お店を開きたいけれど、テナントは家賃の支払いが心配だし、ランニングコストも気になる。
そこで選択肢として考えられるのが店舗付き住宅の新築です。
店舗付き住宅は経費を削減でき、家事や育児との両立もしやすいメリットがありますが、立地や建築費など気がかりな点も多いのではないでしょうか。
この記事では店舗付き住宅新築をご検討中の土地オーナー様に向けて、店舗付き住宅の新築の流れや費用、デメリットを解消するための注意点など、解説します。
また、店舗付き住宅について直接プロに相談したい方は、以下のボタンから簡単に建築プランを入手できます。ぜひご利用ください。
店舗付き住宅のメリット・デメリットとは?
店舗付き住宅は、店舗と一体となっている住宅です。
「店舗併用住宅」「店舗兼用住宅」などとも呼ばれます。
店舗付き住宅が一般住宅と違う点としては、
- 家賃無しで店を持てる
- 通勤時間ゼロで仕事できる
- 低金利の住宅ローンを利用できる場合がある
- 建築費の一部を経費に計上して節税できる
- 住宅部分はローン減税が受けられる
- 固定資産税、都市計画税の優遇が受けられる
- 貸すこともできる
- 普通の一戸建てよりも売りにくい可能性がある
- 自分が店をやめたらどうするか考えておかないと困る
- 建築費が一般住宅よりも割高になる可能性がある
節税との関係など、上にあげた各ポイントの詳細については「店舗付き住宅のメリット」と「店舗付き住宅のデメリット」をご確認ください。
店舗付き住宅新築でかかる費用はどのくらい?
住宅新築と違い、店舗付き住宅では、業種によっても工事費が大きく変わります。
不安な面も多い費用面では、予算額に応じた店舗付き住宅をハウスメーカー側から提案してもらうとよいでしょう。
費用面での問題解決法は「店舗付き住宅の新築にかかる費用」でご確認ください。
目次
1. 店舗付き住宅とは
店舗付き住宅とは、1つの建物に住居部分と店舗部分を併せ持った住宅のことで、「店舗併用住宅」「店舗兼用住宅」などとも呼ばれます。
店舗付き住宅は、自営する事業所(店舗)を自宅に設けるケースと、店舗としてのスペースのみを賃貸物件として自宅の一部で賃貸経営をするケースがあります。
店舗付き住宅は、一般的な住宅と違い用途地域の制限を受けるケースがあることに注意が必要です。建築予定地が第1種低層住居専用地域にある場合、業種が限定的で、店舗の広さも制限されます。
店舗付き住宅建築については以下の記事もご覧ください。
それでは、店舗住宅と一般住宅との間には具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
ここでは一般住宅と比べた店舗付き住宅のメリット・デメリットについて解説していきます。
2. 店舗付き住宅のメリット
ここでは店舗付き住宅のメリットについて解説します。一般的な住宅と異なる点も多い店舗付き住宅は、独自のメリットが多くあることに注目です。
2-1.家賃無しでお店を持てる
お店を経営する上で、大きな負担となるのが家賃です。
しかし、自分の家に店舗を併設すれば、家賃無しでお店を構えられます。
貸店舗を借りる場合には、家賃の負担だけでなく、契約時にまとまった保証金等も必要となりますが、これらの費用をかけずに開業できることで余裕を持って経営できます。
もちろん店舗付き住宅の建築費は必要になりますが、店の家賃と自宅の家賃を二重に支払うよりも、ローンを支払ったほうが安く済むケースがほとんどです。
店舗付き住宅のメリットは次の7つです。
- 家賃無しで店を持てる
- 通勤時間ゼロで仕事できる
- 低金利の住宅ローンを利用できる場合がある
- 建築費の一部を経費に計上して節税できる
- 住宅部分はローン減税が受けられる
- 固定資産税、都市計画税の優遇が受けられる
- 貸すこともできる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1-1.【メリット1】家賃無しでお店を持てる
お店を経営する上で、大きな負担となるのが家賃です。
でも、自分の家に店舗を併設すれば、家賃無しでお店を構えることができます。
貸店舗を借りる場合には、家賃の負担だけでなく、契約時にまとまった保証金等も必要となりますが、これらの費用をかけずに開業できることで余裕を持って経営できます。
