土地活用で駐車場経営をしようかといろいろと調べていると「駐車場経営は儲からない」というキーワードやネット記事を見かけることがあります。
本記事では、なぜ、駐車場経営が儲からないと言われているのか、そして、本当に儲からない土地活用方法であるのかを、調べてまとめました。
最後までお読みいただければ、これから選ぼうとしている駐車場経営がきちんと利益を生むのか、そして、ご所有の土地に最適の経営方法はどうやったらわかるのか、などが理解できるようになります。
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「駐車場経営は儲からない」と言われる理由
駐車場経営が「儲からない」と言われるのには、以下のような理由があります。
- もともとローリスクローリターンだから
- 一時的な土地活用方法であることが多いから
- アパート経営より税負担が多いから
- 競合が増えやすいから
- 意外と管理が大変だから
それぞれの理由について、詳しくは「駐車場経営は儲からないと言われる5つの理由」をご確認ください。
儲かる駐車場にするために揃えておくべき条件
駐車場経営を儲かる状態にするには、揃えておくべき条件があります。以下の3つを揃えておくと、駐車場経営は成功しやすくなります。
- 駐車場経営に向いた土地である
- ニーズに合った駐車場スタイルを選ぶ
- 自分にあった経営・収益スタイルを選ぶこと
詳しくは「儲かる駐車場経営にするために揃えておくべき3大条件」をご確認ください。
駐車場経営をスタートするときに気を付けること
駐車場経営をスタートする際は、以下の5つを意識してみてください。
- 他の土地活用プランと比較してから決める
- 安易にスタートしない
- 経営中の場合は別会社に変更も検討する
- 信頼と実績のある不動産会社にサポートをお願いする
詳しくは「駐車場経営をスタートするときに気をつけること」をご確認ください。
目次
1.「駐車場経営は儲からない」と言われる5つの理由
本章では、駐車場経営が儲からないと言われている理由を5つにまとめています。
- もともとローリスクローリターンだから
- 一時的な土地活用方法であることが多いから
- アパート経営より税負担が多いから
- 競合が増えやすいから
- 意外と管理が大変だから
1-1.もともとローリスクローリターンだから
駐車場経営は、数ある土地活用の中でもローリスクローリターンな活用方法のひとつです。最もシンプルな駐車場の形式を取れば、ご所有の土地からゴミや石ころなどを取り除き、車止めと看板設置をすれば即スタート出来ますので、初期投資をほとんどかけずにスタートすることも出来ます。これが、駐車場経営がローリスクである理由です。
代わりに、土地の利用効率が良くないので、ローリターンになります。例えば、ご所有の土地に5階建てのマンションを建築すれば、同じ土地面積を5倍にして活用できますが、駐車場では土地を平面利用しかできませんので、利益は土地面積分しか期待できないことになります。
立体駐車場にすれば効率は上がりますが、初期費用もかかりますので、土地を平面利用するときのようなローリスクな土地活用ではなくなります。
1-2.一時的な土地活用方法であることが多いから
駐車場経営は、土地そのまま利用しているだけですので、他の業態への切り替えもカンタンです。そのため、駐車場経営は、次の土地活用をスタートするまでの一時的な土地活用方法として選択される傾向があります。
次の土地活用方法をまだ検討中だが、固定資産分だけでもなんとかしたいので、「とりあえず駐車場にしておくか!」という動機ではじめる方も少なくはありません。
駐車場は不動産会社に募集と管理をしてもらえば、土地オーナーとしては何もすることがありません。最近は、コインパーキングなどの専門会社もあり、整地・清算・管理まですべてやってもらえるプランも揃っています。
やめる時も、利用者や専門会社との契約が終了したら、すぐに次の土地活用に移れますので、土地オーナーからすると、パッと始められてパッとやめられるタイプの土地活用です。そのため、一時利用として考える場合には「駐車場経営で儲かろう」とは、そもそも思っていない傾向にあります。
1-3.アパート経営より税負担が多いから
