相続税の計算において、土地などの不動産が大きな割合を占めることが多いです。本記事では、相続財産の中に土地が含まれている方に向けてその評価方法と節税につながる特例をお伝えします。

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公開日
2020年01月20日
変更日
2020/01/20
カテゴリ
記事, 大家さん向け, これから始める人向け, 税金・相続

相続税における土地評価の方法は?計算・節税方法を具体例とあわせて解説

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相続税における土地評価の方法は?計算・節税方法を具体例とあわせて解説

実家を相続する場合や、ご両親が土地を複数所有されている地主の場合、それを相続するときに多額の相続税が課される可能性があります。

この記事では、相続財産の中に土地が含まれている方に向けて、土地の評価方法や具体的な計算方法を詳しく解説していきます。

この記事を読むことで、土地の評価額の具体的な計算方法を身につけ、将来相続する予定の土地の相続税について、ご自身でもおおまかな税額を把握できるようになります。

1. 相続税の計算において土地は時価より安く評価される

相続税は、亡くなった方の相続財産の価値に応じて納税額が決まります。
この相続財産の価値の計算において、土地の価値は時価より安く評価されるのが原則です。

その理由は、土地の評価は、相続税路線価固定資産税評価額といった価格のいずれかを採用して行いますが、これらが時価の7~8割を目安に定められるからです。

ちなみに時価とは「現在取引されている価格」といった意味で実勢価格と呼ばれることもあります

1-1. 相続税路線価と固定資産税評価額

ここでは、相続税路線価と固定資産税評価額について見ていきましょう。

1-1-1. 相続税路線価とは

相続税路線価とは、相続税の計算において土地の価値を計算するために用いられるもので、全国のあらゆる道路に価値がつけられ、その道路に面した土地の面積が決められます。

相続税路線価は国税庁が定めますが、毎年1回の発表のため、1年間の間に生じた価値変動により納税者間で不公平が生じないよう、時価の8割程度を目安に定めることとされています。

なお、路線価は以下のサイトから調べることができます。

参考:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表 路線価図等の閲覧の仕方

上記サイトでは、路線価図の見方の解説がありますので、参考になさってください。

1-1-2. 固定資産税評価額とは

固定資産税評価額とは、土地や建物など固定資産税の価値を表すものです。
市区町村が定めますが、数が多いこともあり、3年に1回更新されることになっています。

このため、3年の間に生じる価値の変動により納税者間に不公平が生じないよう、固定資産税評価額は時価の7割程度を目安に定めることとされています。

固定資産税評価額は、土地の所有者に対して毎年送付される納税通知書で確認できる他、役所の窓口で閲覧することもできます。

2. 土地の評価方法はエリアにより2つに分かれる

相続税の計算上、土地の評価には相続税路線価や固定資産税評価額を用いることをお伝えしましたが、具体的にはエリアにより路線価方式倍率方式のいずれかの方法で評価額が決まります。

基本的には、中心地部分は路線価方式により計算し、路線価の定められていない郊外については倍率方式により計算することになります。

2-1. 路線価方式

路線価方式とは、道路ごとに定められた相続税路線価に土地の面積を掛け合わせて土地の相続税評価額を算出する方法です。

国税庁の路線価図を確認すると「100G」などと書かれていることが分かりますが、数字の横に「千円」を掛けて計算します。100Gであれば100千円、つまり100,000円です。

参考:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表

例えば、「100G」と書かれた道路に面した土地の面積が200平米であれば、相続税評価額は100,000円×200平米=20,000,000円と計算することができます。

なお、数字の横についているアルファベットは借地権割合のことです。
借地権割合については、「4-1. 借地」で詳しく解説します。

2-2. 倍率方式

倍率方式は、主に路線価のつけられていない、郊外の土地の評価に利用されるものです。
土地に設定された倍率は、「1-1-1. 相続税路線価とは」で解説している通り、国税庁の路線価図が見られるサイトに掲載されている「評価倍率表」で確認できます。

