実家の土地を空き家にしないためには活用する必要がありますが、方法がわからずにお困りでしょうか。本記事では4大土地活用法と各メリット・デメリットをまとめています。

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更新日
2023.08.17
カテゴリ
賃貸経営, アパート経営, 記事, 賃貸住宅の新規建築

実家の土地活用方法4つと活用した場合のメリット・デメリット

実家の土地活用方法4つと活用した場合のメリット・デメリット

実家の土地を引き継ぐ予定があるものの、自分にはローン支払い中のマイホームがあり、兄弟姉妹の誰も実家に帰る予定がないケースがあります。将来、誰も使わなくなる予定の実家の土地は、どのように活用するべきなのか迷っていらっしゃる方は多いかと思います。

本記事では、代表的な実家の土地の活用方法に加え、親が元気なうちに、親子で土地活用方法を話し合っておくべき5つの理由についてまとめました。親が高齢になったら誰もが向き合う土地活用問題の解決策として、お役に立つと思います。

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1章 実家の土地活用方法4つと各メリット・デメリット

実家の土地活用方法に迷った場合、選択肢は4つあります。基本的には、土地を活かすか・手放すかの選択になり、売却以外は手元に残して活かすための活用方法です。

  1. 賃貸経営をする
  2. 売却をする
  3. 借地として管理する
  4. 身内の誰かが住む

1-1. 賃貸経営をする

実家の土地を手元に残す方法です。賃貸経営は、実家の土地・不動産から収益を発生させます。賃貸経営の経営主は土地の所有者になります。賃貸経営の代表的な土地活用法には以下の3タイプがあります。

タイプ1 アパート・マンション経営

土地にアパートやマンションなどの集合住宅を建築し、入居者から賃料を得ます。エリアや立地条件が良い土地の場合は、満室経営が期待できますので、かなり前向きに検討して良いでしょう。

タイプ2 駐車場経営

土地に駐車場を作って貸します。月ぎめ駐車場、コインパーク・バイク専用などの選択肢があります。車の乗り入れが良い道路沿いや、周辺で駐車場の需要がある場所であれば、検討してみましょう。

タイプ3 賃貸併用住宅経営

自分たちが住む実家としての機能を残しつつ、賃貸に出せる共同住宅の部分が併用になっているタイプの建物を建築し、賃貸部分から賃料を得る方法です。ゼロから賃貸併用住宅を建てることもできますが、実家をできるだけ元の姿のままで残したい場合は、リフォームという形でも対応ができます。

3タイプとも、ローン返済が終わった後は、家賃はそのまま収入になりますので、将来の資産形成にもなります。実家があるエリアや土地条件によっては募集が難しくなることもありますので、近隣の需要を良く調査し、入居対象者を絞った対策が必要です。

・賃貸経営のメリット
実家の土地を残し、次世代へと不動産を引き継ぐことができます。また、その土地から生まれた収益も新たな資産となります。住むだけの場所だった土地から、お金を生み出す土地となり、子世代から孫世代までにかけての資産増大が見込めます。

現時点では住む予定はないけれども、将来に実家へ戻る可能性がある場合には、現状のままの家を人に貸すという方法も賃貸経営に入ります。この場合は、最もお金をかけずに収入を得る方法になります。ただし、あらかじめ賃貸可能な期間を設定しておかないと、いざ自分が実家に戻りたいタイミングになっても、出て行ってもらえないこともありますので注意しましょう。

実家の土地を賃貸経営に使う案は、親が健在なうちに準備ができれば、相続税の節税対策として使えます。

・賃貸経営のデメリット
土地活用をするための大きな資金が必要になります。手元の預貯金を使いたくない場合は、実家の土地・不動産に担保価値があれば、相応額を金融機関で借りることもできます。現状のままで貸す場合でも、家にあるものなどを賃貸に出せるように片付ける費用などが発生します。

