解体費用は人による作業があるためコストが下がりません。本記事では、地域や建物の大きさ別の解体費用相場を参考に、さらに費用が上乗せされる6要因をまとめてあります。

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更新日
2023.08.17
カテゴリ
記事, 賃貸住宅の建て替え

解体費用相場と費用内訳・工事費用を軽減するための3つの方法

解体費用相場と費用内訳・工事費用を軽減するための3つの方法

ご所有の不動産を解体する場合、一般的には、解体専門の会社に依頼をすることになります。現地に下見に来てもらい、見積もりを比較することから始まりますが、解体費用の相場をつかんでいないと、見積もりが妥当なのかが判断できません。そこで今回は、解体費用の相場に関して以下のようにまとめました。

  1. 解体費用相場
  2. おもな解体費用の内訳
  3. 解体費用が高くなる6要因と対策
  4. 解体工事費を軽減する3つの方法

最後までお読みになれば、解体費用の相場感と見積書の内容が把握でき、見積もり比較が上手にできるようになります。さらに、費用がかさんでしまう原因になることへの対策や、補助金や助成金の活用方法などについても理解が進みます。

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STEP1
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1.解体費用相場

解体費用は、解体をする物件の状況や状態によってするべきことが変わりますので、決まった業界相場というものがあるわけではありません。しかし、全国平均で見ると、一般的な建物を解体する場合には、以下の表のような坪単価で取引が決まっています。坪単価とは、建物を解体するためにかかる人件費と、廃棄物の処理費用を合わせた1坪当たりの値段です。

解体費用の相場を把握するための計算式は、構造別の坪単価に坪数をかけるだけです。1坪(約3.3平米)ですので、例えば、100平米の建物であれば 100平米÷3.3=30.3坪が解体する坪数になります。

【例:100平米=3.3坪 の物件を解体する場合】
構造 解体費用 坪単価相場 構造別坪単価×坪数=解体費用めやす
木造 坪単価4~5万円 30.3×4~5万=約121~152万円
軽量鉄骨造 坪単価6~7万円 30.3×6~7万=約182~212万円
鉄筋コンクリート造 坪単価7~8万円 30.3×7~8万=約212~242万円

 

1-2.地域別 解体費用相場

解体費用は地域によっても値段に違いがあります。こちらも、公式な業界相場があるわけではありませんが、地域の平均価格で見ると以下のような坪単価で取引が決まっています。

地域 坪単価 地域 坪単価 地域 坪単価
北海道 坪2~3万円 神奈川県 坪3~4万円 岡山県 坪3~4万円
秋田県 坪2~3万円 福井県 坪2~3万円 徳島県 坪3~4万円
宮城県 坪3~4万円 長野県 坪3~4万円 長崎県 坪3~4万円
栃木県 坪3~4万円 愛知県 坪2~3万円 鹿児島県 坪2~3万円
埼玉県 坪3~4万円 大阪府 坪3~4万円 沖縄県 坪2~3万円
東京都 坪3~4万円 和歌山県 坪2~3万円

各都道府県の値段の差は、人件費・重機のレンタル代・解体場所の差です。都心と比べると、地方は人件費も安く、レンタル代の相場も下がります。また、作業現場も、都心よりも比較的広くとれるため、足場設置・養生・資材運びだし・重機搬入などの作業がしやすく、効率の良い解体作業ができます。

1-3.建物の坪数別 解体費用相場

本項では、解体を予定している建物の坪数、平均的な家の大きさをめやすに、ざっくりと解体費用を計算した表を作りました。ご所有の不動産の大きさに近いものを選び、あとは場所が都心か田舎かで判断してください。