評価倍率表は「令和元年分財産評価基準を見る」から表示される日本地図から、「東京」など該当の都道府県を選択すると表示される画から、選べるようになっています。

参考:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表 東京都 財産評価基準書目次

評価倍率表には、エリアごとに「1.1」や「1.2」などと書かれているのが分かるかと思います。
これは、その土地の固定資産税評価額に上記倍率を掛け合わせると土地の評価額を算出できることを表しています。

例えば、固定資産税評価額が10,000,000円の土地が倍率1.1倍のエリアにあるのであれば、10,000,000円×1.1=11,000,000円と計算できます。

なお、エリアによっては周囲の道路には路線価がついているのに、数カ所だけ路線価が抜け落ちているような場合があります。

こうした場合には、役所に特定路線価申請を出せば新しく路線価を設定してくれます。

特定路線価申請は、義務ではありませんが申請書を提出して特定路線価が設定されると、必ずその路線価を利用しなくてはならなくなる点には注意が必要です。

3. 土地の状況によって補正を加える必要がある

2-1. 路線価方式」で路線価方式による計算方法をお伝えしていますが、実はこの計算式は完全ではありません。

土地は、土地の形や奥行の長さにより使い勝手が異なり、価値が異なるため、そうした差額を補正していく必要があるのです。

なお、補正には不整形地補正や間口狭小補正、奥行長大補正などがありますが、それぞれ国税庁の以下のページで補正率を閲覧することができます。

参考:国税庁「奥行価格補正率表

この章では、代表的な補正方法をいくつか解説していきます。

3-1. 不整形地補正

不整形地補正とは、土地の形がいびつな場合に、そのいびつな部分の割合に応じて土地の評価額を下げるものです。
この、「土地の形がいびつな部分の割合」のことをかげ地割合と呼び、以下の計算式で求めます。

かげ地割合 = 想定整形地の地積-不整形地の地積÷想定整形地の割合

例えば、普通住宅地区Aに該当するエリアで、かげ地割合が10~15%の場合、不整形地補正率は0.98となります。

出典:国税庁「奥行価格補正率表

3-2. 間口狭小補正

間口狭小補正とは、土地の間口が想定される使い方より狭い場合に、通常の評価額より減額する補正を行うものです。

例えば、普通住宅地区で間口が4m未満の場合、間口狭小補正率は0.90となります。

出典:国税庁「間口狭小補正率表(付表6)

3-3. 奥行長大補正

奥行長大補正とは、間口の長さに対する奥行の長さが大きい場合に補正を行うものです。
普通住宅地区の場合、奥行距離÷間口距離が2以上3未満のとき、奥行長大補正率は0.98となります。

例えば、間口が4m弱、奥行が10mの場合、奥行距離÷間口距離はおおよそ2.5となるため、奥行長大補正率が0.98となります。

出典:国税庁「奥行長大補正率表(付表7)

3-4. 補正を掛け合わせて評価額を算出

前述の各補正について、所有する土地に当てはまるすべての補正 (他にもいくつかの補正があります)を路線価に掛け合わせていきます

例えば、路線価が100,000円で面積が200平米で、不整形補正、間口狭小補正、奥行長大補正にそれぞれの条件に該当する場合、補正後の評価額は以下のように計算します。

100,000円(路線価)×0.98(不整形地補正)×0.90(間口狭小補正)×0.98(奥行長大補正)×200平米(地積)=17,287,200円

3-5. 500平米以上の土地の評価

500平米以上の土地など、通常より面積の大きな土地は「規模格差補正率」を用います。
この規模格差補正率は、三大都市圏に所在する宅地」の場合500平米以上から、「三大都市圏以外の地域に所在する宅地」の場合1,000平米以上から補正を行うことになります。

例えば、三大都市圏に所在する、500平米の宅地の場合、規模格差補正率を以下のように求めます。

(500平米(地積)×0.95+25)÷500平米(地積)×0.8=0.792(規模格差補正率)

規模格差補正率についても、該当する場合は他の補正率と同様に路線価に掛け合わせて土地の評価額を算出します。

参考:国税庁「地積規模の大きな宅地の評価

4. 利用状況によって評価額や計算方法が変わる

これまで、土地の相続税評価額の求め方についてお伝えしてきましたが、借地している場合や、賃貸アパートや賃貸マンションを建てて部屋を人に貸している場合にも評価額が変わることを見ていきましょう。