賃貸用のアパートやマンションを建築した場合、相続時にローンがあることは節税対策には役立ちますが、相続税の支払いが終わった後もローン返済は続きます。

賃貸経営の成功には、ある程度の経営手腕と立地条件も必要なので、土地があるからという理由だけで市場調査などを十分にしないで安易に始めてしまうと、入居者が決まらずに経営がうまくいかなくなることがあります。賃料収入が入らず、ローン返済が滞ってしまうと、土地家屋とも手放さなければならなくなる場合もあります。

また、賃貸で人に貸すということは、借りている人にさまざまな権利が発生しますので、将来、売りたくなったからといって簡単に退去させるなどはできません。今は売らないが、もしかしたら将来は売却する可能性があるならば、売却時のことも想定し、問題が起きにくい方法を不動産売買のプロフェッショナルに相談をしておいたほうが良いでしょう。

この3タイプの土地活用方法は、土地とエリアの条件が大きく関係しているため、条件に合致しない場所でこの方法をとると、最悪の場合は赤字続きになり、資産が大きく減ってしまう可能性もあります。

ご実家の土地が、賃貸経営に向いた場所であるかは、よほどの条件が良い場所でない限りは、素人ではわからない部分が多いでしょう。ましてや、長い間離れていた場所であれば、子供時代とはさまざまな事情も違ってしまっていることもあります。

ご実家の土地活用を検討し始めたら、まずは、土地活用のプロフェッショナルであるハウスメーカーに相談をすることから始めてみましょう。
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複数の会社からの提案を同時に受け取れるので、じっくりと比較していくうちに、ご実家の土地にとって最適な活用方法がわかってきます。「HOME4U オーナーズ」をご活用ください。

1-2. 売却をする

実家の土地を手放しても問題がないならば、売却するのも有効な手段です。子世代もすでにマイホームがあり、実家には家族や親族の誰も住まない、将来も戻る者がいないなど、そのままにしておけば将来は空き家になってしまう可能性がある場合は、売却も検討しましょう。

ただし、実家の土地の売却をする場合には「相続空き家の3,000万円控除」が適用されるかどうかを、先に確認してから動くようにします。 例えば、親が他界・ホーム入居などで実家が空いていることを利用して、家族や親族の誰かが、勝手に民泊や古民家風カフェなどを営業してしまうと、制度の条件から外れてしまいますので、実家を売却する可能性がある場合は、よく調べた上で慎重に行動するようにします。

上記した「相続空き家の3,000万円控除」の制度は、国が空き家の発生を防止するために作ったもので、適用には以下の条件をクリアしている必要があります。

土地・家屋の条件 被相続人・その他の条件 売却をする人の条件
・相続開始直前まで、被相続人の居住として使っていた家であること。
・1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること。※
・マンションには適用されない。
・相続開始後、賃貸や事業をしていない。
・相続開始直前まで、被相続人が一人暮らしであったこと。要介護認定を受けて老人ホームなどで暮らしていた場合も含まれます。
・親子や夫婦などの特別な関係のある人に売却していないこと
・2016年(平成28年)4月1日~2023(令和5年)12月31日までに売却をした不動産であること。
・相続や遺贈(死因贈与を含む)により取得した相続人であること。
・譲渡価格が1億円以下であること。

※現行の耐震基準に満たない場合は、耐震リフォーム、または更地で売却すること

【参照:国税庁 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例より抜粋】

上記の条件をクリアすると、実家の売却金額から3,000万円が控除されます。仮に、実家の土地の売却額が2,980万円だった場合、上記の要件をクリアしていれば、本来ならば売却額の2,980万円が課税対象であるところを、
売却額2,980万円-控除額3,000万円=マイナス20万円

となり、売却に関した課税対象の金額がなくなりますので、実家の処分に関わる税金を大幅に節税できます。

・実家を売却するメリット
空き家の3,000万円控除は、条件が当てはまれば、大きな節税効果があります。相続税が発生する場合にも、売却益から捻出ができますので、家族の負担が少なく済みます。また、複数の相続人がいたとしても、現金で配分ができるなど、相続の手続き全体がシンプルになります。

