活用しにくい敷地の一つに斜面のある土地があります。斜面のある土地でも地形を活かしながら建物を建てることは可能です。斜面のある土地で建物を建てる方法を解説します。

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公開日
2021年12月28日
変更日
2021/12/28
カテゴリ
記事, 賃貸住宅の新規建築

斜面でもできる土地活用は?建て方のアイデアや活用法を伝授!

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斜面でもできる土地活用は?建て方のアイデアや活用法を伝授!

平地の少ない日本では、昔から斜面を生かした土地活用の方法が豊富です。
ひと口に斜面といっても傾斜や広さは様々であり、斜面の土地活用はその土地の状況に応じて個別に設計の対応をしていく必要があります。

また、斜面の活用では、盛り土や切り土、がけ条例等の規制の影響を受けることも多いため、規制や具体例を知っておくと適切な活用方法を選べるようになります。

そこでこの記事では、「斜面の土地活用」を検討している方に向けて、

について紹介してみたいと思います。

ぜひ最後までおつきあいいただき、お持ちの土地の有効活用にお役立てください。

竹内英二

この記事を書いた専門家

(株)グロープロフィット 竹内 英二

不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。

1.斜面の活用で知っておきたい規制

早速、斜面の活用で知っておきたい規制について、以下の2点を解説します。

  1. 盛り土や切り土の規制
  2. がけ条例等の規制

それではひとつずつ見ていきましょう。

1-1.盛り土や切り土の規制

斜面の土地活用では、盛り土や切り土の規制を受ける可能性があります。
盛り土や切り土の規制には、主に以下の2つの法律があります。

  • 都市計画法
  • 宅地造成等規制法

1つ目は、都市計画法の開発行為です。
一定の要件以上の盛り土や切り土は、都市計画法により規制され、開発許可を受けなければ実施することができなくなっています。

開発許可とは、主として建築物等を建てる際、切り土や盛土、区画の変更等をする場合に行政から受けなければいけない許可のことです。

例えば東京23区の場合、500平米以上の敷地において、1mを超える高さの盛り土や切り土を行う場合、開発許可が必要となります。

都市計画法は、特に急斜地でなくても、広くて緩い勾配があるような土地でも影響してくる法律です。

2つ目は、宅地造成等規制法です。
宅地造成等規制法では、災害が生ずるおそれが大きい市街地や市街地になろうとする土地の区域を「宅地造成工事規制区域」と定めています。

宅地造成工事規制区域内で一定規模以上の盛り土や切り土を行う場合は、都道府県知事の許可が必要です。

具体的には高さが2m超の切り土や、1m超の盛り土等を行う場合は宅地造成等規制法の許可を要します。

宅地造成工事規制区域内は、市街地でも指定されている箇所は多いです。
千葉県のような平坦な地域は少ないですが、神奈川県のような斜面が多い地域は宅地造成工事規制区域がよく指定されています。

許可を要する盛り土や切り土を行う場合、擁壁や排水施設等で一定の技術的基準を満たすことが求められます。

そのため、宅地造成工事規制区域内で盛り土等を行うとコストアップ要因に繋がることが多いです。

1-2.がけ条例等の規制

斜面のある土地では、各自治体が定めるがけ条例等の規制を受ける可能性があります。
がけ条例の「がけ」の定義は自治体によって異なりますが、傾斜角度が30度を超えるようなものだと条例の規制がかかることが多いです。

がけ条例では、例えば崖の上の平坦な土地で建物を建てる場合でも、地盤改良や杭基礎の工事が求められることがあります。

また、敷地内に斜面がなくても、隣地に斜面がある場合には、近接するがけから一定の距離を離さないと建物が建てられないと定める規制も多いです。
がけからの距離が確保できない場合には、構造耐力上安全な擁壁を設置することが求められることもあります。

がけ条例の影響を受ける土地においては、杭基礎や地盤改良、擁壁工事等が求められることから、コストアップ要因となります。

2.斜面を生かした活用方法

では、斜面を生かして土地活用を行うには、どうするのが良いのでしょうか?
本章では、以下の2点を解説します。

  1. 傾斜地における建物の建て方
  2. 活用方法

それではひとつずつ見ていきましょう。

2-1.傾斜地における建物の建て方

この節では、戸建て賃貸やアパート等の「傾斜地における比較的小さな建物の建て方」について、5項目を解説します。

2-1-1.高基礎型建築物

高基礎型建築物とは、がけ下から平地部分まで高い基礎を作り、その上に建物を建てる方式です。

高基礎型建築物

高基礎は、基礎で建物をしっかり支えるため、構造的に安定しているというメリットがあります。
一方で、基礎の部分が通常の建物よりも大きくなるため、建築費が割高になるという点がデメリットです。