4-1. 借地

借地、つまり土地を人に貸して、土地を借りた人が土地の上に建物を建てている場合などには、通常の土地と同じように土地を使えないことから、土地の評価額についても低い評価を受けることができます。

具体的には、以下の計算式で評価額を求めます。

借地権の評価=土地の評価額×借地権割合

借地権割合とは、先ほど路線価図の見方でお伝えした通り、路線価の右側についているアルファベットで確認できます。

参考:国税庁「路線価図の説明

借地権割合は上記のようにアルファベットごとに定められており、借地の評価額を算出する場合には、通常の方法で相続税路線価を算出した後、借地権割合を掛け合わせて算出します。

例えば、相続税路線価が100Gの道路に200平米の土地がついている場合、その土地の評価は100,000円×200平米=20,000,000円となります。

さらに、借地権の評価を求める場合、Gであれば30%なので、借地権の評価額は20,000,000円×30%=6,000,000円となります。

4-2. 貸家建付地(賃貸アパートや賃貸マンション)

自分の土地の上に賃貸アパートや賃貸マンションを建てている場合、完全に自分の土地として利用できない分、土地の評価額について減額を受けることができます。

この、「自分の土地の上」に、「賃貸アパートや賃貸マンションを建てて人に貸している」状態の土地のことを「貸家建付地」と呼びます

貸家建付地の評価額は以下の計算式で求めることができます。

貸家建付地の評価=土地の評価額-(土地の評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

なお、土地の評価額はエリアによって異なることをお伝えしましたが、借家権割合は国税庁の公示により一律30%と定められています。

先ほどと同じ条件で、賃貸割合が100%の場合、以下のように計算します。

20,000,000円-(20,000,000円×30%(借地権割合)×30%(借家権割合)×100%)=18,200,000円(貸家建付地の評価)

4-3. 分譲マンションの場合の土地の評価額計算方法

更地や戸建住宅の土地部分の評価額はイメージしやすいですが、分譲マンションの場合、どのように土地の評価額を求めるのでしょうか。

分譲マンションにおいても、土地と建物を別々に分けて求める点は戸建住宅と一緒です。

具体的には、マンション全体の敷地面積と評価額を求めた上で、マンション全体の延床面積のうち、自分が専有する延床面積の割合(敷地面積割合)を求め、土地の評価額を計算します

例えば、全体の敷地面積が1,000平米、路線価が10千円、マンション全体の延床面積が2,000平米で、そのうち100平米分を専有している場合、以下のように計算します。

10千円×1,000平米(敷地面積)×(100平米(専有面積)÷2,000平米(全体の延床面積))=500万円(土地部分の評価額)

4-4. 私道としている土地の評価方法

土地のうちの一部を私道としている場合、その道路が不特定多数の人によって利用されている場合、その私道の価値は評価しないこととなっています。

一方、その私道を所有者しか使わない場合、通常通り評価した額に0.3を掛け合わせて算出します

参考:国税庁「私道の評価

4-5. 駐車場にしている土地の評価方法

駐車場として利用している土地の場合、その利用方法によって評価方法が分かれます。

まず、自分の土地の上に自分の自動車を停めるための駐車場スペースを設けた場合、これは当然のことながら通常の方法で評価を行います。

次に、自分の土地の上に駐車場スペースを設け、その駐車場スペースを他人に貸す場合にも、通常の方法で評価が行われます。
これは、土地の利用そのものを目的とした賃貸借契約ではないと判断されるからです。

一方、コインパーキング会社に一括借り上げしてもらい、その会社が駐車場に関する施設を設置して駐車場を運営するようなケースでは、土地の所有者は通常の土地の価格から賃借権の価格を控除できることになっています。

単に、駐車場を貸すだけでは評価額の減額を受けられない点に注意が必要です。

4-6. 小規模住宅地等の特例(相続人と同居していたか否か)