もちろん店舗付き住宅の建築費は必要になりますが、店の家賃と自宅の家賃を二重に支払うよりも、ローンを支払ったほうが安く済むケースがほとんどです。
2-2.通勤時間ゼロで仕事ができる
自分の家に店舗を併設すれば、通勤時間のロスがありません。
通勤時間がなくなることで、不要なストレスもなくなり、プライベートに費やす時間を増やすことができます。
店舗付き住宅は、子育てや介護との両立にも向いています。
2-3.低金利の住宅ローンを利用できる
金融機関によっても違いますが、店舗付き住宅の全体について、金利の低い住宅ローンを利用できる可能性があります。
「建物の床面積の50%以上が住宅の場合に住宅ローンが使える」という条件がある場合がほとんどですので、金融機関に確認してみましょう。
金融機関によっては、住宅部分は住宅ローン、店舗部分は事業用ローン、という2本立ての融資になり、その場合には事業用ローンの金利は住宅ローンよりも高めになります。
融資については複数の金融機関で相談して、条件を比較することが大切です。
2-4.建築費の一部を経費に計上して節税できる
「店舗付き住宅で店を経営したら、家賃を経費に計上できないから節税できないのかな?」と思うかもしれませんが、店舗付き住宅の建築費のうち、店舗に相当する部分は減価償却費として毎年計上することができます。
減価償却費は、資産の価値が毎年少しずつ減っていくものとみなして、費用計上することです。
それに加えて、店舗部分に相当するローンの利息も費用に含めることができます。
2-5.住宅部分はローン減税が受けられる
住宅ローンを借り入れた場合、住宅部分の割合に応じて「住宅借入金等特別控除(ローン減税・ローン控除)」を受けられます。
「ローン減税」とは、借入金の償還期間が10年以上であるなどの一定の要件を満たせば、所得税の還付を受けられる制度です。
店舗付き住宅でも、マイホームを持つ人を支えるお得な制度をしっかり利用できます。
ただし、ローン減税は店舗付き住宅の床面積の50%以上が自宅の場合にしか使えませんので、注意が必要です。
2-6.固定資産税、都市計画税の優遇が受けられる
土地や建物には、毎年固定資産税や都市計画税が課税されますが、住宅の敷地については特例措置があります。
住宅の敷地のうち200平米までの部分(小規模住宅用地)は、建物が建っていない土地と比べて固定資産税が6分の1、都市計画税が3分の1に軽減されます。
店舗付き住宅の場合にも、市区町村が定めた一定の要件を満たせば、税率軽減を受けることが可能です。
土地の固定資産税についてはこちらの記事もご参照ください。
2-7. 賃貸物件として貸すこともできる
もし何らかの事情で店舗の経営をやめたとしても、店舗部分は人に貸すことができます。
その際、一般的に、同じ地域のアパート賃料相場に比べて、貸店舗の賃料相場は1坪あたりの単価を高く設定できるので有利です。
ある程度の年齢までは自分の店を経営し、老後は引退して店舗部分の家賃収入を得る・・・そんなライフスタイルも可能となります。
テナント(店舗)賃貸についてはこちらの記事でも解説しています。
売却したいと思った場合、普通の一戸建てと比べると、店舗付き住宅は需要者が限られるので売却に時間がかかる可能性があります。
3. 店舗付き住宅のデメリット
店舗付き住宅では、一般住宅にはないデメリットが次の3つあります。あらかじめ知っておけばリスク回避にもつながります。以下で詳しく解説します。
3-1.一般住宅より売りにくい
売却したいと思った場合、普通の一戸建てと比べると、店舗付き住宅は需要者が限られるので売却に時間がかかる可能性があります。
ただし、集客性のある立地ならば、店舗付き住宅の需要はありますので、商売に向いた立地で店舗付き住宅を建築する場合にはそれほど心配はいりません。
3-2.店を閉めると空き店舗になる
自分がお店をやめたくなった場合や、お店が大繁盛して別の場所に拡張移転することになったら、店舗部分が空いてしまいます。
空き店舗になったら、店舗付き住宅全体を売却して一般住宅に住み替えるか、住み替えないで店舗部分だけを人に貸すという選択肢になることが多いでしょう。