今回は一般的な木造住宅の解体を前提にしました。

地域 木造坪単価 20坪:66平米
(狭小住宅)
30坪:99平米
(平均)
50坪:165平米
(広め)
100坪:330平米
(大きな家)
東京都 坪3~4万円 60~80万円 90~120万円 150~200万円 300~400万円
愛知県 坪2~3万円 40~60万円 60~90万円 100~150万円 200~300万円
大阪府 坪3~4万円 60~80万円 90~120万円 150~200万円 300~400万円
鹿児島県 坪2~3万円 40~60万円 60~90万円 100~150万円 200~300万円
沖縄県 坪2~3万円 40~60万円 60~90万円 100~150万円 200~300万円

上記の解体費用は、建物の解体のみにかかる費用ですので、前項で解説した、「解体費用が高くなる5つの要素」が加わると、費用も加算されていきます。

例えば、同じ20坪の狭小住宅の場合でも、都心では住宅が密集しているため、足場を組み、養生を十分に施すことができないため、手作業による人件費が増える可能性があります。

また、田舎に行けば100坪を超える大きな家はたくさんありますので、時期によっては上記相場よりも値段が下がる可能性がある反面、大きな古い家が空き家として放置されていた場合は、老朽化対策をしながらの作業が必要となり値段が上がるかもしれません。

以上のように、解体費用相場は、あくまで「めやす」ですので、実際の解体費用がいくらになるかは、解体会社に現地まで来てもらい、査定をしてもらう必要があります。

◆コラム◆古屋付き土地の売却には、解体が要らない?解体後、売却予定の不動産は、「古屋付き土地」として売却することもできます。「古家付き土地」とは、古い家屋が建ったままの土地のことです。基本的に、築年が22年を超えた家屋は、法定耐用年数が過ぎているため、資産価値がゼロになります。そのため、古い家が建っている状態でも、土地の価格のみで売買されます。

一般的にはすぐに使える更地の方が売りやすいのですが、買い主の中には、この古屋付き土地を購入したいという方も、一定数いらっしゃいます。なぜ、わざわざ古屋が付いた土地を購入するかというと、家が建っている状態の土地は、仮に資産価値がゼロでも「住宅」であると見なされるため、購入者は住宅ローンを組んで土地を購入できるからです。

しかし、古屋を取り壊してしまうと更地という「土地」になってしまうため、住宅に対しての融資である住宅ローンが組めなくなります。そのため、購入希望者は、先につなぎ融資という形で融資を受けて土地を購入し、建築プランを作ってから、今度は住宅ローンに切り替えるという煩雑なひと手間が必要になります。

その土地のエリアや条件が気に入っている場合には、古屋がついていても問題がありません。また、廃墟でなければ自分で手直しをしながら住んでいきたいという購入者もいますので、はじめから家屋が古い=解体!と決めつける必要はなさそうです。

そうはいっても、古屋付き土地を欲しがる購入希望者は、普通の土地購入者よりは少ないので、まずは、解体を検討している段階で、古屋付きの土地として販売できるか、需要があるのかなどを、不動産会社に相談してみましょう。

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一括査定のお申し込みの際に「古屋付き土地売却の検討もしている」と書き添えておけば、通常の売却と古屋付き土地の売却、両方の査定額を出してもらえ、どちらのほうがより良い売却方法になるかのアドバイスなどももらえます。

2.おもな解体費用の内訳

本章では、解体費用の内訳をまとめています。

2-1.本体解体費用

建物本体を解体するための工事です。主に作業員の人件費になります。

2-2.足場・養生

工事に取り掛かる前に、解体する建物の周りに足場を組み、養生シートなどをかぶせて、粉塵や騒音を防ぐための工事の費用です。解体工事会社によっては、足場養生費・仮設工事費として、1の本体解体費用に含まれていることもあります。