2-1-2.ピロティ型建築物

ピロティ型建築物は、がけ下にピロティを作って建物を支える建築方式です。
ピロティとは壁がなく柱だけで構成される空間を指す建築用語になります。

ピロティ型建築物

ピロティ型建築物は、がけの上に浮遊した雰囲気の建物を建てることができるため、外観のデザイン性が高くなる点がメリットです。
一方で、デメリットは耐震性が弱く、自治体によってはがけ上のピロティ建築を禁止している地域もあります。

2-1-3.オーバーハング型建築物

オーバーハング型建築物は、2階部分をオーバーハングさせて建てる建築方式です。
オーバーハングとは、下の階よりも上の階が張り出した建物形状のことを指します。

オーバーハング型建築物

オーバーハングのメリットは、2階部分を張り出して作るため、特に2階部分からの眺望が良くなる という点です。
一方で、デメリットはオーバーハング部分の強度を保つために重量鉄骨造等を採用しなければならす、コストが割高になる という点になります。

2-1-4.地下室設置型建築物

地下室設置型建築物は、切り土により平地を作り地下室を設ける建築方式です。
斜面の上が公道の場合に有効に建物と建てることができます。

地下室設置型建築物

地下室設置型建築物のメリットは、地下室を作ることで床面積を増やせる点です。
一方で、デメリットは地下躯体が一般的に鉄筋コンクリート造で作ることが多く、切り土費用も重なり、建築コストが割高になる点になります。

2-1-5.ガレージ付設型建築物

ガレージ付設型建築物は、斜面の部分をガレージ(駐車場)にする建築方式です。
斜面の下が公道の場合に斜面部分を有効に利用することができます。

ガレージ付設型建築物は、屋根付きのガレージができることで物件に付加価値を与える ことができるという点です。
一方で、デメリットはガレージの建築費用がコストアップ要因 になるという点になります。

2-2.活用方法

この節では、具体的な「活用方法」について解説します。

2-2-1.戸建て賃貸

有効敷地面積が狭い場合は、戸建て賃貸がおススメです。
平地部分が30坪以上あれば、戸建て賃貸を建てることができます。

戸建て賃貸は、需要がある割に供給量が少ないため、希少性が高い点が大きなメリット です。
それに対して、一棟貸しであるため、空室が発生すると賃料収入がゼロ円になってしまう点がデメリット となります。

2-2-2.アパート

有効敷地面積が50坪以上あれば、アパートを建てることができます。

アパートは、戸数数が複数戸あるため、1室だけ空室が発生しても賃料がゼロ円にならないため、収益が安定している点がメリット です。
それに対して、平地部分が相応に広くないとできない点がデメリット となります。

2-2-3.賃貸マンション

全体敷地が広く、高い容積率(延床面積の敷地面積に対する割合のこと)が指定されている土地であれば、賃貸マンションも考えられます。

傾斜地にそびえたつマンションは、眺望もよくデザイン性も高いものが多い点がメリット です。
南斜面なら全戸の日照条件も良くなります。

それに対して、斜めに走行するエレベーターを設置するケースがある等、建築費が割高になる点がデメリット です。

2-2-4.トランクルーム

有効敷地面積が狭い場合、トランクルーム経営も考えられます。
トランクルーム経営とは、コンテナハウスと呼ばれるコンテナに似た建物を建築し、荷物置場用のスペースを貸す事業のことです。

トランクルームのメリットは、狭い土地や駅から離れた土地でもできるという点です。
コンテナハウスの大きさは、1つあたり9坪弱程度となります。
建築費も戸建て賃貸やアパート等を建てるよりは安いです。
それに対して、デメリットは戸建て賃貸やアパート等よりも収益性が低い点になります。

3.斜面で行う土地活用のメリット

前章で具体的な活用法のメリットを紹介しましたが、本章ではもう少し掘り下げて以下の3点を解説します。

  1. 個性的な建物で差別化しやすい
  2. デッドスペースで付加価値を生みやすい
  3. 面積を増やせる場合がある

それではひとつずつ見ていきましょう。

3-1.個性的な建物で差別化しやすい

斜面で行う土地活用は、個性的な建物で差別化しやすいという点がメリットとなります。
高基礎やオーバーハング等のあまり見ないタイプの個性的な建物が多くなり、デザイン性が高い物件が多いです。

また、斜面を行かすことで作られる地下室やガレージや差別化ポイントとなります。
例えば、地下室は防音性を高めることで楽器演奏やカラオケが可能な部屋やシアタールームとすることもできます。
ガレージも車好きの人にとっては、価値ある施設です。

差別化されている物件は、周辺に一般的なアパートが供給過剰になっても賃料を維持しやすい という特徴があります。
斜面に建つ建物は、自然と差別化できていることが多いので、空室対策にもなるのです。

