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お悩みQ&A

騒音問題で困っています。それ以外はいい住人なのですが…

  • 2025.03.05
  • Q&A
  • 先輩大家
  • 騒音問題

りっちゃん先生さん

自主管理をしている大家です。

アパートの入居者のひとりが騒音問題でいつもトラブルを起こします。

隣人から警察を呼ばれたことも何回もあります。

夜中に友人たちと大声で歌ったり楽器を弾いたりしているようです。

私も注意してきましたが、その時は心底反省した顔をして謝ってくれるのですが、しばらくたつとまた騒音問題になります。

騒音問題以外はいい方で、家賃滞納もないですし部屋も比較的きれいに使ってくれています。

いい解決法はないでしょうか?

りっちゃん先生/ 60代 /東京都練馬区

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藤井 健太郎

藤井 健太郎さん

自主管理で騒音トラブルに対応する際は、被害を訴えている入居者が神経質すぎるケースもあることを考慮し、先入観を持たずに騒音の出る時間帯や原因などを双方から現状確認を行いましょう。

よくあるケースは、騒音を出している入居者に注意をすると、「〇号室の騒音も我慢している、〇号室も夜に音がする」などクレームの応酬になり、中々解決につながらないこともあります。騒音トラブルの解決に3年ほど掛かり被害を訴えているが最終的に退去されてしまった例もあります。

自主管理ですとついつい騒音や迷惑行為に目をつぶって、解決を先送りにしがちですが、ルールを守らない入居者が増えて物件全体に影響が出ないように、契約解除も念頭に早期に対応することをおすすめします。

回答者

藤井 健太郎さんプロフィール

200戸を自主管理と委託管理で運営し、自ら原状回復工事やリフォームも行う。新築~築古、単身~ファミリーと幅広く展開中。
夜逃げや孤独死、火事、訴訟、デッドクロス、資金ショートetc.多くの事を経験し賃貸業の難しさと怖さを知る。
数年前より物件分析、市場分析、月次、年次分析などを取り入れた賃貸経営にシフトし、キャッシュフローが改善し現在に至る。
後藤 謙治

後藤 謙治さん

騒音以外は良好な入居者であるとすると、まずは記録と証拠の収集、書面での正式な注意
を徹底し、改善が見られない場合に次の法的手段を検討する方法が望ましいと思います。
証拠に基づいた冷静な対応と、必要に応じた専門家の介入により、円満な解決を図れるよ
うに進めるとよいと思います。
1.状況の記録と証拠収集が必須
まず、繰り返し発生している騒音問題について、事実関係を記録に残していくことが必要
です。記録に残しておくべき事実は、
・ 警察へ通報された日時や回数、通報の内容や状況
・ 入居者への注意の経過とその際のやりとり(口頭での注意はもちろん、可能であれ
ば書面や内容証明郵便での警告も記録として残しておくことが望ましいです。)
・ 騒音の実態を示す証拠(録音、騒音計による測定結果、近隣住民からのクレームの
内容など)
などとなります。
ただし、騒音の実態を示す証拠については、その収集・記録化自体が入居者との間でプラ
イバシー侵害などのトラブルになったり、通報者の個人情報に配慮する必要があるので注
意が必要です。
2.契約内容の確認と対応方法
賃貸借契約書に騒音や迷惑行為に関する条項が盛り込まれている場合、その条項に基
づく注意や改善要求、さらには契約解除(退去要求)も検討できます。
ただし、契約解除に踏み切るには、大家さんと入居者との間の「信頼関係が破壊された」
状態に至る必要があります。現状のように「騒音問題以外は良好」な場合、契約解除は必
ずしも容易ではない点に注意が必要です。基本的に、社会生活上受忍すべき限度を大きく
超える騒音が一定程度継続する場合に契約違反となる可能性が出てきます。騒音それ自
体だけでなく、大家さんからの注意や警告を繰り返し無視しているという経過も重要に
なってくる可能性があるので、粘り強い対応が必要です。
3.段階的な改善要求と専門家介入
ご相談事例では、口頭で注意した際に一時的に反省の様子が見られるとのことですが、再
発を防ぐためには、口頭注意の次の段階として、文書での注意が考えられます。
口頭注意や文書の差し入れを繰り返しても改善が見られない場合、弁護士に依頼して内
容証明郵便を送付する方法も考えられます。それでも改善が見込まれない場合は、悪質な事
例として契約解除による退去要求も視野に入ってきます。
口頭注意や文書での注意で改善しない場合は、その後の進め方も含め、弁護士に相談され
ることが望ましいと思います

回答者

後藤 謙治さんプロフィール

数万件規模の物件を管理する賃貸管理会社を顧問先として複数有する事務所にて執務。退去・隣地・承継問題など大家さんに関わる様々な法律問題に対応した実績がある。
中小企業から上場企業まで、多数の企業事案を経験しており、クレーム対応にも豊富な実績がある。
相続や離婚・交通事故など一般民事にも幅広く対応可能。
弁護士向けの研修や市民向けセミナー、経営者向けの勉強会などの講師実績あり。
お問合せは下記より。
福井 優太

福井 優太さん

騒音問題は、大家業・賃貸業において切っても切り離せない問題ですよね。特に近隣住民との関係が悪化し、ほかの入居者さんが出て行ってしまい空室が増える、物件の評判が落ちてしまいなかなか次の入居が決まらないなど、さらなる悪影響を及ぼすこともあります。

口頭で注意しても改善されないとのことですので、書面で警告を出したり、次に騒音での苦情の連絡が来た場合の取り決めを書面に残したり、といった形で記録に残るようにしすると事態を深刻に受け止めてもらえるのではないでしょうか。

また、契約書に騒音に関する条項が記載されているかをご確認いただき、契約内容に抵触するようでしたら、契約解除や退去の可能性について示唆すると良いと思います。

そのほかには、自主管理とのことですので、他の住人からの情報・フィードバックを収集して今後の対応を判断してはいかがでしょうか。稀に、騒音被害をご連絡する方のほうが過敏なケースもありますので、万が一そのような場合に誤った対応をしてしまうと、さらなるトラブルに発展する可能性があります。その場合の対応もご自身で行わなければならなくなってしまいますので、十分にご留意ください。

以上、りっちゃん先生さんのお悩み解決の一助になりましたら幸いです。

回答者

福井 優太さんプロフィール

前職で1棟での収益不動産の売買を経験。中古物件の買取再販(買取、修繕、保有、入居改善、販売)のほかに、新築賃貸マンション開発(土地仕入、プラン検証、賃料査定、入居付け、販売)などいろいろ経験したことをもとに、今はオーナーさん向けに賃貸経営の勉強会やコンサルティングを行っています。オーナーさんのお役に立てたら幸いです。

※回答内容は、すべてのケースに該当するものではありません。
より詳細な回答を求められる場合は、個別で専門家に相談することをお勧めいたします。

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