カフェや美容院、パン屋、開業医等、新しく店舗を開いて夢を叶えたい方も多いと思います。
店舗も自宅と併設にすれば、通勤もなくなりますし、自由な時間を増やすことができます。
自宅の一部を店舗にすることは自営業にしかできない醍醐味であり、是非とも実現したいと思っている方も多いのではないでしょうか。
国際的にみると、実は日本の起業後の企業生存率は断トツ高くなっています。
出典:中小企業庁「2017年版中小企業白書」
日本の会社は起業後5年目でも8割以上の会社が生存しており、実はほとんどの会社が概ね順調というのが真の姿です。
これから自宅兼店舗を建てて、理想の暮らしと仕事を実現させたいと思っている方は、さぞかし期待に胸を膨らませていらっしゃることでしょう。
ただし、失敗しない建物を建てるためには、きちんと注意点を意識して計画することが必要です。
そこでこの記事では、「自宅兼店舗」を建てようとしている方に向けて、メリット・デメリット、上手な建て方、注意点、住宅ローンに関する知識など、知っておくと有益な情報をていねいに解説していきます。
ぜひ最後までおつきあいいただき、「建てて良かった!」と心から思える自宅兼店舗の実現へ向け、お役立てください。
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「うちの土地に自宅兼店舗が建つ?」「いくらで建つか知りたい」という方はご活用ください。
1.「自宅兼店舗」ってどんな建物?
自宅兼店舗とは、一つの建物の中に自宅と店舗がある建物のことを指します。
自宅兼店舗は、主に1階に店舗が配置され、2階以上に自宅が配置されているパターンが多いです。
店舗部分を1階にするのは、店舗は1階の方が顧客を呼び込みやすいからというのが最大の理由となっています。
また、自宅兼店舗は「鉄骨造」または「鉄筋コンクリート造」で建てられることが多いです。
木造ではなく鉄骨造や鉄筋コンクリート造が採用される主な理由としては、「店舗を無柱空間にできること」と「建物を耐火構造にできること」の2つがあります。
自宅兼店舗では、店舗部分の設計が非常に大事になります。
店舗部分は、レイアウトをしやすくするために、柱の無い無柱空間とすることが望ましいです。
柱が多い空間は、カフェの座席や美容院のスタイリングチェアの配置、診療所の待合室等々、あらゆる店舗のレイアウトに支障が出てしまいます。
営業がしやすく、顧客も快適に利用できる店舗にするには、店舗部分は無柱空間にしておくことが必須です。
無柱空間とするには、梁(柱と柱の間にある横架材)を太くする必要があります。
梁を太くするには、重量鉄骨や鉄筋コンクリート造といった構造が適しています。
また、木造の場合、「高さが13mまたは軒の高さが9m超」となる建物は耐火構造としなければならないルールがあります。
自宅兼店舗では、3階建てとなり、かつ、1階の店舗部分の天井高を高くするケースも多いため、木造だと耐火構造を求められてしまうこともあります。
木造の耐火構造の建物は、コストが割高となってしまうことから、鉄骨造や鉄筋コンクリート造が採用される理由の一つとなっています。
2.自宅兼店舗のメリット
この章では自宅兼店舗のメリットについて解説します。
2-1.通勤の負担がなくなる
自宅兼店舗は、通勤の負担がなくなるという点が最大のメリットです。
生活拠点と働く場が同じであるため、自由に使える時間が大幅に増えます。
子供がいる家庭なら、子供の世話を見ながら仕事ができるという点もメリットです。
仕事中に子供を幼稚園に迎えに行ったり、歯医者に行ったりすることも自由にできます。
2-2.家族労働で人件費を圧縮しやすい
自宅兼店舗は家族労働が可能なので人件費を圧縮しやすい点もメリットです。
業種にもよりますが、夫婦2人で仕事をすれば、従業員を雇わなくてもかなりの仕事量がこなせます。
従業員は経営が安定してきた段階で雇えば良いので、起業時の不安定な時期は乗り越えやすいといえます。
また、自宅兼店舗なら深夜帯や早朝なども自分で仕事をすることができます。