3-2.デッドスペースで付加価値を生みやすい

斜面で行う土地活用は、デッドスペースで付加価値を生みやすい点もメリットです。
斜面のある土地は、有効スペースが少ないため、敷地内に利用できないデッドスペースが多く発生します。

デッドスペースは、駐車場やバイク置場、物置スペース、家庭菜園等の入居者向けのスペースにすることもできます。

平坦な土地にアパート等を建てると、効率的に建物が配置されるため、物置スペースや家庭菜園等のスペースは生み出しにくいです。

斜面の土地活用は、良い意味での無駄なスペースが多く生まれるため、そのスペースも上手く利用すると物件の価値を上げることができます。

3-3.面積を増やせる場合がある

斜面の土地活用は、面積を増やせる場合があることもメリットです。
土地の利用制限の中には、「絶対高さ制限」や「日影規制」といった規制が定められている地域があります。

斜面がある土地では「半地下」を作ることで、絶対高さ制限の基準となる地盤面や日影規制の基準となる平均地盤面を有利に調整することもできます。

立体的な建築制限を斜面によって上手く回避できることもあり、規制内容や敷地の状況によっては平地で建てるよりも床面積を多くすることができるのです。
床面積を多くすれば賃貸面積も増やすことができますので、収入の向上に繋がります。

4.斜面で行う土地活用のデメリット

斜面で行う土地活用は、メリットだけではなく、デメリットもあります。
本章では、以下の3つのデメリットを解説します。

  1. 盛り土や切り土が発生する場合が多い
  2. 有効敷地面積が狭い
  3. 建築費が割高になる

それではひとつずつ見ていきましょう。

4-1.盛り土や切り土が発生する場合が多い

斜面の土地活用では、盛り土や切り土が発生する場合が多い点がデメリットです。

都市計画法や宅地造成等規制法等の規制に該当するような盛り土や切り土では、技術的な基準を満たすために余計な費用が発生します。
許可を得るために行政手続きが長くなり、全体スケジュールも長期化します。

また、盛り土を行う場合は、不同沈下に注意をする必要があります。
不同沈下とは、建物に不均一な沈下が生じる現象のことです。
不同沈下は盛り土と切り土がまたがる部分で生じやすいという特徴があります。

盛り土を行い不同沈下が起きた場合

不同沈下を避けるためには、「盛り土をしない」もしくは「信頼できる会社に盛り土を依頼する」といった対策が必要です。

~整地してから活用するならハウスメーカーがおススメ~

この記事をお読みの方の中には、「安全性を確保したいので、しっかり整地してから活用したい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
その場合には、ハウスメーカーに相談してしまうのが一番です。

なぜなら、ハウスメーカー(特に大手)は多くのアパートや賃貸マンションを建築しており、建築資材を大量発注しています。また、部材のほとんどを工場で組み立てる工業化工法も進んでいます。
アパートや戸建て賃貸などの建物が一つのパッケージ商品となっており、工務店等に比べるとコストパフォーマンスが高い点も有利です。

とはいえ、自分の土地にどのハウスメーカーが対応してくれるのか、一社ずつ問い合わせるのは面倒ですよね?
そんな時に便利なのが、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」です。

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傾斜地・狭小地・変形地など、様々な土地活用の実績が豊富な企業が勢ぞろいしていますので、ぜひ「HOME4U オーナーズ」を上手に活用して、一番収益性の高いハウスメーカーを選ぶようにしてください。

4-2.有効敷地面積が狭い

斜面のある土地は、平らな部分である有効敷地面積が狭いという点がデメリットです。
下りや上り傾斜の部分は利用しにくく、平らな部分を中心に建物を計画するため、設計上の制限がとても大きくなります。

有効活用できないスペースは、駐車場や物置スペース、家庭菜園等にすることによって付加価値を上げる企画を盛り込むことがポイントです。

4-3.建築費が割高になる

斜面の土地活用は、建築費が割高になる点がデメリットです。
高基礎やピロティ、オーバーハングを行う場合、通常の建物よりも建築費が高くなります。
地下室やガレージを作ることもコストアップの要因です。

また、排水管の本管が傾斜地の上にある場合、排水を敷地の上にポンプアップすることが必要となります。
排水管の本管が傾斜地の下にある場合は逆に有利ですが、傾斜地の上にある場合は大きなコストアップ要因となってしまいます。

このようなデメリットを踏まえながら、検討を進めるようにしてください。

まとめ

いかがでしたか。

斜面を活用する場合には、盛り土や切り土、がけ条例等の規制の影響を受ける可能性がありますので、一度自治体などに確認してみると良いかもしれません。

もし「整地してから活用したい」ということであれば、「HOME4U オーナーズ」で複数のハウスメーカーからプラン提案を受けて、各社のコストパフォーマンスを比較することから始めてみてください。

自分の土地の斜面の状況に応じて、可能な土地活用を探していただければと思います。

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