実家を相続した場合、確認すべきことや方針の決定、所有権の移転等について解説します。併せて実家を放置してしまった場合のリスクや売却で使える税金特例もご紹介します。

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公開日
2018年10月03日
更新日
2021/07/26
カテゴリ
記事, これから始める人向け, 税金・相続

【徹底解説!】実家を相続したときにやるべき手続き・注意点

【徹底解説!】実家を相続したときにやるべき手続き・注意点

50~60代になると、実家を相続するという話をあちこちで聞くようになります。予想はしていたものの、いざ自分の身に降りかかるとどうして良いか分からない人も多いのではないでしょうか。

実家を相続した場合、一番まずい対応は、そのまま放置することです。

特に兄弟と共有状態にしたまま放置していると、二次相続、三次相続により共有者が雪だるま式に増え、将来身動きが取れなくなります。

また、所有権を明確に分けたとしても、放置し続けると空き家特別措置法により特定空き家に指定されてしまう恐れがあります。

そのため、相続した実家は、自分で利用する、他人に貸す、売却するという3つの選択肢を検討していく必要があります。

そこでこの記事では、実家を相続税した全ての人を対象に、相続したらやるべきことについて解説します。

相続人の間での権利の移転方法に加え、自分で利用する場合や他人に貸す場合、売却する場合はどのようにしたら良いかについても紹介します。

さらに、空き家特別措置法や、相続空き家の売却で使える3,000万円特別控除についても解説します。

最後までお読みいただき、実家を相続したときの対策に役立てて頂ければ幸いです。

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1. 実家を相続したときにまず確認したいこと

1-1. 遺言の有無を確認する

実家の相続が発生したら、まず遺言書があるかどうかの確認を行います。被相続人が遺言書を残していた場合、遺族はその内容に従って遺産を分けることが原則になります。

被相続人が遺言書を作る場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談しながら作っていることが多いです。被相続人が生前して親しくしていた専門家がいる場合には、その人に聞いて見るのが良いでしょう。

専門家に聞いてもない場合、念のため、公証役場に公正証書遺言がないかどうかの確認を行います。

公正証書遺言がなければ、自筆遺言がある可能性もあります。実家や貸金庫等も探すようにして下さい。自筆遺言が見つかった場合には、家庭裁判所に検認を受ける必要があります。

遺言がなければ、自分たちで相続の分割方法を決めることになります。

1-2. 相続税の有無を調べる

相続が発生したときは、念のため相続税の納税義務がないかどうかを調べます。相続税の納税義務を確認するには、まず相続人を確定するようにして下さい。

万が一、隠し子がいる場合は、その人も相続人となります。隠し子の有無は被相続人の戸籍謄本を辿ることで見つけられます。

相続人が確定したら、基礎控除額を計算します。基礎控除額は以下の式で表されます。

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

基礎控除額を超える資産を持っていない場合には、相続税は発生しません

例えば、法定相続人が2人いた場合の基礎控除額は以下の通りです。

= 3,000万円 + 600万円 × 2人
= 3,000万円 + 1,200万円
= 4,200万円

この場合、被相続人が4,200万円を超える資産を持っていない場合には、相続税は発生しないことになります。

1-3. 不動産の評価の方法

相続税の有無に関しては、被相続人がいくらの資産を持っているのか知る必要があります。現金に関しては、保有している現金がそのまま相続税評価額となります。

一方で、不動産は評価の方法にルールがあります

まず、建物については、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。固定資産税評価額は、固定資産税の納税通知書の中に記載されている「価格」と書かれている部分の数字です。

