先祖代々からの建物のない土地を兄弟で引き継ぐ場合、分割という悩ましい問題が発生しがちです。分け方次第では、兄弟間の争いが勃発し、逆に昔の家督相続時代よりも不幸せな結果となってしまうこともあります。
分割相続で揉める原因は、主に土地などの不動産です。
土地の分け方を攻略しない限り、幸せな分割方法は望めません。
そこでこの記事では、相続財産の中で特に「土地」に注目して兄弟間での分け方について解説します。
分割方法は以下の5つを紹介しています。
- 現物分割
- 活用分割
- 換価分割
- 代償分割
- 共有分割
土地・不動産を相続するときに発生しがちな問題とは?
土地・不動産を相続するときはさまざまな問題が発生しがちです。
- 兄弟間で平等に分けられない
- 使っていない更地の相続税評価額が高い
- 相続税の負担が大きい
それぞれの問題点について「土地・不動産を相続するときに発生しがちな3つの問題」で解説しています。
兄弟で土地・不動産を上手に分割相続するための方法は?
土地・不動産を分割相続するには以下のような手法があります。
- 現物分割
- 活用分割
- 換価分割
- 代償分割
- 共有分割
主な分割方法には5つありますが、それぞれにメリット・デメリットもあります。
詳しくは「兄弟で土地・不動産を分割する5つの方法」でご確認ください。
土地・不動産を分割する際のポイントは?
兄弟で土地を分割相続する際に覚えておきたいポイントは以下のとおりです。
- 完全な平等は無理であることを共通認識とする
- 兄弟で経済状況が異なる場合がある
- 資産価値以外の分け方を検討する
- 適任者に分ける
- 放置は必ず避ける
詳細は「兄弟で土地を分割する際の5つのポイント」をご一読ください。
目次
1.土地・不動産を相続するときに発生しがちな3つの問題
相続財産としての土地は扱いにくい部分があるのが実情です。
それら4つの特徴に基づき、どのような問題が発生しやすいかを紹介します。
1-1.兄弟間で平等に分けられない!
相続財産の中に土地のような不動産が含まれている場合、兄弟間で平等に分けにくいという特徴があります。
相続財産が、1,000万円の現金と4,000万円の土地で構成されている場合、兄に4,000万円の土地、弟に1,000万円の現金といった分け方をすると、もらえる財産に不平等が生まれます。
相続では、分割の問題で兄弟が争うことが多いですが、それは平等に分けにくい不動産が原因です。
敷地が30坪程度の広さであれば3人で分けてしまうと10坪程度になってしまい、活用がしにくく価値が下がります。
また、土地を分割した場合、道路に面した部分のほうが価値は高く、同じ面積では不公平感が生まれることもあるでしょう。
実は、相続では兄弟で平等に分割すべきと考えること自体、自分たちを苦しめる原因となります。
平等を追求すること自体が争う方向に向かいかねないので、まずは兄弟全員が不平等になることが自然と理解することが重要です。
1-2.使っていない更地の相続税評価額が高い!
土地は、更地の状態だとお金を生まないのに相続税評価額だけが高いです。
土地の評価額はアパートのように収益物件として活用されていると、貸家建付地評価減という減額評価が適用され、評価額が低くなります。
おまけにアパートは相続すれば家賃収入も入ってきます。
一方で、更地のままの状態だと、特に減額評価が適用されず、高い相続税路線価のままです。しかも、更地の状態では収益を生んでいません。
そのため、同じ3,000万円の資産を引き継ぐとしても、3,000万円のアパートと3,000万円の土地では、引き継いだ後の収益力が異なることになります。
土地の相続税評価額の割り出し方を確認したい方はこちら。
1-3.相続税の負担が大きい!