アルバイト代が高くなるような時間帯でも、人件費を削減できる点が自宅兼店舗のメリットです。
3.自宅兼店舗のデメリット
この章では自宅兼店舗のデメリットについて解説します。
3-1.大きな借入金が発生する
自宅兼店舗を建ててしまうと、最初から大きな借入金が発生してしまうという点がデメリットです。
今まで店舗を経営していた方が建て替えるケースでは売上が読めますのであまり問題はありませんが、これから起業する方にとっては借入金の存在はデメリットとなります。
初めての起業の場合、売上が読めませんので、既に商売の経験がある方よりも借入金を返済できなくなるリスクが高いです。
そのため、これから起業をする方は、銀行に提出する収益計画とは別に、超保守的な収益計画を作って、それでも返済が続けられるセカンドシナリオを立てておく必要があります。
例えば、銀行に提出する収益計画の売上を100%とした場合、その50%くらいの売上でも返済していけるかをシミュレーションしておきます。
自分の安心材料にもなりますので、超保守的な秘密のセカンドシナリオは必ず立てておくようにしてください。
尚、一定の要件を満たす自宅兼店舗は、住宅ローンを使って建てることもできます。
住宅ローンは、企業が借りる設備投資のローンより「長期かつ低利」で借りられるため、返済の負担を軽くできる点がメリットです。
詳細は、「第6章 住宅ローンを使って自宅兼店舗を建てる方法」で紹介しますので、あわせてご参考ください。
3-2.自宅も店舗も狭くなる
自宅兼店舗は、一つの建物に2つの用途を盛り込むため、自宅も店舗も狭くなってしまうという点がデメリットです。
店舗を広くしたい方にとっては自宅部分が邪魔ですし、自宅を広くしたい方にとっては店舗部分が邪魔です。
本来なら自宅も店舗も別々に建てた方が、それぞれを広く利用できます。
双方の広さにある程度の犠牲が発生することは理解しておくことが必要です。
4.自宅兼店舗を建てる手順
自宅兼店舗を建てる手順は、基本的には注文住宅を建てる手順と相違ありません。
施工会社を決定し、設計の打合せをしながら、建物を建てていきます。
ただし、自宅兼店舗を建てる場合には、いきなり工務店等に頼むのではなく、複数のハウスメーカーに相談してプラン提案を受けることが成功のコツとなります。
理由としては、各施工会社は得意としている工法や構造が異なるため、施工会社を変えると他社では実現できない良いプランが見つかるからです。
例えば、自分が声をかけた施工会社がたまたま木造を得意とする会社だった場合、柱の多い店舗空間の設計が出てくることになります。
鉄骨造ならもっと良い店舗ができたかもしれないのに、それを知らないまま計画を進めてしまうと、後で大きな後悔が生じてしまいます。
とはいえ、どんなハウスメーカーに声を掛けたらいいのか見当がつかない方もたくさんいらっしゃると思います。
そんな方に便利なのが、「HOME4U オーナーズ」です。
「HOME4U オーナーズ」には、木造や軽量鉄骨造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の様々な構造を得意とするハウスメーカーがバランス良く登録されているため、一度利用するだけで幅広いバリエーションの自宅兼店舗のプランを手に入れることができます。
建築プランは、「Y社では解決できなかったものがZ社なら解決できる」ということもたくさんありますので、まずは必ず複数のハウスメーカーにプラン提案を依頼し、様々な構造のプランをじっくりと比較するようにしてください。
」を使って、様々なハウスメーカーの異なる構造の建築プランをしっかり比較検討することから始めてください。自宅兼店舗を建てるときの注意点としては、店舗の作り込みを最優先とすることが最も重要となります。
要件を満たせば、一部の銀行で自宅兼店舗の住宅ローンを借りることも可能です。
ぜひこの記事で得た情報を活かして、あなたの夢を実現させる自宅兼店舗の建築を目指してください!
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