相続税路線価の例土地については、相続税路線価に基づき土地の評価額を出します。相続税路線価は国税庁のホームページに記載があります。

路線価は土地の平米単価が千円単位で道路に記載されています。実家の土地の前に、「60D」と書かれていた場合、その土地の平米単価が60千円ということになります。

AからGの記号は借地権割合というものを表していますが、ここでは特に影響しないので、とりあえず無視してください。

実家の土地が150平米で、路線価が60であれば、9,000,000円(=150平米×60,000円/平米)が土地の相続税評価額となります。

一方で、路線価が割り振られていない地域は、倍率地域と呼ばれています。同じく国税庁のホームページに倍率表が載っています。

倍率表から対象地のエリアの倍率を確認します。倍率地域の相続税評価額は、土地の固定資産税評価額に倍率を乗じたものが相続税評価額となります。

現金や有価証券の資産の他、実家の相続税評価額を加えたものが、被相続人の相続財産となります。相続財産が基礎控除額を超えているような場合は、相続税が発生します。

尚、相続税の納税義務者は全体の約8%程度です。約92%の方は、相続税の納税義務はなく、つまり相続財産が基礎控除額を超えていないということになります。

ほとんどの方に納税義務はありませんが、念のためチェックしておきましょう。

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2. 実家を引き継ぐ方針を決める

相続した実家は、共有の状態で引き継ぎます。このまま共有で引き継ぐか、特定の相続人だけに引き継がせるか、方針を決める必要があります。

2-1. 相続の基本配分

相続の配分方法は民法によって規定されています。

法律で決められた相続人を法定相続人と呼びます。配偶者は常に法定相続人となります。配偶者以外は、法定相続人になり得るものは順位が以下のように決まっています。

第1順位 子またはその代襲相続人(孫)
第2順位 直系尊属(父母)
第3順位 兄弟姉妹又はその代襲相続人(甥・姪)

法定相続人と法定相続分の関係は以下のようになります。

法定相続人 法定相続分
配偶者と子供  配偶者 1/2 子供 1/2
配偶者と直系尊属 配偶者 2/3 直系尊属 1/3
配偶者と兄弟姉妹 配偶者 3/4 兄弟姉妹 1/4

上記の相続順位および法定相続分を考慮すると、家族構成と配分との関係は以下のようになります。

家族構成 配偶者 子供 直系尊属 兄弟姉妹
配偶者と子供 1/2  1/2 
配偶者と被相続人の直系尊属 2/3 1/3
配偶者と被相続人の兄弟姉妹 3/4 1/4
配偶者だけ 全て
子供だけ 全て
両親だけ 全て
兄弟姉妹だけ 全て

※子供、直系尊属、兄弟姉妹に相続人が2人以上いる場合はその中で等分します。

2-2. 遺産分割協議を行う

遺産分割協議とは、共同相続人全員によって、相続財産を各個人の単独所有または共有へと分割するために行う協議のことをいいます。

遺産分割協議では、協議した結果を「遺産分割協議書」という書面にまとめます。遺産分割協議を行うことで、法定相続分以外の割合でも実家を引き継ぐことが可能です。

遺産分割協議は義務ではないため、いつまでに行なわなければならないというルールはありません。但し、遺産分割協議書は、その後の預貯金や不動産の名義変更等にも必要な書類です。

遺産分割協議書は、通常、司法書士又は行政書士に作成してもらいます。遺産分割を行う場合には、早めに専門家の士業に依頼し、遺産分割協議書の作成を進めるようにしましょう。

相続放棄で実家を特定の相続人に譲る方法

実際には特定の相続人に実家を引き継がせるために、他の相続人が相続放棄を利用することも多いです。

例えば、相続人が姉2人、弟1人の3人の場合、嫁に出ている姉2人が相続を放棄し、弟1人に実家と他の財産を継がせるという方法も良く行われています。

実家以外にほとんど資産が無く、他の相続人が相続財産をあてにする必要がないようなときに使われるケースが多いです。

相続放棄は、相続人が1人で自由に行うことができるため、手続きが簡単であるというメリットがあります。

但し、相続放棄は相続開始を知ってから3ヶ月以内に行わなければならないという期限があります。

この期限を過ぎてしまった場合には、遺産分割協議によって、特定の相続人に実家を引き継がせることになります。

3. 実家の所有権移転の方法

相続した実家は登記の義務はありませんが、売却もしくは単独所有として使う場合には、所有権移転の登記が必要となってきます。そこで、この章ではそれぞれの相続方法と所有権移転に必要な書類について解説します。