いずれの場合も、集客力のある立地で店舗付き住宅を建築すれば、売却も可能ですし、貸店舗として借り手を募集するのもスムーズです。
将来売ったり貸したりする可能性を考えると、一般的には店舗需要の多い立地を選んで建てるのが安心です。
3-3.建築費が一般住宅より割高
店舗付き住宅の建築費は、店舗の内装や設備にどれくらい投資するかによっても違いますが、一般住宅よりも高くなるのが一般的です。
ただし、貸店舗にする場合、オーナーは内装を施工しない「スケルトン」状態にすれば、店舗の借主が費用負担することになるので、建築費が割高になるとは限りません。
ちなみに、店舗付き住宅のローンの借り入れ審査は、普通の住宅ローンのように年収や勤続年数などの属性情報だけが考慮されるのではなく、これから始める事業の収支や土地の担保価値も考慮されます。
そのため、しっかりとした事業計画を立てて金融機関に提出する必要があるので、収支計画書の作成についても建築を依頼するハウスメーカーに相談することをおすすめします。
所有地に合った店舗付き住宅の建築費を知りたい方は「HOME4U オーナーズ」を使えば、建築費シミュレーションを含む建築プランが最大10社から無料で手に入れられます。
4.店舗付き住宅の新築にかかる建築費
例えば飲食店用の店舗を新築で建てる場合、50坪の広さであれば、建築費用は3,800〜6,000万円が相場となります。
戸建住宅の場合と違って、店舗は業種によって必要な設備や什器の種類や数もまったく異なるため、建築費用の相場には業種ごとのバラツキがあります。
例えば、アパレルショップや雑貨店などの販売系の場合、ハンガーラックやディスプレー用の棚があれば営業できるため、大がかりな設備は必要なく、その分、工事費も安くあがります。
しかし、美容院や飲食店の場合は設備工事に費用がかかるため、工事費が高くなりがちです。
また、同じ飲食店でもカフェと本格的なレストランでは必要な設備は異なります。
さらに、同じ業種でも内装や造作にどこまでこだわるかによって100万円単位で費用に差が出ます。
まずは建物全体の予算を決め、ある程度の要望を伝えた上で、その予算額に応じた店舗付き住宅をハウスメーカー側から提案してもらうとよいでしょう。
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5.店舗付き住宅を新築する流れ
店舗付き住宅の新築は、計画から引き渡しまで、基本的には、戸建て住宅の新築と同じようなスケジュールで進みます。
ここからは、具体的な流れを見ていきましょう。
5-1.計画
まずは、プランの提案を依頼するハウスメーカーをピックアップします。この時点で1社に絞る必要はありません。
(1)現地調査・ヒアリング
ハウスメーカーの担当者が敷地の状況を確認するとともに、オーナーの資金や要望、事業のコンセプトについてヒアリングを行います。
(2)プランニング
ヒアリングした内容に従い、ハウスメーカーでプランを作成します。
(3)プレゼンテーション
プランの提案と概算金額の提示が行われます。プラン図のほか、パースやスケッチ、模型など、各社さまざまな手法でプレゼンテーションが行われます。
(4)依頼先の決定
各社のプラン内容と概算金額を比較検討し、店舗付き住宅の新築工事を依頼するハウスメーカーを決定します。
5-2.設計
新築工事の依頼先を1社に絞ったところで、詳細設計に入ります。
飲食店など営業許可を要する業種の場合、定められた施設基準を満たす必要があるため、このタイミングで保健所への事前相談を行います。
(1)詳細打ち合わせ
提案されたプランをもとに、使用する内外装仕上げ材や設備機器など細かく仕様を決めていきます。
(2)実施設計
建物のコンセプトを決める基本設計に対し、工事に必要な図面を作成することを実施設計といいます。詳細打ち合わせで決定した内容も、すべて盛り込まれます。
(3)工事請負契約
完成した設計図の内容と、それに基づく費用の金額に双方合意をしたところで、工事請負契約を締結します。
5-3.着工(竣工まで6ヶ月前後)
地縄を張り、地鎮祭を行ってから着工となります。
古家が建っている場合は、地鎮祭の前に解体工事を行います。
近隣への挨拶は、昨今ではハウスメーカーの担当者が単独で行うことも増えています。