相続税は基礎控除が設定されており、総資産額が基礎控除額を超えなければ相続税の負担はありません。
相続税の納税義務のある方たちの中でも、土地を相続する方は相続税の負担が大きいという特徴があります。
相続税は現金納付が原則ですので、土地だけ譲り受けた方が土地を守ろうとすると、相続人の自らの貯金で相続税を払う必要が生じます。
例えば、5,000万円の土地をもらって、自分の貯金から300万円の納税をしなければならない方と、5,000万円の現金をもらって、その現金の中から300万円を納税できる方では、身を切る負担が異なります。
分割においては、納税の負担も考慮する必要があるのです。
相続税の仕組みについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
2.兄弟で土地・不動産を分割する5つの方法
この章では兄弟で土地を分割する5つの分け方を解説します。
状況によって選ぶべき分割方法は異なります。どの方法がもっとも問題が少なく済むかの視点で確認してみてください。
2-1.現物分割
現物分割とは、遺産をそのままの形で分割する方法です。
現金は兄、土地は弟のように、そのままの形で分けます。
現物分割は不動産が単独所有になるというメリットがありますが、不平等を生みやすいというデメリットがあります。
ただ、将来的な二次相続や三次相続を考えると、現物分割が最も望ましい分割方法です。
また、土地を分筆して分ける方法も、現物分割です。
分筆とは、土地を切ることを指します。分筆の仕方については、なるべく土地の価値を落とさないように切ることが重要です。
2-2.活用分割
活用分割という言葉は存在しませんが、この記事の中では便宜上、活用して分割する方法を「活用分割」と呼ぶこととします。
土地は、活用した後の区分所有物件で分ければ、平等性や収益性を高めた状態で分割することが可能です。
また、分筆することで価値が落ちるリスクも防ぐことができます。
ただし、二次相続、三次相続で区分所有者が増えて行けば、いずれ分譲マンションのように所有者が増えていきます。区分所有者が増えてしまうと、マンションのように建て替えが困難になってしまうでしょう。
活用分割は、問題を複雑な形にして先送りしているという点が、デメリットです。
2-3.換価分割
換価分割とは、土地を売却して、売却で得た現金を分割する方法です。
土地を現金に換えることで、平等に分けることができるようになります。納税までに売却してしまえば、納税資金も確保することができます。
特段、守る必要のない土地であれば、換価分割はおススメです。
更地は、売りやすい不動産なので、売却するのであれば更地のまま売ってしまうのがよいでしょう。
もし土地の売却をお考えの場合、土地売却の実績豊富な複数の不動産会社に、一括で土地の見積もり(査定)を依頼できる「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」がおすすめです。
2-4.代償分割
代償分割とは、一部の相続人が財産を多く相続したことで、不公平が生じた場合、その相続人が他の相続人にお金(代償金)を支払うことで調整する分割方法です。
例えば兄が家業を継いでおり、どうしてもその土地が家業に必要なケースなどで利用されることがあります。
土地を単独所有にして守ることができるというメリットがありますが、代償金を支払う方に経済的な負担がかかるというデメリットがあります。
2-5.共有分割
共有分割とは、不動産を共有持分割合で分ける方法です。
つまり、何もしないということですが、共有分割は一番良くありません。
共有分割をしてしまうと、将来、二次相続、三次相続で所有者が雪だるま式に増え、多人数の共有物件となってしまいます。共有物件は、売却には全員の同意が必要で、1人でも反対者がいると売却できません。
また、多人数の共有物件になると、売却しにくくなりますので、実質的な資産価値を落とすことになります。
2-6.土地・不動産分割方法のメリット・デメリット一覧表
5通りある分割相続の方法にはそれぞれメリットとデメリットが存在します。
どれが唯一の正解ということもありません。ここではメリットとデメリットを比較しやすいようまとめました。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
現物分割 | 不動産が残る | 均等に分割しづらい |
活用分割 | 不動産が残る 収益性がある |
将来的に相続人同士が、 管理や売却でもめる可能性あり |
代償分割 | 不動産が残る 分割しやすい |
代表が多額の代償金の用意をする |
換価分割 | 固定資産税や管理が不要になる | 不動産が残らない すぐ売れるかはわからない |
共有する | 不動産が残る | 相続人同士が、 管理や売却でもめる可能性あり |
3.兄弟で土地を相続するときの分割事例
この章では実際に兄弟で土地の分割相続をするケースを、例を用いて見てみます。
