2階建て、メゾネットタイプ、高層階など賃貸併用住宅にはさまざまなパターンがあり、それぞれで注意すべきポイントは変わってきます。この記事では、その中で3階建ての賃貸併用住宅の間取りや建てるときの注意点について徹底解説します。
3階建ての賃貸併用住宅は、間取りによって収益性や快適性が大きく変わってきます。ぜひ参考にしていただき、後悔しない賃貸併用住宅を建ててください。
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3階建ての賃貸併用住宅の特徴と間取り実例
3階建ての賃貸併用住宅は、自宅と賃貸部分をどのように分けるかによって、収益性や快適性が大きく変わってきます。例えば、配置によって以下のようなパターンがあります。
- 1階を自宅に、2~3階を賃貸とする収益性重視のパターン
- 自宅を2~3階に配置する居住性重視のパターン
- 建物を縦に切り分けたメゾネットのプライベート重視パターン
それぞれの特徴については「3階建ての賃貸併用住宅の特徴」をご確認ください。
また、詳しい間取りの実例については「3階建て賃貸併用住宅の間取り実例」をご確認ください。
3階建ての賃貸併用住宅の間取りで注意すべきポイント
3階建ての賃貸併用住宅で注意・検討すべきポイントは以下のとおりです。
- 自宅部分を何階に設定するか
- 住宅ローンを使うかどうか
- プライバシーや騒音対策など入居者の過ごしやすさ
- 将来のライフスタイルの変化
- 資金計画・修繕計画は慎重に行う
それぞれのポイントについて、詳しくは「3階建ての賃貸併用住宅の間取りで注意すべきポイント」をご確認ください。
1.3階建ての賃貸併用住宅の特徴
詳しい間取りの前に、まずは3階建ての賃貸併用住宅にどのようなパターンがあり、それぞれの特徴はどうかを見ていきましょう。賃貸併用住宅は、自宅と賃貸部分をどのように分けるかによって、収益性や快適性が大きく変わります。
1のプランは、1階を自宅に、2~3階を賃貸として貸し出す収益性重視のパターンです。賃貸部分はワンルームにする、もしくはワンフロアをファミリー向けにするなどニーズにあわせてさまざまな間取りが考えられます。
2のプランは、自宅を2~3階に配置し、残りの部分を賃貸として貸し出すパターン。自宅部分のプライベート性が確保でき、日当たりもよいため、居住性が高くなるのがメリットです。
3のプランは、自宅と賃貸部分を分離させたメゾネットタイプです。1階から上階まで縦方向で空間を確保でき、上階の足音などが気にならない点がメリットです。
2.3階建て賃貸併用住宅の間取り実例
先にご紹介したパターンはあくまで一例ですが、自宅をどこに配置するか、賃貸スペースをどれくらい確保するか、間取りをどうするかによって、賃貸併用住宅にはさまざまな建築プランがあります。
この章では、3階建ての賃貸併用住宅の間取りの実例を詳しくご紹介します。
2-1.20坪の土地に建てる3階建て
20坪程度の狭小地でも、3階建てであれば賃貸併用住宅を建てて収益を得ることは可能です。以下は1階と2階で3戸の賃貸住戸を確保した間取りの例です。
- 木造3階建て
- 賃貸住戸3戸
- オーナー専有面積50%
狭小地でも土地の条件によっては、このように賃貸を3戸確保することができます。また、住宅スペースを2階と3階に持ってくることで、プライベート性も確保できるようになっています。
2-2.二世帯住宅+賃貸の3階建て
続いて、二世帯住宅と賃貸3戸を組み合わせた間取りです。1階は賃貸スペースで2戸、2階は子世帯の2LDKと賃貸スペース1戸、3階は親世帯という間取りになっています。
- 重量鉄骨造3階建て
- 賃貸住戸3戸
- オーナー専有面積66%
最初は3階を親世帯が使い、子世帯の家族が増えたら2階の子世帯と3階の親世帯を入れ替えたり、子世帯が使っていた部分をファミリー向けの賃貸にしたりとさまざまなライフスタイルの変化に対応が可能です。
2-3.賃貸スペースの多い間取り
以下の例は、50坪の土地に自宅と賃貸住戸を6戸作った3階建ての例です。賃貸部分はこの例では1LDKですが、エリアニーズによってワンルームアパート中心で収益性を重視することも、ファミリータイプを複数作ることも可能です。
- 重量鉄骨造3階建て
- 賃貸住戸6戸
- オーナー専有面積27%
住宅スペースは50%を切り、賃貸スペースが多く収益性の高い間取りとなっています。賃貸ニーズが高い場所に建てるなら、このように賃貸スペースを多くして収益性を上げるのも良い選択となるでしょう。
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3.3階建ての賃貸併用住宅の間取りで注意すべきポイント