しかし、店舗付き住宅の場合、先々のことも考えてオーナーもできるだけ顔を出すようにしたほうが無難でしょう。
(1)地盤調査
基礎工事の前に地盤調査を実施し、調査結果に応じて地盤改良工事を行います。
(2)建築本体工事
基礎工事からスタートし、躯体(骨組み)部分が完成したら外装工事、内装工事の順に進みます。
(3)設備工事
電気の配線工事や給排水衛生設備・空調設備の配管工事、設備機器の設置工事などを行います。
(4)什器の搬入
設備工事が終わり、内装が完成したら、店舗内へ什器を搬入します。
(5)外構工事
庭やエクステリア、アプローチを仕上げていきます。
(6)竣工
完了検査、施主検査をへて、引き渡しとなります。
オーナーは竣工引き渡しに向けて、営業許可の申請や宣伝広告など開業の準備を進めます。
3.店舗付き住宅の新築にかかる費用
例えば飲食店用の店舗を新築で建てる場合、50坪の広さであれば、建築費用は2,200〜2,300万円が相場となります。
戸建住宅の場合と違って、店舗は業種によって必要な設備や什器の種類や数もまったく異なるため、建築費用の相場には業種ごとのバラツキがあります。
例えば、アパレルショップや雑貨店などの販売系の場合、ハンガーラックやディスプレー用の棚があれば営業できるため、大がかりな設備は必要なく、その分、工事費も安くあがります。
しかし、美容院や飲食店の場合は設備工事に費用がかかるため、工事費が高くなりがちです。
また、同じ飲食店でもカフェと本格的なレストランでは必要な設備は異なります。
さらに、同じ業種でも内装や造作にどこまでこだわるかによって100万円単位で費用に差が出ます。
まずは建物全体の予算を決め、ある程度の要望を伝えた上で、その予算額に応じた店舗付き住宅をハウスメーカー側から提案してもらうとよいでしょう。
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6.店舗付き住宅を新築する際の注意点
店舗付き住宅の場合、計画する上で考えなければならないこと、押さえておくべきポイントが戸建て住宅とは少々異なります。
ここからは、店舗付き住宅の新築で成功するためのポイントを7つ紹介します。
6-1.店舗の作り込みを最優先に考える
自宅兼店舗では、店舗の作り込みを最優先に考えることが重要です。
自宅も大事ですが、店舗はお金を稼ぐ大切な部分なので、良い店舗を作ることを中心に設計を作り上げていく必要があります。
店舗は下のイメージ図のような無柱空間とすることが理想的です。
その他にも以下の3点は意識したいところです。
- 広い間口
- 内部が見える大きな窓サッシ
- 高い天井高
自宅兼店舗は、店舗の視認性を高めるため、店舗部分の間口をできるだけ広くすることが重要です。
間口を広く取り、広めの入口にして顧客を入店しやすくします。
また、道路に面する窓は、天井から床までの大きな窓サッシとし、店舗の中が良く見えるようにします。
本来なら、コンビニのような全面ガラス張りが理想です。
「何の店舗か、よくわからない」という作りは避けるべきなので、少し離れたところからでも業種業態が把握でき、パッと見て営業中か否かも分かるような作りとすることがポイントとなります。
さらに、店舗部分は天井高を高くすると店舗内を広く感じさせることができます。
6-2.自宅と店舗の動線を完全に分ける
自宅兼店舗では、自宅と店舗の動線を完全に分けることが基本です。
店舗は不特定多数の人が入りますので、自宅と繋がっていることは、セキュリティ上、好ましくありません。
近年は店舗内の360°ビューイングの写真をホームページで紹介するケースも増えてきました。
自宅と店舗が内部で繋がっていると、360°ビューイングによって店内の紹介もしにくいです。
また、完全に動線を分けておけば、万が一、将来店舗部分を他人に貸すことになっても貸しやすいという点もメリットです。
住宅の入口は店舗とは別に設け、できれば目立たない裏側に配置するのが営業上は望ましいといえます。
店舗と自宅の入口を分けた場合、自宅の入口の近くに店舗の勝手口を作っておくと便利です。
さらに、両方の入口の上に庇を設けておくと、雨の日でも濡れずに自宅と店舗を行き来できるようになります。
