土地の売却を検討していると
「土地の相場はどうやって決まるのだろう?」
「土地の相場を調べるにはどんな方法があるのか?」
と、感じる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、土地相場の指標となる土地の公的な価格と、相場に影響する特性などの2つの要素について解説、これらの項目の調べ方も説明します。その公的な地価基準と要素によって土地相場がどのように決まるのかを確認できる内容です。
下の表は項目の説明に飛べるようになっています。知りたい項目へのショートカットにお使いください。
土地相場を決める要件 | 要素 | 章 |
---|---|---|
土地の公的な価格 | 公示価格(公示地価) | 1-1 |
相続税評価額(路線価) | 1-2 | |
固定資産税評価額 | 1-3 | |
時価(実勢価格) | 1-4 | |
(都道府県地価調査による)基準値標準価格 | 1-5 | |
土地の特性などの条件 | 立地条件 | 2-1 |
接道 | 2-2 | |
人気度合(需要性) | 2-3 | |
土地の面積・形・現況 | 2-4 | |
周辺環境 | 2-5 |
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目次
1.土地の相場の土台となる「土地の公的な価格」
「相場」とは一般的に、ある時点における物品の取引価格をいいます。相場はその物品の需要と供給のバランスによって決まるため、さまざまな要因から時々刻々と変化するのが本来のあり方です。
ただし、土地については経済状況や社会環境の影響も受けるものの、株などのように短期間で大きな値動きはしないのが日本では一般的です。
理由の一つとして、土地の価格設定には複数の指標、基準があることが挙げられます。これを「一物四価」といいます。
- 公示価格(公示地価)
- 相続税評価額(路線価)
- 固定資産税評価額
- 時価(実勢価格)
- (都道府県地価調査による)基準値標準価格
土地の価格を評価する際、立場の異なるもの(国、地方自治体、売主や買主など)はそれぞれ異なる基準で行うため、同じ土地でありながら4つの価格が存在します。またこれに加えて
という、都道府県が決定する価格もあります。こちらは公示価格の補佐的なものとして表示されます。
「相場」は、この中の「時価(実勢価格)」が最も近いと考えられますが、まったく同じとは言い切れません。
まずはこれら、土地の相場に大きくかかわる、公的な「土地の価格」についてみていきましょう。
1-1.公示価格(公示地価)
公示価格とは、国土交通省が指定した全国の複数地点の土地について、毎年1月1日時点の価格を算定したものです。例年、3月中旬~下旬に国土交通省から公表されます。この時期には公示価格の上昇や下落が話題になるためご存じの方も多いのではないでしょうか。
公示価格は、土地が適正に売買取り引きされるための一般的な指標とすることが目的ですが、あくまで目安となるもので、実際の市場取引価格とは差が出ることもあります。
1-2.相続税評価額(一般的に「路線価」と呼ばれるもの)
相続税評価額とは、主に相続税や贈与税の計算に用いられる評価額です。毎年1月1日時点を基準として国税庁が算定し、毎年7月1日に公表します。
単に「路線価」という場合はこの相続税評価額を指します。また「相続税路線価」とも呼ばれます。
相続税評価額(路線価)は、公示価格および基準値標準価を100%としたときのおおよそ80%にあたります。
1-3.固定資産税評価額
固定資産税評価額は、固定資産税の納税額を計算する際の基準となる土地価格です。3年に1度、前年の1月1日を基準にして評価替えが行われます(そのほか、都市計画税、登録免許税、不動産取得税などにもかかわります)。
毎年送付される固定資産税の納税通知書には、土地、建物ごとに固定資産税評価額が記載された明細書が添付され、それぞれの不動産ごとに評価額を確認することができます。
固定資産税評価額は基本的に納税額を計算するために用いられるもので、評価額そのものは土地の売買価格として設定するものではありません。また、固定資産税評価額は、公示価格の70%相当とされています。
なお、「固定資産税路線価」という場合は、こちらの意味になります。
1-4. 時価(実勢価格)
過去に実際に売買された、土地の取引価格平均値がこれにあたります。不動産会社などが一戸建てを簡易査定する際に使われることもあります。これまでの取引の事例や、近隣にある似た条件の物件取引価格を参考にする場合が多いようです。
1-5. (都道府県地価調査による)基準値標準価格
都道府県知事が毎年7月1日時点の基準値の標準価格を公表しているものを指します。いわゆる「基準地価」です。用語としての「一物四価」には入っていませんが国の公示価格の補足となる価格ととらえられ、こちらも土地の取引において参考とされます。
2.土地の相場価格に影響するその他の要件
土地の相場は、1章で見てきた公示価格などの公的な価格の他に、土地の特性などが影響します。それぞれの要件を説明します。
2-1.立地条件
立地条件は、土地の相場に大きく影響することがあります。
例えば最寄り駅やバス停からの距離は、買主にとっては気になる条件でしょう。駅から徒歩5分と徒歩20分では、通勤・通学時間に大きな差が生まれます。
また、生活インフラが備わっているかどうかも重要です。例えば小さな子供もいる比較的若い世代の家族なら、大きな公園の近くや学校などの近く、スーパーやドラッグストア、病院など生活にかかわる場所があるかという点も購入するかどうか検討するでしょう。これらも相場に影響する可能性が高いといえます。
2-2.接道
土地と道路の関係なども影響があります。建物を建てるには、建築基準法の「道路」に一定幅で接していることが必要です。道路に接していない土地は建物を建てられないケースもあるため、売れにくくなってしまいます。
2-3.人気度合(需要性)
土地の人気度、需要性も価格に影響するポイントです。駅に近いことは一般的に好条件になりますが、一方で閑静な住宅地といわれるような付加価値があるエリアも存在します。多くの方が住みたいと希望する土地は、相場価格も上がる傾向があります。
