住む人がいない実家をどうやって処分するか、悩んでいませんか?
- 相続したけれど、誰も住む予定がない。
- 親が施設に入居したので空き家になった。
このような理由で実家の処分を考える方が増えています。
実家を処分するときには、相続後に売却する場合と、相続前に売却する場合で、異なる手続きが必要です。
また、「処分」といっても「売る」だけでなく、「活用する」という選択肢もあるでしょう。
下のチャート図のとおり、実家を処分しようと思ったときには様々な選択肢があります。
そこでこの記事では、処分したあとで後悔しないよう、事前に知っておくべきポイントをお伝えするとともに、活用する場合の手順について紹介していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、大切な実家について後悔のない選択肢を見つけてください。
1.実家を処分する前に知っておきたいこと
実家を処分しようとするときには、知っておきたいポイントがあります。
「相続してから実家を処分する場合」と、「父母が健在なうちに実家を処分する場合」には違いがあるので、それぞれのポイントを解説していきます。
1-1.相続した実家を処分するときのポイント
1-1-1.相続登記が必要!
相続した実家を処分するときには、そのまますぐに売却することはできません。
実家を誰が相続するのか決めて、亡くなった親の名義になっている実家の登記を、相続人の名義に変更する必要があります。
この名義変更を「相続登記」といいます。
相続登記には次の三通りがあります。
- 民法で定められた相続割合(法定相続分)どおりに分ける場合。
- 相続人同士で遺産分割協議を行って分け方を決める場合。
- 遺言書のとおりに分ける場合。
相続登記の手続きには、戸籍謄本や住民票などの必要書類が多く、「登記申請書」も作成しなくてはなりません。
司法書士に依頼すればそれほど手間はかかりませんが、ある程度時間がかかるので早めに取り掛かることをおすすめします。
1-1-2.税金がかかる可能性がある!
基本的に、実家が買ったときよりも高く売れると、所得税や住民税がかかります。
とはいえ、両親が購入した家や、先祖代々の土地の場合には、購入価格を証明するものがないケースが多いです。
買った値段がわからないときには、売却価格の5%で取得したものとみなして税金を計算するので、この場合には税金が高くなる可能性があります。
そのため、購入時の売買契約書等をできるだけ探してみることをおすすめします。
なお、空き家になった実家を相続して売る場合には、一定の要件を満たしていれば、3,000万円の特別控除の制度があります。
適用期限は2023年(令和5年)12月31日までに売却した場合なのでご注意ください。
※国税庁:「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
相続した実家の売却手続きについては、「【徹底解説】実家相続時の流れと税金の計算方法」で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
1-1-3.売却依頼は相続手続きに慣れた不動産会社へ
思い出のある大切な実家を、少しでも高くスムーズに売却するためには、不動産会社選びを慎重に行うことが大切です。
特に築年数の古い家の場合は、不動産会社により査定額に大きな差が出るケースもありますので、できるだけ複数の会社から査定を受けて比べることをおススメします。
複数の不動産会社からまとめて査定を受けるなら、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」が便利です。
家の所在地やおおよその広さなど簡単な項目を入力するだけで、査定対応が可能な不動産会社が自動的にピックアップされます。
参画している不動産会社は、サイトの運営元であるNTTデータグループにより厳しい審査を受けている優良企業のみなので、安心してお使いいただけます。
相続物件であることを伝えれば、各社の担当者が細やかに指南してくれますので、査定額だけでなく各社の対応の違いも比較しながら、一番良い不動産会社を選んでください。
1-2.相続前に実家を処分するときのポイント
高齢化社会が進む今、相続する前に子供が親名義の実家を処分するケースが増えています。
親を引き取って同居を始めるときや、親が介護施設に入居する費用を捻出したいときなど、住む人がいなくなった実家を早めに処分するのは合理的です。
面倒な不動産の売却手続きを、高齢の親の代わりに子供が取り進めてあげたいという背景もあるでしょう。
ただし、たとえ家族であっても、子が親名義の家を売却する場合には、正当な「代理人」となるための手続きが必要です。
代理人には2種類あり、「任意代理」と「法定代理」があります。
この違いは、実家の売却について親がハッキリと意思表示できる状態なのか、それとも寝たきりや認知症などで意思表示が困難なのかによります。
それぞれの手続きを見ていきます。
1-2-1.代理人として売却する方法(任意代理)
相続する前に実家を処分するには、親が健在であれば、親から委任状をもらって「代理人」として子が売却手続きを進めることができます。
これは親名義の不動産を売却する場合において一番簡単な方法です。
実家を売却するためには、第三者に向けて、親が子供へ代理権を委任していることを委任状によって明確にする必要があります。