比較的事例として見られる「代償分割」「活用分割」「現物分割」3つの方法です。
3-1.【代償分割】事業所兼自宅を長男にのみ受け継がせる
実家が事業を営んでおり、子のうちの1人が受け継いでいる場合などによく用いられる方法が代償分割です。
代償分割では、1人が受け継ぐ資産の価値をきちんと評価してもらうことがポイントとなります。相続開始後に慌てないよう、代償金の準備をしておくことも大切です。
両親は他界しており、3人の子で長男が親と住んでいた賃貸併用住宅の相続を行う場合です。
賃貸併用住宅の資産価値が9,000万円あり、その他の相続財産がない場合は3,000万円ずつを分割相続します。しかし、賃貸併用住宅は長男が使い続ける必要があり、他の2人は受け継ぐことができません。
こうした場合は事業所兼自宅を受け継ぐ長男が、代償金として6,000万円を用意します。それを2人に3,000万円ずつ渡すかたちです。
3-2.【活用分割】分けやすい戸建て賃貸を建てて分ける
活用分割は、土地活用することで現物分割を可能にする方法でもあります。
土地にマンションなどを1棟建てて分割相続する方法もありますが、おススメは戸建て賃貸を数棟建てる方法です。
150坪の土地があり相続人が3人いる場合、3人で分割すると約50坪ずつとなるためそれぞれ分割相続する土地に戸建て賃貸を建てられます。
ただし、この方法は土地がある程度まとまっている、相続人の数が少人数といったケースで有効な方法です。相続のある土地に建築可能であるかどうかをハウスメーカーに相談してみてもよいでしょう。
3-3.【現物分割】不動産の買い替えで現物を分ける
土地は活用することができれば、収益性のある資産として相続人に残せる一方、分割がしづらいデメリットがあります。
収益性のある資産を均等に残す方法として考えられるのが、土地を売却して区分マンションなどを購入し、均等に分けやすい資産に変えることです。
3人の相続人がいる場合、一つの土地を9,000万円で売って3,000万円の区分マンションを3室購入するケースなどが考えられます。
4.兄弟で土地を分割する際の5つのポイント
この章では兄弟で土地を分割する際のポイントについて解説します。
主な内容としては、
- 完全な平等は無理であることを共通認識とする
- 兄弟で経済状況が異なる場合がある
- 資産価値以外の分け方を検討する
- 適任者に分ける
- 放置は必ず避ける
の5点です。
4-1.完全な平等は無理であることを共通認識とする
最初に兄弟間でしっかり共有認識すべきことがあります。
それは、相続財産に土地のような不動産が含まれるケースでは、兄弟間で完全な平等を実現することは無理であるという点です。
相続で揉める原因の一つに、「不平等」がありますが、不動産がある以上、そもそも不平等な分割となるため、不平等に関していちいち目くじらを立ててはいけません。
平等に分けられるのは、相続財産が全て現金のときのみだけです。
平等に分けようとするのではなく、不平等ありきの中で納得できる妥協案を探すのが現実的です。
4-2.兄弟で経済状況が異なる場合がある
土地はそのままではお金を生まず、納税の負担も大きいため、もらってもうれしくない兄弟もいます。
そのため、相続した土地を手放したくない場合には、兄弟で経済状況が異なることを考慮しなければなりません。
兄弟間で経済格差がある場合、基本的には経済的余力のある方が土地を引き継ぎます。
引き継ぐ方に固定資産税などの納税の余力がないと、せっかく引き継いだ土地も納税のために売却せざるを得ないからです。
現物分割で土地と現金などがきれいに分割できない場合には、土地を相続する方が代償金を用意します。
4-3.資産価値以外の分け方を検討する
相続の分割では資産価値に注目して平等性を確保しようとすることが多いですが、平等性は必ずしも資産価値だけが指標ではありません。
資産額が不平等でも、収益額や納税負担額を平等に分ける方法もあります。
例えば、評価額は高くても収益性が低い駐車場のA物件と、評価額は低くても収益性が高いアパートのB物件があるとします。この場合、評価額が低くてもB物件をもらったほうがうれしいと感じる方は多いでしょう。
また、評価額が5,000万円の土地だけを相続する場合と、5,000万円の現金を相続する場合があります。土地だけを相続した方は、自己資産から相続税を納めなければなりませんが、現金を相続した方は相続した現金の中から相続税を納めればよくなります。
同じ相続税額を納める場合でも、土地と現金では負担が異なるわけです。
このように資産額だけに注目して平等に分けても、収益性や納税額の負担感が不平等となっていることがよくあります。
資産額で平等に分けることが難しい場合には、収益性や納税額の負担を平等にすることで、納得できる分け方をするのがよいでしょう。
4-4.適任者に分ける
現金は誰がもらっても同じですが、土地は適任者に相続させるほうが生かせます。