ただし、第一種低層住居専用地域と呼ばれる区域内で自宅兼店舗を建てる場合は、自宅と店舗部分が内部で繋がっていることが要件とされることがあります。
第一種低層住居専用地域とは、低層住宅にかかる良好な住居の環境を保護するための地域であり、原則として店舗を建てることができません。
第一種低層住居専用地域内で自宅兼店舗を建てる場合、以下の要件を満たすことが必要です。
店舗の床面積は、50平米以下で、かつ、建築物の延べ面積の1/2未満であること
第一種低層住居専用地域では、その他にも厳しい要件が課せられていますので、設計者と良く打合せをしながら、図面を検討するようにしましょう。
用途地域に関する記事も併せてご覧ください。
6-3.来客用の駐車場も検討する
自宅兼店舗で検討したいのは、やはり来客用の駐車場です。
店舗経営を始めると、「駐車場はありますか?」という問い合わせの電話が来るようになりますので、できれば設置することをおススメします。
敷地が狭いと「駐車場までは無理」ということもありますが、余裕があれば敷地内に1台はあった方が良いです。
ただし、駐車場が設置できない場合には、近くのコインパーキングと提携する方法もあります。
利用できる駐車場を指定して、買い物客にはコインパーキングの無料券を配れるようにしておくと、駐車場問題を解決することができます。
また、物販等を行う場合には荷捌き駐車場もあった方が良いので、荷捌きも忘れずに検討しておきましょう。
6-4.集客できる立地かリサーチする
住宅用地と店舗用地では、適した立地が異なります。
例えば、店舗として認知されやすい市街地やロードサイドは店舗経営には適していますが、地価が高く騒音もあるため、住宅用地としては好ましくありません。
また、郊外の住宅地に店舗を建てると人目につきにくく、業種によって差はあるものの、集客が難しいと考えるのが一般的でしょう。
ポスティングやSNSで宣伝する分にはさほど費用はかかりませんが、看板を設置したり、広告を出したりするのであれば、広告宣伝費として毎月どれだけの予算を見込めるのか、しっかりとした事業計画を立てておくようにしてください。
集客力の高い店舗経営についてはこちらで解説しています。
6-5.用途地域を調べておく
住宅用地として使われていた土地の場合、用途地域によっては店舗付き住宅を建てることができないケースがあります。
例えば、第二種低層住居専用地域の場合、店舗の床面積が150平米以下で、かつ2階以下、業種についても「日用品販売店舗、喫茶店、理髪店、建具屋等のサービス業用店舗のみ」という制限が課されます。
第一種低層住居専用地域になると、原則として店舗を建築することができません。ただし、「兼用住宅」であれば、非住宅部分の床面積が50平米以下かつ建物全体の面積の2分の1未満であることを条件に、建築できる場合があります。
この場合、「兼用住宅」の定義として、住居部分と店舗部分が建物内で行き来できるなど、構造的・機能的に一体となっている必要があります。最終的には特定行政庁の判断になるため、必要に応じて協議を行いながら、計画を進めてください。
用途地域の調べ方についてはこちらもご覧ください。
6-6.住宅ローンの適用範囲か確認する
店舗付き住宅の場合、住宅ローンを使えなかったり、住宅部分のみ住宅ローンの融資が可能だったりと、金融機関ごとに判断が異なります。
もし、店舗部分だけ住宅ローンが使えないとなると、金利が高くなる分、資金計画にも影響するでしょう。
しかし、中には店舗部分も含めて一括で住宅ローンを借り入れできる金融機関もあるため、事前に調べて相談してみてください。
その際、店舗部分の面積が建物全体の半分以下であること、住居部分と店舗部分が一体となった「兼用住宅」であることなど、いくつかの条件を提示されるはずです。
その条件に従ってプランニングする必要があるため、住宅ローンに関してはできるだけ早めの相談をおすすめします。
6-7.将来的な売却も想定しておく
店舗付き住宅は一般的な戸建て住宅に比べると需要が少なく、流動性が低いため、転居などにより建物を手放す必要が生じた際、なかなか売却できないというリスクがあります。