駐車場経営は、アパート経営などの住宅の賃貸と比べると、税負担が少なくはありません。不動産の所有者には毎年、固定資産税と都市計画税の負担がありますが、この税制には、土地に建っている建物が住居であるときに減税される「住宅用地の特例」という制度があります。
アパート経営は住居を貸す賃貸経営ですから、「住宅用地」になり、固定資産税の優遇措置が適用されます。しかし、駐車場は住居ではないため、制度適用がなく、最大で6倍の固定資産税額となります。
そのため、仮に駐車場経営で収入がたくさん入ったとしても、それらの多くは、住居の6倍もの固定資産税と都市計画税の支払いに使うことになるため、手元に残るお金はあまり多くありません。これも、駐車場経営が儲からないと言われている理由です。
1-4.競合が増えやすいから
パッとスタートしてパッとやめられるハードルの低さが駐車場経営の魅力ですから、ライバルも出現しやすくなります。例えば、駐車場経営をスタートし、経営が順調であることがわかると、周辺に土地を持つ方や企業が、駐車場経営に目をつけて参入してきます。
特に、大企業が参入してくると、同時に複数の駐車場をオープンするなどの形で、小さな市場を独占しに来る傾向が強くなります。設定料金を下げる、よりアクセスの良い場所に駐車場を作る、目立つ看板を設置するなど、個人経営では太刀打ちできない営業戦略で展開してきますので、徐々に、駐車場経営に影響を及ぼし、収入が減っていく可能性があります。
1-5.意外と管理が大変だから
管理は不動産会社が担当してくれても、駐車場経営は意外と手間がかかります。気をつけなければならないのは、以下の清掃・ゴミ捨て・見回り、の3つになります。
・清掃
整地をしてある場合は掃除をし、近隣の家に土埃などが舞わないように配慮が必要です。整地をしていない場合は、夏場は雑草が増えないように注意をし、定期的な草むしりが必要になります。また、雪の日には凍結防止剤などを撒いて、駐車場内で事故が起きないような配慮が必要です。
・ゴミ捨て
ゴミ箱の有無に関係なく、利用者がゴミを置いて帰ることがあるので、見回りが必要です。見つけ次第ゴミ清掃をしないと、ニオイや汚れの原因となる以外にも、駐車場にゴミのたまり場ができることがあるので注意が必要です。
また、利用者以外に、通行人によるペットボトルなどのゴミの投げ捨ても多いので、ゴミの回収と注意喚起の張り紙なども必要になります。
・見回り
車にイタズラがないか・車で寝泊まりしていないか・不法投棄をしていないか・不審者が居座っていないか・地域の不良のたまり場になっていないかなど、定期的に見回り点検しておく必要があります。
万が一、敷地内でトラブルが起きると、周辺住民からのクレームが入る、契約者から解約されるなどの可能性があります。
掃除に関してはオプション料金を支払えば不動産管理会社やパーキング専門会社が対応します。見回りに関しても、オプションで24時間監視のカメラ設置で対応できますが、基本的に、起きたトラブルの「証拠」として利用するためであり、実際にトラブルがあっても、現場に急行して事態を解決してくれるわけではありません。
トラブル防止のためには、地元の交番に見回り強化をお願いしたうえで、警備会社に定期巡回を依頼するのが一番ですが、駐車場経営の収入と見合わせると採算が合わなくなります。
そのため、ご所有の土地で問題を起こさないようにしておくためには、委託をしていたとしても、普段から、土地オーナーが気をつける以外に回避する方法はありません。
そのため、駐車場管理は参入しやすい土地活用ではありますが、健全経営を続けるためには、そこに常に人がいない分、オーナーが気をつけておく必要があります。
2.儲かる駐車場経営にするために揃えておくべき3大条件
本章では、儲かる駐車場経営にするために必要な3大条件をまとめています。
- 駐車場経営に向いた土地である
- ニーズに合った駐車場スタイルを選ぶ
- 自分にあった経営・収益スタイルを選ぶ
2-1.駐車場経営に向いた土地である
ご所有の土地が、駐車場経営に向いている土地であることが、とても大切です。駐車場に向いた土地とは、以下のような土地条件のことです。
A 駅周辺
駅まで徒歩圏で行けるエリアにある土地は、駐車場に向いています。大通りにある必要はなく、裏通りや、駅の反対側でも問題がありません。駅の周りで「パッと停められる」場所であれば、適した場所と言えます。