兄弟の中に、不動産関係の仕事をしてきた方がいる場合があります。
不動産の知識が何もない方が譲り受けるよりは、知識がある方が譲り受けた方が、土地を活用しやすいです。
さらに、近くに住んでいる場合と遠くに住んでいる場合でも異なります。土地の近くに住んでいる方が、除草も自分ででき、またゴミの不法投棄なども発見しやすいです。
兄弟の中には土地を譲り受けるべき適任者がいるはずですので、平等性だけを考慮するのではなく、適任者に託すという考えも重要となります。
4-5.放置は必ず避ける
土地の相続で、最もやってはいけないことが、分割せずそのまま放置してしまうということです。
放置が続くと、二次相続、三次相続で共有者が雪だるま式に増え、所有者不明土地を作る原因となります。所有者不明土地とは、相続で未登記のまま所有者が分からなくなってしまっている土地で、国内では九州以上の面積の土地があるとされており、社会問題となっています。
この問題によって、2024年からは相続登記に期限が設けられるようになりました。期限は相続開始から3年以内です。
また、放置した土地に家屋がある場合、適用となっていた固定資産税の減税措置が取り上げられ税負担が重くなることもあります。
相続した土地は、そのままにしていても固定資産税などの税負担が続きます。活用する、売却するなどの措置を早い段階で検討するのがよいでしょう。
5.【現物分割】土地を分筆する際の4つの注意点
一番理想的な分割方法である現物分割として、土地を分筆して分ける場合もあるでしょう。
この章では土地を分筆して分ける場合の注意点を解説します。
5-1.接道義務を確保する
土地を分筆する際は、接道義務を確保することが重要です。
土地は建築基準法によって、幅員が4m以上の道路に間口が2m以上接していないと建物が建てられないことになっています。
上図左のように土地を分筆してしまうと、Aの土地は建物を建てることができない土地となってしまいます。
背後地でも建物を建てられるようにするには、上手右のように「旗竿地」と呼ばれる形で接道義務を確保することが必要です。
5-2.規制のまたがりを意識する
土地を分筆する際は、規制のまたがりを意識する必要があります。
広い土地では、一つの敷地の中に、複数の土地規制がまたがっているようなケースがあります。
面積を平等に分けたとしても、規制の内容が異なれば価値が異なります。
例えば、上図のようなケースでは、同じ土地の中で異なる容積率の指定がまたがっています。
容積率とは、延べ面積を敷地面積で割った値のことです。
容積率は大きいほうが高い建物が建てられるため、土地の価値が高くなります。上図の例では右側の容積率が400%の土地のほうが価値は高いです。価値を平等に分けるには、容積率が400%の土地をもらう方は、面積を小さくするように調整します。
規制がまたがっている場合には、面積ではなく、価値を平等に分けることがポイントです。
5-3.間口を狭くし過ぎないようにする
土地を分筆する際は、間口を狭くし過ぎないようにすることがポイントです。
間口の狭い土地は使いにくくなるため、元々間口が狭い土地は、分筆の仕方を十分に検討する必要があります。
例えば、上図左のEとFのような土地を作ってしまうと、間口狭小の土地となり、2つとも使いにくい土地となってしまいます。
上図右のGとHのような土地であれば、Gは若干使いにくくなるものの、EとFよりは使いやすさが維持できます。
元々の間口が狭い土地であれば、GとHのような切り方の方が望ましいでしょう。
5-4.形状と価値を意識する
分割では形状と価値を意識する必要があります。
相続の分筆の仕方では、実際のところ、下図のような旗竿地を作って分筆するケースが多いです。
上図のIとJは、単位面積当たりの価値は平等ではありません。
Iの土地は旗竿地であるため、旗状の部分は価値が落ちます。
そのため、仮に兄弟2人で分けるには、旗竿地をもらう人のほうが、面積は広くすべきです。
形状が悪い土地はその分価値が落ちるため、平等に分ける際は価値と面積のバランスを取りながら分けるようにします。
6.【活用分割】活用して区分で分ける際の5つの注意点
相続した土地を活用分割する際は土地活用が絡むため、不動産経営にかかわる部分と分割相続への部分の2方面への注意が必要になってきます。
ここでは5つの注意点を紹介します。
6-1.全員で納得のいくプランを選ぶ
土地活用をする上で、広い土地は希少性があるため、様々な活用の可能性を秘めています。
活用分割を選択すれば、広い土地のポテンシャルを生かすことができるため、下手に分筆して価値を落とすよりも、高い収益性を生む可能性があります。
活用分割では、まずどのような土地活用を行うのかを決めることがスタートです。
分割するまでは共有物なので、どのような建物を建てるかについては共有者全員に同意が必要となります。
共有者同士で土地活用を決めていく場合は、まずは複数の土地活用提案を横並びにして選ぶ作業を行うと、納得感が得やすいです。