2-3.ブロック塀・生垣・庭木などの撤去

付帯工事と呼ばれるものです。1と2以外で、敷地内のものを撤去するための費用です。一般的な家の場合は

などを指します。これらの付帯工事が総額いくらになるのかは、工事前に現場調査をして見積もりを出してもらわないと、はっきりしたことがわかりません。

2-4.廃材処理費

解体工事・付帯工事などでできた、廃材の処理をするための費用です。主に、瓦・木材・コンクリート・ブロック・ガラス・内壁材・外壁材などの建材になります。廃材は資材ごとに分別をして廃棄をする必要があるため、分別のための人件費が必要です。そのため、本体工事費の次に費用が高くなる傾向があります。

【参照:環境庁 建設リサイクル法の概要

2-5.重機費用

ほとんどの解体作業には、重機を利用します。重機は車道を走れないので、専用回送車や大型トラックで現場まで搬入されます。そのための運転手・重機作業員・運搬車両代・駐車場代・ガソリン代が発生します。

2-6.整地(施主から希望があれば)

全ての解体が終わったあとの土地をすぐに売却しない場合は、そのまま放置しておくと雑草が生えたり、雨で地面がぬかるんだりして見た目が悪くなります。そのため、売り主から希望があれば

などの整地工事をします。

建物の解体について、

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3.解体費用が高くなる6要因と対策

解体費用の相場よりも、費用が高くなってしまう6つの要因と、その対策方法をまとめました。

3-1.要因1 埋蔵物がある

建物の解体中、地中から思わぬものが出てくることがあります。例えば

などが、掘り起こされることがあります。これらの埋蔵物を撤去する場合は、別途、作業代金が発生します。

対策

地中にあるため、見積もりの段階では発見することができず、解体工事をしてからはじめてわかります。撤去費用は埋まっていたものによっても変わりますので、都度、解体工事会社から依頼主に確認があります。ただし、次の建築に邪魔にならないようなもの・場所であれば、再び埋めてしまっても問題はありません。

3-2.アスベストの除去

アスベストは、従前は住宅建材として頻繁に使用されていたのですが、深刻な健康被害があることから、2006年(平成18年)には全面的に使用禁止になりました。一般的に1975年(昭和50年)以前に建築された建物には、アスベストが使用されている可能性が高いと言われています。

解体する建物にアスベスト使用があることが判明した場合は、アスベスト除去が法的に義務付けられています。解体途中であっても作業をストップし、アスベストの除去作業が完了するまでその他の工事が進まなくなります。アスベスト使用の有無は、現地調査の段階である程度分かります。

対策

除去費用は、アスベストの量と面積に比例して高額なります。民間の建物に対するアスベスト調査・除去工事ともに国からの補助金がありますので、解体を依頼する会社と相談の上、申請してください。

【参照:国土交通省 アスベスト対策Q&A

3-3.天候

天候も、作業代金がかさむ原因になります。壊すことが目的ですので、少し天気が悪いくらいでは解体作業は止まりませんが、大雨・大雪・強風の場合には、以下のような理由で作業ができなくなることがあります。

・大雨
少々の雨では作業は中止になりませんが、大雨となり足場がひどくぬかるむほどひどい場合や、雨で少し先の視界が悪い場合には、重機以外の作業は一旦中止となることがあります。

・大雪
通常の雪では作業はストップしませんが、豪雪地帯などの場合は、解体作業のための雪かき作業が必要となるため、解体工事が思うように進みません。また、大雪となり道が塞がれてしまった場合には、重機などを運ぶための除雪車による除雪作業が必要になります。

・強風
風がある日は、廃棄物や粉じんなどが飛ばされて近隣被害・作業員のケガが出る可能性が高まるため、作業をしません。台風や竜巻などが近づいていることがわかっている場合には、作業は休みになります。

対策

仮に、天候が原因で作業ストップしても、もともとある計画通りに作業が進んでいるのでれば、特に費用が上乗せされることはありません。めやすとして1~2日程度の作業中止であれば、予定していた期間内に作業を終えることはできます。

しかし、何日も作業が中断すると、追加料金が発生する可能性が高まります。対策としては、なるべく天気が続く季節に依頼をし、作業の中断が起きやすい風が起きる台風の時期や、雪深くなる時期を避けて解体を依頼しましょう。