B 繁華街の裏通り
駅につながる繁華街の裏通りも、脇道にある土地も駐車場経営に適しています。繁華街に用事のある方が利用するため、駅に近い必要はありません。
メインの通りよりも裏通りであれば、荷物が多い、荷物の出し入れが多い場合でも、人や車の通りを気にせずに駐車ができます。
C 大型商業施設付近
オフィスビルやショッピングモールなど、大きな商業施設の近くも駐車場経営に向いています。大型商業施設には無料の駐車場が併設されていますが、イベントなどがある期間はすぐにパーキングに入れず、行列を作ることがあります。
また、大型商業施設の駐車場は、停めやすいところとそうではないところがあります。スムーズに駐車場内に入っても、停めやすい場所を探してグルグルと回遊してすぐに駐車できないこともあります。
このように、大型商業施設の近くは、待機時間がもったいないと思う方や、サッと使いたいと思う方が利用してくれます。
これらの駐車場に適した土地条件は、駐車場のタイプを問わず「パーキングをしたい方」に共通のニーズです。ご所有の土地の広さや形状によって向いている駐車場のスタイルが違いますので、次項の駐車場スタイルも参考にしながら、土地活用プランを比較検討してください。
2-2.ニーズに合った駐車場スタイルを選ぶ
駐車場経営は大きく儲けられるタイプの土地活用ではありませんが、決して、儲からないというわけではありません。一般的な土地活用のルールと同様に、ご所有の土地条件が、エリアニーズに合致していれば、利用者の多い駐車場となり、安定収入が期待できます。
エリアニーズにあった駐車場のスタイルには、大きく分けると、次の3種類があります。
A 月極タイプ
利用者イメージ:平地で直に車を出し入れしたい利用者。車での出入りが多い方、荷物の出し入れが多い方向け。
月額支払いで賃貸契約するタイプの駐車場です。車の利用が多い方や、荷物の出し入れが多い方は、頻繁に駐車場を使いますので、同じ場所で安定的に使える月額駐車場を好みます。決まった場所にあるので待ち時間がなく、平地なので車の切り回しが良いことも魅力のひとつです。
更地の状態であればすぐスタート可能ですが、少しでも安定した駐車場経営をするためには、少しの初期費用がかかっても、アスファルトやコンクリートでの整地・タイヤ止め設置などで、外観を整えたうえで、利用者の車が汚れないような配慮が必要です。
利用者の募集・賃貸管理などは不動産会社に委託しますので、管理費が発生します。それ以外に定期清掃や見回りなども管理内容に入れるケースもあります。
契約は半年ベースが一般的ですが、1~2年などの長期更新など、契約者の都合によって個別に変えることができます。ただし、将来に別の土地活用を予定している場合は、半年ベースにしておくほうが、次の段階にスムーズに進めます。
台数が取れる分しか収入がありませんので、空きが出ると収入が減ります。安定的に借りてもらうためには、日常の清掃、違法駐車やゴミ放置のなどを未然に防ぎ、事故やトラブルを発生させない気配りが必要です。
B タワーパーキングタイプ
利用者イメージ:都心部の駐車場。イタズラ防止・盗難防止・車が汚れないことを望む利用者向け。
タワーパーキングとは、立体駐車場・モータープール・機械式駐車場などと呼ばれる、高層型の駐車場で、車専用の賃貸マンションのような建物です。
完全な室内型の駐車場であるため車が汚れず、自分の車を出すためにはカードキーなどを使った機械操作が必要なため、盗難やイタズラの心配がありません。機械式であるため出し入れに3~5分ほどの時間がかかります。
土地に構造メインの建物を建て、車を1台ずつ載せられるパレット(板)を設置し、エレベーターのように昇降させながら、車を出し入れします。設計プランによって、収容できる車の種類・高さ・台数などに違いがあります。
エリアによって、月額貸し・時間貸しのどちらでもでき、個別契約も可能です。土地面積が小さくても、土地条件の範囲で上に何階でも作れるので、駐車場台数を階数の分だけ多く取れる、効率の良い土地活用方法です。
タワー建物を建てるための初期費用がかかるので、ある程度の期間、駐車場経営をする前提であれば、駐車場としては「儲かる」可能性が高い傾向にあります。
機械の定期的な点検・メンテナンス・修理修繕が必要で、ランニングコストもかかります。また、撤収時には建物解体のためのコストが発生します。