このようなメリットがあることを前提に、今後、実家を残すか・売却をするかなどは、親が元気なうちに、親子・兄弟姉妹の相続人になるメンバーで話し合っておく必要があるでしょう。

・実家を売却するデメリット
相続税の申告期限と納付期限は、相続があると知った日から10か月以内ですので、相続税の支払い額を、実家の売却で充当する予定の場合は、売却活動期間に余裕がなくなり、売り急ぐ形になることもあります。その場合は、予定よりも低い売却額になってしまう可能性があります。

また、相続人が複数いる場合は、実家の売却に反対する人物が一人でもいれば、遺産分割協議が滞ってしまうため、相続人各人が希望する時期までに売却ができない可能性が出てきます。

将来、実家の売却をする可能性があり、なおかつ、兄弟姉妹など複数の相続人がいる場合は、売却の意志を打診するなどして、相続の話し合いがスムーズにいくような配慮が必要です。

実家を相続する際に、住むか・売るかの判断には、相続人の立場によって、さまざまな視点があります。税制面で有利だからと売ることを強く押しても、心理的な意味で売りたくないと反対する人が出てくるのはとても自然なことです。売却を視野に入れた土地活用を検討している場合は、早い段階からの話し合いをしておくほうがスムーズに相続が進みます。

最終的にどのような結論が出るにせよ、実家を売却した際にいくらになるのかは、早い段階で関係者全員が知っておいてもよいでしょう。実家の土地の査定額と、売却を取り扱ってくれる不動産会社を知りたい場合は、「HOME4U オーナーズ」のご利用をおすすめします。

土地の所在地や広さなどのカンタンな項目を入力するだけで、不動産売却に実績と信頼のある不動産会社を最大6社までまとめて提案し、同時に申し込みができます。実家が今お住まいの場所から離れた場所であっても、そのエリアに強い会社からピックアップでき、現地調査もしてもらえます。

複数の会社から売却査定額、相続税の概算、売却以外の方法での土地活用プランの提案などが一度に比較できるため、実家の相続に関して最適な方法はどれなのかが理解できます。申込の際には、「売却とそれ以外の方法も検討している」ことを一言添えておけば、多様な角度からの提案を得られます。

1-3. 借地として管理する

実家の土地を貸して土地の賃料を得る活用方法です。 実家の土地から収益が入る点では1-1.賃貸経営とも似ていますが、単に土地を貸しているだけで、経営や運営は一切しない点が違います。

相続などで実家の土地を手にすることになっても、アパート経営などをするための大きな資金を用意してまで運営するのには抵抗がある、かといって、大切な親からの遺産を売却してしまうのにも抵抗がある場合に向いている方法です。

実家の土地の広さや周辺環境にもよりますが、土地の貸し出し方法には

一戸建て用地
住宅販売会社が住宅用地として賃貸し、土地の上に一戸建てを建築して借地権付き一戸建てとして販売をします。
アパート・マンションなどの集合住宅用地
住宅販売会社やデベロッパーなどが、アパートやマンション用地として賃貸し、土地の上にアパート・マンション・ビルなどを建築して、その部屋を賃貸経営します。
コンビニやスーパーなどの店舗用地
借りた土地の上に、フランチャイズ会社や企業などが、コンビニエンスストアやスーパーなどの商業店舗を作り営業をします。
駐車場用地
駐車場運営会社が、土地の上に駐車場を設営し、駐車場として賃貸をします。
資材置き場
企業や公共事業などが、建築資材などを保管する場所として、土地を賃貸します。
老人ホーム
老人ホームなどを運営する民間企業や福祉法人などが土地を借り上げ、その上に老人ホームを建築して運営します。

