収益物件をお持ちのオーナー、空き店舗にお悩みではありませんか?リーシングというマーケティングを取り入れた仲介業務では、不動産物件の価値を高めながらオーナーの利益に貢献します。リーシングのそもそもの意味や、テナント誘致の仕組みを解説します。

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公開日
2020年01月20日
変更日
2020/01/20
カテゴリ
記事, 大家さん向け, これから始める人向け, 空室改善

リーシングとは?テナント物件の空室にお悩みのオーナーへ

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リーシングとは?テナント物件の空室にお悩みのオーナーへ

テナントの空室を埋めるにあたり、より早く、効率よく、そして質の高い客付けを行うことができる「リーシング」。

リーシングを行うことで、中長期にわたって安定したテナント経営を行うことが可能になります。

ここでは、そもそもリーシングとは何なのか、不動産の仲介とはどう違うのでしょうか、リーシングの意味と仕組みについてくわしく解説します。 

1. リーシングとは?

「リーシング」は一般的にリース業務全般を指す用語ですが、ここでは不動産業界におけるリーシング業務について取り上げます。

リーシングとは客付けのことで、賃貸物件の借り手がつくまでのサポートを行うことです。仲介業務と同じような意味で使用されます。

リーシングのサポート対象となるのは、主にオフィスビルやテナントビルなどの商業用不動産で、居住用不動産に対してリーシングの手法が用いられることはほとんどありません。

1-1. リーシングと仲介業務の違い

賃貸物件の仲介とは、貸し手と借り手の間に立って賃貸借契約を成立させるまでの一連の業務のことです。具体的には、以下の3段階の業務に分けることができます。

  1. 相談を受けてから正式に依頼されるまで:物件調査などの業務
  2. 仲介の依頼を受けてから:資料作成や広告・募集活動などの業務
  3. 借り手が見つかってから:賃貸借契約を結ぶまでの業務

リーシングは仲介業務の一種ですが、契約の成立を目的とする仲介業務とは異なる点として、ただ客付けするだけでなく、物件の価値を高め収益性を上げる目的があることが挙げられます。

そのため、リーシングの業務は一般的な仲介業務と比べて非常に幅広く、不動産の知識以外にも専門的なビジネスの知識が求められます。

1-2. リーシングとプロパティマネジメント

リーシングと同様、あまり聞き慣れない不動産用語のひとつに「プロパティマネジメント」というものがあります。

プロパティマネジメントとは、不動産の価値を最大限に高めることを目的として行われる賃貸管理手法のひとつです。
投資用物件の運用にも広く用いられています。不動産の価値を高めるという意味では、リーシングと非常に似ています。

違いとしては、リーシングが依頼を受けてから成約するまでのマネジメント業務に特化していることに対し、プロパティマネジメントは物件の管理運営を中心としたサポート全般を行う点が挙げられます。

したがって、広義においてはリーシング業務もプロパティマネジメントの業務のひとつと考えられます。

1-3. リーシングの手数料

リーシングを依頼する上で、気になるのはやはりコスト面でしょう。一般的な賃貸の仲介手数料とはどのくらい違うのでしょうか。

リーシングの手数料(テナントリーシング料)は会社ごとに異なりますが、だいたいテナント料の1カ月分とされていることが多いようです。

賃料の他、共益費駐車場代、そのほかにも毎月の固定費がある場合は、それらすべてを含めた金額に別途消費税を加算した金額がリーシングの手数料となります。

ただし、リーシング会社によって下限料金が設定されている場合もありますから、注意してください。
例えば下限料金が50万円に設定されている場合、1カ月の賃料などの合計が50万円以下だったとしても50万円の手数料が発生します。

一方、仲介手数料については宅地建物取引業法(宅建業法)において上限の金額が定められており、居住用以外の物件の場合は賃料の1カ月分(別途消費税)とされています。

比較してみると、リーシングの手数料は仲介手数料と比べても決して高額ではないということがわかります。

2. 不動産業界におけるリーシング

リーシングを含むプロパティマネジメントは、日本の不動産業界へ外資系企業が参入したことにより持ち込まれた手法です。

不動産業界においてその重要性は認識されつつあるものの、日本において不動産の価値や収益性を上げるための取り組みが行われることは、まだまだ少ないのが現状です。

2-1. 空室対策だけではダメな理由

不動産賃貸業において、空室リスクは最大かつ永遠の懸案事項であるといっても過言ではないでしょう。
不動産会社や管理会社も空室対策へのさまざまな取り組みを行っていますが、そう簡単に改善が期待できるものでもありません。