C コインパーキングタイプ
利用者イメージ:短時間利用で駐車に便利な場所を探している方、夜間に停められるところを探している方向け。
24時間365日、誰でも利用できるようにした、時間貸しの駐車場です。利用者は走行中に看板などを頼りに駐車先を見つける以外にも、スマホアプリやカーナビ連携によって、エリア・値段をもとに、自由に駐車先を見つけることができます。
土地オーナーは、専門会社と契約をすることで、駐車場の整備・ロック板・精算機設置・監視カメラなどを連動させ、利用者管理と料金清算をするシステムを利用できるようになります。
専門会社の契約プランによっては、整地から撤収までをすべて専門会社に委託できるサブリース契約もあるため、初期費用0円でスタートでき、やめたい時にはいつでも撤収してもらえます。
収入は運営会社と契約した内容がベースになります。例えばサブリース契約の場合は、実際の稼働率や売上とは関係なく、毎月一定額が収入となります。
ただし、エリアが良く、車の出し入れもしやすい立地だった場合、いつも満車マークが点灯するような人気駐車場になる可能性がありますが、その場合でも収入は契約時に決めた定額となります。
2-3.自分にあった経営・収益スタイルを選ぶこと
自分が望む経営・収益スタイルを見つけることで、納得感のある土地活用になります。
A 自主経営
自主運営は、初期設備の準備から管理運営までのすべてを、土地オーナーが自分で行う駐車場経営です。運営管理の手間はかかりますが、駐車場経営で得た収入からコストを差し引いた分が、すべてご自分の収入になりますので、最も儲かる方法です。
月額駐車料金を設定し、駐車場台数が埋まった分だけ収入になります。どこにも委託をしていませんので、ご自身でする清掃や見回りなどの経費を除いたすべてが収入です。ただし、空きが出るとその分、即減収となります。
B 一括借上げ方式
一括借り上げは、主にコインパーキングの専門会社にある契約プランです。ご所有の土地をパーキングの専門会社に貸し出し、契約時に決めた一定賃料を収入にする方法です。サブリース方式とも言われます。
契約内容は会社によって違いますが、専門会社が駐車場としての価値を査定し、提示した金額に納得がいけば、契約となります。この月額料金は、駐車場の稼働状況とは関係なく、契約期間中であればずっと支払いが保証されています。
初期費用が不要で、ランニングコストなども全て専門会社が負担しますので、土地さえあれば誰でもスタートができ、次の土地活用が決まったら、すぐに撤収してもらえます。
C 買い取り方式
こちらも、コインパーキングで採用される方法です。土地オーナーが専門会社から機器一式を購入して、土地整備と機械設置などをしてから、保守管理を専門会社に委託する方法です。
土地と機械はオーナー所有ですので、管理のための委託費を支払えば、残りはすべてオーナーの収入となります。駐車場経営でコインパーキング経営を選択する場合には、前項の一括借り上げと比較をして、ご自分の求める経営・収入スタイルを選択するようにしてください。
D 管理委託方式
管理委託方式は、駐車場を作るところまでを土地オーナーが担当し、その後の賃貸管理を専門会社や不動産会社がする方式です。前項Cとの違いは、コインパーク形式を採用した際でも、機器はレンタルにしている点です。
一旦、駐車場を作ってしまえば、運営管理を丸投げできるので、ご所有の土地が遠方にある、駐車場経営とは別に本業がある場合に適しています。収入から、管理委託費などのコストを差し引いた分が利益になります。
せっかく始めた駐車場経営を、儲かる土地活用にするためには、不動産のプロフェッショナルからのアドバイスや、専門会社のサポートも必要です。
複数の土地活用プランを請求する際には、土地活用方法を総合的に比較したうえで、慎重に選び出す必要があります。
複数の土地活用プランを請求する際には、土地のエリアや広さなどのカンタンな項目を入力するだけで、信頼と実績のある不動産会社を最大10社までに絞り込んで紹介をしてくれる、NTTデータグループが運営する「HOME4U オーナーズ」の一括プラン請求をご活用ください。
駐車場経営も含め、ご所有の土地から利益を最大化できる土地活用の方法を、不動産のプロフェッショナルがしっかりとサポートしてくれます。