厚生労働省は、2020年度から介護付き有料老人ホームの新設支援に乗り出すことを発表しており、有料老人ホームなどの建設・建築に対し、定期借地権設定のための一時金サポートの予定があります。建設・運営ともにさまざまな補助金制度があるため、普通ならば借り手がつきにくい土地であっても、高齢者用の施設に貸すのであれば、有効活用が期待できます。
【参照:令和元年度 全国厚生労働関係部局長会議資料一覧ページ
【参照:令和2年 全国厚生労働関係部局長会議資料

太陽光発電
企業が土地を借り上げて太陽光発電システムを設置し、発生した電力を自社や工場で利用するほか、余剰電力を売電します。田舎に広い敷地があり、日照時間が長い場合には適した活用法です。
太陽光発電で土地活用!他の活用法との比較とメリット・デメリット

など、さまざまなものがあります。上記以外にも、その土地やエリアに合致した貸し出し方法があるはずです。賃料と期間の設定方法は、契約交渉によって決めていきます。

・借地管理するメリット
実家の土地に自分では何も手を加えずに、そのまま貸し出すだけで「地代」という土地の賃料を得られる 点が最大のメリットです。実家の土地は何もせずにただ所有していると、固定資産税の住宅用地の特例の対象から外れてしまい、固定資産税は6倍・都市計画税は3倍も課税されるようになりますので、持っているだけでマイナス収支になってしまいます。

しかし、土地を貸して活用していれば、場合によっては住宅用地の特例が適用され、さらに地代が発生して収益になります。

また、実家の土地を活用せずに放置しておくと、土地が荒れて雑草だらけになってしまいます。ゴミの不法投棄などが発生すると近隣への迷惑になることがあるため、定期的に掃除などをしに来るなどの手間がかかりますが、土地を貸してしまえば、そのようなメンテナンスも不要になります。

・借地管理するデメリット
借地には、その土地に「建物を建てない契約」と、「建物を建てる契約」とがあります。

前者の場合は、固定資産税が空き地の時と同じなので、高額な固定資産税などが発生する上に、使用用途が限られるので借り手がつきにくいことがあります。その代わり、土地の利用方法をカンタンに変更できるため、自分が実家の土地を使いたくなった時には、好きなタイミングで使うことができます。

後者の「建物を建てる契約」の場合は、固定資産税も低くなり、借り手も探しやすくなりますが、その代わりに借地権の問題が浮上します。この借地権という権利は、そこに住む権利や営業をし続ける権利など、借りている方を守るための権利です。

例えば、貸した土地に借主が建物などを建て、それを不動産登記してしまうと、借主に借地権という権利が発生します。すると将来、土地の所有者が、自分が使うために土地の明け渡しを要求しても、借地権を主張されてしまうと、退去をしてもらえないことがあります。

借地権は、普通の借地で期間の定めがあっても30年という長期間ですので、一旦土地を貸してしまうと、長い間契約解除ができないことになります。土地活用としての借地を検討する場合は、子世代から孫世代までの相続までも想定した、長期的な視点も必要です。
【参照:借地借家法
【参照:国土交通省 定期借地権の法的整理

1-4. 身内の誰かが住む

実家の土地や家には子供時代や両親と過ごした思い出がたくさん詰まっていますので、どうしてもすぐには手放す気持ちになれないこともあります。その場合は、家族または親族の誰かが実家の土地を相続すれば、そのまま実家を残すこともできます。

このような場合、実家に住むみたい人物の強い希望を優先することもできますが、税制上は、相続税の「小規模住宅の減額特例」が使える範囲から人選するほうが、最高で80%もの減額割合が適用されて、大きく節税できます。

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・身内の誰かが住むメリット
思い出が詰まった実家がそのまま残りますので、心理的な面で大きく得られるものがあります。同時に、実家の土地という不動産を保有したままにできます。