3-4. 解体する時期

解体の繁忙期は年末~年度末である12月~3月の期間です。この期間には公共工事の受注が増えるのと同時に、各企業の決算の時期とも重なるので、個人~企業の解体を請け負う会社は非常に忙しくなります。繁忙期には人材が足りなくなるため、主に人件費が跳ね上がります。

対策

解体業界の繁忙期である12~3月を外し、さらに前項で解説をした台風の季節であるお盆過ぎから9月末、雪が多くなる真冬を除いたタイミングで、作業依頼をするようにしましょう。上記以外の季節だと、4~8月前半までが解体に適した時期だといえます。

3-5.建物の構造

建物は、木造<鉄骨<鉄筋コンクリート造の順に建物が頑丈になり、取り壊すのに手間がかかり、費用が高くなります。以下の表は、構造別の解体費用坪単価相場です。

構造 解体費用 坪単価相場
木造 坪単価4~5万円
軽量鉄骨造 坪単価6~7万円
鉄筋コンクリート造 坪単価7~8万円

坪単価には人件費と廃材処理費が含まれているため、最も軽い建材である木造が最も安く、最も壊しにくい鉄とコンクリートでできている建物が最も高くなっています。

対策

解体に多くの手間がかかるのは基礎工事と屋根の部分です。 一般的な木造家屋は、屋根と基礎の間に木材で作った空間がある構造ですので、屋根と基礎の処理作業をすると、あとの解体はカンタンです。メインの作業は屋根と基礎ですので、家の階数が2階建だから費用が2倍、3階建てだから費用3倍になるというようなことはありません。

逆に、木造平屋作りで大きな家の場合には、一般的な2階建てよりも、屋根と基礎を占める部分が大きくなりますので、も費用が割高になります。また、鉄骨や鉄筋コンクリートの場合は、階数と部屋数が多くなるほど、解体しなければならない柱鉄と、躯体の空間を埋めているコンクリートのガレキが増えますので、建物の大きさと高さに比例して費用が増えていきます。

建ってしまっている建物を今から変えることはできませんが、見積もりの妥当性を判別するために、基礎知識として知っていると良いでしょう。

3-6. 建物がある場所

取り壊す家屋がどんな場所にあるかによっても、解体費用が変わります。

・建物が隣地と近接している場合

隣の家との間に最低でも30センチの幅がないと、足場が組めず、粉塵を防ぐための養生も十分にできません。そのため解体に手作業の工程が増え、その結果、工期が長くなり人件費がかかります。

・道路幅が極端に狭い土地

前面道路幅が極端に狭いなどで、重機や資材を運びだすためのトラック入ってこれない場合は、手作業の解体をし、トラックがある場所まで作業員が廃材を運ぶことになります。余分に人件費がかかり、工期も長くなります。

上記2例のように、建物同士が近接した場所で、さらに道路幅も狭くて人が多い場所では、解体期間中に事故が起きる可能性が非常に高くなります。特に、周辺に小学校や商店街などがある場合は、通学時間・車の往来が多い時間帯に、交通整理員(警備員)の配置も必要になります。

対策

土地の条件は変えられませんので、近隣に迷惑が掛からないように万全の配慮をしましょう。特に、粉塵や騒音被害でのトラブル、作業中に通行人が巻き込まれるような事故が起きると、大問題となります。

どれだけ見積額が安くても、養生や安全対策を十分にしない会社とは契約をしてはいけません。信頼のおける解体工事会社であれば、工事開始前には、解体工事の責任者が、工期と工事内容・注意事項・迂回通路などが書かれた書面をもって挨拶と説明に回ってくれます。このような配慮がある会社かどうかは、見積もり時に直接会って、会話をしながら確認していくしかありません。

また、ホームページなどで施工事例を確認し、仕上がりの丁寧さなどを複数社、比較しましょう。また、検索エンジンで「解体会社の屋号 評判」などと入力すると、悪いうわさがある場合は出てくることがあります。