3.駐車場経営の収入シミュレーション
実際に駐車場経営をした場合、どの駐車場スタイルで、どのくらいの収入があるのかを、シミュレーション計算してみました。
今回は、同じ土地で、それぞれ違う駐車場を経営した場合を比較しています。あくまでシミュレーション計算ですので、実際にご所有の土地でのパターンは、複数の不動産会社やパーキングの専門会社にプラン請求して、慎重に比較をしてください。
【共通の条件】
- 土地面積50坪
- 平面の駐車場台数 10台(車1台に必要な坪数を4.5坪で計算)
- 固定資産税年 20万円想定(実際は、エリアによって違いがあります)
- ランニングコスト 管理委託費5%・その他ランニングコスト10%
3-1.月極タイプ
月極タイプの場合、1つの駐車スペースの月額代金が決まっています。土地をそのまま使いますので、駐車場台数は10台、最もシンプルな青空駐車場を想定し、初期費用はなしにしました。
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A 月額契約料金 | 3万円 3万円×10台=月額収入30万円 |
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B 初期費用 | 0円 青空駐車場 |
C 年収 | A30万円×12か月=360万円 |
D ランニングコスト | 360万円×5%=18万円・360万円×10%=36万円 合計54万円 |
E 年の手取り額めやす | C360万円-D54万円-固定資産税20万円=286万円 |
月額タイプの場合、手取り額は年276万円、月収ベースで約24万円です。ここから、確定申告をして不動産所得税と住民税が差し引かれることになります。不動産所得税は別に本業がある方は、その金額と合算することになります。
3-2.タワーパーキング
タワーパーキングを作る場合は、土地面積を上に延ばすことができますので、駐車場台数を増やすことができます。代わりに、建物を建てるための初期費用が発生します。今回は5階建てでシミュレーション計算しました。
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A 月額契約料金 3万円 | 3万円×60台=月額収入180万円 |
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B 初期費用 | 鉄筋鉄骨造坪単価46万円×(50坪×5階)=約1億円 |
C 年収 | A180万円×12か月=2,160万円 |
D ランニングコスト | 2,160万円×5%=108万円・2,160万円×10%=216万円 合計324万円 |
E 年の手取り額めやす | C2,160万円-D324万円-固定資産税118万円=1,718万円 |
タワー駐車場の場合、月額タイプの青空駐車場が上に積みあがることになります。車を10台置ける土地が5階分ですが、タワー建物の場合は屋上も使えますので実際は6階建てになり、合計で60台分の駐車台数が取れます。
初期費用はプランによって違いますが、鉄骨・鉄筋を使ったコンクリートなしの単価で、坪数に合わせた試算です。初期費用が大きいため事業用ローンを組みますので、実際にはこの金額が一度に出ていくのではなく、毎月の収入から返済していくことになります。
固定資産税額は、建物が建っていますので、土地と建物の合計額です。税額に関した詳細は関連記事※を参照してください。手取り額は年1,718万円、月ベースで約143万円です。
ここから、不動産所得税と住民税が差し引かれることになります。不動産所得税は別に本業がある方は、その金額と合算することになります。
3-3.コインパーキングタイプ1(サブリース契約)
コインパーキング経営で、サブリース契約をした場合の試算です。サブリース契約とは、専門会社が決めた料金設定で月額に支払う料金を提案し、その内容で問題なければ、契約をします。決められた金額は、駐車場の稼働率と関係なく、契約期間中は必ず支払われます。
【1台あたり3万円のサブリース契約だった場合】
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A 月額契約料金 | 1台3万円×10台=月額収入30万円 |