実家以外にも資産があり、相続人の誰にも不満が残らない形で相続ができるのであれば、身内の誰かが住んで実家を保存すること自体は、とても温かみのある選択だといえます。

・身内の誰かが住むデメリット
遺産分割内容のバランスに配慮する必要があります。

一般的な相続では、実家の土地の相続税評価額と、預貯金が相続財産のすべてであることが多いので、そのままでは、実家に住む人が多くの資産を相続し、残された相続人との間に不公平が生じることになります。遺産の振り分けに関しては、相続人同士の話し合いをして、全員が納得した上で遺産分割ができるように互いに歩み寄る必要があります。

実家の土地の問題には、必ず相続税の問題がついてきます。前述した「小規模宅地等の減額特例」を利用すれば、自宅用の土地ならば330平米、お店やアパートなどの事業用の土地であれば400平米までは、土地評価額を80%まで減額できますので、この特例が適用される範囲内での人選をしないと、実家に住む選択をした人物が相続税の支払いができず、差し押さえなどになる可能性が出てきます。

また、実家は築年が古いため、引き継いだ場合には、近い将来に水回り・屋根・外壁などにリフォームなどの手を加える必要があり、大きな費用が発生することもあらかじめ想定しておいたほうが良いでしょう。また、旧耐震基準で建てられている家の場合は、住むにあたって安全を確保するために、耐震対策を施すなどの費用も別途必要になります。

このように、実家の土地に誰かが住む場合は、相続人たちの実家への思いだけでなく、税金や費用などの現実面も含めて総合的に考え、相続人全員にメリットになるようによく話し合う必要があります。

実家の土地活用方法の検討は、相続の問題でもあることから、親が元気なうちに、親子・兄弟姉妹で話し合いができているのが理想的です。どんな場合でも、家族間での意見交換は大切ですが、信頼できる土地活用のプロフェッショナルの意見も参考にしてみるべきでしょう。

実家の土地には、どのタイプの活用方法が向いているのか、自分たちの出した相続の結論が妥当なのかどうかを、土地活用の実績のある不動産会社に現地調査をしてもらい、土地活用プランのシミュレーションをしてもらいましょう。提案されたプランには、建築費用・収益性・税金などが数字でわかりますので、より現実的な話し合いができるようになります。

このような適切なアドバイスができる不動産のプロがすぐに見つかるのが「HOME4U オーナーズ」です。実家の土地の所在地や広さなどのカンタンな項目を入力するだけで、信頼と実績のある専門会社から初期費用や収支計画などの土地活用プランの提案を受けられます。

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2章 実家の土地活用対策は親子でしておくべき5大理由

本章では、実家の土地活用について、できれば親が元気なうちに話し合っておくべき理由をまとめてあります。実家の土地をどうするかという話は、相続をどうするかという話とイコールになります。

親子で協力して土地活用を早めにスタートすれば、将来起きるさまざまな問題を未然に防ぐことができ、家族の大切な財産を守っていくことにつながります。

  1. 売却時に節税できる
  2. 相続税対策になる
  3. 家の劣化・空き家化の対策になる
  4. ご近所トラブルを回避できる
  5. 親の老後資金対策にもなる

2-1. 売却時に節税できる

少子高齢化で子供が少なくなったため、昔のように、兄弟姉妹の誰かが実家を次いで住み続けていくということが少なくなりました。また、相続や遺贈で実家の土地を引き継いだとしても、子世代はすでに別の土地でマイホームを持って暮らしていて、将来、兄弟姉妹の誰も帰って住む予定がないこともあります。また、実家の土地を売る・貸すのどちらにしても

などが理由で、希望者が現れず、事実上の放置状態になっていることもあります。

何とかしようと引き継いだ家を取り壊して更地にすれば固定資産税が高くなりますし、売れば莫大な所得税がかかります。このようなにっちもさっちもいかない事情から、当面使う予定のない実家を放置しているケースは多くみられます。

このような背景で空き家が増え続けることを解消するため、「相続空き家の3,000万円控除」という特例が制定され、2016年(平成28年)4月1日~2023年(令和5年)12月31日までの間に実家の土地を売って、一定の要件に当てはまると、相続(または遺贈)した空き家の売却額から、最大3,000万円まで控除できるようになりました。