解体会社の選別とは別に、依頼主も工事前には、近所の方々には菓子折りをもって挨拶をしておくなど、周辺の方たちへの配慮と協力依頼を忘れないようにしましょう。

4 解体工事費の負担軽減をする3つの方法

本章では、解体工事費を少しでも安くする3つの方法をまとめました。

4-1.補助金・助成金を活用する

自治体単位になりますが、空き家を含む、老朽化した家屋を解体するための補助金・助成金制度があります。基本的には、解体費用の一部を給付する・解体費用を借り入れた場合の金利の一部を負担するなどのサポートをしています。

自治体ごとの条例や環境によって申請条件も違ってきますので、解体予定の家屋がある市区町村で確認をしてみましょう。

例えば、東京都内でも住宅密集地域である世田谷区では、火災時の延焼を食い止めるため、老朽化した家屋の取り壊し・建て替えに対する助成金制度があります。町全体の中で、不燃化特区に指定された区域であれば、制度が適用されます。制度の目的が「町全体の不燃化」ですので、目標%を達成した地区から制度が終了となっています。

東京都世田谷区の場合 「解体費用助成金」

  • 事業・条例:世田谷区老朽建築物の除却支援
  • 地区指定:あり(不燃化特区のみ)
  • 対象となる築年・構造:1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された木造または軽量鉄骨造
  • 補助内容:2.7万円/1平米
  • 2025年度(令和7年度)までの期間限定

【参照:不燃化特区

自治体の制度は、期間限定や、年度ごとの予算によって終了してしまったり、再開したりを繰り返しています。必ず、解体予定地のある自治体のホームページなどで最新の情報を確認してください。

4-2.不用品を事前に処分する

 

タンス・ソファ・テーブルなどの処分が難しい大型生活家具は、家屋に残しても解体時に一緒に処分をしてくれます。たいていの場合、この処分代金は、本体工事品に含まれています。

まだ使える家具や家電も多いので、エコの観点から古物の免許があるリサイクルショップ(古道具屋)に引き取りに来てもらうのでも問題ありませんが、古物を扱う会社は、再販できる商品とゴミをより分けますので、結果的に不用品の処分代金が割高になることがあります。解体会社*の場合は、より分けをせずに、トラック一杯で〇円などの簡易な計算になります。
*一般廃棄物の収集運搬許可がある会社に限ります。

また、生活家電の中の家電リサイクル法に指定された4品目(テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機)の場合は、処分はしてもらえますが、リサイクル料金が発生しますので、どこに頼んでも、所有者がリサイクル料金を支払います。

上記以外の家庭ごみは、ご自分で粗大ごみやゴミの日に出したほうが、安くなります。

品目 粗大ごみ・ゴミの日に出して処分する場合のめやす 解体会社に処分してもらう場合のめやす
衣類 ゴミの日に出せば無料 ゴミ袋一杯に対して500~1,000円
食器類 ゴミの日に出せば無料 ゴミ袋一杯に対して500~1,000円
ふとん 折畳んで粗大ごみ、または切り刻んでゴミの日なら無料 一枚1,000~2,000円
書籍 ゴミの日に出せば無料 ゴミ袋一杯に対して500~1,000円
ハンガーなど 不燃ごみの日に出せば無料 重量で廃プラスチックリサイクル料金がかかる
小さな家具 粗大ごみ200~300円・コミュニティセンター寄付は無料 木製ならば無料・ガラスがある場合は相談

家屋が自宅から近い、または解体予定の家屋に住んでいるのであれば、解体をするまでの準備期間をある程度取って、なるべく上記の家庭ごみと生活ごみを、コツコツとゴミ出しをしておけば、処分代金が余分にかからないで済みます。ただし、解体予定の家屋が遠方にある場合は、片づけのために遠距離を往復する時間と労力と交通費を考えると、解体会社に一任したほうがラクかもしれません。