2-4.土地の面積・形・現況
土地の面積、形、現況なども価格に影響します。
例えば面積が極端に狭く、建物を建てる際に一定の制限がある土地は敬遠されます。反対に広すぎて活用しきれなかったりすると、買い手の選択肢から除かれてしまう場合があります。
また、土地の形が変形的な場合も需要が限られます。四角形の建物が建った時にデッドスペースが生まれる可能性もあり、万人向けではありません。また、変形地や狭小地の場合は立てられる建物に制限がある場合が出てきます。
古家がある場合は取り壊し料が発生してしまうため(そのまま住む場合はリフォーム料など)、相場より低くなる場合もあるようです。
2-5.周辺環境
土地の周辺環境も重要なポイントです。土地の面積や形に恵まれていても、たとえば隣が廃棄物処分場などであれば、好んで選択する方は少ないと考えられるでしょう。このように、土地の価格はさまざまな要素を含めて検討されます。
土地売却に関する費用や流れについても知っておきたい方はこちら。
3.土地相場の指標となる価格の調べ方
土地相場の指標となる価格は、ご自分で調べることができます。ここでは、それぞれの価格を調べる方法をご紹介しましょう。
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3-1.公示価格の調べ方
公示価格は国土交通省のサイトから確認できます。ただし、公示価格は全国のある地域の基準値を定めて鑑定した価格になります。必ずしもご自分が所有する土地の地域が基準値になっているとは限りませんので注意してください。
公示価格・都道府県地価調査による基準値標準価格を調べる
3-2.相続税評価額(路線価)の調べ方
路線価は相続や贈与税の計算のもとになるもので、国税庁の路線価図サイトで確認できます。路線価は全ての地域に設定されているわけではなく、基準値として評価された場所に限定されますので、所有する土地が路線価図にない場合もあります。
相続税評価額(路線価)を調べる
3-3.固定資産税評価額の調べ方
固定資産税評価額は、毎年送られてくる固定資産税納税通知書に添付される明細書で確認できます。評価額は土地、建物ごとに分かれていますので、売却を検討している土地の欄をご覧ください。
固定資産税評価額を調べる
☞おうちのいろは「土地と建物の固定資産税を調べるなら、固定資産税評価額をチェック」
3-4.時価(実勢価格)の調べ方
時価の厳密な計算は複雑ですが、以下のサイトでアンケートをもとにした実際の土地取引価格が参照できます。
土地の時価を調べたい
4.相場価格を調べるときに注意すべきポイント
公示価格や相続税評価額(路線価)、固定資産税評価額、時価は、それぞれ違う価格を示すことがあります。どの価格においても、市場での不動産取引の価格に合致するものではありません。
土地の相場は価格の指標となるものを参考にしながら、土地の個別の要件を含めて、実際に取り引きするときに、適正とされる範囲を検討し決められるものです。そのため、指標となる価格はあくまでも参考としてとらえてください。
土地の価格についてもっと知りたい方はこちらもご覧ください。
5.土地相場と査定、売却価格の考え方
土地相場を自分で調べおおよその目安を知ることはできますが、いざ所有する土地の売り出し価格を決めるとなると、何を基準として判断すればよいか迷ってしまうのではないでしょうか。
価格を決める第一歩としては、土地の「査定」を依頼し、どのくらいの価値があるか客観的に知ることが大切です。
ここでポイントとなるのは、「査定価格と売却価格は違うことがある」という点です。
査定価格は、不動産会社が市場での取引経験や土地の条件などを考えて、このくらいなら売れるのではないかという想定価格を提示したものです。
売却価格は、査定価格とは別に売り主が「売りたい価格」を提示したものですから、売り主が査定額よりも高く売りたいと希望することもあれば、できるだけ早く売りたいために査定額より低い価格にすることもあります。「いつまでに売りたいのか」という部分も、売却価格を決める時は重要なポイントになります。
とはいえ、査定から売却までどのように進めればよいか、全くわからない方もいらっしゃるかもしれません。そのような方には、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」のご利用がおすすめです。
不動産を売却するには、物件の査定をもとに価格設定などを進めていきますが、できるだけ複数の会社から査定額を提示してもらい比較検討することで、適正な価格で売り出すことで、スムーズな売却につながります。
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まとめ
土地の相場に関係する公示価格や相続税評価額(路線価)、固定資産税評価額などの概要や調べ方などについて解説しました。
ご紹介したものはそれぞれ実際の売買価格そのものではなく、あくまでも指標として参考にすることが大切です。
土地の相場を調べたあとは、不動産会社に土地の査定をしてもらい、しっかり話し合いながら売買価格を決めることになります。適正な売買価格を設定してできるだけスムーズな取引ができるよう、信頼できる不動産会社を選択することをおすすめします。
この記事のポイント まとめ
- 公示価格(公示地価)
- 相続税評価額(相続税路線価)
- 固定資産税評価額
- 時価(実勢価格)
- 基準値標準価格(基準地価)
それぞれの指標については「1.土地の相場の土台となる「土地の公的な価格」」でご確認ください。
- 立地条件
- 接道
- 人気度合い(需要)
- 土地の面積・形・現況
- 周辺環境
それぞれの要素がどう影響するかは「2.土地の相場価格に影響するその他の要件」で解説しています。
- 指標となるそれぞれの地価が異なることもある
- 市況によって変動がある
- 土地のもつ特性によって相場とのかい離がある場合も
といったポイントに注意が必要です。注意点については「4.相場価格を調べるときに注意すべきポイント」でも触れています。
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