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B 初期費用 | プランによる。今回は初期費用0プランを想定 |
C 年収 | A30万円×12か月=360万円 |
D ランニングコスト | 360万円×5%=18万円・360万円×10%=36万円 合計54万円 |
E 年の手取り額めやす | C360万円-D54万円-固定資産税20万円=286万円 |
サブリース契約の場合は、月額駐車場とほぼ同じ内容になりますが、実際の月額契約料金はご所有の土地があるエリアや道路付け条件によって査定されます。
また、パーキングの専門会社は、利用客が増えなかった場合でも契約期間中は一律の金額を支払わなければならないため、それらのコストも含めた値段設定をしますので、周辺相場駐車場料金よりも少し低めの提案となる傾向があります。
土地オーナーの手取りからは、確定申告をして不動産所得税と住民税が差し引かれることになります。不動産所得税は、別に本業がある方は、その金額と合算することになります。
3-4.コインパーキングタイプ2
次に、同じコインパーキング経営でも、サブリース以外の契約タイプを選んだ場合の試算です。同じパーキング専門会社に申し込んでも、プランで大きく収入が変わりますので、注意が必要です。
コインパーキングは365日24時間営業の時間貸し駐車場ですので、月極駐車場と違い、駐車スペースが空いていれば、常に料金が発生する可能性があります。時間料金はエリアや土地条件によって違います。
また、昼と夜の利用客数の多さによっても値段設定が違い、例えば、昼は1時間200円、夜間は半額の1時間100円など、変化があります。仮に、昼間の時間に多く利用者がいて、夜はほとんど稼働がない前提で試算をしてみます。
【昼料金200円 夜100円のコインパークの場合】
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A 1台分あたりの月収 | 日中12時間フル稼働した場合 200円×12時間×30日=72,000/1台 |
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B 10台分の月収 | A72,000円×10台分=72万円 |
C 初期費用 | 委託・買取とも月額料金にリース料などがコストEとして発生する。 |
D 年収 | B72万円×12か月=864万円 |
E ランニングコスト | 864万円×5%=約43万円・864万円×10%=約86万円 合計129万円 |
F 年の手取り額めやす | C864万円-D129万円-固定資産税20万円=715万円 |
日中12時間稼働した場合、駐車場1台あたりの月間売上は72,000円、10台分で72万円になります。年間の手取り額は715万、月収ベースで約60万円になります。今回は試算に入れていませんが、実際には、夜間の稼働代金もプラスされますので、手取りの収入は、もう少し多くなる可能性があります。
ここから、土地オーナーは確定申告をして不動産所得税と住民税が差し引かれることになります。不動産所得税は、別に本業がある方は、その金額と合算することになります。
一括借り上げ(サブリース)だと、駐車場がどれだけ稼働しても、最初に決まった金額以上は支払われないのに対し、他のプラン契約であれば、稼働したらその分だけ利益になります。
特に、駐車場としてのニーズが高いエリアであれば、昼も夜もフル稼働する土地もありますので、コインパーキング経営をする場合は特に、ご自身でのエリアニーズ調査やシミュレーション計算もしておく必要があります。
駐車場経営をお考えの方は、駐車場のスタイルや、契約方法によって、収入に大きな違いが出ることを前提に、土地活用を考える必要があります。実際にどのくらいの収入になりえるのかは、ご所有の土地のエリアと広さ、道路へのアクセスの良さなど、さまざまな条件付けによって千差万別です。
土地活用で駐車場経営を検討し始めたら、まずは、複数の不動産会社へ土地活用のプラン請求をし、その中に駐車場経営もいれて、多くの可能性を比較しましょう。その上で駐車場経営に決めたら、パーキングの専門会社も含めて、複数のプランを比較し、もっとも納得のいく一社を選んでください。