この章では、賃貸併用住宅で失敗しないために、3階建ての賃貸併用住宅で注意すべきポイント・検討すべきポイントをご紹介します。
なお、賃貸併用住宅は自宅と賃貸両方の要素を併せ持つため、一般的に売却の難易度が他の建築物より高くなります。これは、自宅のみを買いたい人と賃貸物件のみ欲しい人は賃貸併用物件を取得の対象としないためです。
そのため、どのような間取りであれば失敗しないのかよく考え、基本的には所有しつづけて活用できるよう考えるのが基本です。
3-1.自宅部分を何階に設定するか
3階建ての賃貸併用住宅でよく考えておきたいのが、自宅部分をどこにするかという点です。基本的に3階建ての賃貸併用住宅の場合、2階は上下階に何かと配慮が必要となるため、1階か3階に自宅を設けるケースが多くなります。
例えば1階を自宅にした場合は、階段の上り下りがない、生活音が別の世帯に響くことを考えなくてよい点などがメリットです。その一方で、日当たりが悪い、上階の入居者の生活音が気になるなどの点がデメリットとして挙げられます。
3階が自宅なら日当たりがよく住みやすいものの、階段の上り下りの負担や、下階の入居者に足音が響かないように配慮が必要な点はデメリットといえるでしょう。
3-2.住宅ローンを使うかどうか
賃貸併用住宅の大きなメリットが、賃貸経営しながらも住宅ローンが利用できることです。
ただし、住宅ローンが組めるのは自宅部分の床面積が全体の50%以上である場合に限られます。また、住宅ローン控除の対象になるには、床面積が50平方メートル以上、かつ自宅が全体の50%以上でなければならないなどの条件があります。
例えば3階建ての場合、1階と2階を賃貸にし、3階のみを自宅とすると、自宅の床面積が50%未満となるため住宅ローンは利用できません。ただし賃貸部分が広くなるとその分収益性も上がりますので、どちらがご自身のライフスタイルに合っていて収支のバランスが良いのかを判断する必要があります。
3-3.プライバシーや騒音対策など入居者の過ごしやすさ
3階建ての賃貸併用住宅の間取りでは、当然ながらオーナーだけでなく入居者の過ごしやすさもよく考えておく必要があります。
賃貸併用住宅の間取りづくりで大切なのは、プライバシーや騒音対策です。例えば3階建てなら、自宅部分をワンフロアにすることで隣室に入居者がおらず、お互いに騒音やプライバシーの面でメリットがあります。
その他、プライバシーの問題が起きやすい条件としては、「玄関が近い」「共有部分が多い」などが挙げられます。プライバシーを重視するなら、玄関の位置を遠ざける、階段を共有しない、水回りの位置を遠ざけて生活動線が重ならないようにする、などプライバシー重視の間取りを考えましょう。
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3-4.将来のライフスタイルの変化
3階建ての賃貸併用住宅は、うまく設計すれば将来のライフスタイルの変化に柔軟に対応することができます。
例えば上の図のような賃貸併用住宅なら、最初は1階を自宅部分として使い、子供の結婚や出産、親の介護などで一緒に暮らす世帯が増えたときには賃貸部分の一部を自宅部分として使うこともできます。
反対に、子供が独り立ちをしたあとは、広く使っていた自宅部分をファミリー向けの賃貸とし、賃貸にしていた部分を自宅にすることで収益性を高めることも可能です。また、子供が世帯を持つのにあわせて広い部分を子供世帯に使ってもらうこともできるでしょう。
このように、将来のライフスタイルの変化も考えながら間取りづくりをしておくと、賃貸併用住宅のメリットをうまく使うことができます。
3-5.資金計画・修繕計画は慎重に
先にご紹介したように、家族の状況にあわせて二世帯にしたり、子供世帯が住んだりと変化しながら利用できるのは賃貸併用住宅の大きなメリットです。しかしその一方で、資金計画や修繕計画は慎重に考えておく必要があります。
例えば、賃貸部分に子供世帯が住むようになると、その部分の家賃収入がなくなるため収益性は落ちます。賃貸経営は「常に満室とは限らない」と考えておくのが鉄則ですが、二世帯利用も踏まえた賃貸併用住宅の場合はさらに慎重に考える必要があります。
4.満足できる賃貸併用住宅をつくるには
ご自身やご家族の状況にあった賃貸併用住宅を建てて経営を成功させるには、さまざまな観点で間取りを考える必要があります。
プライバシーや居住性に配慮しつつも収益力を高め、満足のいく賃貸併用住宅をつくるには、信頼できるパートナー企業を見つけることが近道です。そうすることで、間取りや住宅ローンの利用など、プロの観点からアドバイスを受けながら進めることができるでしょう。
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