3-1. 法定相続

法定相続とは、死亡した人(被相続人)の一切の財産を法律で定められたとおりに相続人が承継する相続方法です。共有状態でこのまま売却する場合には、法定相続に従って所有権移転を行います。

法定相続による所有権移転で必要な書類は以下の通りです。

  1. 被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本
  2. 被相続人の除住民票
  3. 相続人全員の戸籍謄本
  4. 相続人全員の住民票
  5. 相続人全員の司法書士への委任状
  6. 固定資産税評価証明書
  7. 相続関係説明図(任意)

3-2. 遺産分割協議

相続人の特定の誰かに実家を引き継がせる場合には、遺産分割協議による所有権移転を行います。

遺産分割協議による所有権移転で必要な書類は以下の通りです。
基本的には法定相続による所有権移転で必要な資料と同じですが、「遺産分割協議書」が加わります。

  1. 遺産分割協議書(相続人全員自著・実印押印・印鑑証明書添付)
  2. 被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本
  3. 被相続人の除住民票
  4. 相続人全員の戸籍謄本
  5. 相続人全員の住民票
  6. 司法書士への委任状
  7. 固定資産税評価証明書
  8. 相続関係説明図(任意)

3-3. 遺言

遺言は被相続人が生前に分割方法を決めて相続させる方法です。

遺言による移転登記に必要となる書類は以下の通りです。

  1. 遺言証書
  2. 遺言者の死亡事項の記載のある除籍謄本
  3. 遺言により相続する相続人の住民票
  4. 固定資産税評価証明書
  5. 委任状
  6. 受遺者の戸籍謄本
  7. 相続関係説明図(任意)

4. 実家を引き継いだらどう活用するか

この章では、引き継いだ実家をどう活かすかについて解説します。

4-1. 自分で住む

実家を誰かが引き継ぎ、そのまま住むという予定であれば、特に大きな問題は発生しません。ただ、現在は現役サラリーマンであり、定年退職後、将来実家に戻ることを予定している人は、しばらく実家が空き家となります。

空き家は保有している以上、固定資産税や建物保険料の固定費や除草費用といった経費が発生します。また、実家が遠方の場合、定期的な自主管理をすると、往復の新幹線代等も結構な金額で発生します。

固定費の負担が続くと、途中で方針を売却に切替える方も多いです。

相続で取得した空き家を売却する場合、3,000万円特別控除と呼ばれる税金の特例を使えますが、この特例を使う場合、譲渡できるタイミングが限られています

少しでも売却の可能性のある方は、3,000万円特別控除の要件を確かめてから保有の方針を決めることをおススメします。

3,000万円特別控除に関しては、「第7章 相続した実家の売却を助けてくれる税金の特例」で詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

4-2. 他人に貸す

自分で利用する予定がなく、活用をしたいということであれば、他人に貸すという選択肢があります。

実家を他人に貸すことができれば、賃料収入を得ることができますし、維持費も賄うことができます。また、人が住むことで換気や清掃等の管理が自然と行われるため、建物の価値を維持することができます

ただ、いざ他人に貸したいと思っても、「何をどうして良いか分からない」、「借手がいるかどうか分からない」、等々のことを思っている方も多いと思います。

そんなときは、まず「賃貸経営 HOME4U(ホームフォーユー)」を活用して、無料相談から始めてみることをおススメします。

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「本当に貸せるのか」、「いくらくらいで貸せるのか」と相談することで具体的な計画が見えてきます。また、実家が遠方であれば管理会社に管理を委託すべきです。

家を貸すと、急にお湯が出ない、排水管が詰まった等のトラブルが発生することがあります。実家が遠方にある場合、緊急トラブルに対処するには、実家に近い管理会社に委託しておくと安心です。