居住用不動産では設備や内装のリフォームなどを行い、見た目や機能性の向上を図ることで空室対策とすることが多いですが、テナントの場合はただリフォームをしただけでは集客につながりません。リフォームをするにしても、それなりの戦略が必要なのです。

ところが、居住用不動産の扱いが主である不動産会社などは、テナントの空きを埋めるノウハウを持っていないことが多いです。その場合はただ広告を出して申し込みがくるのを待つしかありません。

2-2. なぜ、リーシングが必要なのか

商業用不動産の場合、いくつか空きテナントがあるだけでもビル全体に閑散とした印象を与え、客足にも影響を及ぼします。
それが原因で退居するテナントが出てくるなど悪循環を生んでしまうことも考えられます。テナントの空室は、居住用不動産の空室以上に深刻な問題なのです。

テナントの客付けをするには、ただ待っているだけではなく積極的に誘致を行わなければなりません。つまり、ビジネスにおいて必要不可欠な「営業」活動です。

不動産会社では一般的にプル型の営業手法(反響営業)が用いられる場合が多いですが、リーシング会社の営業はプッシュ型です

電話営業を中心とした積極的なアプローチを行いますが、無差別なローラー営業ではなく、綿密な計画に基づいてターゲットを絞り込むため、効率良く、質の良いテナント出店者を募ることができるのです。

2-3. リーシングを行うメリット

積極的な誘致活動によって早期に客付けできるのが、なんといってもリーシングの一番のメリットでしょう。しかし、リーシングを行うメリットはそれだけではありません。

テナントミックス計画による誘致を行うことで、より魅力的で収益性の高いオフィスビルやテナントビルの実現が可能となります。

テナントミックスとは、商業集積のコンセプトを実現するために最適なテナントの組み合わせを指し、立地条件や顧客のニーズも踏まえて計画を行います。

これらの手法を用いることにより、リーシング会社による客付けは市場のニーズに最適な形で行われることになります。オーナーだけでなく、ほかのテナントや利用者の方々にとっても満足度の高いものとなるのです。

また、優良なテナントだけを選んで誘致することが可能なので、オーナーは賃料未払いなどのトラブルや、マナーの悪いテナントの対応に悩まされる可能性も低くなります。

2-4. リーシングで注意すべき点

このようにメリットばかりだと感じられるリーシングですが、実際にこの仕組みを利用する上で気を付けなければならない点もいくつかあります。ひとつずつ見ていきましょう。

2-4-1. リーシング会社の選定

リーシングを行う上で最も重要なのは、リーシング会社の選定です。

オーナーとリーシング会社の方針が合わないと、どこかちぐはぐで統一感のないテナントの並びになってしまいます。だからといって、どちらかの考え方に偏ってしまうと収益性の高いテナントが集まりにくいでしょう。

オーナーの要望と出店戦略をうまく結びつけることができる、経験豊富で提案力のあるリーシング会社と出会えることが理想です。

そのためには、どのようなテナントにしたいのかオーナーの考えを整理し、要望を明確にしておく必要があります。誘致したいテナントがあれば、リストアップしておくのもよいでしょう。

その上で複数のリーシング会社に提案を依頼し、内容を比較検討して依頼先を決定して下さい。

2-4-2. リーシングの均一化

リストに入っているテナントが、誰もが知っている有名店や人気店に偏っていないかどうかという点も、重要なチェック項目のひとつです。

多くのテナントが入っているにも関わらず、似た店舗ばかりだと、せっかくのお店も没個性化してしまい、魅力を感じにくいでしょう。
商業施設が乱立する中、同じような店舗ばかりが並んでしまう「リーシングの均一化」は業界内でも問題視されつつあります。

2-4-3. とりあえず埋めればいい?

なかなか借り手がつかないと、「どんな店舗でもとりあえず入ってくれればいい」と考え、ついテナントミックス計画を無視した客付けに走ってしまいがちです。

しかし、リーシングの目的は「収益性を上げること」と「不動産の価値を高めること」を前提とした客付けです。そのためには、長い目で見て魅力があると感じられるテナントを集めなければなりません

