このコロナ禍の時代に起こっている不安は2つ。
新型コロナによる経済的な不安、健康的な不安だ。
このように先の見えない中、これからの次世代家主、次世代地主にとって選択肢の一つとなるのが『賃貸付き住宅』だ。
今回は最近新たな土地の有効活用として、自宅とアパートメントの間にある『賃貸付き住宅』についてコラムを書いていこう。
『賃貸付き住宅』について
今宵はJAZZ・Kenny Dorhamの『A Night In Tunisia』1956年ライヴ版を聴きながら、コラムを書いている。
前回は『親名義の土地』をテーマに書いたが、その延長線上の選択肢の一つとして『賃貸付き住宅』が考えられる。
『親名義の土地』のコラムを読んでいない方は、こちらも読んでもらいたい。
※『親名義の土地』のリンクはこの記事の最後にあります
一つ、賃貸付き住宅の事例をお話しよう。
東京都の都下(23区外)にある街で資産の組み換えのお手伝いをした。
銭湯の資産の組み換えの相談だった。
いろいろと老夫婦から話を聞くと、仕事の休みは毎週水曜日と年末年始の3日だけ。
ここ何十年も夫婦、家族で旅行など行ったことがないと話し、そして早くから息子たちは、将来の事業継承(銭湯)はないと言う。
クライアントであるご主人が寂しそうに語ったのを今でも覚えている。
結果、銭湯からの業種転換をしてアパートメントオーナーになった。
12世帯の間取りのうち2世帯分の120㎡をオーナールームとして使用し、残りの10世帯を賃貸物件として、時間とお金の自由を手に入れた。
久々に夫婦で旅行に行き、悠々自適に豊かな老後を楽しんでいる。
それだけでなく、銭湯の時はあまり寄り付かなかった長男世帯が、将来を見据えて同居を決意してくれた。
この素敵な老夫婦は時間とお金の自由だけでなくかわいい孫まで手に入れたのだ。
当然、企画した僕は感謝されたし、コンセプト型のアパートメントは、クリエーター系の優良な入居者が何年も住んでくれている。
家賃は入居者の満足の対価だ。
入居者の笑顔、オーナーの笑顔、そして僕たち創る側の笑顔、この3つの笑顔が成功事例となって、今でも満室経営を続けている。
この事例はちょっと大き目の土地有効活用だが、今回はニコイチ(二世帯の戸建て貸家)をイメージしてみよう。
その部屋の一つに自分たち家族が住むという計画だ。
自宅面積が50%、賃貸部分の面積が50%だと、収支の仕組みがわかりやすい。
また、もろもろ条件をクリアすれば、住宅ローンが使え、初期投資も抑えられる。
賃貸付き住宅の3つのポイント
賃貸付き住宅で考えるべき3つの観点を語るとしよう。
- どんな人に向いているのか?
- どんな間取りが良いのか?
- どんな立地が良いのか?
1.どんな人に向いているのか?
1-1.住宅ローンの負担を少なくしたい
1-1-1.賃貸の収益で大部分の返済原資をつくる
賃貸部分から生まれる家賃収入は、銀行から借入した融資の返済原資となる。
1-1-2.条件が合えば住宅ローンが使える
金融機関によっては、住宅部分の面積と賃貸部分の面積が半分半分(50%ずつ)だと事業ローンより金利の低い住宅ローンが使える可能性がある。
1-2.老後の不安を解消したい
1-2-1.老後の備え2,000万円問題
僕たちの仲間、FPに出してもらった検証結果だが、同じ金額の住宅ローンで「注文住宅を建てた場合」と「収益性のある賃貸付き住宅を建てた場合」の、お金の流れをイメージする。
住宅ローンを4,000万円借り入れて「賃貸付き住宅」を建てた場合、ローン残債は同じように減っていくが、「収益性のある賃貸付き住宅」の家賃収入の分がそのままプラスになり、完済時には約3,000万円の差が生まれるというデータもある。
(家賃収入を返済原資に使わなかった場合)
1-3.子供たちに優良な資産として残したい
1-3-1.優良な資産は時代や家族の変化によってフレキシブルに組み替えられること
例えば、賃貸付き住宅の活用方法として、以下のような選択肢が考えられる。
- 二部屋とも賃貸で貸す
- 一部屋自分たちで住んで、一部屋は貸す
1-4.将来二世帯住宅として考えたい
1-4-1.今は別々に暮らしているが、いずれは子供世帯と同居したい
子供たちが独身の時期や、結婚しても別の場所に住んでいる時期は、賃貸収入をローン原資として払い、将来は二世帯住宅としての選択肢も残せる。
1-5.余った部屋の有効活用をしたい
1-5-1.減築でなく、有効活用を…
子供たちが独立をして、空いている部屋を2階まで上がって毎日掃除するのが大変だというお母さんの声を聞いたことがある。
そんな時、一時減築というリフォーム方法もあったが、今は豊かな老後のために銭湯の老夫婦のように『賃貸付き住宅』という選択肢の方が正しいと思う。
2.どんな間取りが良いのか?
2-1.差別性・家族の笑い声が聞こえる間取り
以下の参考資料のように主寝室と子供部屋が2部屋、キッチンダイニング・リビングは広め、そしてポニーウォールやロフト等、充実の収納スペースなどを配置する。
やはり、どこにでもあるような間取りにならないように、立体的なスキップフロアを導入するなど、差別化をしっかり図る。
*スキップフロアとは
部屋毎、区画毎にフロアの高さを変えた構造のこと。
空間を無駄なく使えるなどのメリットがある。
ワクワクするファサード(外観デザイン)、いつでも家族の笑い声が聞こえる素敵な住空間がそこには見えてくる。
出典:「la storiaパンフレット」より
「一度住んだら、もう引っ越す必要がない」などの入居者の声も聞こえてきた。
2-2.自分が住んでみたい間取り
万人受けする間取りなど建ててしまうと、すぐ空室問題に巻き込まれてしまい、二度とそこから出られなくなる。
これが賃貸経営の負のスパイラルだ。
そのためにはスキップフロアや収納の充実など、借り手目線で企画を考える必要がある。
そうすれば自分が住んでもよし、他の人に賃貸で住んでもらってもよしの住空間が生まれ、それを自分で所有できるステータスとつながるのだ。
3.どんな立地が良いのか?
今まで話してきたことを踏まえて、専門家も交えて、しっかり考えると、不利な立地でも魅力のある土地へと魔法をかける事が出来る。
例えば、以下のようなニーズやウォンツがある。
- いつも人でごちゃごちゃしている駅前はイヤ
- 交通量が多く、車が危ないので子育てが不安
- 景色の良いところや庭のあるところでリモートワークがしたい
等々
上記を叶える物件提供ができれば、駅から遠く、マーケット的に不利な土地でも有効に活用することができる。
賃貸付き住宅のメリット・デメリット
これ迄に解説してきた内容も含め、賃貸付き住宅のメリット・デメリットを表に纏めてみた。
是非、参考にしてもらいたい。
賃貸付き住宅の5つのメリット | 賃貸付き住宅の5つのデメリット |
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まとめ
土地・不動産の有効活用は、ライフプランとキャッシュフローを家族でしっかり話し合うことから始まる。
そして、相談した内容を具体的に実現するパートナーが必要だ。
信頼できるパートナー探しとして、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」を利用するのも、一つの手だ。
しっかり人生のレールを敷くための相談先を見つけ、脳みそに汗をかいてワクワクする「賃貸付き住宅」を一度考えてみることをお勧めする。
「yosoro!」
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