尚、実家を貸す場合もう1つ注意点があります。

第7章 相続した実家の売却を助けてくれる税金の特例」でも解説しますが、相続で空き家となった実家は、一度他人に貸してしまうと3,000万円特別控除の適用を受けることができません。

他人に貸す前に、売却の可能性は本当にないのか、しっかりと見極めるようにして下さい。

5. 実家を売却して配分する場合

法定相続した状態は、物件が共有の状態となります。この章では、相続後、共有状態のままで売却する際のポイントについて解説します。

5-1. 売却の代表者を決める

まず、大前提として共有物件の売却を行う際は、共有者全員の同意が必要です。持ち分割合に関係なく、一人でも反対者がいれば売却することはできません。ここでは全員の同意は既に図られているという前提で解説します。

共有物件の売却では、売却の代表者を決めることが第一です。代表者といっても、窓口担当者のことになります。

不動産の売却では、不動産会社や司法書士、買主等々、第三者と連絡を取り合いながら進めていきます。その際、毎回全員が揃って対応するのは不都合となるため、窓口は一本化することが重要です。

また、売却では売買契約時に仲介手数料の半額の支払や、印紙代の支払といった支出も途中で発生します。これらのお金も一時的に誰かが立て替える必要があります。お金の立て替えも代表者が行うのがスムーズです。

対外的にも、複数の相続人があれこれ違うことを言い出すのは好ましくありません。不動産会社も途中から誰の言うことを聞けば良いのか分からなくなり、混乱します。

代表者を決めた後は、その代表者は、「私が窓口担当です。何かあったら、全て私に連絡してください」と対外的にきちんと宣言するようにして下さい。

5-2. 売却最低価格を決める

共有物件の売却で大切なことは、「いくら以上なら売る」という「売却最低価格を共有者全員で決めておく」という点です。

あらかじめ、共有者間で価格の目線をすり合わせておくことが、売却をスムーズに運ぶコツになります。

最低価格を決めておかないと揉める原因に!最低価格を決めておかないと、他の共有者が「勝手に安く売った」、「もっと高く売れた」と言い出し、揉める原因となります。

最低売却額を決めておくと、それ以上の金額で提示してくる買主が現れたとき、全員がさっと判断できるというメリットがあります。迅速に判断できるため、良い買主を逃すことがありません。

また、売却では買主から値引き交渉を受けることもあります。最低売却価格を決めないまま値引交渉を受けてしまうと、共有者の間で意見が割れ、話がまとまらなくなる可能性があります。

全員で足並み揃えて売却を成功させるには、最低売却価格を決めておくことが重要です。

共有者全員で不動産の売却を行うことが同意出来たら、査定を依頼します。査定では、売却予想価格の幅を知るためにも、複数の不動産会社に依頼すべきです。

なぜなら、査定額は会社ごとに異なるからです。最低売却価格を決めるには、複数の査定額を取得し、一番低い価格を参考に最低売却額を決めておくのが良いでしょう。

ちなみに複数の不動産会社に査定を依頼するには、「不動産売却HOME4U(ホームフォーユー)」によるインターネットの一括無料査定が便利です。

実家が遠方にある場合は、実家のエリアに精通した複数の不動産会社を自分で探すのは大変な作業ですが、インターネットによる無料一括査定なら、遠方の実家のエリアで実績のある複数の不動産会社に一回で査定を依頼することができます。

一括無料査定では最大6社に査定を依頼することができます。複数の不動産会社から査定を取得したら、全社の査定額を相続人全員で共有するようにして下さい。

最低売却価格を決めたら、売却に取り掛かりましょう。

6. 相続した実家を放置してしまった場合のリスク

実家を放置してしまった場合のリスク相続をきっかけに、実家は空き家となります。ここでは空き家特別措置法に関連した空き家のリスクについて解説します。

6-1. 空き家保有のリスク

空き家を放置すると、「近隣に悪影響を与えるリスク」と「建物価値を下落させるリスク」があります。

近隣に悪影響を与えるリスクとは、例えば以下のようなものがあります。

また、建物価値を下落させるリスクには、以下のようなものがあります。

空き家保有のリスク場合によっては他人に重大な迷惑をかけることになるので、放置は厳禁と心得てください。

6-2. 空き家特別措置法と特定空き家

空き家は近隣に悪影響を与える社会的問題を引き起こす原因にもなることから、2015年5月に空き家特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)が施行されました。

