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お悩みQ&A

管理委託の5%か、自主管理かで迷っています。

  • 2025.03.05
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YU吉さん

こんにちは。

築5年、9戸のアパートの大家です。新築からずっと自主管理をしてきたのですが、管理を委託しようか迷っています。

アパートは、某大手ハウスメーカーで建てました。定年して時間もあったので自主管理を選び、今までやってきました。

新築ですし治安も悪くない場所なので、そこまで手間はかからないだろうと思っていたら大間違いでした。最近は月に数回は、隣人の騒音トラブルや備品の交換で対応を余儀なくされます。
昼間ならいいのですが、夜の電話はやはり堪えます。

そこで委託管理を検討し始めたのですが、5%払っても任せたほうがいいのか迷っていて、将来的にどんなトラブル?が待っていて、管理会社がいることでどう対応できるのか、具体例を知りたいです。

YU吉/ 50代 /埼玉県新座市

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後藤 謙治

後藤 謙治さん

委託管理に切り替える場合、管理委託契約上の管理会社の責任範囲や対応内容を精査することが重要になります。

大家さん自身の負担や精神的ストレスの観点からも、月々5%の手数料は合理的と判断される場合が多いです。
最終的な判断は、現在のトラブルの頻度や内容、そして管理会社から提示される具体的なサービス内容との比較で決めるのが望ましいと思います。

1.自主管理と委託管理の基本的な違い
(1) 自主管理の場合
すべてのトラブル対応(例:隣人の騒音苦情、備品交換、夜間の急な連絡対応など)を大家ご自身が実施する必要があります。小規模物件でも、トラブルが積み重なると時間的・精神的負担が大きくなります。
自主管理のメリットとして、管理費用が発生せず、直接入居者と関係構築ができる点が挙げられます。

(2) 委託管理の場合
物件管理全般を管理会社が担当するため、夜間の緊急対応やトラブル対応を専門的に行ってくれます。
特に、騒音トラブルや備品交換といった日常的な作業に加え、苦情がエスカレートした場合なども、管理会社が一定の対応・調整を行い、大家さんの負担軽減につながります。
これらのメリットは、管理委託契約の内容次第ですので、どこまでの範囲をカバーする契約なのかをしっかりと確認する必要があります。

2.管理会社が対応できるトラブルの具体例は?
管理会社に管理を委託した場合、以下のようなトラブルに初期対応してもらえることが多いです。

(1) 夜間の苦情・緊急連絡への対応
入居者から夜間に騒音の苦情があった場合、管理会社が 24 時間対応のコールセンターを通じて状況を確認し、現地調査や必要な調整を行います。入居者が大家さん自身の連絡先を知っているケースでは、夜間対応が発生する可能性がありますが、そうした心配はなくなります。
(2) 隣人トラブル・騒音問題
隣人同士のトラブルが発生した場合、管理会社は過去の事例や弁護士等の法的助言を踏まえて、当事者間の交渉や調整、警察への連絡等を必要に応じて行ってくれます。
(3) 備品・設備の点検・交換
定期点検や急な設備故障に対し、専門業者との連携・手配を迅速に行い、修理や交換をスムーズに進められるよう管理委託契約で定められていることが多いです。
これにより、入居者からの問合せに対して迅速に対応でき、クレームの発生を防ぎます。
(4) トラブルの初動対応
管理会社が入居者との交渉実績を豊富に有している場合、例えば賃料滞納や契約違反といった場合の対応、あるいはトラブルが大きくなった場合の弁護士との連携についても、すでに体制が整っていることが多いです。

3.管理委託契約で注意すべき点
契約書において、管理会社の業務範囲、緊急時の対応、報告義務の有無や内容、損害賠償責任の所在などを明確にしておくことが不可欠です。また、委託管理料の内訳や別途費用を要する項目の有無や内容、解約条件、再委託の可否についても確認しましょう。
契約内容に不安がある場合は管理会社側に問い合わせたり、弁護士に事前に相談してから契約を結ぶと安心です。