親が遠方に住んでいたり、健康上の理由で売買契約に立ち会えない、などの事情がある際に使われています。
なお、代理人である子供が親の不動産を売却した場合、その収入はあくまでも親のものなので、税金が発生する場合は親に課税されます。
1-2-2.親が認知症などの場合(法定代理)
親が認知症などで、家の売却意思をはっきり示せない場合には、委任状にサインをしてもらっても意味がありません。
このようなときは、「成年後見制度」を利用すれば不動産の売却ができます。
成年後見制度は、判断能力の十分でない人を保護したり支援したりするための制度です。
そのため、本人のためになることであれば、後見人が契約締結をしたり、財産管理を行うことができます。
自宅は重要な資産なので、自宅を売却するときには、法定後見人を選任した上でさらに裁判所の許可を得る必要があります。
法定後見人は、家庭裁判所が選任するので、親族が選ばれるとは限りません。
弁護士や司法書士等が選ばれるケースもあり、この場合には一定の報酬が発生します。
なお、成年後見制度には「任意後見制度」というものもあります。
「任意後見制度」は、認知症などになる前に、あらかじめ本人が成年後見人を選出しておきます。
できれば親が元気なうちに、将来に備えて子どもが任意後見人になっておくと安心です。
1-3.実家を処分するかどうか判断は慎重に
一番避けたいのは、実家をそのまま放置しておくことです。
人が住まない家は傷んでしまいますし、不法投棄・放火・不法侵入の被害に遭ったり、雑草やハチの巣などで近隣トラブルが発生したりする恐れもあります。
近隣に危害を与えるようなことが起きてしまうと、賠償責任を問われることになりかねません。
また、金銭面でも毎年の固定資産税がかかりますし、維持管理の出費も予想されます。
実家を処分してしまえば、高齢者施設の入居費用に充てることができたり、資産を相続人で分けやすくなるメリットがあります。
ただし、一度手放してしまうと、買い戻すことは一般的に言ってほぼ不可能です。
思い入れのある実家を本当に手放してもいいのか、慎重に検討することをおすすめします。
もし立地の良い土地であれば、そのまま所有して別の形に変えて活用するのも一案です。
そこで、次の章では、空き家の活用方法について解説していきます。
2.実家を処分せずに活用する方法
思い出のある実家の土地を手放さずにすむ方法には、2通りあります。
「実家を建て替えずにそのまま貸す場合」と、「取り壊してアパートや駐車場等に変える場合」です。
それぞれについて解説します。
2-1.実家を建て替えずに貸す場合
実家を処分せずに、賃貸物件として人に貸せば、家賃収入が得られます。
空き家にしておくよりも、人が住むことで建物の傷みを防ぎ、資産価値を維持することにもなります。
ただし現実には、築年数の経過した一戸建てを借りたいという人はそれほど多くありません。
駅から近い立地や人気の住宅街で、建物の条件が比較的良い物件でなければ、納得できる家賃水準で貸すことは難しいです。
リフォーム費用や修繕費用もいくらか発生するのが普通なので、貸しても割に合わない可能性があることに注意が必要です。
なお実家がマンションの一室という場合、駅徒歩圏であれば多少古くても賃貸に出しやすいです。
ただし、リフォーム費用や、毎月の管理費・修繕積立金などの維持費を考慮して総合的な収支を検討してください。
実家を貸したいと考えるときには、具体的に次のような流れで進めていくとスムーズです。
- ●「賃貸経営HOME4U」を使う方法
-
実家を貸す際には、管理会社に委託すれば、特別な知識や手間をかける必要がなく賃貸経営をすることが可能です。
入居者の募集、契約手続き、賃料の回収などをまとめて依頼できます。管理会社探しには、「賃貸経営 HOME4U」を利用すると便利です。
物件の所在地など簡単な入力をするだけで、複数の管理会社から賃料設定や管理手数料などの提案を受けることが可能です。
各管理会社の違いをしっかり比較検討し、一番良い会社を選ぶようにしてください。
- ●自治体の「空き家バンク」などを利用する方法
-
「空き家バンク」は主に市区町村が運営する、空き家を活用するための制度です。
人の流出や空き家の問題を抱えている自治体が、地域の活性化を求めて運営しています。
空き家バンクは、空き家を「貸したい人と借りたい人」、「売りたい人と買いたい人」をマッチングします。
また自治体によっては様々な補助金制度があり、建物の改修費用などを一部補助してくれる場合があります。ただし、空き家バンクは非営利目的のため、運営している自治体の介入がありません。
そのため、オーナーと利用者が直接交渉しなければいけないのが一般的です。
提携している不動産会社が仲介してくれるケースもありますが、利用条件などを細かく確認しておかないと後になってトラブルになるリスクがあるため注意が必要です。そもそも空き家バンクがない自治体もありますし、それぞれの自治体でサービス内容が異なるので、市区町村のホームページ等でしっかり確認してください。
2-2.実家を取壊して別の形に変える場合
実家を建て替えずに貸したくても、需要が見込めない場合は、実家を取壊して別の形で活用する方法が向いています。
具体的に、「アパート経営」「マンション経営」「月極駐車場」「コインパーキング経営」「貸店舗」「太陽光発電用地」などの特徴を解説します。
いずれも管理に関しては専門の会社に委託すれば手間はかからないので、副業にも向いています。