空き家特別措置法により、自治体が危険な空き家を特定空き家として指定することができるようになりました。

特定空き家として指定される可能性のある空き家は、以下のような空き家です。

  1. 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態の空き家
  2. 著しく衛生上有害となるおそれのある状態の空き家
  3. 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態の空き家
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態の空き家

相続直後、すぐに実家が特定空き家として指定されることは、ほとんどありませんが、近隣からのクレームが頻繁に発生するような空き家だと特定空き家に指定される可能性があります

6-3. 特定空き家に指定された場合のデメリット

特定空き家に指定された場合のデメリット特定空き家に指定されると、助言、指導、勧告、命令、行政代執行という順番で、徐々に厳しい行政指導を受けることになります。

最終的に行政代執行を受けると、空き家を強制的に取り壊されることになります。強制的に取り壊されますが、取壊し費用は空き家の所有者へ請求されます

もし、所有者が取り壊し費用を支払えない場合には、残った更地が公売にかけられ、売却されることになります。

空き家は、特定空き家に指定されてしまうと、最終的には土地まで失うこともあるということを知っておきましょう。

7. 相続した実家の売却を助けてくれる税金の特例

空き家特別措置法の施行に伴い、税金面において売却も行いやすくなりました。ここでは相続空き家で使える3,000万円特別控除について解説します。

7-1. 売却で発生する譲渡所得

相続した実家を売却する場合でも、譲渡所得が発生すると、所得税及び住民税、復興特別所得税が発生します。

譲渡所得とは、以下の式で表されるものです。

譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

譲渡価額とは売却額になります。譲渡費用は売却に要した仲介手数料や実家の取壊し費用が費用となります。

取得費とは、売却した不動産の購入額になります。相続の場合、取得費は被相続人が購入した取得費を引き継ぎます。但し、建物については減価償却後の価格が取得費となります。

減価償却後の取得費について

土地と建物の購入金額が分かっている場合、土地については購入額、建物については減価償却後の価格を合計したものが取得費となります

減価償却費については、以下の式で計算されます。
建物購入代金 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

木造戸建住宅の場合、耐用年数は33年、償却率は0.031で計算されます。

相続で取得した実家は、被相続人が取得した取得時期を引き継ぎます。親が40年前に取得している場合、経過年数は40年となります。

減価償却は、建物購入代金の5%となるまで償却することができます。

つまり、償却額は建物購入代金の95%までが最大値ということです。例えば、木造戸建住宅で、築40年、土地価格1,000万円、建物価格2,000万円の取得費を計算します。

最初に減価償却費を計算します。
建物購入代金 × 0.9 × 償却率(0.031) × 経過年数
= 2,000万円 × 0.9 × 0.031 × 40年
= 2,232万円

減価償却後の建物の取得費は、以下のようになります。
建物購入代金 - 減価償却費

しかしながら、上記の例の場合、減価償却費(2,232万円)が減価償却額の最大値である「建物購入代金の95%」を超えてしまっています。

このような場合には、強制的に建物購入代金の5%である残存価格が建物の取得費となります。

よって、上記の例の場合、建物の取得費は以下のようになります。
残存価格 = 建物購入代金 × 5% = 2,000万円 × 5% = 100万円

以上のことから、取得費は以下のようになります。
土地の取得費 + 建物の取得費 = 1,000万円 + 100万円 = 1,100万円

相続した実家は耐用年数を過ぎていることが多いです。償却額が建物購入代金の95%以上となっている場合には、建物の取得費は建物購入代金の5%となることに注意しましょう。