店舗部分を居住用としてリフォームしてから売却するという方法もありますが、店舗から住居へのリフォームは資産価値の向上に直結しないため、費用をかけたからといって高く売れるわけではありません。
焦らず時間をかけて買い手がつくのを待つか、もしくは住居部分と店舗部分を分けて賃貸することも検討してみるとよいでしょう。
その際、住居と店舗が建物内部で一体化している部分や共有部分に関しては、それぞれ独立させるためのリフォームが必要です。
出口戦略についてはこちらの記事でも解説しています。
7. 店舗付き住宅の新築を相談できるハウスメーカーを選ぶには
6章で説明した、店舗付き住宅新築で確認しておきたいポイントを押さえた上で、計画をスムーズに進めるために欠かせない「信頼できるハウスメーカー選び」のポイントについて解説します。
7-1.店舗付き住宅の建築実績が豊富か
敷地に対する建物の配置、住居部分と店舗部分の関係性、用途地域による建築制限、住宅ローンに関することなど、店舗付き住宅の計画には戸建て住宅以上に複雑な要素がいくつも絡み合っています。
1つ間違えただけでも、「住宅ローンの審査に通らない」「最初から計画をやり直さなければならない」という事態になりうるばかりか、プランの内容が未熟だと、「開店しても落ち着いて営業ができない」「収益性が上がらない」という状態に陥ってしまう可能性も考えられます。
そのようなことにならないよう計画を進めるためには、店舗付き住宅の新築経験が豊富な建築会社やハウスメーカーに依頼することがもっとも確実です。
すでに土地がある場合はもちろんですが、これから土地を買うというタイミングでも、できるだけ早い段階で店舗付き住宅の建築実績豊富なハウスメーカーから「敷地の調査」「法規制の確認」、「住宅ローンの相談」や、「希望の建築条件にもとづいたプランニング」をもらい、すべての工程で一緒に計画を進めていくことをおすすめします。
店舗付き住宅の実績豊富なハウスメーカーのプランについては「HOME4U オーナーズ」を使って、最大10社の建築プランを一括請求することができますのでご活用ください。
7-2.ハウスメーカーの規模
大手ハウスメーカーの建てる建造物はもともと施工の質が高いので、劣化しにくく、修繕費も最小限で済みます。
また、手厚いアフターサービスが付いていますので、長年に渡り建物のコンディションを維持することができます。
大手ハウスメーカーで物件を建てた方の声を聞くと、決まって「アフターサービスが良い」という答えが返ってきます。
中小のハウスメーカーも「大手にはできない細やかなサービスを提供できる」というイメージを消費者に持たせようとアピールしていますが、少なくとも「大切な資産を形成する」ことを第一に考えればでは、やはり大手ハウスメーカーに建ててもらうのが安心です。
7-3.評判・口コミ
ハウスメーカーの評判や口コミについては、インターネットを活用することによって業者の立場から独立した中立な意見を拾うことができます。
特に近年では、通常のGoogle検索の他に、SNS上で情報を探すことによって「生のユーザーの声」を見つけやすくなっているので、ぜひご活用ください。
7-4.問い合わせへの対応
問い合わせへの応対が手厚い会社であれば、実際に契約を結んだ後のフォローの質にも期待できるでしょう。
気になるハウスメーカーがあれば、事前にメールで相談してみて、担当者がどれぐらい丁寧に応対してくれるかを確かめるのも一手です。
ハウスメーカーは複数社を比較検討することをおすすめします。店舗付き住宅建築は、プライバシー確保など設計が難しくなることも多いため、さまざまなプランを比較検討すると最適解を最短でみつけることができるでしょう。
複数社のプラン請求には「「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」の利用がおすすめです。運営会社は、情報サービス事業では業界最大手であるNTTデータのグループ会社「NTTデータ スマートソーシング」です。
大手が運営しているサイトということもあり、活用の種類別にプロである一流企業と提携しており、ご自身の土地に合った最適な提案を期待できます。
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