4-3.固定資産税の軽減税率への対策

固定資産税は土地と家屋に対して課税されます。解体すると、家屋に対する課税はなくなりますが、土地があるので、土地に対しては引き続き課税があります。住宅用地の軽減措置特例は、どういう状態でも土地に家さえ建っていればが適用され、以下の表のように税額が減免されます。

しかし、家屋を解体して更地にすると、これらの軽減措置が受けられなくなりますので、更地のままでいると、解体した年から課税額が増え、大きな税負担となります。

区分 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地 住宅用地で一戸につき200平米までの部分 価格 × 1/6 価格 × 1/3
一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 価格 × 1/3 価格 × 2/3

【参照:東京都主税局 住宅用地の特例措置
※住宅用地とは、住宅用家屋(専用住宅・アパート等)の敷地、住宅用家屋の敷地と一体となっている庭・自家用駐車場です。

都市計画税は、都市計画がある地域のみ課税されます。今回は例として、固定資産税のみを計算してみましょう。

築30年超えで200平米の不動産、土地の課税評価額が3,000万円、建物の課税評価額が1,000万円だった場合は、以下のように固定資産税が減免されます。経年している家屋には減点補正率0.2*によりさらに評価減となります。

  • 固定資産税の税率:課税標準額×1.4%
  • 土地:3,000万円×1/6×1.4%=7万円
  • 建物:1,000万円×0.2*×1.4%=2万8000円
  • 固定資産税額:9万8000円

しかし、更地になってしまうと、上記の軽減が適用されないため、以下のような税額となります。

  • 固定資産税の税率:課税評価額×1.4%
  • 土地:3,000万円×1.4%=42万円
  • 建物:更地にした
  • 固定資産税額:42万円

上記の通り、およそ4倍近い税額となってしまいます。

対策

解体費用を直接的に減らすための策ではありませんが、解体後に適用されなくなる住宅用地の特例措置に対しては、解体して更地にした後にすぐ住宅を建築すれば、再度、住宅用地の特例が適用されます。この「住宅用地」とは、個人が住む家以外にも、賃貸併用住宅やアパート・マンションも含まれます。

ご所有の土地に、解体後に何をするのが良いのかは、「HOME4U オーナーズ」の一括プラン請求を活用して、必要な情報をたくさん集めてみることをおすすめします。例えば、

など、複数のハウスメーカーや工務店から取り寄せて、自分が知っていること以外にも、どんな活用方法があるのかを広い選択肢から探してみましょう。「HOME4U オーナーズ」の一括プラン請求では、解体予定地があるエリアと大きさなどのカンタンな質問に答えるだけで、相性の良いハウスメーカーを最大10社までご紹介します。いくつものプランを比較検討しながら、ある程度の方向性が決まってから、信頼できそうなハウスメーカーに解体会社を紹介してもらえば、スムーズに工事が進みます。

一括プラン請求の際には、「解体もする予定がある」ということを一言付け加えておけば、解体を含めた値段とプランを提案してきてくれます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。解体費用相場は、構造と地域によって少しずつ違うことがわかりました。また、解体費用の大部分は人件費と廃材処理であることから、あまりに安い見積額の場合は、解体作業の内容に問題がある可能性があることもご理解いただけたと思います。

工事費を軽減できるための補助金や助成金の活用・ゴミ処理・固定資産税の軽減制度の活用など、解体後の土地活用を含めたプランには、「HOME4U オーナーズ」の一括プラン請求をご利用下さい。

また、解体後に、土地を売却することもご検討でしたら国内最大級の不動産一括査定サイトである「不動産売却 HOME4U」をご利用下さい。

どちらの場合でも、経験豊富な不動産のプロフェッショナルが、解体工事と費用も含めた多彩なプランを提案してくれます。ぜひ、HOME4Uをご活用ください。

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