被相続人が亡くなった時点で、被相続人と同居していた場合、相続税の評価額について大幅な減額が受けられる小規模住宅地等の特例があります。

減額できる額と減額を受けられる面積は、土地を住宅として使っていた場合(特定居住用宅地)、事業で使っていた場合(特定事業用宅地)、賃貸していた場合(貸付事業用宅地)で異なり、具体的には以下のようになります。

特定居住用宅地:330平米までの部分について80%
特定事業用宅地:400平米までの部分について80%
貸付事業用宅地:200平米までの部分について50%

例えば、同居していた相続人が実家の土地を相続するようなケースで、その土地の評価額が2,000万円、面積が400平米だった場合、以下のように計算します。

2,000万円-(2,000万円×330平米÷400平米×80%)=680万円

非常に減税効果の高い制度ですが、特定の適用を受けられる条件が相続人と同居していたこととなっている点に注意が必要です。

5. 相続税における土地評価シミュレーション

最後に、ここまでご説明してきたことをベースにいくつかの土地の評価額を実際に計算してみたいと思います。

5-1. 【ケース1】路線価方式/自用地

路線価方式で自用地の評価額を求めるケースです。

なお、自用地とは土地の上に自分の家を建てるなど、自分でその土地を使うために利用するケースのことを指します。
例えば、実家の家を相続したようなケースが当てはまるでしょう。

ここでは、以下のように条件を設定します。

路線価:70千円/平米
面積:150平米
不整形地補正:0.98
小規模住宅用地等の特例適用有

それでは、計算していきましょう。

70千円/平米(路線価)×0.98(不整形地補正)×150平米=10,290,000円

住宅の用に供する土地のため、330平米まで80%の減額を受けられます。

10,290,000円×(10,290,000円×80%)=2,058,000円

5-2. 【ケース2】倍率方式/自用地

次に、倍率方式のエリアで自用地の評価を求めるケースを見てみましょう。

ここでは、以下のような条件を想定します。

固定資産税評価額=10,000,000円
倍率:1.2

この場合の土地の評価額は10,000,000円×1.2=12,000,000円となります。

5-3. 【ケース3】路線価方式/貸家建付地

最後に、路線価方式で貸家建付地の評価を求めるケースを考えてみます。

4-6. 小規模住宅地等の特例(相続人と同居していたか否か)」でも解説していますが、貸家建付地とは賃貸マンションや賃貸アパートの土地のように、自分の土地の上に建物を建てて人に貸しているような土地のことを指します。

ここでは、以下のような条件で考えてみましょう。

路線価:250千円/平米
借地権割合:70%
土地の面積500平米(三大都市圏以外)
小規模住宅用地等の特例適用有

それでは計算してみましょう。

250千円/平米(路線価)×500平米×(土地の面積)=1億2,500万円
1億2,500万円-(1億2,500万円×30%(借地権割合)×30%(借家権割合)×100%(賃貸割合))=9,875万円
9,875万円-(9,875万円×200平米÷500平米×50%)=79,000,000円(小規模住宅用地等の特例)

以上、土地の評価額の求め方と具体的な計算方法をお伝えしていますが、借地権一つとっても普通借地権と定期借地権で評価額が異なるように、状況によって計算方法が変わってくることがあります。

このため、特に相続額が大きくなりそうな場合には、早い段階で税理士や土地活用の専門家に相談してください。

土地活用については、もし身近に頼れる専門家がいない場合、土地活用プランの一括請求サービス「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」を利用するとよいでしょう。

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こうした相続税の知識については、単に税理士であるとか、単に不動産会社の担当者というだけではだめで、相続税専門の税理士や、節税対策に強い土地活用の専門家である必要があります。

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まとめ

土地の評価額の求め方について、基本となる考え方や、土地の利用方法によって異なる計算方法、具体的な土地を想定したシミュレーションなどをお伝えしました。

土地の評価額は、相続財産の中でも多くを占めることが少なくありません。

思っていたより多額の相続税の支払いが必要となり、困ってしまうということにならないよう、この記事を参考に自分で簡単に計算できるようにすると共に、必要に応じて相続専門の税理士への相談や、節税対策として土地活用を検討することをおすすめします。

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