複数のプランを入手する際には、一度の入力で最大10社にまでプラン請求ができる、NTTデータグループの運営する「HOME4U オーナーズ」の一括プラン請求をご利用ください。
4.土地活用で駐車場経営をスタートするときに気をつけること
本章では、駐車場経営をスタートさせる際に、気をつけておくことを4つにまとめています。
- 他の土地活用プランと比較してから決める
- 安易にスタートしない
- 経営中の場合は別会社に変更も検討する
- 信頼と実績のある不動産会社にサポートをお願いする
4-1.他の土地活用プランと比較してから決める
駐車場経営は確かに、手軽にはじめられるタイプの土地活用ですが、土地活用の方法にはたくさんの選択肢があります。土地活用をする際には、必ず、複数の土地活用方法を見比べて、その中から最も良いと思える方法を選び出してください。
複数の土地活用方法は、数多くのハウスメーカーや建築会社に土地活用のプラン請求をすることで入手できます。たくさんの土地活用プランを見ていくと「こんな方法があったのか!」と、ご所有の土地の可能性に驚くこともあります。
より精度の高い土地活用プランをそろえるのであれば、プラン請求の際に、現地調査をしてもらうことで、ご所有の土地ならではの活用プランに出会える可能性が高くなります。
4-2.安易にスタートしない
駐車場経営で土地活用をすると決めた場合でも、どのスタイルの経営をして、どのくらいの収入を得るのかを、ご自身の希望や将来の計画を含め、よく考えてスタートしてください。
駐車場経営をサポートする企業には、不動産会社以外にもさまざまな専門会社があります。提案してくるプランによっては、最初から最後まで何もしないでも駐車場経営が可能な「ぜんぶおまかせ」できるものもあります。
しかし、どれほど駐車場経営がカンタンと言われても、本当に何もしないでお金が入ってくるわけはなく、実際には企業にコストを支払っています。必要以上の支払いをして、土地活用の収入が思うように伸びないと、掲題の通り「駐車場経営は儲からない」になってしまいます。
本記事でご紹介した通り、駐車場経営はローリスクローリターンな土地活用ではありますが、決して儲からないものではないことを念頭に、安易なスタートをしないように慎重にプランを選択してください。
4-3.経営中の場合は別会社に変更も検討する
現在、すでに駐車場経営をしている状態で、思ったような収入を得られない場合は、管理会社や経営サポートをしている会社の変更を検討してください。
個人で駐車場を経営している場合で、思ったほど利用者が集まらないのであれば、集客力の高い、営業力のある不動産管理会社に変えます。コインパークなどの時間制駐車場を経営中の場合は、契約会社そのものを変更することで、利用客が増えることがあります。
不動産管理会社も専門会社も、企業によって経営方針が違いますので、中には広告宣伝もほとんどせず、基本的に自社アプリなどからの申込を待つだけの、受け身の営業方針のところもあります。
しかし、時間貸しでも月額貸しでも、駐車場経営は、空きが発生すると収入が減ります。集客力と営業力のある会社のサポートがあることで、経営状態が改善することがありますので、検討してください。
4-4.信頼と実績のある不動産会社にサポートをお願いする
駐車場経営を含めた土地活用全般に言えることですが、信頼と実績のある不動産会社にサポートしてもらうことで、どのような土地活用でも成功しやすく、儲かりやすくなります。
理由は、多くの不動産会社には独自のマーケティングデータがあり、土地の場所や条件から、そのエリアで成功しやすい土地活用方法を把握しています。
もちろん、土地オーナーの意向は重視しますが、土地活用というテーマで見た場合、土地からの利益を最大化させるための答えを知っているのは、不動産会社の担当者であることの方が多いと言えます。
パートナーとなる不動産会社を見つけるためには、数多くのプラン請求をして、最良だと思える一社を見つける必要があります。複数の会社とプランを比較することにより、各社の個性や得意なことが理解できるようになり、土地オーナーご自身が、どんな土地活用を求めているのかも、理解しやすくなります。
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