職で1棟での収益不動産の売買を経験。中古物件の買取再販(買取、修繕、保有、入居改善、販売)のほかに、新築賃貸マンション開発(土地仕入、プラン検証、賃料査定、入居付け、販売)などいろいろ経験したことをもとに、今はオーナーさん向けに賃貸経営の勉強会やコンサルティングを行っています。オーナーさんのお役に立てたら幸いです。
※回答内容は、すべてのケースに該当するものではありません。
より詳細な回答を求められる場合は、個別で専門家に相談することをお勧めいたします。
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