あえて誘致をしなかったり、時には出店を断ったりする勇気も必要なのだと覚えておいてください。

3. リーシングの業務内容

テナントの客付けにおいて、限りあるコストを効率的かつ効果的に使用するためには、マーケティング戦略が不可欠です。

リーシング業務がどのように行われているのか、順番に見ていきましょう。

3-1. マーケティング業務の流れ

テナントリーシングにおけるマーケティング戦略と、開店までの流れについてご説明します。

3-1-1. リサーチ

まずは、徹底的なヒアリングによってオーナーの要望を明確にします。

そして市場全体のニーズや競合といった外部環境、および現在入っているテナントの状況や顧客層といった内部環境の調査と分析を行います。

ここでリサーチした内容が、リーシングにおけるすべての基盤となります。

3-1-2. 戦略の策定

次に、商業集積のコンセプトを明確にしていきます。
ここで、テナントオーナーとリーシング会社のコンセプトに対する認識を合わせておくことが非常に重要となります。

そのコンセプトに基づき、ターゲットの選定や市場における差別化などの戦略を策定します。

また、どれくらいの賃料で募集を行うか、どの程度の修繕メンテナンスが必要かなど、具体的な事項についても検討していきます。

3-1-3. 企画

決定したコンセプトに基づいて、具体的なテナントミックス計画を立てていきます。

周辺商業施設との競合を避けつつ、より魅力的な並びとなるようなテナントを候補に挙げていくのです。

テナントの改装なども、この段階で行います。

3-1-4. 営業

マーケティングによってテナントが付く仕組みを作ったところで、実際に売っていくのが営業の役割です。

ターゲット選定によって絞り込んだ顧客に対し、まずは電話でアプローチを行い、アポイントが取れたら商談に入ります。この時の交渉も、すべてマーケティング戦略に基づいて行います。

3-1-5. 契約・開店

交渉が成立したらテナント契約を行い、開店まで引き続きサポートを行います。

4. リーシング業務はどこに依頼する?

客付けというと不動産会社のイメージが強いかもしれませんが、リーシングはさまざまな企業で行われています。

続いて不動産会社とリーシング会社の違いや、リーシング会社の種類と特徴、上手なリーシング会社の選び方などをご説明します。

4-1. リーシング会社と不動産会社

不動産会社とリーシング会社は、どちらも営業によってテナントの客付けを行い、成約に結びつけます。
不動産会社は「プル型」営業、リーシング会社は「プッシュ型」営業ですが、実は両者の営業スタイルにはもう一つ明確な違いがあります。

それは「営業の対象」です。

不動産会社は目の前のお客さまに対してのみ営業を行うのに対し、リーシング会社は「市場全体」を営業の対象としています。
その大規模な市場の中からコンセプトに合ったターゲットを絞り込み、テナントの新規開拓や誘致を行います。

4-2. リーシング会社の種類

不動産開発会社

商業施設のプロデュース業務として、開店までのコンサルティングからリーシングによる客付け、運営管理までワンストップでマネジメントを行います。
商社やハウスメーカーなど、さまざまな系列のプロデュース会社があります。

空間デザイン会社

オフィスや店舗の設計・施工を本業とする空間デザインの会社でも、クライアントの物件を中心にリーシングマネジメントを請け負う場合があります。

不動産会社

地方の不動産会社では少数派ですが、全国展開している大手不動産会社の中には、リーシング部門を設置したり、グループ会社を設立したりして手広くリーシング業務を行っている会社も少なくありません。

リーシング専門会社

リーシング専門会社は、リーシングやプロパティマネジメントなど、マーケティングの手法を用いた不動産マネジメント業務を専門としてテナント開発を行っています。

ビル管理会社

ビルメンテナンス業や警備業を主体とするビル管理会社でも、サービスの一環としてリーシング業務を行っていることがあります。

4-3. リーシング会社の選び方

テナントの客付けが成功するかどうかは、リーシング会社の経験や実力による部分が大きいです。

ノウハウが豊富でネットワークも広い大手のリーシング会社は、テナント企業からの信頼も厚いでしょう。
このような大手リーシング会社に依頼することで、優良テナントに入ってもらえる可能性が高まります

会社の規模にかかわらず商業施設に強いリーシング会社もあれば、オフィスビルに強いリーシング会社もあるでしょう。

外観や内装のデザインに力を入れたテナントや特定のジャンルに絞り込んだテナントの獲得など、それぞれに得意分野を持つリーシング会社を見つけてください

複数のリーシング会社を比較し、より良い提案をしてくれるリーシング会社とお付き合いするのも良いでしょう。

まとめ

リーシングの目的は、ただテナントの客付けをするだけでなく、中長期にわたって安定した運営ができるような商業集積を形成することです。

マーケティングの手法を用いたリーシングには、将来的な課題まで洗い出して解決策を探るなど、長期的に安定したテナント経営を行うことができる仕組みが用意されています。

日本においてはまだ一般的ではなく、対応できる不動産会社も少ないのが現状ですが、テナントの空室対策における選択肢のひとつとしてリーシングの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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