賃貸マンションができるのか、それともオフィスビルができるのか、複数の会社から提案を受け、どのような土地活用があり得るのか選択肢を知ることから始めます。
数ある土地活用方法はこちらの記事で紹介しています。
6-2.竣工後は区分所有とする
活用分割では、竣工後に区分所有として分けることを目標とします。
竣工後も共有のままだと共有分割と変わらなくなるため、区分にすることで多人数の共有物件になることを回避するためです。
区分にすれば分割しやすくなり、また将来的にそれぞれの区分を自由に売却しやすくなるため、実質的な資産価値が維持できます。
区分で分けることを前提とするため、建物はコンビニの1棟貸のような土地活用はなじみません。ワンルームマンションのような細かく区分できるような土地活用が理想です。
6-3.面積比ではなく価値の比率で分ける
区分で分ける場合、面積比で分けるのではなく、価値比で分けることがポイントです。
例えば、ワンルームマンションの場合、階数が高いほど家賃が高くなる傾向があります。
1~5階を弟、6~10階を兄のような分け方をすると、同じ面積でも上層階を保有する兄のほうが賃料収入は高くなってしまいます。
区分所有建物を平等に分ける場合は、賃料収入が同じになるように分割するのがよいでしょう。ハウスメーカーに各部屋の設定賃料を提示してもらうと、価値が平等にしやすくなります。
6-4.出資方法を決める
土地活用をするには、建築費などの投資が必要です。したがって、相続人間で出資方法を決めなければなりません。
土地を2人兄弟で50%ずつ共有している場合には、建物投資額も50%ずつ出資するのが基本です。
ただし、兄弟間で経済状況が異なるケースでは、兄は出資できても弟は出資できないようなことがあります。そのような場合は、等価交換という方式も使うことも考えられます。
建物投資額を兄が100%出資し、竣工後に弟の土地の持分を建物の一部と交換することで、最終的に兄も弟も土地と建物を所有するという方式です。
例えば、土地を兄が50、弟が50持っていたとします。そこに兄が100を投資して、竣工後に弟の土地25と兄の建物25を交換します。
最終的には土地建物所有権割合が、兄が75、弟が25となるのが等価交換事業です。
6-5.竣工まで定例会議を設ける
ハウスメーカーが決定してから竣工までは、建物オーナーとして様々なことを決定していく必要があります。
壁の色はどうするか、竣工後の管理方式はどうするか等の決定事項です。これらをスムーズに決定していくには、ハウスメーカーの設計者を含め、月に1~2回の定例会議が必要となります。
定例会議はハウスメーカーに依頼すると、開催してくれます。その際、議事録の作成も頼んでおくと、後々のトラブルを防げるでしょう。
活用分割でよく選択されるマンション経営の基礎知識はこちらの記事で解説しています。
7.【換価分割】土地を売却する際の注意点
換価分割のほとんどで土地の売却が発生します。土地の売却で注意しておきたいポイントは以下の5つです。
境界を確定する | 境界が未確定の場合には、境界を確定することが必要 |
---|---|
売却時の税金を考慮する | 土地の売却益には譲渡所得税がかかる |
最低売却価格を決めておく | 売却には相続人全員の同意が必要。同意の中には売却価格の設定も不可欠 |
窓口担当者を決めておく | 不動産会社や司法書士、買主との連絡先として窓口担当者を統一する |
費用の支払い方法を決めておく | 売却のために発生する仲介手数料などの費用をだれがどのように負担するのかを決めておく |
相続が絡む土地売却の注意点については以下の記事で詳しく解説しています。
8.土地の分割相続について相談できる土地活用会社の選ぶポイント
相続財産に土地が含まれていると、更地では分割しづらい上に収益性も低く、現金ではないため相続税の負担感が大きくなります。
分割は土地の価値を下げないよう、相続の仕方を十分に検討することが必要です。
一方で、土地は活用次第で収益を得るポテンシャルを持っています。活用分割や現物分割でも土地を活用することで、相続を成功させることも可能です。相続の絡む土地活用では、まず信頼できるハウスメーカーや土地活用会社に相談するとよいでしょう。
その際は
- 相続など税制面に明るいスタッフがいる
- 土地活用の実績が豊富
- 経営シミュレーションに現実性がある
といったポイントを考慮して相談先を選ぶようにしてください。
選択肢を知る作業を始めるのであれば、「HOME4U オーナーズ」の一括無料相談サービスが便利です。
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兄弟のうち、代表者が簡単な操作だけで土地活用の提案の依頼ができるため、代表者が提案を集める手間を大幅に削減してくれます。
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