一方で、実家の購入時の売買契約書が見つからず、購入額が分からない場合には、概算取得費というものを用います。概算取得費とは、譲渡価額の5%です。

概算取得費を用いた場合の譲渡所得の計算式は、以下のようになります。

取得費が不明な場合

譲渡所得 = 譲渡価額 - 概算取得費 - 譲渡費用
= 譲渡価額 - 譲渡価額 × 5% - 譲渡費用
= 譲渡価額 × 95% - 譲渡費用

尚、税率に関しては所有期間で異なります。所有期間も被相続人の所有期間を引き継ぎます。

所有期間が5年以下であれば短期譲渡所得、所有期間が5年超であれば長期譲渡所得、と呼ばれています。所得税率及び住民税率は以下の通りです。

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 5年超 15% 5%

7-2. 相続空き家の3,000万円特別控除

相続した実家は、取得費が低いことや、そもそも取得費が不明なことが多いことから、売却すると多額の税金が発生するため、売却の障害となっていました。

高い税金が発生してしまうことも、放置される空き家が増えてしまった原因の一つです。そこで、相続を契機に空き家となってしまった不動産は、3,000万円特別控除が適用できる場合があります。

3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得は以下のように計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

3,000万円特別控除の適用により、譲渡所得がゼロ以下となった場合には、所得税及び住民税、復興特別所得税は発生しません

7-3. 適用要件

相続空き家で3,000万円特別控除を適用するには、以下の要件を満たす必要があります。

1. 相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋であること
2. 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること
3. 区分所有建築物(マンション等)以外の家屋であること
4. 相続の開始直前においてその被相続人以外に居住していた者がいなかったこと
5. 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付の用または居住の用に供されていたことがないこと
6. 譲渡価格が1億円以下であること
7. 家屋を譲渡する場合、その家屋が現行の耐震基準に適合するものであること

取壊して売却する場合
8. 取り壊した家屋について相続の時からその取壊しの時まで事業の用、貸付の用又は居住の用に供されていたことがないこと
9. 土地について相続の時からその譲渡の時まで事業の用、貸付の用または居住の用に供されていたことがないこと

ポイントは以下の3つです。

1つ目は、マンションは適用されません。適用できるのは戸建のみです。

2つ目は、建物付きで売る場合、現行の耐震基準を満たす必要があります。昭和56年5月31日よりも前の建物は、旧耐震基準の建物であり、現行の耐震基準を満たしていない可能性が高いです。耐震基準を満たしていない場合には、耐震リフォームが必要となります。

3つ目は、一度、賃貸に供してしまうとこの特例が使えなくなるという点です。安易に賃貸の有効活用してしまうと特例が使えないため、ご注意ください。

また、この特例は相続の発生時期と売却期間を以下のように対応させる必要があります。

相続の発生 売却期間
2013.1.2~2014.1.1 2016.4.1~2016.12.31
2014.1.2~2015.1.1 2016.4.1~2017.12.31
2015.1.2~2016.1.1 2016.4.1~2018.12.31
2016.1.2~ 2016.4.1~2019.12.31

特例の適用に当たっては、要件をしっかり確認するようにしてください。

まとめ

いかがでしたか?
実家を相続したときにやるべきことについて見てきました。

実家を相続したら、まず遺言や重要書類等について確認してください。

次にどのように資産を引き継ぐか方針を決めます。所有権の移転には、法定相続、遺産分割協議、遺言の3つがありました。

実家を特定の人が引き継ぐ場合、自分で住むか、他人に貸すことになります。他人に貸す場合は、「賃貸経営 HOME4U」を利用して、管理会社を探すことから始めましょう。

また売却して配分する場合、代表者を決める、最低価格を決めるといった2つのことを行うのが共有物の売却のポイントとなります。

売却方針が決まったら、「不動産売却HOME4U」で早速、査定を依頼してみましょう。

いずれにしろ、相続した実家は空き家のまま放置するのは得策ではありません

相続した空き家は、3,000万円特別控除の特例が使えるため、売却しやすくなっています。適用要件を確認した上で、実家をどうするか決めるようにして下さい。

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