仮に、実家の土地が3,000万円で売れた場合、控除額3,000万円を差し引けば、譲渡所得の課税対象額が差し引き0円になり、課税対象額がなくなります。この特例は、2019年(平成31年)の税制改正により、1人暮らしの親が老人ホームなどで暮らすことになり、実家には誰も住む人がいなくなるタイプの空き家にも適用されます。

本特例は、次項の相続税対策で紹介する小規模宅地等の特例とも併用できますので、親子で実家の土地をどうするかの対策を一緒に考えるのは大きな節税になります。

2-2. 相続税対策になる

実家の土地の活用方法を、親が元気なうちから親子・兄弟姉妹で話し合っておくと、合法的かつ計画的に相続税の節税対策ができ、家の資産を守ることができます。

例えば、相続が発生する前に実家の土地に賃貸住宅などを建てて賃貸に出しておくと、以下の2つの特例が両方使えることがあるため、相続税の課税対象額を大幅に下げることができます。

2-2-1.貸家建付地の評価の適用

貸家建付地とは、他人に貸すための家屋や建物がある土地のことです。例えば、実家の土地にアパートやマンションなどの賃貸住宅、テナントやビルなどを建築し、そこを他人に貸した場合は、その土地が「貸家建付地」になり、相続の際に減額の対象になります。

他人に貸している土地というのは、建物で居住・営業などをしている賃借人の借地権が生じているため、所有者の自由に取り壊す・売却するなどができなくなります。

このような不自由さを考慮し、相続税評価をする場合には、評価額を減額できるという規定があります。減額割合は以下の計算式で算出されますが、「C借地権割合」は、地域によって異なりますので、国税庁ホームページにある路線価図や評価倍率表で確認をしてください。

貸家建付地の価額 = A自用地としての価額 - B自用地としての価額 × C借地権割合 × D借家権割合 × E賃貸割合

2-2-2.小規模宅地の特例の適用

小規模宅地の特例を簡単に説明すると、被相続人(親)と一緒に住んでいた土地を相続したなら 、その土地の敷地に対する評価額が以下のように下がります、という特例です。

自宅として使っていた土地の場合
330平米までは80%減額されます。
人に貸している土地の場合
相続の時点で、すでに実家の土地にアパートやマンションなどが建っていて、人に貸している場合 は、前述の「貸家建付地」になりますので、不動産評価は200平米の部分までが50%減額できます。

ただし、この特例は、相続開始前3年以内に貸付事業を開始した不動産については対象外 となりますので、本特例を相続税対策に盛り込みたい場合は、3年以上前からアパート経営などをしている必要があります。

このような節税方法は、実家の土地が持つ条件や、活用方法によっても変わってきますので、土地活用の際には、親子で話し合をし、同時に、土地活用のプロフェッショナルによる数字を根拠にした複数のプランを比較することをおすすめします。

2-3.家の劣化・空き家化の対策になる

どのような形であっても、実家の土地を活用すると、家の劣化による空き家化に歯止めがかかります。「家は人が住まなくなると荒れる」という言い回しがありますが、実際、住む人がいなくなってしまった家屋は、管理が行き届かなくなるため、室内外ともに急速に劣化していきます。

人は住んでいる間、無意識のうちに細かなメンテナンスをしています。例えば、窓の開け閉めによる換気・普段の掃除・草むしり・破損個所の修繕など、自分がその家に住むのに快適でいられるように自然に手を加えていますので、家の内外は現状維持をしています。

しかし、住む人がいなくなると家に手を加える人がいなくなりますので、家は起きたままの状態で放置されていきます。草は生え放題になり、窓ガラスが割れても、壁や塀が崩れても、台風で屋根の一部がはがれても、そのままで放置されます。

このような状態が何年も続くと、家は内外ともに激しく傷み、同時に、周辺の防犯環境が悪くなり、その結果、不動産としての資産価値が大きく下がることになります。家屋がこのような状態になってから賃貸に出すのには、かなりの修繕コストがかかります。