2-2-1.最も選ばれるのは「アパート経営」「マンション経営」
アパート経営・マンション経営といった住宅系の土地活用は、安定した収益が見込めるので最も人気があります。
手間がかかりそうなイメージがあるかもしれませんが、専門の管理会社に委託すれば、入居者の募集活動やトラブル対応なども任せられるのでオーナーのやるべき仕事は多くありません。
オーナーの最大の仕事は、スタートする時点で、高いノウハウを持った建築会社と優良な管理会社を選び出すことです。
まとまった初期投資が必要なのはデメリットと言えますが、アパートローンを借り入れるときに団体信用生命保険に加入すれば、万が一のときには保険金が下りて借り入れが返済されます。
遺族には借金のないアパートが残せるという利点から、アパート経営を選ぶ方もいらっしゃいます。
アパート・マンション経営は、毎年の固定資産税・都市計画税の軽減や、相続税の節税効果が大きいというメリットも見逃せません。
アパート経営による相続税対策については、「【徹底解説】アパート経営を活用した相続税対策の詳細解説と、節税方法一覧」で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
2-2-2.狭小地でも可能な「月極駐車場経営」「コインパーキング経営」
初期費用にあまり予算をかけたくない場合には、駐車場として活用する方法が向いています。
ただし、一般的にアパート経営よりは収益性が落ち、ローコストローリターンになります。
駐車場経営は、やめる際に取壊し費用がかからないので、短期の土地活用にも向いています。
将来、親族が家を建てるまでの間の一時的な土地活用といったケースもよく見られます。
立地に応じて、月極駐車場にするかコインパーキングにするのか選ぶとよいでしょう。
狭い土地や変わった形の土地でも柔軟に利用できます。
月極駐車場はアスファルト舗装せずにロープで区割りするだけでもスタートでき、地元の不動産会社などに管理を委託するのが一般的です。
コインパーキングの場合、毎月一定の賃料で土地を運営会社に貸す契約形態がほとんどです。
土地を貸す形態なら、コインパーキングの設備費用は運営会社に負担してもらえるのが一般的なので、オーナー負担になるのはアスファルト舗装費用だけであり、意外と安価にスタートできます。
駐車場経営については、「【基礎から解説】駐車場経営大百科 メリット・デメリットから失敗例まで」でも紹介しています。
2-2-3.立地によっては「貸店舗」「太陽光発電用地」など
土地活用と言えばメジャーなのはアパート経営や駐車場経営ですが、ほかにも様々な土地活用があります。
駅の近くで人通りの多い立地や、大通り沿いの土地なら、貸店舗が向いている可能性があります。
1階は店舗や事務所として貸し出し、2階以上は賃貸住宅にするのが向いているかもしれません。
ただしテナントが埋まらないリスクは避けたいので、店舗需要がどれほどあるエリアなのか、しっかり見極めることが大切です。
一方、地方や郊外で、アパートや駐車場需要が少ないエリアでもあきらめる必要はありません。
周りに住宅が少なく、日当たりの良い広い土地には、野建ての太陽光発電用地が向いている可能性があります。
太陽光発電を一定規模で行えば、国の制度で20年間の固定価格買取制度があるため、安定した収益が見込めます。
2-2-4.実家の土地を活用したいと思った場合、どうしたらよいか?
成功の秘訣は、その土地にピッタリな土地活用を選ぶこと。
そして、経験豊富な優良企業をパートナーに選ぶことです。
実家の土地を最大限に有効活用するプランを見つけたいとき、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」のプラン請求サービスを使うと、複数の優良企業から土地活用プランの提案が簡単に受けられます。
複数の企業に相談して、提案内容をじっくり比較検討してみてください。
そうすれば、建物設計や建築費の妥当性について自信をもって判断でき、最も有利なプランはどれなのか見極めやすくなります。
木造アパートに特化した企業、鉄骨アパートを得意する企業、コインパーキングの専門会社など、様々な得意分野を持つプロの提案を聞いてみることをおすすめします。
長期的な収支シミュレーションや、修繕コストなども見比べながら、ベストな経営プランを選んでください。
まとめ
それではおさらいです。
実家に住む人がいなくなったときには、そもそも「処分する」「処分しないで活用する」という2つの選択肢があります。
相続した実家を売却する場合には、まず「相続登記」が必要ということを覚えておいてください。
親が健在なうちに実家を売却する場合には、委任状を作成すれば子どもが親の代わりに売却できます。
もし、認知症などで親の意思確認ができないなら、成年後見制度の利用を検討するとよいでしょう。
ただし、思い入れのある実家を手放してしまうことに抵抗がある場合には、買い戻せる可能性がほぼ無いことをしっかり認識した上で、慎重な判断をしてください。
実家を処分するかどうか迷っているなら、下記の3つのサービスがお役に立つはずです。
- 実家を売却したいときには「不動産売却HOME4U」
- 実家を建て替えないで貸したいときには「賃貸経営 HOME4U」
- 土地活用したいときには「HOME4U オーナーズ」
いずれも無料のサービスですので、後悔しない選択肢を見つけるために、ぜひご活用ください。
この記事のカテゴリトップへ