回答者

後藤 謙治さんプロフィール

数万件規模の物件を管理する賃貸管理会社を顧問先として複数有する事務所にて執務。退去・隣地・承継問題など大家さんに関わる様々な法律問題に対応した実績がある。
中小企業から上場企業まで、多数の企業事案を経験しており、クレーム対応にも豊富な実績がある。
相続や離婚・交通事故など一般民事にも幅広く対応可能。
弁護士向けの研修や市民向けセミナー、経営者向けの勉強会などの講師実績あり。
お問合せは下記より。
藤井 健太郎

藤井 健太郎さん

小規模の賃貸経営または専業大家さんなら自主管理でもいいと思います。

ただ、物件を複数所有していて、そもそも別に本業があり自分が賃貸管理業務を行うのが難しい場合は委託管理がおすすめです。

賃貸管理の業務は膨大であり、特に、今回のご相談のような夜間のクレームや緊急対応などは自主管理だと精神的に負担となりますので、その場合も委託管理はメリットがあると思います。ただし、管理費も様々で必ずしも5%とは限りません。適切な管理費でしっかり管理業務をしてくれる管理会社を選ぶことが重要となります。

委託管理か自主管理かを選択するには、大家さんが専業なのかサラリーマンなのか、賃貸に関わる家族(人数)、専門知識の有無、物件の規模や築年数、自宅型の距離、空室や市況の状況、メリットやデメリットなどを考慮して総合的に判断しましょう。

回答者

藤井 健太郎さんプロフィール

200戸を自主管理と委託管理で運営し、自ら原状回復工事やリフォームも行う。新築~築古、単身~ファミリーと幅広く展開中。
夜逃げや孤独死、火事、訴訟、デッドクロス、資金ショートetc.多くの事を経験し賃貸業の難しさと怖さを知る。
数年前より物件分析、市場分析、月次、年次分析などを取り入れた賃貸経営にシフトし、キャッシュフローが改善し現在に至る。
福井 優太

福井 優太さん

管理についての悩みは、オーナーさんであれば誰しもが一度は考えることですよね。自主管理で多少手間がかかっても費用をなるべく抑えておくか、管理を任せて、ご自身の手間・負担を軽減するのか、悩ましい部分だと思います。

管理は委託する内容次第ですが、PM(プロパティマネジメント)いわゆる入居者管理という点では、入居者の募集、審査、契約手続き、家賃滞納が発生した場合の督促や、法的な手続き、騒音トラブル、住民からの苦情や緊急の対応、などがあげられます。

次に、BM(ビルマネジメント)に含まれる内容としては、定期清掃、リフォームや修繕の提案、法定点検(受水槽、防火設備、EV、etc)、設備の故障対応などがあげられます。

PMの方に定期清掃が含まれていたりすることもありますが、一般的には上記の内容のものがほとんどなのではないでしょうか。

管理会社に任せることで生じるデメリットとしては、費用が生じるのはもちろんですが、管理会社の対応がオーナーさんの意向とズレてしまい、ストレスを感じる場面が起こることが考えられます。
「本当はいついつのタイミングで修繕や原状回復をしたかったのに、できなかった」「解約予告が来たのですぐに募集をかけてほしかったのに、なかなか動いてもらえなかった」など、大半はコミュニケーションに起因すると思いますが、そのようなケースも実際に起こりえます。

また、5%という管理料で上記内容のどこまでを請け負ってくれるのか、PMは5%だけどBMは発生時に都度見積り対応なのか、など内容に応じて管理委託にかかる料金は変わってくると思います。

YU吉さんのお悩みの夜間対応を解決するという点では、PMのみを任せ、BMは引き続きご自身でなさるという方法も一つの選択肢です。夜間にオーナーに連絡が来ることはほとんどなくなるだけで、心理的な負担はずいぶんと軽くなるのではないでしょうか。

以上、YU吉さんのお悩み解決の一助になりましたら幸いです。

回答者

福井 優太さんプロフィール

前職で1棟での収益不動産の売買を経験。中古物件の買取再販(買取、修繕、保有、入居改善、販売)のほかに、新築賃貸マンション開発(土地仕入、プラン検証、賃料査定、入居付け、販売)などいろいろ経験したことをもとに、今はオーナーさん向けに賃貸経営の勉強会やコンサルティングを行っています。オーナーさんのお役に立てたら幸いです。

※回答内容は、すべてのケースに該当するものではありません。
より詳細な回答を求められる場合は、個別で専門家に相談することをお勧めいたします。

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