また、2015年には空き家対策特別措置法が制定され、倒壊の恐れがある空き家や、周辺環境に悪影響を与える可能性がある空き家は「特定空き家」に認定され、所有者に対して法的効力のある改善要求・指導勧告措置をすることができるようになりました。

法令に従って空き家を適切な状態に改善しない場合には、改善されるまでの期間、固定資産税の住宅用の税金優遇から除外され、最大6倍もの税負担が課されることになります。 この場合の適切な状態とは

になります。このように、実家の土地を活用せずに放置すると、所有者は大きな費用負担が発生する可能性がありますので、事前に回避しておくのが得策といえます。
【参照:空き家対策特別処置法

2-4.ご近所トラブルを回避できる

誰も住まなくなった実家の土地を放置しておくと、ゴミの不法投棄などをされることがあります。生ごみの場合は悪臭を放ち、カラスやネズミなどが集まる衛生被害が発生します。同時に、空き家は野良猫の住み家になる、放火などの犯罪の温床となる可能性などがあり、まさに近所迷惑となります。

近隣の方は親世代のことも知っていますので、最初のうちは事情も察して我慢をしてくれますが、限度を超えれば行政へ通報され、所有者に法的強制力のある行政指導が入ることになります。

家屋は劣化が進めばシロアリなどで腐食が進み、台風や地震などで簡単に倒壊する危険性もあります。建物同士が近い住宅地であれば、近隣住民が被害にあう可能性が高くなります。ご近所トラブルの要因となるだけではなく、場合によっては損害賠償請求が起きる可能性もあります。

このようなトラブルを防ぐために、定期的に所有者が見回りに来る、または空き家管理サービスを利用するにしても、交通費や管理費が発生します。また、電気ガス水道などのインフラを停止しなければ、基本料金はかかり続けますので、誰も住まない・利用しない家のためにかかるコストが発生してしまいます。

親子でこれから先、実家の土地をどうしていくかを話し合うことで、これらのトラブルや不要な出費は回避することができます。

2-5.親の老後資金対策にもなる

親に預貯金や年金額が潤沢にあれば何の問題もありませんが、多くの方は、老後資金に不安を抱えています。

実家の土地を売却・賃貸で得た金額は、親の老後資金の一部とすることもできます。ある程度の資金の予算が付くことがわかれば、老後の生活に関して

など、さまざまな選択肢が出てくる可能性があります。

親が元気なうちから親が亡くなった時のことを想定して話しをするのは、なんとなく話しづらいものですが、元気なうちだからこそ話せる内容です。何も対策をせずにいて、親が認知症になった・病気で重篤になった場合には、きちんと話すことすらできなくなります。

いつかは考えなければならないことであり、親子にとっては共通に大切なことですので、期間の余裕を持って、親が元気なうちにじっくりと話し合う機会を持つことをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。実家の土地活用に関して、以下のようにまとめました。

1章 実家の土地活用方法4つと各メリット・デメリット
2章 実家の土地活用対策は親子でしておくべき5大理由

最終的な判断は、実家の土地の資産価値や、親の意向なども含めて総合的に判断していくことになります。どのような結論に達するとしても、実家の土地を売却したらいくらになるか、活用をしたらどのような収益計画になるかなどは、その道のプロフェッショナルにも確認したほうが、より多くのアイデアから選択できるようになります。そのような会社をお探しの場合は、

実家の土地の売却額がいくらになるのかを知りたい場合は、「HOME4U オーナーズ
土地活用の方法を知りたい場合は、「HOME4U オーナーズ

をご利用ください。どちらの場合も、実家の土地の所在地や広さなどのカンタンな項目を入力するだけで、一回の申し込みで、複数の信頼と実績のある専門会社から提案が受けられます。ご自分たち親子と、実家の土地の特性にあった活用の仕方がわかり、より適切な実家の土地活用方法がわかります。

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